JPS587277Y2 - 電気乾操炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電気乾燥炉に関するものである。

亜鉛めっき後の水素是正用の高温型熱処理電気乾燥炉と
しては第１，２図に示す電気炉１が従来使用されている
。

この電気乾燥炉１は第１図に示すようにその前面の殆ん
どが開閉自在となっており、断熱材２で周囲を囲繞した
内部に炉３を、またこの炉３の両側部に一対の加熱室４
，４を形成して炉３と加熱室４，４とを側壁５，５に設
けた複数の送風穴６，６を介して連通しているとともに
前記側壁５．５の上端部に設けた通路（図示せず）を介
して連通していて、炉３の上部に配置したファン（図示
せず）を介して炉３と加熱室４，４内の空気を循環させ
るようになっている。

また加熱室４，４内には水平状のヒータ７が上下方向に
所望の間隔をあけて多段に支持部材８へ取付金具９によ
り取付けられていて、各ヒータ７は両端部へ設けた端子
に接続された配線１０を第３図に示すようにまとめて支
持部材８に沿って上方に導き、結線して電源に接続して
いる。

そして加熱室４，４の複数の横向きのヒータ７によって
加熱された熱気は側壁５，５の送風穴６，６を通って炉
３内に入り、炉３に多段に配置した棚あみ（図示せず）
上に収納された乾燥物を乾燥したのち、さらに上昇して
炉３の上方において通路を通って加熱室４，４の左右に
分割されて入り、再び加熱室４，４において加熱されて
炉２内に入ることとなって、加熱された熱気は加熱室→
炉→加熱室・・・・・・とファンを介して循環させられ
るようになっている。

しカルながら、この電気乾燥炉においては、複数の横向
きの各ヒータが高温となる加熱室内に位置しているため
、加熱室内にある各ヒータの両端部に設けた端子部、お
よびこれに接続された配線が高温と腐蝕性ガスの循環に
より次第に腐蝕し、使用の頻度が増す毎に電気絶縁が低
下し、漏電ブレーカ設置の工場の場合はブレーカが落ち
て作業が中断されて作業能率が著しく低下し、また万一
ブレー力がない工場の場合は非常に危険な状態におかれ
るなど多くの欠点があった。

この考案は上記従来のもののもつ欠点を排除し、各ヒー
タの端子部およびこれに接続される配線を加熱室外に位
置させて、安全性、耐蝕性および耐熱性に万全を機した
電気乾燥炉を提供することを目的とするものである。

この考案を第４図〜第６図に示す実施例を参照しながら
説明する。

第４図に示すように炉３とその両側部に設けた加熱室４
，４などは従来の炉とほぼ同じなので、同符号を使用し
て説明は省略することとする。

図中１２がヒータで、加熱室４，４内へ上下方向で多段
に配されており、夫々第５図に示すように中間部に照射
部１３を備え、この照射部１３の先端部には内部に断熱
材１４を介してステンレスなどよりなるキャップ１５が
被嵌されている。

また照射部１３の基端部には内部に断熱材（図示せず）
を介してステンレスなどよりなる支持管１７が取付けら
れている。

この支持管１７の基端部には相対向する位置に鉤状をな
す支持片１８．１８が設けられていて、この支持片１８
．１８はねじなどの緊締具１６を介して円盤状をなす基
板１９に着脱自在に取付けられている。

前記基板１９には一対の端子部２０ 、２０が取付けら
れていて、先端部ではなく基端部側のみで端子を処理す
るようにしている。

そしてこの端子部２０．２０に配線（図示せず）が接続
されることとなる。

またヒータ１２の照射部１３は２重の石英管の間にニク
ロム線を配置したものが使用される。

なお各ヒータ１２は例えば公知の４μ以上の吸収帯をも
つ波長の遠赤外線ヒータを使用すれば乾燥物に対して多
量の熱エネルギ交換がなされて、熱損失を最少とした設
計をもって加熱効率のよりよいものが得られる。

各ヒータ１２は、電気乾燥炉１の後壁１１に設けた嵌合
孔２２内へ先端から挿入され、先端部のキャップ１５部
分が適宜の取付金具（図示せず）を介して加熱室４，４
内に立設した支柱２１に支持されると共に、基端部の支
持管１７が嵌合孔２２への挿通により後壁１１にて支持
され、いわゆる両持状態とされることにより照射部１３
が、加熱室４，４内に臨ませられている。

各ヒータ１２の基板１９は、後壁１１の外面側部位にて
突出状態とされ、各ヒータ１２の端子部２０が夫々後壁
１１の外面側に位置することになるので、各ヒータ１２
の各端子部２０が集中的に配線処理できることになり、
夫々に効率良く配線が施されるものである。

なお上記実施例ではヒータ１２の基板１９を炉外に突出
させたものについて述べているが、これに限定するもの
ではなく、基板１９と断熱材２とを同一面とするように
してもよいことは言うまでもない。

この考案は上記のように、ヒータの端子部およびこれに
接続された配線を後壁の外面側に集中的に配置している
ので、効率良く且つ安全に配線処理することができ、従
来のもののようにヒータの端子部およびこれに接続され
た配線が高温と腐蝕性ガスの循環により次第に低下し、
使用頻度が増す毎に電気絶縁性が低下するということが
全く防止され、したがって、漏電ブレーカ設置の工場に
は、ブレーカが落ちて作業が中断されたり、また万一プ
レー力のない場合は非常に危険な状態におかれることが
全く解消され、安全性、耐蝕性および耐熱性に優れたも
のを提供することができる。

しかもその構成は著しく簡単であって、ヒータの機能が
低下した場合には、先端部と支柱との取付けを外して、
基端部よりヒータを加熱室外へ抜出すだけで取外すこと
ができ、新しいヒータをその後に挿入して支柱に係止す
れば交換が終了するという、作業が非常に簡単、容易な
ものとなり、そして故障の少ない製品を安価に供給する
ことができるなどの優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気乾燥炉の一方の扉を開いた状態を示
す斜視図、第２図は同横断平面図、第３図は同ヒータの
取付部分を示す斜視図、第４図はこの考案の電気乾燥炉
の横断平面図、第５図はヒータの平面図、第６図は同側
面図である。 図中 １・・・・・・電気乾燥炉、２・・・・・・断熱
材、３・・・・・・炉、４・・・・・・加熱室、５・・
・・・・側壁、７，１２・・・・・・ヒータ、８・・・
・・・支持部材、１３・・・・・・照射部、１７・・・
・・・支持管、１９・・・・・・支板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 全体筐体形状で前面の殆んどを開閉自在とし、左右両側
   部に設けた一対の加熱室内に水平状のヒータを上下方向
   で多段に配した電気乾燥炉に於いて、 上記各ヒータは、各先端部が加熱室に立設した支柱に係
   止保持され且つ各基端部が炉の後壁で支持され、上記各
   基端部の後壁外面側の部位にヒータ用の端子部が集合・
   配置されていることを特徴とする電気乾燥炉。