JPS6314065Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧シリンダ駆動の往復動水ポンプの
如き往復動流体ポンプに関するものである。

たとえば、油圧シリンダと一体となつている水
ポンプのシリンダに収納したピストンを、油圧シ
リンダのピストンロツドと連結し、油圧シリンダ
の作動により水ポンプのシリンダのピストンが同
方向に移動して往復動し水の吸入と吐出を交互に
繰り返すようにした油圧シリンダ駆動の往復動水
ポンプにおいて、低圧側又は高圧側が吐出してい
るとき負荷が大きくなると、油圧シリンダが作動
できず、結局、水ポンプの往復移動ができなくな
つてしまう。

本考案は、上記水ポンプの吐出中に負荷が大き
くなつた場合、吐出側行程を無負荷状態として往
復移動できるようにしようとするもので、油圧シ
リンダとポンプシリンダが同心上に設けられ、且
つ油圧シリンダ内のピストンとポンプシリンダ内
のピストンがピストンロツドにより連結され、油
圧シリンダによるピストンの往復動によりポンプ
シリンダにおける流体の吐出と吸入が繰り返され
るようにした往復動流体ポンプにおいて、ポンプ
シリンダのヘツド側室とロツド側室における前記
油圧シリンダとポンプシリンダの直径の大きさに
よつて決定される低圧側室にバイパス弁を接続
し、且つ前記油圧シリンダを駆動する油圧回路の
油圧力が所定値になつたときに作動して、前記低
圧側室の流体を逃す如く前記バイパス弁を作動さ
せる安全弁を設けたことを特徴とするものであ
る。

以下、図面にもとづき本考案の実施例を説明す
る。

図示の如く、水ポンプのシリンダ１を油圧シリ
ンダ３と接続して水ポンプのシリンダ１内のピス
トン２と油圧シリンダ３内のピストン４とを一本
のロツド５にて連結し、油圧シリンダ３のヘツド
側及びロツド側は途中に二方向切換弁６、油ポン
プ７を有する油圧配管８にて油タンク９に接続さ
せる。一方、水ポンプのシリンダ１のヘツド側Ｈ
及びロツド側Ｒには、吸入弁１０，１１を介して
吸入管１２を接続し、該吸入管１２をフイルター
１３等を介して水タンク１４に接続させると共
に、上記ヘツド側Ｈ及びロツド側Ｒには更に吐出
弁１５，１６を介して吐出管１７を接続させ、油
圧シリンダ３の作動で水ポンプのシリンダ１が往
復動するようにした油圧シリンダ駆動の往復動水
ポンプを構成する。

本考案は上記構成の往復動水ポンプにおいて、
油圧配管８に安全弁１８を接続し、又水圧回路中
の各吸入弁１０，１１の吐出側に油圧パイロツト
付水バイパス切換弁１９を接続し、該切換弁１９
を、上記安全弁１８が作動したときに水タンク２
０に連通状態に切り換えられるように安全弁１８
と連動させ、安全弁１８が作動したときに水ポン
プの吐出側の水が上記水バイパス切換弁１９を通
つて水タンク２０へ逃げるようにする。２１はチ
エツク弁、２２は水バイパス切換弁１９を水タン
ク２０への連通状態から断状態へ切り換えるため
の復帰レバーである。

尚、水ポンプのシリンダ１のヘツド側Ｈの圧力
をPh、ロツド側Ｒの圧力をPrとしたとき、油圧
シリンダ３及び上記シリンダ１の内径寸法が図示
の関係の場合、シリンダ１のヘツド側Ｈが高圧側
となり、ロツド側Ｒが低圧側となる。すなわち、
シリンダ１の内径をD₂、油圧シリンダ３の内径
をD₁、ロツド５の径をｄ、安全弁１８の作動力
をP₀としたとき、 Ph＝（D₁／D₂）²P₀ Pr＝D²／₁−d²／D²／₂−d²・P₀ で表わされる。

図示の場合では、D₁＜D₂の関係にあるので、
Phが高圧側圧力、Prが低圧側圧力となる。

逆に、D₁＞D₂の場合には、Prが高圧側圧力、
Phが低圧側圧力となる。

今、図示の状態で作動を説明するに、図示の状
態では、シリンダ１のロツド側Ｒの圧力Prが低
圧側で、ヘツド側Ｈの圧力Phが高圧側であり、
又二方向切換弁６がロ側へ切り換えられて油圧シ
リンダ３のロツド側へ圧油を供給していることと
する。

油タンク９内の油はポンプ７の作動により昇圧
されて油圧シリンダ３へ供給され、ピストン４は
図上左方へ移動させられることになる。この油圧
シリンダ３の作動により水ポンプは低圧側、すな
わち、シリンダ１のロツド側Ｒが吐出側となり、
吐出弁１６を経て吐出管１７へ水は吐出され、一
方、高圧側、すなわち、シリンダ１のヘツド側Ｈ
には吸入弁１０を経て水がタンク１４より吸入さ
れている。上記低圧側が吐出しているときに、負
荷が大きくなると、低圧側の吐出に大きな力を要
することになり、油圧シリンダ３は作動しきれな
くなる。このとき油圧回路中に組み込んである安
全弁１８が作動して圧油が油圧パイロツト付水バ
イパス切換弁１９に作用し、該水バイパス切換弁
１９を水タンク２０に通ずるポートに切り換え
る。これにより低圧側は水バイパス切換弁１９を
介して水タンク２０に連通状態となつてピストン
２の左方向への移動が楽になり、油圧シリンダ３
の作動で移動できる状態となり、同時に安全弁１
８は元の状態に復帰し、水バイパス切換弁１９は
復帰レバー２２により復帰させられる。

上記により水ポンプのシリンダ１のピストン２
がストロークエンドまで移動させられる間、高圧
側には水タンク１４から吸入弁１０を経て吸水さ
れており、そのため、次に二方向切換弁６を図示
の如くイに切り換えることによつて、水ポンプの
高圧側に吸入された水が吐出されることになり、
高圧側圧力Phを最大吐出圧として吐出が行われ
ることになる。

このように低圧側の吐出時に最大負荷が発生し
ても低圧側行程を無負荷状態で行つて高圧側に吸
水させることから、最大負荷時でも油圧シリンダ
３の駆動で水ポンプの往復動ができ、高圧側圧力
を最大吐出圧として利用することができる。

尚、上記説明では、水ポンプのシリンダのヘツ
ド側Ｈを高圧側、ロツド側Ｒを低圧側とした場合
の作動を説明したが、ヘツド側Ｈが低圧側、ロツ
ド側Ｒが高圧側としても同様に高圧側圧力を最大
吐出圧として利用することができる。又、最大負
荷時には油圧回路中の安全弁が作動してこれと連
動の水圧回路中の水バイパス切換弁が働くように
した場合を示したが、安全弁１８と油圧パイロツ
ト付水バイパス切換弁１９との組み合せに限られ
るものではなく、他の同様な機能をもつ手段によ
ることは任意であり、又水ポンプ以外の他の流体
ポンプでも同様に適用することができる。

以上説明したように、本考案の往復動流体ポン
プによれば、流体の吐出中に負荷が大きくなつて
油圧シリンダの作動では流体ポンプが往復動動で
きない状態になつても該ポンプの吐出側を無負荷
状態にして移動できるようにするので、確実に油
圧シリンダ駆動で流体ポンプが往復動することが
でき、最大負荷時でも流体ポンプの高圧側圧力を
最大吐出圧として利用することができる、という
効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の往復動流体ポンプの一例を示す
概略図である。 １……水ポンプのシリンダ、３……油圧シリン
ダ、５……ロツド、６……二方向切換弁、１０，
１１……吸入弁、１２……吸入管、１５，１６…
…吐出弁、１７……吐出管、１８……安全弁、１
９……油圧パイロツト付水バイパス切換弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧シリンダとポンプシリンダが同心上に設け
   られ、且つ油圧シリンダ内のピストンとポンプシ
   リンダ内のピストンがピストンロツドにより連結
   され、油圧シリンダによるピストンの往復動によ
   りポンプシリンダにおける流体の吐出と吸入が繰
   り返されるようにした往復動流体ポンプにおい
   て、ポンプシリンダのヘツド側室とロツド側室に
   おける前記油圧シリンダとポンプシリンダの直径
   の大きさによつて決定される低圧側室にバイパス
   弁を接続し、且つ前記油圧シリンダを駆動する油
   圧回路の油圧力が所定値になつたときに作動し
   て、前記低圧側室の流体を逃す如く前記バイパス
   弁を作動させる安全弁を設けたことを特徴とする
   往復動流体ポンプ。