JPS587271B2 - 強制循環式噴射型湿熱庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、各種食器等の殺菌消毒保管庫又はカイコの飼
料や蒸飯等の温蔵庫として使用する強制循環式噴射型湿
熱庫に関する。

食器等の殺菌消毒には乾熱式と湿熱式があり、乾熱式は
１ ４０℃の乾燥熱風雰囲気中に１０分以上晒す必要が
あるため、耐熱性に欠けるメラミン樹脂等の合成樹脂製
食器には不向であり、加えて食器等の積上状態に対して
は内部まで行き渡らない欠点を有し、これに代って合成
樹脂製食器にも適用可能な８０゜Ｃの水蒸気を１０分程
度接触すれば食器等の積上状態に対しても奥部まで浸透
する有利な湿熱式が近年採用される傾向にあるが、今ま
での湿熱式には、庫内へのボイラー蒸気の直接吹込タイ
プと庫内底部に設けた湯槽加熱タイプとが存するも、前
者はボイラー水中に混入した清缶剤が蒸気中に溶出混入
し、食器等の消毒殺菌処理を不衛生とし、後者は庫内が
汚れ易くしかも残留水の排出取換えと湯槽の掃除は使用
の都度行わなければならない煩雑さがあり、またこれ以
外の湿熱式では食器等洗浄直後の洗浄水が食器等に付着
している状態で加熱殺菌消毒しなければならず、しかも
殺菌は不充分となりがちで処理後食器等をすぐ使用しな
いような場合には不衛生となる幣害を有している。

本発明は前記欠点と幣害に鑑み、薬品消毒によらず、常
に新しい純粋清浄な水蒸気を供給し、庫内及び収稈品を
清潔に保ち頻繁なる庫内の掃除を不要とし、しかも湿熱
殺菌消毒後は速かに収容品を熱風乾燥していつでも使用
出来るように待機保管可能とするとともに、庫内雰囲気
を予め設定した恒常状態に維持出来る強制循環式噴射型
湿熱庫を提供せんとするものである。

本発明の実施例を第１図乃至第４図につき説明する。

本発明の強制循環式噴射型湿熱庫Ａは、ヒンジ１・・・
−・・にて枢着した両開き扉２により前壁面を開被密閉
自在とし、かつ全囲壁を断熱材で内張形成した庫本体３
内を、吸気孔４ａ群を貫設した天板４と噴気孔５ａ群を
貫設した床板５とにより天井室６と庫室７と床室８とに
三区画し、第３図における右側壁３ａ側過半部の天井室
６内を、断熱仕切板９により上段力撚室６ａとこれと第
３図における左側壁３ｂ側の天井室６内で連通する下段
流気室６ｂとに分段形成する一方、上段加熱室６ａ右端
と床室８の右端とを連通ずるダクト１０を庫本体３の右
側壁３ａ内面に沿って縦設延存するとともに、庫室７と
庫外とを通気自在に連通ずる排気筒１１を右側壁３ａ寄
りの天板４、下段流気室６ｂ、上段加熱室６ａおよび天
壁３ｃを貫通して設け、他方左側壁３ｂ寄りの天壁３Ｃ
に陥設した凹部３ ｃ／にはファン１２が内装されてい
る。

また上水道等水頭圧を有する外部の図示しない給水源と
給水接続口１３により連結し、手動弁１４と電磁弁１５
を介設装備した給水管１６を上段加熱室６ａ内に導入し
、第４図に示すよう上段加熱室６ａ内に、両端を絶縁碍
子１７，１８で支架された電気ヒーター１９の外周を螺
旋状に囲繞して併設する熱交換器２０の一端に給水管１
６の内端を結合するとともに、熱交換器２０の他端に噴
射管２１の一端を結合しかっ他端を左側壁３ｂ寄りの天
井室６領域内で横倒しＵ字形に下側に折返して下段流気
室６ｂ右奥内に前記天板４全長に沿いつ又侵入延架し、
天板４に貫設した噴気孔４ａ群の一部に臨む噴射管２１
の各対応位置にノズル２１ａを取付けてなる。

図中２２は天井室６内にセットしたサーモスタツト、１
６ａは外端に手動排水弁２３を取付けかつ給水管１６の
途中で分岐垂下するドレイン管、２４は庫本休３の底壁
３ｄに貫設したドレイン口、２５は庫本体３の前壁面に
張装した操作盤である。

なお本発明の実施例では加熱源として電気ヒーター１９
を採用したが、電気ヒーター１９に代えて自動着火自在
なガスバーナー又はスチームパイプを用いても良く、給
水接続口１３を上水道と連結する場合、水頭圧が低いと
き庫本体３内の給水管１６に図示しない加圧ポンプを介
設して内蔵する設計は自由であり、さらに熱交換器２０
の形態を螺旋形とせず別形態とすることも一向に構わず
いずれも本発明の精神の範囲内に当然包含されるべきも
のである。

本発明は前記のように構成するから、食器等を殺菌保管
処理せんとする場合、庫室７に水平多段に架設した各棚
板Ｐ上に、水洗して水滴が付着する食器等を収容した食
器籠Ｋ群を載置整列し、両開き扉２を密閉した後、操作
盤２５の始動押釦ＳＳを押圧すれば、ファン１２が回転
するので、庫室Ｉの内気は天板４の吸気孔４ａ群からま
ず下段流気室６ｂに吸気流入し、引続き上段加熱室６ａ
に入る流気は電気ヒーター１９又はガスバーナーで加熱
昇温されて熱気となりダクト１０を下降流通して床室８
に移行し、床板５の噴気孔５ａ群から庫室７内に上昇気
流状に噴入して行き、その際収容格納された食器等に接
触し加熱するので食器等に付着した水滴を蒸発せしめ庫
室７内を蒸気雰囲気とする一連のサイクル現象をファン
１２によって対流状に繰り返し強制循環せしめる。

これと並行して始動押釦ＳＳの押圧操作によりサーモス
タツト２２が天井室６内温度の感知を開始し、予め設定
した温度に達すると電気ヒーター１９又はガスバーナー
をｏｆｆ状態とし、また以下になるとＯｎ 状態に交互
切換制御して、庫室７内雰囲気温度を恒温自動調整する
。

他方、始動押釦ＳＳの押圧操作により一定時間経過後、
手動弁１４を開弁操作するか、サーモスタット２２の操
作指令信号によりまたは図示しないタイマーの作動によ
る電磁弁１５の励磁自動開弁を契機として既に電気ヒー
ター１９又はガスバーナーで加熱された熱交換器２０内
の熱湯を、図示しないタイマーにより設定された時間後
消磁して電磁弁１５を自動で又は手動弁１４を手動で閉
弁操作するまで、噴射管２１の各ノズル２１ａから天板
４の吸気孔４ａ群を経て−勢に庫室７内に噴散せしめ、
食器等に噴射するのと同時に庫室７内をより一層の飽和
蒸気雰囲気で充満し、積上食器等の奥部にも万遍無く浸
透せしめ、約８０゜Ｃの高温多湿状態下で殺菌消毒処理
を果行する。

当該殺菌消毒処理後、一定時間サーモスタット２２が設
定温度で入切動作して、電気ヒーター１９又はガスバー
ナーのｏｎ、ｏｆｆ 切換制御を続行し、この間余分
な庫室７内の蒸気は排気筒１１を伝って庫外に排気され
ることにより食器等の乾燥処理を継続する。

こゝで食器等に代って蒸飯やカイコの飼料等を格納収容
する温蔵庫として本発明を適用する場合は、乾燥処理を
必要としないので保存に必要な時間だけ手動弁１４を定
期的に繰り返し開閉操作することとなる。

最終的には操作盤２５の停止押釦ＥＳの押圧操作により
、又は図示しないタイマーの設定時間の経過により、あ
るいは図示しない湿度リレーにより、ファン１２回路や
電気ヒーター１９回路を電源から遮断し又はいずれも図
示しないガス供給管あるいはスチームパイプをガス供給
源あるいはスチーム供給源からそれぞれ遮断して全作業
を終了する。

さすれば格納された食器等は完全に乾燥仕上げされ庫室
７内にいつでも使用可能に待機保管されることとなる。

そして必要に応じ給水管１６の残留水をドレイン管１６
ａを介し手動排水弁２３の開弁で庫外に流出することも
出来る。

本発明は、水蒸気の液化により還元された水滴は床板５
の噴気孔５ａ群から落流して底壁３ｄに貫設したドレイ
ンロ２４から庫外に排出されるので庫室７内に残留水を
溜置することなく庫室が汚れにくくなり、常に庵室７内
を清潔に保ち得てそれだけ掃除の回数が省略出来、保守
管理が楽になる。

また熱交換器２０は、電気ヒーター１９の外周を囲繞す
るように螺旋状に捲装したから熱交換器２０は電気ヒー
ター１９周囲の最も温度の高い部所に装置して熱交換の
効率を高め、蒸気の発生を可及的に促進助長するととも
に、相対的に熱交換により電気ヒーターの冷却作用と同
時に外周部分への断熱作用をも併せ具有することとなる
等優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図は本発明湿熱庫の正面図および右側面
図、第３図は第２図Ｉｎ−ｍ線視縦断面図、第４図は第
３図における電気ヒーター周辺部の拡大正面図である。 Ａ・・・・一・強制循環式噴射型湿熱庫、３・・−・・
・庫本体、４・−・・・・天板、４ａ・−・・・一吸気
孔、５・一・一床板、５ａ−・・一噴気孔、６−・一・
天井室、６ａ・・・・・一上段加熱室、６ｂ・・・・・
・下段流気室、７−・・・庫室、８−・・・・・床室、
９・一・−・・断熱仕切板、１０・・・−・ダクト、１
２・−・・・ファン、１６・−−−−一給水管、１６ａ
一・・一・ドレイン管、１９・一・・−・電気ヒーター
、２０・・一・熱交換器、２１一・・−・噴射管、２１
ａ・一・・−・ノズル、２２−・一−−−サーモスタツ
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吸気孔群を貫設した天板と噴気孔群を貫設した床板
   とにより庫本体内を天井室と庫室と床室とに区画すると
   ともに前記天井室の過半部を断熱仕切板により上段加熱
   室と下段流気室とに分段形成する一方、前記上段加熱室
   の一端と前記床室との一端とをダクトにて連通し、他方
   、上水道等水頭圧を有する外部の給水源に接続する開閉
   遮断自在な給水管を、熱交換器と併設する加熱源を内架
   した前記上段加熱室に導入して、当該給水管の内端を一
   端に連結した前記熱交換器の他端に噴射管の一端を連結
   し、さらに当該噴射管の他端を、途中下方に折返して前
   記下段流気室内に前記天板に沿いつゝ侵入延架し、かつ
   当該天板に貫設した前記噴気孔群の一部に臨む前記噴射
   管の対応位置にノズルを取付け、前記庫本体の天壁にフ
   ァンを内装してなる強制循環式噴射型湿熱庫。 ２ 加熱源は、電気ヒーターかガスバーナーかスチーム
   パイプのいずれかである特許請求の範囲第１項記載の強
   制循環式噴射型湿熱庫。 ３ 熱交換器は、電気ヒーターを螺旋状に囲繞してなる
   特許請求の範囲第２項記載の強制循環式噴射型湿熱庫。 ４ 給水管は、途中ドレイン管を分岐してなる特許請求
   の範囲第１項記載の強制循環式噴射型湿熱庫。 ５ 天井室は、サーモスタットを内蔵してなる特許請求
   の範囲第１項、第２項、第３項又は第４項記載の強制循
   環式噴射型湿熱庫。 ６ 庫室は、外部と排気筒を介して通気自在としてなる
   特許請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項又は第
   ５項記載の強制循環式噴射型湿熱庫。