JPS586956A - 熱伝導性および耐垂下性にすぐれた熱交換器フイン材用Ａｌ合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、すぐれた熱伝導性と耐垂下性を有し、特に
Ｍ合金製熱交換器のフィン材として使用した場合に、ろ
う付は工程の加熱に対してすぐれた耐垂下性を示すとと
もに、この工程後の熱伝導性にもすぐれたＭ合金に関す
るものである。

近年、例えば自動車やオートパイなどのラジェータ、さ
らにはエバポレータなどの熱交換器にはＭ合金製のもの
が多用されるようになってきている。

従来、これらのＭ合金製熱交換器は、ＡＩＤ−Ｍｎ系合
金の板材、あるいはとのＡｌ　−Ｍｎ系合金板材を芯材
とし、この芯材の両面にＡ１１−８ｉ系合金のろう材を
クラッドしたものからなるプレージングシートで構成さ
れたフィン材を、例えばＡＩＤ−Ｍｎ系合金の管材に真
空中でろう付けすることによって製造されている。

しかしながら、このようにして製造された熱交換器にお
いては、ろう付は時にろう材中の８１がフィン材中に侵
入して該フィン材を軟化し、その結果、フィン材が垂下
変形してしまい、良好なろう付けを行なうことができな
いという結果をもたらす場合がしばしば生じていた。

そのほか、上記フィン材には、ろう付は時に再結晶粒の
微細化によシ起る高温強度の低下やろう材が芯材の再結
晶粒界を侵食することに伴って起る強度低下を抑制して
フィン材に熱変形が起らないようにするために比較的多
量のＭｎ成分が含まれているが、このようにＭｎ成分を
多量に含有することによってフィン材の熱伝導性が著し
く低下し、熱交換器としての特性に悪影響を及ぼす１と
いう問題も無視できないものであった。

本発明者等は、上述のような観点から、熱交換器のフィ
ン材としで使用した場合に、すぐれた耐垂下性を示して
熱交換器の製作上の問題点を解消するとともに、すぐれ
た熱交換性能を発揮する熱伝導性を有するＭ合金を得べ
く研究を行なった結果、 （ａ）従来の熱交換器のフィン材として使用されていた
ＡＩＤ−Ｍｎ系合金に、Ｓｌを含有させると、これらが
微細なＡＮ−Ｍｎ−Ｓｉ化合物を形成し、このＵ−Ｍｎ
−Ｓｉ化合物粒子の均一分散によってろう付は加熱時の
再結晶化が抑制されて結晶粒の粗大化が促進され、これ
によってろう材中の８１が結晶粒界から侵入するのが著
しく抑制されて、Ｓ１侵入によるフィン材の耐垂下性劣
化が防止されること。

（ｂ）　　添加成分としてＺｒを含有させると、このＺ
ｒもＳｉと同様にＡＡ　−Ｚｒ化合物を形成し、１−Ｍ
ｎ−Ｓｉ化合物とともに再結晶粒の粗大化促進作用を一
段と向上させ、Ｍ合金の耐垂下性を改善するようになる
こと。

（ｃ）　　ＭｎやＳｌを含有するＭ合金にＦｅあるいは
Ｎｉを含有させると、これらの元素はＭ合金中でこれら
の元素を含む化合物を形成する。したがって、とれらの
元素はＭ合金中の母相中の固溶元素を化合物の形で固定
して、母相を高純度Ｍに近い状態となし、熱伝導度や電
気伝導度を向上させるようになること。

以上（ａ）〜（Ｃ）に示されるような知見を得たのであ
る。

この発明は、上記知見゛にもとづいてなされたもので、
熱交換器フィン材用Ｍ合金を、　　　　　　　　　゛□
゛シ゛Ｍｎ　：　　Ｏ，１〜１．′５　　％、Ｓｉ：０
．１〜１．５　％、 ｚｒ：　　ｏ、ｏ　　２〜０．２０　％、を含有すると
ともに、さらに、 Ｆｅ　：　０．１〜１．０　％、 Ｎ１：０．０５〜０．３０チ、 のうちの１種以上を含有し、 Ｍおよび不可避不純物：残り、 からなる成分組成（以上重量％）で構成させることによ
って、すぐれた熱伝導性と耐垂下性を付与せしめたこと
に特徴を有するものである。

つぎに、この発明のＡε合金において、成分組成範囲を
上記のとおシに限定した理由を説明する。

（ａ）　　ＭｎおよびＳｌ ＭｎおよびＳｉ成分には、微細ｐ４−Ｍｎ　−３ｉ　（
ヒ合物を形成して母相中に均一に分散し、ろう付はカロ
熱時に再結晶粒の粗大化を促進して、ろう材中のＳｌ力
；結晶粒界から侵入するのを抑制することにより、フィ
ン材の耐垂下性劣化を防止し、さらにこれに伴って良好
なろう付は性を確保する作用カニある２＝、その含有量
がそれぞれ０．１％未満ではＡｌｔ−Ｍｎ−Ｓｉ化合物
の形成が少なすぎて、前記作用に所望の効果が得られず
、一方１．５％を越えて含有せしめても耐垂下性の向上
が望めないうえに、加工性とともに特に材料の熱伝導性
を著しく低下するようになることから、その含有量をそ
れぞれ０．１〜１．５チと限定した。

（ｂ）　　Ｚｒ Ｚｒ成分にも、ＭｎおよびＳｉ成分と同様にＡＡ−Ｚｒ
化合物を形成し、これらの化合物の形成によって上記Ｍ
ｎおよびＳｉ成分によってもたらされる作用をさらに一
段と向上させ、相剰的に再結晶粒の著しい粗大化をもた
らし、この結果として、すぐれた耐垂下性とろう付は性
を得るという作用があるが、その含有量が０．０２％未
満では前記作用に所望の向上効果が得られず、一方０．
２０％を越えて含有させてもそれ以上の向上効果が期待
できず、逆に溶解鋳造時に巨大晶を形成しやすくなって
加工性が損なわれるようになることから、その含有量を
０．０２〜０．２０％と限定した。

（ｃ）　　ＦｅおよびＮｌ ＦｅおよびＮ１成分は、通常、Ｍ合金中にほとんど固溶
せず、ＡＡ−Ｆｅ、ｋｌ−Ｎｉの化合物を形成するが、
ＭｎやＳｉを含有する合金においてはこれらの元素を含
む化合物を形成する。したがって、これらの元素はＭ合
金中の母相中の固溶元素を化合物の形で固定することに
よって、つまシ母相を高純度Ｍに近い状態にすることに
よって熱伝導度や電気伝導度を向上させることとなる。

なお、耐垂下性改善効果は、ＭｎやＳｌの作用と同様の
ものである。そして、その含有量がＦｅで０．１チ未満
、　Ｎｉで０、Ｃ５チ未満ではｆｉｌｌ　−Ｆｅ　、　
Ｍ−Ｎｉ化合物の形成が少なすぎて所望の耐垂下性、熱
伝導性改善効果が得られず、一方、Ｆｅで１．０％を越
えて、そしてＮ１で０．３０％を越えて含有させても前
記効果の向上は望めず、逆に加工性や耐食性を著しく低
下させるように々ることから、　Ｆｅの含有量をＣ１，
１〜１．０％、　Ｎｉの含有量を０．０５〜０．３０％
と限定した。

ついで、この発明のＭ合金を実施例により比較例と対比
しながら説明する。

実施例 通常の溶解法により、それぞれ第１表に示される最終成
分組成をもった本発明ＡＱ合金１〜９．Ｎ１およびＦｅ
を含有せず、さらに一部はＺｒも含有しない比較Ｍ合金
ｌＯ〜１３．およびろう材用Ｍ合金を溶製し、鋳塊とし
た。なお、第１表には表示を省略したが、これらのＭ合
金はいずれも、不可避不純物として、　ＭｎＳ２．０１
％、Ｍｇ≦０．０１％、　Ｃｕ≦ｏ、ｏ５％、ｚｎ≦０
．０２％、　Ｆｅ５０．０５　％、　Ｃｒ≦０．０１　
％、　ＺｒＳ２．０１％を含有するものであった。

ついで、本発明合金１〜９および比較合金１０〜１３の
それぞれについて熱間圧延を施してｓ　ｍｒｎの板厚の
熱延板とした後、冷間圧延にて板厚１．６朋の冷延板を
得た。引続いて、これらの冷延板よシ、温度３”ｉ’ｏ
℃に２時間保持の条件での中間焼鈍を行ないながら、冷
間加工度を３０％および５０％として板厚がＯ，１６ｍ
、の単層フィン材を製造した。

また、これとは別に、本発明合金１〜９および比較合金
１０〜１３の熱延板に、予め熱間圧延にて板厚８朋の熱
延板としたのち冷間圧延にて板厚　　　　“）１朋の冷
延板としたろう材用Ｍ合金をそれぞれ重ね合わせて、熱
間圧延にてクラッドすることによって、板厚が１．６朋
の複合板材を得、引続いて、前記単層フィン材を製造し
たのと同じ条件で圧延を施して複合フィン材をも製造し
た。

このようにして得られた各種のフィン材について、耐垂
下性試験と、熱伝導性を評価するための電気伝導度測定
を実施した。

なお、耐垂下性試験は、幅３０ｍｍで、長さ１４０ｍｍ
の寸法をもった試験片を使用し、この試験片の長さ３０
ｇを水平保持した状態で、６２０℃の温度に５分間保持
後の前記試験片の先端部における垂下高さを測定するこ
とに・より行ない、また、電気伝導度の測定は、上記熱
処理後のフィン材について行なった。これらの試験結果
および測定結果も第１表に併せて示した。

第１表に示した結果からも、本発明Ｍ合金はこの発明の
成分組成から外れた組成を有する比較合金に比べてすぐ
れた耐垂下性と熱伝導性を有していることが明らかであ
る。

上述のように、この発明のＭ合金は、すぐれた熱伝導性
と耐垂下性を併せ持つので、特にＭ合金製熱交換器のフ
ィン材として使用した場合に、ろう付は作業が容易とな
るとともに熱交換性能の向上したＭ合金製熱交換器を製
造できるなど工業上有用な効果がもたらされるのである
。

出願人　　三菱アルミニウム株式会社 代理人　　富　　１）　和　　夫 、、゛１６

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｍｎ：　　ｏ、　１〜１５　　％、Ｓｉ：０．１〜ユ、
   ５　％、Ｚｒ：０．０２〜０．２％を含有し、さらにＦ
   ｅ　：　０．１〜ｌ−０チおよびＮｉ″’：０．０５〜
   ０．３−のうちの１種または２、種を含有し、残りがＭ
   と不可避不純物からなる組成（以上重量％）を有するこ
   とを特徴とする熱伝導性および耐垂下性にすぐれた熱交
   換器フィン材用Ｍ合金。