JPS588015Y2 - コンバインにおける自動刈高さ制御機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取部の対地高さを検出する検出機構の検出
結果に基づいて刈取部を駆動昇降させて一定対地高さ範
囲内に維持制御するよう構成しであるコンバインにかけ
る自動刈高さ制御機構に関する。

このように刈高さを自動制御するに、刈取部の上昇と下
降の相方に遅れ時間をもたせて作動させると、圃場面に
おける局部的な凹凸を検知せずに作動のハンチングをな
くして刈高さの均一化を計ることができるが、このよう
なものにあってもノ〜ンチングを完全に防止した刈高さ
制御には次に述べる問題があった。

つまり、上昇制御の遅れ度合は刈取部が土中に突入する
等の直接的な結果として現われるのに対し、下降は検出
が遅れてもさほど問題にならず、このような実際面での
特質の相異に基いて制御がなされていないので、ハンチ
ングを防止した刈高さ制御がいまだ完全ではなかった。

本考案は、このような実情に鑑み、刈取部のハンチング
を確実に防止した極めて優れた刈高さ制御を目的とする
ものであって、下降制御系と上昇制御系の双方に作動の
時間遅れ回路を形成すると共に、下降制御系の一次遅れ
時定数を上昇制御系の一次遅れ時定数より大に設定しで
あることを技術的特徴とし、これによって次の効果を奏
するに至った。

すなわち、上昇制御作動は小さな時間遅れの後に行ない
、ハンチング現象を防止しながらも刈取部の凸部との持
続的な接当による損傷を確実に回避できるものでありな
がら、下降制御作動は比較的大きな時間遅れをもたせて
行なうから、圃場面に局部的に大きな四部が存在しても
これに対してすぐには作動せず、且つ、時間遅れの間に
凹部がなくなると結果的に下降制御が行なわれないこと
になり、もって、局部的に存在する凹部に対する制御を
行なわないことによって、刈取部の昇降制御頻度を減少
した円滑安定な制御を行なうことが可能となった。

つ！す、本考案によると、局部的な凹部に対する不感帯
的な作用を有せしめることによって、刈高の極めて優れ
た均一化を推准出来るのである。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳述する。

例示するコンバインは、クローラ走行装置１上に脱穀装
置２を搭載してなる本機の前部に、刈取部１１を装備し
てかり、進行に伴い前記刈取部１１においては、前部引
起し装置３にて植立茎稈を引起し、刈取装置４にて株元
端を刈取った後、刈取茎稈を縦搬送装置５にて後方へ搬
送し、前記脱穀装置２のフィードチェーン６へ受渡すべ
く構成されている。

又、前記刈取部１１ば、前記本機に上下揺動自在に枢支
連結された昇降フレーム７を介して支持されるものであ
って、このフレーム７の昇降によって植立茎稈の刈取位
置を稈長方向に変更する、いわゆる刈高さ調節が行なわ
れることになり、この刈高さ調節を自動化させるべく以
下に述べる如く構成されている。

すなわち、前記昇降フレームＴと本機との間に油圧シリ
ンダ８が介在され、このシリンダ８の伸縮作動が、第２
図に示す如く、電磁式３位置切換弁９の切換により制御
されるべく構成されており、もって、シリンダ８０強制
伸長状態において、前記刈取部１１が強制的に持上げら
れ、シリンダ８の自由伸縮状態において前記刈取部１１
が自重下降させられ、更に、シリンダａの固定ロック状
態にかいて刈取部１１が所望の位置に固定保持されるべ
く構成されている。

一方、前記刈取部１１には、横軸心周りに回動自在な接
地センサー１０が装備されるとともに、刈取部１１の対
地高さが変化するに伴い揺動変位してくる接地センサー
１０に押圧接当される一対の常閉型スイッチＳ１．Ｓ２
が装備されている。

これらスイッチ５ｔｔ８２は、前記切換弁９のスプール
を位置変（させるルノイド部に接続されて釦り、刈高部
１１０対地高さが所望位置範囲より高くなった時に前記
接地センサー１０に接当されるスイッチＳｌが開成され
るに伴い、前記油圧シリンダ８の自由伸縮状態が現出さ
れ、又、刈取部１１の対地高さが所望位置範囲よシ低く
なった時に前記接地センサー１０に接当させるスイッチ
Ｓ２が開成されるに伴い、前記油圧シリンダ８０強制伸
長状態が現出され、更に、刈取部１１の対地高さが所望
位置範囲内にあると、両スイッチＳ１．Ｓ２とも開成状
態に維持され、前記シリンダ８が固定ロックされるべく
構成されている。

従って、圃場面に凹凸が存在したり、機体が泥中に沈み
込む等により、刈取部１１の対地高さが変化すると、こ
れを接地センサー１０がその揺動変位により検出し、そ
の検出値が一定以上増減すると前述の如く油圧シリンダ
８が制御されて刈取部１１が昇降され、もって、一定対
地高さ範囲内に自動的に維持される。

又、前記スイッチＳ１．Ｓ２と切換弁９０ソレノイド部
を接続する回路中には、スイッチＳｔ。

Ｓ２が開成された時に夫々のンレノイド部に通電する時
間を一定時間遅らすための遅れ回路ＡＩ。

Ａ２が介在されるとともに、下降制御系の遅れ回路Ａ１
に設定した一次遅れ時定数が、上昇制御系の遅れ回路Ａ
２に設定した一次遅れ時定数よりも大に設定されている
。

つ普り、第３図に下降制御系の信号処理形態を、第４図
に上昇制御系の信号処理形態を示して釦す、スイッチＳ
ｌ 、Ｓ２が開成されると第３図イ及び第４図イに示す
信号が発せられ、これを遅れ回路Ａｌ、Ａ２の作用にて
、第２図中に示すＸｌ ？Ｘ２の時点では第３図口及び
第４図口に示す信号とし、（に、第２図中Ｙ １ ｔＹ
２の時点では、図中Ｌｌ、Ｌ２で示す仮想線よりも高い
信号のみに基づいて取出された第３図ハ及び第４図へに
示す昇降制御信号となるように構成されている。

従って、上昇制御は、スイッチＳ２が開成されるに伴い
比較的迅速に行なわれ、下降制御は、スイッチＳ１の開
成状態が一定時間連続した時にのみ行なわれることにな
る。

尚、遅れ回路Ａ１ ｔＡ２の一次遅れ時定数を設定する
に、作業条件等によって必ずしも一定に設定するのが望
ましいものではないから、°可変式に構成して適時調節
するように構成して釦くと便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインに卦ける自動刈高さ制御
機構の実施例を示し、第１図はコンバインの側面図、第
２図は自動刈高さ制御機構の操作回路図、第３図イ２ロ
、八及び第４図イ２ロ、八は信号処理形態を示す線図で
ある。 １０・・・・・・対地高さ検出機構、１１・・・・・・
刈取部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取部１１の対地高さを検出する検出機構９の検出結果
   に基づいて刈取部１１を駆動昇降させて一定対地高さ範
   囲内に維持制御する自動刈高さ制御機構において、下降
   制御系と上昇制御系の双方に作動の時間遅れ回路を形成
   すると共に、下降制御系の一次遅れ時定数を上昇制御系
   の一次遅れ時定数より大に設定しであることを特徴とす
   るコンバインにおける自動刈高さ制御機構。