JPS6040901Y2 - 移動農機の操行クラッチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は移動農機の進行方向を変更する操行うラッチの
改良に関するものである。

従来この種の操行うラッチは、その操作を軽くするため
に、推進車輪軸よりも上位の回転の早い伝動軸で動力を
断続するが、構造が複雑となる欠点がある。

そこで近年は簡易で安価、軽量の移動農機を作るために
推進車輪軸に操行うラッチを取付けて動力を断続するよ
うになった。

ところが、推進車輪軸には高負荷が加わるので車輪軸で
動力の断続を行なうには、クラッチの操作が重い、とい
う欠点がある。

本考案は推進車輪軸におけるクラッチ操作を軽負荷で行
なうことを目的とする。

本考案を図面の実施例について詳記する。

ミッションケース１の左右両側に軸受２，２を設は左右
一対の推進車輪軸３，３をそれぞれ挿入し、推進車輪軸
３，３の相対する内端中空部に中軸４を挿入支承し、両
側の軸受２，２及び中軸４によって推進車輪軸３，３を
支持する。

中軸４には入力用の歯面６を外周に備えた駆動歯車５を
、その中央に固着−駆動歯車５の両側面に複数個の駆動
爪７，７・・・・・・を設ける。

そして駆動爪７，７・・・・・・の外周に当る駆動歯車
５の側面を環状にくり抜き、この環状のくり抜部８にリ
ング９を推進車輪軸３方向に移動できるように嵌着する
。

そしてリング９の内周には駆動爪７をはさんで駆動爪７
の突出長さと同一径のローラー１０の中心軸をリングの
半径方向に向けて植設する。

そしてリング９は駆動爪７，７・・・・・・の突出長さ
の一定範囲をくり抜部８に沿って左右の推進車輪軸３方
向に移動する。

駆動爪７，７・・・・・・にローラー１０を介して係合
する駆動爪１１，１１・・・・・・の突出長さは、駆動
爪７．７・・・・・・の突出長さよりも短くするとよい
。

そして駆動爪１１はクラッチ１２．１２の内側側面に駆
動爪７，７・・・・・・と同一数個を設ける。

そして、クラッチ１２．１２を推進車輪軸３，３の外周
に設けた軸方向の溝に移動自在にボール１３を介在して
嵌合する。

１４はボール１３の横移動を規定するスナップリングで
ある。

クラッチ１２．１２の外周にはシュー溝１５を設け、シ
フター１６のシュー１７を接続する。

１８はクラッチ１２．１２の外周とミッションケース１
間に介在した弾機で、常時駆動爪７をはさむ２つのロー
ラー１０．１０のいずれかと受動杆１１．１１・・・・
・・とが係合するように、クラッチ１２を中央に向けて
押圧する。

このように構成した本考案は、移動農機に搭載した原動
機の動力を駆動歯車５の歯面６に伝えて駆動歯車５を回
動すると、第１図の中央より左側図の如く、駆動爪７は
ローラー１０を介して受動杆１１に係合し、クラッチ１
２を介して推進車輪軸３を回転する。

駆動歯車５と推進車輪軸３との動力を断つには第１図中
央より右側図の如く、受動杆１１と駆動爪７をはさむロ
ーラー１０との係合を断つのであるが、まず、シフター
１６を適宜の作動により推進車輪軸３の外側方向へ引く
と、弾機１８の弾力に抗して、シュー１７により、クラ
ッチ１２を第４図から第５図へ移動し、受動杆１１は駆
動爪７をはさむローラー１０を回転させながら外側へ移
動する。

この際ローラー１０もまた回転するに伴い駆動歯車５の
側面の環状のくり抜部８に推進車輪軸３方向に移動可能
に嵌着するりング９と共に受動杆１１に引かれて外側に
移動するが、ローラー１０に接して駆動する駆動爪７は
なおローラー１０を押すので、受動杆１１の突出先端は
ローラー１０をリング９と共に押し戻しつつローラー１
０から外れる。

このようにローラー１０は回転しながら駆動爪７側へ受
動杆１１の先端に押されてリング９と共に第６図示の如
く押し戻されるので受動杆１１との係合は軽負荷で外れ
る。

このように駆動爪７よりの動力を断つにはローラー１０
の回転と車輪軸３方向へのリング９の移動により軽い力
によって断つことができる。

また受動杆１１．１１・・・・・・と駆動爪７，７・・
・・・・とを接続するときには、シフター１６の引動を
弛めると、弾機１８の弾力によって、クラッチ１２は推
進車輪軸３上をボール１３によって転がりながら移動し
ようとする。

そして、受動杆１１，１１・・・・・・はローラー１０
に接しながらローラー１０の回転によって、駆動爪７の
突出長さと同一径のローラー１０上を滑りながら進入し
て第４図及び第１図の左側図の如く、駆動爪７、ローラ
ー１０、受動杆１１は一体状に軽負荷で係合する。

このように本考案によるときは、受動杆１１を駆動爪７
より分離させるときは、駆動爪７の両側をはさむローラ
ー１０は回転しつつリング９と共に受動杆１１の分離す
る方向に追随して移動するので、受動杆１１は軽負荷に
て駆動爪７より分離でき、高負荷の加わる推進車輪軸３
への動力の伝達を断つ。

しかもこの際、駆動爪７の突出長さと同一径のローラー
１０は駆動爪７より突出しても受動杆１１の先端に押さ
れて旧位置に戻り、もはや駆動爪７と共に受動杆１１と
は係合せず確実に受動杆１１より分離して推進車輪軸３
への動力の伝達を断つ。

しかして受動杆１１を駆動爪７に近付けて係合させると
きは、駆動爪７の両側をはさむローラー１０は受動杆１
１に接触して回転するので、受動杆１１は軽負荷でロー
ラーを介して駆動爪７に係合し、その動力を推進車輪軸
３に伝達する、という効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を示す断面図で、左側がクラッチの入っ
た状態を示し、右側が切れた状態を示す。 第２図は、駆動歯車とローラーとの側面図でシフターを
仮想線で示す。 第３図はクラッチの側面を示す。 第４図から第６図はクラッチの作用状態を示す。 １はミッションケース、２は軸受、３は推進車輪軸、４
は中軸、５は駆動歯車、７は駆動爪、９はリング、１０
はローラー、１１は受動杆、１２はクラッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミッションケースの左右両側に備えた軸受に左右一対の
   推進車輪軸をそれぞれ挿入すると共に、その相対する内
   端を中軸により支承し、中軸に固着した駆動歯車の左右
   両側面に複数個の駆動爪を設け、この駆動爪をはさんで
   その両側に駆動爪の突出長さと同一径のローラーをリン
   グの半径方向に向けてリングの内周に植設し、そして該
   リングを駆動歯車の左右両側面の環状のくり抜部に推進
   車輪軸方向に移動可能に嵌着し、しかして推進車輪軸に
   車輪軸方向に移動可能に嵌合するクラッチには駆動爪を
   取付け、該駆動爪をローラーを介して駆動爪に係合又は
   分離可能にさせて成る移動農機の操行うラッチ装置。