JPH0130990Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取前処理部を、そこで刈取処理さ
れた穀稈全体を投入して脱穀処理する脱穀部を搭
載の機体本体に対して駆動昇降自在に連設すると
ともに、前記刈取前処理部の下部に取付けた接地
センサーの作動に基づいて前記刈取前処理部の駆
動昇降を自動制御する機構及び、レバーの昇降操
作に基づいて前記刈取前処理部を強制的に駆動昇
降させる昇降操作機構を設けてある直流型コンバ
インの刈取前処理部昇降制御装置に関する。

上記のように穀稈全体を投入して脱穀処理する
形式の直流型コンバインにおいては、刈高さに多
少の変動があつても爾後の脱穀処理に殆んど悪影
響は生じないものであり、従つて、刈取穀稈の穂
先部分のみを脱穀処理する形式の自脱型コンバイ
ンに比べて刈高調整の精度は低いもので良く、前
記刈取前処理部を少なくとも植立穀稈の根元部を
切断できる高さに位置させることができる程度の
もので、かつ、作業時に石などの硬質突起物との
接当による破損等を防げるもので十分である。

本考案は、かかる点に鑑み、前記接地センサー
の作動に基づいて前記刈取前処理部を自動的に駆
動昇降制御する機構を、前記の要求を満足する必
要最少限の機能のものにして、全体の製作コスト
の可及的低減化が図れるようにする点に目的を有
する。

上記の目的を達成すべくなされた本考案に係る
直流型コンバインの刈取前処理部昇降制御装置の
特徴構成は、前記自動制御機構を構成するに、前
記刈取前処理部の上昇状態での前記昇降操作機構
の下降操作により駆動下降される刈取前処理部の
接地センサーが接地作動したとき、駆動下降を自
動停止し、かつ停止後は駆動上昇制御のみを許容
するように構成してある点にある。

このような特徴構成を有する本考案の作用効果
は次の通りである。

つまり、作業開始にあたつて、前記昇降操作機
構の下降操作により刈取前処理部を刈取作用位置
にまで駆動下降させる場合は、前記接地センサー
の接地作動に基づいて駆動下降を自動停止させる
ことができ、かつ、作業中に接地センサーが石な
どの硬質突起物を検出した場合にのみ、前記刈取
前処理部を、それが硬質突起物に接当して変形や
破損等を蒙らないように自動的に駆動上昇させる
ことができるのであつて、作業中に刈取前処理部
が自動的に駆動下降して刈高さを一定に保つとい
つた制御は行なわれないのである。

従つて、前記刈取前処理部の駆動昇降制御機構
として、例えば刈取高さを常に一定に保つべく、
地面の高低に応じて刈取前処理部を下降上昇とも
に自動制御させる自脱型のものに比べて、自動制
御機構が簡単で良く製作コストの上昇を極力抑制
し乍ら、穀稈を後処理に何ら問題が生じないよう
に確実に刈取ることができ、しかも、刈取前処理
部の変形、破損等は確実に防止できるのである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、植立穀稈を機体本体１後
方側へ掻込むリール６、掻込まれた穀稈を刈取る
刈刃７、刈取穀稈を受止めると共に機体本体１横
巾方向中央側に集めて機体本体１後方へ送り出す
オーガ８、刈取穀稈を穂先が先行する状態で機体
本体１後方に搬送するコンベア９を備えた刈取前
処理部２を機体本体１に対して駆動昇降自在に連
設すると共に、前記刈取前処理部２で刈取り処理
された刈取穀稈を投入して脱穀処理する脱穀部
４、脱穀処理後の穀粒を回収するタンク５を機体
本体１後部に設け、さらに、クローラ走行装置１
０、及び運転操縦部Ｓを設けて、直流型コンバイ
ンを構成してある。

前記刈取前処理部２の下部に、この刈取前処理
部２の全横幅又はほぼ全横幅に亘る長さの橇状接
地センサー３を、このセンサー３の機体本体１進
行方向前方端で、前記刈取前処理部２支持フレー
ムに枢支するとともに、後方端で前記刈取前処理
部２の駆動昇降を自動制御する機構Ａの連結ロツ
ド１１に連結し、その中間部を接地部として下方
突出状態に形成する。前記自動制御機構Ａは前記
連結ロツド１１、リンク機構１２、及び、ワイヤ
ー機構１３から構成され、前記センサー３での接
地作用を後記する昇降操作機構Ｂに伝達する。図
中１８は前記センサー３を接地面側に付勢するス
プリングである。又、２１は前記センサー３の下
限位置を規制するストツパーである。

前記昇降操作機構Ｂは、前記ワイヤー機構１３
と連動連結される揺動リンク１５、連結ロツド２
２、及びレバー１４と一体回転する板状フレーム
１７とからなり、前記揺動リンク１５の一方側に
は、前記刈取前処理部２を駆動昇降させる油圧シ
リンダ１９への油圧回路中に介装されたバルブ２
０のスプール２０ａが連動連結され、その連結部
下方には長孔１６を介して前記ワイヤー機構１３
が連動連結されている。

前記センサー３による刈取前処理部２の作動状
態を説明すると、前記レバー１４を下降位置にセ
ツトすると、前記スプール２０ａが押し込まれ、
前記刈取前処理部２が下降を開始し、その後前記
センサー３が接地面を感知した時点で、前記ワイ
ヤー機構１３が引張り方向に働き、この引張力に
よつて前記スプール２０ａを前記押し込まれた状
態から中立位置に復帰させ、前記刈取前処理部２
が下降を停止する。この時点で、前記レバー１４
は中立位置に戻つている。このような状態で刈取
作業中に、前記センサー３が突起物を感知する
と、前記ワイヤー機構１３が前記スプール２０ａ
の引張り方向に作用し、前記スプール２０ａが張
出し状態になり、前記刈取前処理部２が上昇を始
め、その上昇を感知して作業者が前記レバー１４
を再度下降側にセツトし直すことによつて、前記
刈取前処理部２を再び下降状態に切換え刈取姿勢
に復帰させる。

前記油圧回路の油圧シリンダ１９と前記バルブ
２０との間にアキユムレータを介装することによ
つて、前記刈取前処理部２が接地面の比較的小な
る凹凸に対して、細かい上下昇降を行い、十分追
随出来る構成をとつてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る直流型コンバインの刈取前
処理部昇降制御装置の実施例を示し、第１図は直
流型コンバインの側面図、第２図は要部正面図、
第３図は全体側面図、第４図は第３図の縦断正面
図である。 Ａ……自動制御機構、Ｂ……昇降操作機構、１
……機体本体、２……刈取前処理部、３……接地
センサー、４……脱穀部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取前処理部２を、そこで刈取処理された穀稈
   全体を投入して脱穀処理する脱穀部４を搭載の機
   体本体１に対して駆動昇降自在に連設するととも
   に、前記刈取前処理部２の下部に取付けた接地セ
   ンサー３の作動に基づいて前記刈取前処理部２の
   駆動昇降を自動制御する機構Ａ及び、レバー１４
   の昇降操作に基づいて前記刈取前処理部２を強制
   的に駆動昇降させる昇降操作機構Ｂを設けてある
   直流型コンバインの刈取前処理部昇降制御装置に
   おいて、前記自動制御機構Ａを構成するに、前記
   刈取前処理部２の上昇状態での前記昇降操作機構
   Ｂの下降操作により駆動下降される刈取前処理部
   ２の接地センサー３が接地作動したとき、駆動下
   降を自動停止し、かつ停止後は駆動上昇制御のみ
   を許容するように構成してある直流型コンバイン
   の刈取前処理部昇降制御装置。