JPS587112Y2 - し尿及び工業廃水等のスラリ−流体輸送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主としてし尿や工業廃水等の固形物が混入し
たスラリー流体の輸送に用いられる流体輸送装置に関す
る。

従来、し尿や工業廃水等のスラリー流体の管路輸送には
遠心ポンプや往復ポンプが使用されているが、固形物が
混り込んでいる上記し尿や工業廃水等の被輸送流体が遠
心ポンプ内の高速流動部や往復動ポンプの滑動部に直接
液するため、それらの部分の摩耗が激しく故障しやすい
欠点があった。

本考案は、伸縮材料で作られた筒状バッグを筒体内に収
め、この筒状バッグを圧力流体により膨・縮させること
により、筒状バッグによって形成された吸入室内の被輸
送流体を外部に送り出しうるように構成された２個の流
体輸送ポンプを用い、かつ上記２個の流体輸送ポンプの
圧入口に近接スイッチを備えたコントロールシリンダの
シリンダ本体の一側を連絡し、また上記シリンダ本体の
他側にコントロールシリンダを介して上記筒状バッグを
作動させるメインポンプをパイプによって連絡するとと
もに、上記パイプにメインポンプから送られてくる高圧
作動流体を上記コントロールシリンダに交互に送る切り
換えバルブを組み入れる一方、この切り換えバルブの切
換作動を上記近接スイッチによって作動を制御されるソ
レノイドバルブの切り換えにより比較的低圧の作動流体
によって行うように構成したことを要旨とするもので、
主としてし尿や工業廃水等の固形物が混入したスラリー
流体を円滑にかつ効率的に遠距離輸送することができ、
また筒状バッグの破損時における圧力流体の損失を少な
く抑えることができるようにすることを目的とした輸送
装置であり、以下にその詳細を図面について説明する。

第１図と第２図は本考案の輸送装置に用いられる流体輸
送ポンプの一例を示すもので、筒体１は横断面形状が円
形のシリンダ２の左右の開口端に、透孔３を穿設したフ
ランジ４と被輸送流体の流入流出口５を穿設したフラン
ジ６とをそれぞれボルト７．８で一体に固定して成る。

この筒体１内には、周面に多数の流通孔９を穿設した横
断面形状が円形のサポート筒１０の両側の開口端に、圧
力流体の圧入口１１を有する端部部材１２とねじ込みプ
ラグ１３で栓をした端部部材１４とを取り付けた筒部材
１５が、連通パイプ１６により端部部材１２の圧入口１
１とフランジ４の透孔３とを相互に連通させて同心円状
に挿入されている。

また、上記筒部材１５にはゴム等の伸縮性材料よりなる
筒状バッグ１７が両端部を端部部材１２．１４に液密的
に止着して同心円状に嵌め付けられている。

上記筒状バッグ１７はその外径寸法をシリンダ２の内径
寸法よりも充分に小さくされ、自身の外周面とシリンダ
２の内周面との間に前記流入流出口５に通ずる被輸送流
体の吸入室１８を形成している。

上記のサポート筒１０は筒状バッグ１７の縮小を規制す
るもので、その中間部分の外径は筒状バッグ１７の内径
よりもかなり小さく定められている。

第３図は上記の流体輸送ポンプＡ１２ Ａ２を用いた本
流体輸送装置の回路図を示すもので、この図においてＢ
１及びＢ２はチェックバルブ体である。

このチェックバルブ体は第４図に示すように、流体輸送
ポンプＡ１．Ａ２の流入流出口５にパイプ１９で連絡さ
れる連絡口２１と、被輸送流体の供給ポンプ２２にパイ
プ２０で連絡される供給口２３及び被輸送流体の吐出口
２４とを有し、連絡口２１と供給口２３とを結ぶ第一通
路２６に、供給口２３から連絡口２１に流れる被輸送流
体の流動を自由にしてその逆の流れを阻止する１組の弁
座２７とボール２８が組み込まれ、また連絡口２１と吐
出口２４とを結ぶ第二通路２９に、連絡口２１から吐出
ｐ２４に流れる被輸送流体の流動を自由にしてその逆の
流れを阻止する１組の弁座３０とボール３１が組み込ま
れて成る。

なお、チェックバルブ体Ｂ、には吐出口２４に対向して
もう１個の吐出口２５が設けられていて他のチェックバ
ルブ体Ｂ２の吐出口２４に連絡されている。

この構造は配管を簡略にするが、チェックバルブ体Ｂ０
の吐出口２５を無くして他のチェックバルブ体Ｂ２の吐
出口２４を輸送パイプ４４に直接連結してもよい。

本流体輸送装置においては流体輸送ポンプの前記圧入口
１１にパイプ３２を介してコントロールシリンダＣ１，
Ｃ２が連絡されている。

このコントロールシリンダは第５図に示すように、シリ
ンダ本体３３内に磁性体からなる検出棒３４を備えたフ
リーピストン３５を嵌挿し、シリンダ本体３３の一側の
端部には検出棒３４が出入する非磁性体からなる小パイ
プ３６と検出棒３４の接近を検出する近接スイッチ３７
とを設けて成る。

この近接スイッチ３７が設けられたシリンダ本体３３の
端部はパイプ３２を介して流体輸送ポンプＡ１゜Ａ２に
連絡され、また他端部はモータ３８により駆動されるメ
インポンプ３９にパイプ４０．４１を介して連絡されて
いる。

このパイプ４１とパイプ４０．４０の分岐連結部分には
切り換えバルブ４３が設けられている。

この切り換えバルブ４３はメインポンプ３９から送られ
てきた高圧の作動流体を２個のコントロールシリンダＣ
１，Ｃ２に交互に送るもので、前記近接スイッチ３７に
よって制御されるソレノイドバルブ４２を切り換えてバ
ルブ作動ポンプ二より吐出される比較的低圧の圧力流体
（低圧作動流体）の流れを切り換えることによって高圧
の圧力流体の切り換えバルブ４３を作動させる構造にな
っている。

またメインポンプ３９の吐出側にはコントロールシリン
ダＣ１又はＣ２に圧送される高圧作動流体の量を調節し
、部をバイパスする逃しフロー弁イ、及び安全弁ハが設
けられ、バルブ作動ポンプ二の吐出側にはその吐出圧力
を調節する圧力調整弁ホが設けられている。

バルブ作動ポンプニは、メインポンプ３９の吐出側に分
岐部分を設け、作動流体の一部を減圧調整弁を通して利
用することでなくすこともできる。

またコントロールシリンダＣ１及びＣ２より戻る作動流
体、ソレノイドバルブ４２より戻る低圧作動流体、及び
逃しフロー弁イよりバイパスされる作動流体はメインポ
ンプ３９の吸入側タンクへに戻るがその途中には冷却器
口が設けられ作動流体を循環使用に支障なきように冷却
している。

一方チェックバルブ体Ｂ１．Ｂ２の吐出口２４には輸送
パイプ４４が連結されている。

流体輸送ポンプＡ１．Ａ２は被輸送流体がスラリーであ
るため吸入力が弱いので供給ポンプ２２によって被輸送
流体ポンプＡｔ ｊ Ａ２に強制的に送り込むが、供給
ポンプ２２の送込み圧力は流体輸送ポンプＡ１２ Ａ２
の輸送圧力に比し極めて小さくてよい。

流体輸送ポンプＡ１２ Ａ２によって被輸送流体を比較
的高圧で送る場合、切り換えバルブ４３は大きい力を必
要とし、通常電磁的な力では適確に作動させることがで
きないため、電磁力で動くソレノイドバルブ４２を利用
して比較的低圧な作動流体の流路を切り換え、その比較
的低圧な作動流体によって切り換えバルブ４３を切り換
える。

次に上記のように構成された本考案に係る流体輸送装置
の作用を説明する。

第３図は左側の流体輸送ポンプＡ１の輸送作動状態を示
すもので、メインポンプ３９から圧送される油等の高圧
の作動流体は切り換えバルブ４３によりコントロールシ
リンダＣ１のシリンダ本体３３に入り、フリーピストン
３５を第５図で上に押し上げて、フリーピストン３５の
上方に収容された圧力流体を、パイプ３２と、透孔３、
連通パイプ１６及び圧入口１１を通じて流体輸送ポンプ
Ａ、の筒部材１５内に圧入する。

この圧力流体の圧入で筒状バッグ１７が外方に膨らむた
め、吸入室１８に吸い込まれていた被輸送流体は流入流
出口５からパイプ１９を通ってチェックバルブ体Ｂ１の
連絡口２１に流れ、更に通路２９から輸送パイプ４４に
入って輸送されることになる。

この際他方の流体輸送ポンプＡ２の吸入室１８には被輸
送流体が供給ポンプ２２の働きで、パイプ２０→チ工ツ
クバルブ体Ｂ２の供給口２３う通路２６→連絡ロ２１→
パイプ１９→流入流出口５を通って送り込まれる。

そしてこの被輸送流体の送込みで流体輸送ポンプＡ２の
筒状バッグ１７が収縮し、筒部材１５内の圧力流体をパ
イプ３２を通じてコントロールシリンダＣ２に戻し、フ
リーピストン３５を第５図で下に押しさげる。

メインポンプ３９から送られる高圧作動流体によりコン
トロールシリンダＣ１のフリーピストン３５が所定の位
置（上死点）に達すると、近接スイッチ３７がこれを検
出してソレノイドバルブ４２を切り換え、バルブ作動ポ
ンプ二より吐出される低圧作動流体の流路を切り換える
ことにより、切り換えバルブ４３を切り換えて、メイン
ポンプ３９をコントロールシリンダＣ２に連絡する。

これにより今度はコントロールシリンダＣ２と流体輸送
ポンプＡ２及びチェックバルブ体Ｂ２が流体輸送ポンプ
Ａ、側と同様に働いて被輸送流体を輸送し、また流体輸
送ポンプＡ１の吸入室１８に新たな被輸送流体が送り込
まれる。

以下同一の作動サイクルを繰り返して被輸送流体を輸送
する。

メインポンプ３９よりコントロールシリンダＣ１又はＣ
２に送入される作動流体は、その一部を逃しフロー弁イ
を調節して、該メインポンプ３９の吸引側タンクへに戻
すことにより実質的な作動流量を加減することができ、
これにより本流体輸送装置の容量を自在に変更調節する
ことができる。

コントロールシリンダＣ０，Ｃ２より戻る作動流体、逃
しフロー弁イよりバイパスされる作動流体、ソレノイド
バルブより戻る低圧作動流体は、吸入側タンクへに戻る
がこれらの戻り流体は途中で冷却器口により、循環使用
に支障なきように冷却される。

以上説明したように本考案の流体輸送装置は、遠心ポン
プや往復動ポンプのようなスラリー状被輸送流体接触部
に滑動部材を持たない流体輸送ポンプＡ１１ Ａ２によ
り被輸送流体を輸送する構造であるため、し尿や工業廃
水等のスラリー流体であっても部品の摩耗が少なく、し
かも供給ポンプ２２及びチェックバルブ体Ｂ１．Ｂ２が
設けられていて、スラリー状の被輸送流体を強制的に流
体輸送ポンプＡ４２ Ａ２に送り込む構成で吸入が確実
であり、さらに吸入時に流体輸送ポンプが負圧にならず
筒状バッグに過度の負担をかけないですむので、バッグ
１７及び逆止弁等の老化損傷が少なく、作動の信頼性が
高く、長期間にわたって円滑に作動させることができる
。

また、被輸送流体を比較的高圧で送る場合、その切り換
えバルブは大きい切り換え作動力を必要とし、通常電磁
的な力ではこれを適確に作動させることができないが、
本考案の流体輸送装置においては、ソレノイドバルブ４
２により低圧作動流体の流路を切り換えて切り換えバル
ブ４３を作動させ、流体輸送ポンプを切り換える構成で
あるので、電磁力で動くソレノイドバルブ４２を利用し
て、低圧作動流体の流路を切り換え、その低圧作動流体
によって切り換えバルブ４３を適確に作動させることが
できる。

その上、メインポンプ３９と流体輸送ポンプＡ１１ Ａ
２の間にコントロールシリンダＣ１，Ｃ２が介在せしめ
られているので、万が一筒状バッグ１７が破れて被輸送
流体が混入するようなことがあっても、コントロールシ
リンダ内の圧力流体を交換するだけでよく、損失が最小
におさえられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の輸送装置に用いられる流体輸送ポンプ
の一例を示す断面図、第２図は第１図の（川−ｎ）部分
の横断面図、第３図は本考案の流体輸送装置の回路図、
第４図はチェックバルブ体の断面図、第５図はコントロ
ールシリンダの断面図である。 １・・・・・・筒体、５・・・・・・流入流出口、９・
・・・・・流通孔、１１・・・・・・圧入口、１５・・
・・・・筒部材、１７・・・・・・筒状バッグ、１８・
・・・・・吸入室、２２・・・・・・供給ポンプ、３３
・・・・・・シリンダ本体、３５・・・・・・フリーピ
ストン、３７・・・・・・近接スイッチ、３９・・・・
・・メインポンプ、４０．４１・・・・・・パイプ、４
２・・・・・・ソレノイドバルブ、４３・・・・・・切
り換えバルブ、４４・・・・・・輸送パイプ、Ａ１．Ａ
２・・・・・・流体輸送ポンプ、Ｂ１．Ｂ２・・・・・
・チェックバルブ体、Ｃ１，Ｃ２・・曲コントロールシ
リンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被輸送流体の流入流出口５を有する筒体１内に、周面に
   流通孔９を備えた筒部材１５が圧入口１１を筒体１の外
   部に開口させて挿入され、上記筒部材１５には伸縮性材
   料から成る筒状バッグ１７が上記流入流出口５に通ずる
   被輸送流体の吸入室１８を形成して同心円状に取り付け
   られた２個の流体輸送ポンプＡ１．Ａ２とニジリンダ本
   体３３内にフリーピストン３５が挿入され上記フリーピ
   ストン３５の移動によって作用させしめられる近接スイ
   ッチ３７を備えるとともに上記シリンダ本体３３の一側
   を上記流体輸送ポンプＡ１．Ａ２の圧入口１１にそれぞ
   れ個々に連絡された２個のコントロールシリンダＣ１，
   Ｃ２と；上記２個のシリンダ本体３３の他側にパイプ４
   ０，４１によって連絡されたメインポンプ３９と；上記
   流体輸送ポンプＡ１２ Ａ２に被輸送流体を送入せしめ
   る供給ポンプ２２と；上記流体輸送ポンプＡ０．Ａ２と
   上記供給ポンプ２２との間にそれぞれ設けられ、供給ポ
   ンプ２２から流体輸送ポンプＡ１．Ａ２に送られる被輸
   送流体の流動を自由にするとともに流体輸送ポンプＡ１
   ２ Ａ２から吐出される被輸送流体の供給ポンプ２２へ
   の逆流を阻止してその被輸送流体を輸送パイプ４４に流
   動させる２個のチェックバルブ体Ｂｌ 、Ｂ２と；上記
   シリンダ本体３３の他側とメインポンプ３９とを連絡す
   る上記パイプ４０゜４１の分岐連結部分に組み入れられ
   、メインポンプ３９から送られてくる高圧の作動流体を
   上記２個のコントロールシリンダＣ１，Ｃ２のシリンダ
   本体３３に交互に送らせてシリンダ本体３３の圧力流体
   を流体輸送ポンプＡＩ Ｉ Ａ２に交互に圧入させる切
   り換えバルブ４３と；上記２個の近接スイッチ３７によ
   って作動を制御され比較的低圧の作動流体の流路を切り
   換えて上記切り換えバルブ４３を切り換えるソレノイド
   バルブ４２とから成ることを特徴とするし尿及び工業廃
   水等のスラリー流体輸送装置。