JPS587236B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は調理時に被加熱物を回転させて加熱むらをなく
す回転載置台、いわゆるターンテーブルを備えた高周波
加熱装置に関するものであり、さらに詳しくは回転載置
台にモークの回転駆動力を伝達する回転伝達装置を改良
し、加熱室内の底面に着脱自在にかつ、回転自在に回転
載置台を設け、加熱室内の掃除を簡単にできるようにす
るとともに掃除をする時に腕時計等を身につけていても
腕時計等が狂わないようにすることを目的とするもので
ある。

従来、調理時に被加熱物を回転させて加熱むらをなくす
回転載置台、いわゆるターンテーブルを備えた高周波加
熱装置の回転載置台にモータの回転駆動力を伝達する回
転伝達装置は、モータの回転駆動力を減速装置および加
熱室底面を貫通させて回転自在に支承した回転軸を介し
て回転載置台に伝達ずるような構成造であり、また前記
回転軸と回転載置台との連結は、前記回転軸の係止部に
前記回転載置台の係止孔を嵌着させることにより行なわ
れていた。

このため、高周波加熱装置の加熱室内が食品カス等によ
り汚れた場合、回転載置台を加熱室内より取り出さなけ
ればいけないが、回転載置台を加熱室内より取り出す場
合、回転載置台を一度上方に持ち上げて回転軸との連結
を断ち、その状態で加熱室内より取り出すといったよう
に操作がめんどうで、また回転載置台が大きい場合は、
非常に取り出し難いものであった。

しかも、加熱室内の掃除をする場合においても、加熱室
内内底面には回転軸が突出し、さらには回転載置台の周
辺を支える支持体がその周辺に配設されているため、掃
除がしにくく、また掃除しても回転軸や支持体の植設さ
れた部分に入り込んだ食品カス等は取り除くことができ
ず、清潔な調理器という高周波加熱装置の商品価値の低
下を招くこととなっていた。

そこで、最近回転載置台にモータの回転駆動力を伝達す
る回転伝達装置に、磁気的結合手段を用いた高周波加熱
装置が開発されたが、この回転伝達装置に磁気的結合手
段を用いたものというのは加熱室の底面と本体外筐の底
面との間に、本体外筐の底面に配設した支持軸を中心に
回転自在で、同心円状に磁石を配設した回転体を設置し
、また加熱室内の底面には、磁気シールドを施し、かつ
前記磁石との吸引力により磁気結合される磁石を配設し
た回転自在な回転載置台を設置し、前記回転体をモータ
で回転させることにより回転載置台をそれに追従させて
回転させるものである。

すなわち、回転伝達装置にこのような磁気的結合手段を
用いた場合、加熱室の内の底面には、モータの回転駆動
力を回転載置台に伝達する減速装置の回転軸が突出して
いなく、また最近開発された前述の回転伝達装置を備え
た高周波加熱装置は、回転載置台の周辺を支えるのに、
回転載置台の周辺に設置した車輪を有する支持体により
行なっているというように、加熱室内の底面には植設さ
れているものがないため、回転載置台を加熱室内より取
り出せば、簡単に掃除をすることができ、しかも回転載
置台を加熱室内より取り出す時も、回転載置台をそのま
ま引き出せばよく、簡単に取り出すことができる。

しかし、この場合回転体の磁石と回転載置台の磁石との
吸引力を太きくシ、回転載置台の回転トルクを大きくす
るために、回転体を加熱室の外底壁に、ほんの少しの間
隙だけを設けて配設していたため、回転載置台を取り出
して加熱室内の掃除を行なう時、もし使用者が腕時計等
を身につけたままで掃除を行なうと、腕時計が回転体の
磁石により狂ってしまうという問題が生じていた。

このため、回転体を加熱室外の底壁から遠ざけて磁気の
影響を減らそうという試みが考えられていたが、回転体
を加熱室外の底壁から遠ざけると、今度は回転載置台の
回転トルクが低下して重い被加熱物を載置すると回転し
ないという問題が生じることから、製品として発売され
るまでには至らなかった。

本発明はこのような従来の欠点を解消するものであり、
以下本発明の一実施例を示す第１図、第２図にもとづい
て説明する。

第１図において、１は高周波加熱装置本体で、この高周
波加熱装置本体１には、被加熱物を収納する加熱室２お
よびこの加熱室２内にマイクロ波を供給するマイクロ波
発生装置３が内蔵されている。

４は前記加熱室２の前面開口部に開閉自在に取り付けら
れたドアで、このドア４には加熱室２内の被加熱物の加
熱状態を見るためのスクリーン５および取手６が取り付
けられている。

７は前記高周波加熱装置本体１前面に配設された操作パ
ネルで、この操作パネル７には前記マイクロ波発生装置
３の制御を行なう制御部のつまみ類が配設されている。

８は前記加熱室２内の底面に設けられた凹部９に着脱自
在に、また回転自在に配設された回転載置台で、この回
転載置台８の裏面周縁部下部には、第２図に示す如く回
転載置台８を回転自在に支持する環状の支持体１０が配
設される凹溝１１が形成され、また裏面には鉄板等のシ
ールド板１２により磁気シールドされるとともに、収納
容器１３に収納保持された磁石１４が配設されている。

１５は前記収納容器１３の側面より前記凹溝１１に向っ
て突出した抜け止で、この抜け止１５により前記支持体
１０が凹溝１１に保持されている。

前記支持体１０は、環体１０ａとこの環体１０ａの要所
に回転自在に軸支した車輪１０ｂとにより構成され、ま
た回転載置台８およびこの回転載置台８上に載置される
被加熱体の荷重は、前記車輪１０ｂのころがり摩擦を利
用する構成としているので車輪１０ｂだけに作用する。

１６は前記加熱室２の凹部９の外底壁のほぼ中央部に溶
接により固着した支持軸１７に遊嵌状態で回転自在に軸
支された回転体で、この回転体１６には、前記回転載置
台８に取り付けた磁石１４との吸引力により磁気的に結
合される磁石１８およびこの回転体１６の周辺を支持す
る車輪１９が配設されている。

前記支持軸１７は少し長めに構成されており、また回転
体１６は軸方向に摺動自在である。

すなわち、回転体１６は、回転載置台８の磁石１４によ
り、加熱室２の底壁方向に吸引されており、回転載置台
８を加熱室２内より取り出せば、回転体１６は下方に向
って自然落下する。

２０は上記マイクロ波発生装置３であるマグネトロンを
冷却し、かつ電波を攪拌するスタラーファン２１を回転
させる風を送風するファン（図示せず）を回転させるモ
ータで、このモータ２０の回転駆動力は、減速装置２２
、連結軸２３、プーリ２４およびベルト２５を介して前
記回転体１６にも伝達される。

前記ベルト２５は、前述のように回転載置台８を加熱室
２内より取り出した時に回転体１６が下方に自然落下す
る程度の引張り力を有するものでなくてはいけない。

なお、２６は前記スタラーファン２１を外部から見えな
くするための仕切板である。

上記構成において、モータ２０を回転１駆動させること
により、その回転駆動力は減速装置２２、連結軸２３、
プーり２４およびベルト２５を介して回転体１６に伝達
し、回転体１６が回転駆動する。

回転体１６が回転駆動することにより、回転体１６に配
設した磁石１８も回転し、それによって磁石１８と吸引
力により結合している磁石１４が前記磁石１８と同一方
向に回転する。

すなわち回転載置台８が回転体１６と同一方向に回転す
るのである。

ここで、本実施例の高周波加熱装置は、回転体１６を支
持軸１７に摺動自在に取り付けているため、回転載置台
８を加熱室２内に設けた時は、回転載置台８の磁石１４
と磁石１８との吸引力により、回転体１６は加熱室２底
壁方向に吸引され、また回転載置台８を加熱室２内から
取り出した時は、回転体１６は、下方に自然落下する。

この時、回転載置台８を加熱室２内に取り付けた時に回
転体１６が位置するＡ点と、回転載置台８を加熱室２内
から取り出した時に回転体１６が位置するＢ点との間の
距離を１０ｍｍとした場合回転体１６の磁石１８の加熱
室２内への漏洩磁束は、Ａ点で９０（ｇａｕｓｓ）、Ｂ
点で５０（ｇａｕｓｓ）以下となることが実験より明ら
かであった。

また、Ａ点とＢ点との距離を離せば離す程、その効果が
著しいことも実験より明らかであった。

すなわち、回転載置台８を加熱室２内から取り出して、
加熱室２内の掃除を行なう時、使用者が腕時計等を身に
つけていても、回転体１６の磁石１８の漏洩磁束により
腕時計が狂うということがなくなり、しかも回転載置台
８を加熱室２内に取り付けると、回転体１６は加熱室２
の底壁方向に移動し、回転載置台８との間の磁気の吸引
力による結合が強くなり、回転載置台８は必要な回転ト
ルクを得ることができる。

なお、本実施例では、モータ２０からの回転駆動力を回
転体１６にベルト２５で伝達する構成のもので、前記ベ
ルト２５の引張り力は、回転載置台８を加熱室２内より
取り出した時に回転体１６が下方に向って自然落下する
程度の大きさにしているというように、ベルト２５の引
張り力はあまり大きくないため、ベルト２５の伸びが少
なく、ベルト２５の耐久性を向上させることができる。

以上のように本発明の高周波加熱装置は、加熱室内の底
面に着脱自在で、かつ回転自在に配設される回転載置台
と、この回転載置台と磁気の吸引力による結合手段を介
して連結し、かつ加熱室外の底部に支持軸で回転自在に
軸支した回転体と、この回転体を回転駆動させる駆動源
とで構成するとともに、前記回転体を支持軸に摺動自在
に取り付けたものであり、これによって回転載置台の取
り付け、取り出しおよび加熱室内の掃除を簡羊に行なう
ことができるとともに、回転載置台を加熱室内より取り
出して行なう時に、腕時計等をつけたまま行なっても腕
時計が狂うことがなく、しかも回転載置台の回転トルク
が低下するということがないという非常に優れた効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による高周波加熱装置の外観
斜視図、第２図は同装置の要部構造を示す断面図である
。 １……高周波加熱装置本体、２……加熱室、３……マイ
クロ波発生装置、８……回転載置台、１４，１８……磁
石、１６……回転体、１７……支持軸、２０……モータ
、２５……ベルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱室内の底面に着脱自在に、かつ回転自在に設け
   られた回転載置台と、この回転載置台の下部に設けられ
   た複数個の磁石と、前記加熱室の底板丁方に支持軸で回
   転自在に設けられ、かつ前記回転載置台の磁石と対向し
   て複数個の磁石を有する同転体と、この回転体を回動駆
   動させる駆動源とを備え、前記駆動源から回転体への回
   転駆動力をベルトを介して伝達すると吉もに、前記ベル
   トの引張力を、前記回転体が前記支持軸上で自然落下す
   る程度の引張力とした高周波加熱装置。