JPS587755Y2 - 音響用平面振動板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、縦波伝播速度および曲げ剛性が大きくなるよ
うに改良した構造の音響用平面振動板に関するものであ
る。

一般に、音響用平面振動板は、縦波伝播速度および曲げ
剛性が大きいという特性を必要とされ、特に高性能を要
する場合に上記の特性を充分に満す構造となっている必
要がある。

従来より、単一板の音響用平面振動板では、上記の特性
を充分に満すことができないために、ハニカム構造や金
属発泡構造の音響振動板が提案されているが、従来のも
のでは、いづれも製造に手間を要し、低コストで製造し
得るものでない。

そこで、本考案は、谷部と山部とに沿ってそれぞれ形成
した平坦面を有する凹凸条部が平行に繰返してなる波形
板をその条方向がたがいに直交するように上記波形板を
積層し上記平坦面の一方でたがいに直接接合して少なく
とも二層構造とするととも、その他方の平坦面に平坦な
表面板を接合したことを特徴とする音響用平面振動板と
することによって、振動板の軽量化および強度の増加を
図り、上記の特性を充分に満すような振動板を低コスト
で提供しようとするものである。

以下、本考案について図面に従い詳細に説明する。

本考案を適用できる下面スピーカに用いる音響用平面振
動板の一例についての外観斜視図を第１図に示す。

第１図において、１は凹凸条部が繰返してなる第１の波
形板２の一側面に第１の表面板３を接合してなる第１の
要部、４は凹凸条部が繰返してなる第２の波形板５の一
側面に第２の表面板６を貼着してなる第２の要部であり
、上記の各要部１，４は、各々、各波形板２，５の一側
面に各表面板３，６を接合することによって、各筒状部
７．８が一連に形成されている。

そして、上記の各要部１，４は、その各筒状部７，８の
各部方向（すなわち凹凸条部の条方向）が互いに交叉す
るように積層され、平面板９を介して各波形板５，６の
他側面が接合されている。

すなわち、この例においては、第１の波形板２の上面に
第１の表面板３を接合して形成した一連の筒状部７を有
する第１の要部１と、第２の波形板５の下面に第２の表
面板６を接合して形成した一連の筒状部８を有する第２
の要部４とを、各筒状部７，８の部方向が交叉するよう
に積層して、二層構造の音響用平面振動板１０を形成し
ている。

そして、このような音響用平面振動板１０は、紙やアル
ミニラム等の材料で形成される。

なお、各波形板２，５や各表面板３，６は各々異なる材
料で形成するようにしても良い。

ここで、上記各波形板２，５は、第２図Ａの斜視図およ
び第２図Ｂの断面図に示すように、断面が三角波形状の
もの、あるいは、第３図Ａの斜視図および第３図Ｂの断
面図に示すように断面が正弦波形状のものが考えられる
が、これらはいずれも凹凸条部の頂部に平坦面がないた
め第１の局部１と第２の局部４を直接積層すると各条部
の交点が点接触であるため接着強度がきわめて弱い。

又平面板９を介して接合しても線接触としかならず振動
板としては十分な強度を得ることができない。

又一般に、これら各種の断面形状を有する波形板は、曲
げ剛性の特性に方向性があり、波形板にて形成され筒状
部の筒方向については曲げ剛性が大きく、また、筒方向
に直交する方向については曲げ剛性が小さい′。

そこで本考案では第４図Ａの斜視図および第４図Ｂの断
面図に示すように例えば断面が矩形波形状のもの等、凹
凸条部による波形の谷部と山部とに沿って平坦面２０
ａ 、２０ ｂの形成された波形板２０を用いる。

すなわち、第５図に示すように矩形状の波形板２２．２
５を用いて各局部２１．２４を形成し凹凸条部のたがい
に向い合う平坦面２２ ｂ 、２５ ａを直接接合する
ことで面接触させ平面板９を用いることなく充分な接合
力を得られるので第１図に示されたものより軽量にでき
る。

ここで、第５図に示した実施例においては、各波形板２
２．２５の一側面に各表面板２３．２６を接合して形成
した各々一連の筒状部２７．２８を有する各局部１．２
が互いに筒方向を交叉するように積層された構造になっ
ており、各波形板２２．２５が互いに曲げ剛性を補強し
合うとともに、この音響用平面振動板３０が曲げられる
さいには伸張され得ない各表面板２３．２６のいづれか
を伸張させるような力が表面板に加わるので各波形板２
２．２５がねじれるように変形されるのを防止でき、全
体として曲げ剛性が充分に大きな振動板になっている。

さらに、この音響用平面振動板３０は、各波形板２２
、２５を積層した構造であるので、その厚みｔに対して
重量が極めて小さいものとなっている。

このような音響用平面振動板３０は、縦波伝播速度およ
び曲げ剛性が充分に大きいので高性能の振動板として最
適なものである。

なお、各波形板２２．２５の形状や材質を変えることに
よって、この音響用平面振動板３０の音響特性を変える
こともできる。

なお、上述の実施例においては、各局部２１．２４を接
合し二層構造にしであるが、本考案は二層以上の構造で
あれば良い。

上述の実施例の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、平坦面を有する凹凸条部が平行に繰返してなる波形
板を局部として、各局部の各条方向が直交するように積
層した構造としたことにより、各波形板を大きな接合強
度にて直接接合することができ、厚みに比較して重量が
十分に小さくしかも曲げ剛性が全面に互って均一に且つ
十分に大きな平面振動板を提供することができる。

また、本考案に係る波形板を積層した構造の平面振動板
であるから、従来のハニカム構造のものに比較して製造
が極めて容易であり、低コストの平面振動板を提供する
ことができる。

従って、所期の目的を充分に遠戚することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、平面型スピーカの音響用平面振動板の一例を
示す一部切欠外観斜視図である。 第２図Ａおよび第２図Ｂは、波形板の一例を示す斜視図
および断面図である。 第３図Ａおよび第３図Ｂは、波形板の他の例を示す斜視
図および断面図である。 第４図Ａおよび゛第４図Ｂは、本考案に適用される波形
板の一実施例を示す斜視図および断面図である。 第５図は、本考案を適用した平面型スピーカの音響用平
面振動板の一実施例を示す一部切欠外観斜視図である。 ２０ ａ 、２０ ｂ 、２２ ａ 、２２ ｂ 、２
５ ａ 、２５ ｂ ・・−・・・平坦面、２１．２４
・・・・・・局部、２２．２５・・・・・・波形板、２
３．２６・・・・・・表面板、２７．２８・・・・・・
筒状部、３０・・・・・・音響用平面振動板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 谷部および山部に沿ってそれぞれ形成された平坦面を有
   する凹凸条部が平行に繰返してなる波形板をその条方向
   がたがいに直交するように上記波形板を積層し上記平坦
   面の一方でたがいに直接接合して少なくとも二層構造と
   するとともに、その他方の平坦面に平坦な表面板を接合
   したことを特徴とする音響用平面振動板。