JPS586830Y2 - 複数の巻取ドラムを備えた自動条体巻取機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば金属ストリップの如き条体を縦方向に
分割して別々の巻取ドラムに独立して巻取るようにした
自動条体巻取機に関するものである。

金属ストリップの如き条体を縦方向に複数分割してより
幅狭の条体とした状態で複数のコイルにそれぞれ巻取る
ことが行われている。

従来これらの分割条体は全く独立した複数の巻取機に巻
取るか１つの巻取機にアキュムレータと張力付加装置と
を介して巻取られていた。

しかし、複数の独立した巻取機に巻取る場合にはライン
方向に大きなスペースを必要とし、また１つの巻取機に
アキュムレータと張力付加装置とを介して巻取る場合に
もこれらの設備のためのスペースを必要とする上に摩擦
式す張力付加装置では張力不足でタイトなコイルを得る
ことができないし、条体の表面に傷を生ずる欠点があっ
た。

本考案の目的は、大きなスペースをとることなく、また
条体に張力不足を生ずることなく複数の条体を１つの巻
取機にタイトに巻取ることができ、且つこの巻取機に巻
取られた複数のコイルを容易に取外すことができるよう
にした自動条体巻取機を提供することにある。

本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明すると、第
１図は本考案に係る自動条体巻取機１０を示し、この巻
取機１０は、同軸上に隣合って設けられた複数の巻取ド
ラム、図示の実施例では２つの巻取ドラム１２．１４と
これらの２つの巻取ドラム１２．１４を相互に独立して
回転するように同軸上に殻げられた２つの回転軸１６．
１８とを備えている。

図示の実施例では回転軸１６が内側で回転軸１８が外側
であって回転軸１６が回転軸１８内を貫通し、外側回転
軸１８は内側回転軸１６より手前で終っていて内側回転
軸１６は外側回転軸１８から突出した部分を有する。

これらの回転軸１６，１８は軸受２０，２０’で図示し
ない機台に１ｍ自在に支持され、また、外側回転軸１８
は内側回転軸１６に軸受２２，２２’ で相互に独立し
て回転するように支持されている。

巻取ドラム１２．１４は、第２図及び第３図に示すよう
に、４分割された胴セグメント１２ａ。

１４ａから成っており、これらの胴セグメントは回転軸
１６．１８にスプライン結合された環状伝動部材２４．
２６に噛合って放射方向の外向きに脱出することがない
ように保持する内側突起部１２ｂ、１４ｂを有する。

従って回転軸１２．１４が回転すると、環状伝動部材２
４．２６と内側突起部１２ｂ、１４ｂとの噛合を介して
巻取ドラム１２．１４が回転される。

各巻取ドラム１２．１４はその１つの胴セグメント１２
ａ、１４ａに軸線方向に平行に設けられたスリット式チ
ャック２８゜３０を有し、これらのチャックは巻取ドラ
ム１２゜１４０各々に巻取られるべき条体の巻始端を差
し込んで固定するためのものである。

回転軸１６．１８を独立して駆動する伝動手段３２は、
内側回転軸１６に固着されたプーリー３４と外側回転軸
１８に固着されたプーリー３６とから成っており、これ
らのプーリー３４．３６は図示しないプーリーを介して
回転駆動源（図示せず）に接されている。

尚、第１図において、符号３８．４０は図示しないブレ
ヲキシューが係合して回転軸１６．１８を制動するブレ
ーキディスクである。

巻取ドラム１２．１４に巻取られたコイルを巻取ったり
取出したりする目的で巻取ドラムの径を伸縮するドラム
径伸縮手段４２は内側回転軸１６内を回転自在で且つ摺
動自在に貫通する作動杆４４を備え、この作動杆４４の
一端は往復動回転油圧シリンダー４６のピストン４６ａ
に接続され、他端は回転軸１８の端部に接近して設けら
れた作動板４８に接続されている。

巻取ドラムの各胴セグメントの内側突起部１２ｂ、１４
ｂに噛合５ｉ状伝動部材２４．２６は第１図に示すよう
に右方から左方に向けて径が次第に大きくなるテーパ面
を有し、これらの環状伝動部材２４，２６は継手５０で
相互に連結され、また環状伝動部材２４は作動板４８に
連結されている。

従って、油圧シリンダー４６を第１図の右方に作動し、
作動杆４４を介して作動板４８を右方に変位すると、環
状伝動部材２４．２６が共にテーパ面に沿って変位して
胴セグメント１２ａ、１４ａを拡径し、条体を巻取るこ
とができる。

またコイルの巻取後、油圧シリンダー４６を第１図の左
方に作動し、作動杆４４を介して作動板４８を左方に変
立すると、環状伝動部材２４．２６が共に軸線方向の左
方に変位して内側突起部１２ｂ、１４ｂのテーパ面との
間に隙間を形成するので巻取ドラム１２．１４が縮径さ
れてその上に巻取られたコイルを取出すことができる。

尚、第１図において符号５２はこのように縮径された巻
取ドラム１２．１４上のコイルを取出すためのコイル押
出板である。

本考案の装置は、このコイル取出時に、巻取ドラムのス
リット式チャック２８．３０に差し込まれたコイル巻始
端が円滑に通るように巻取終了後これらのチャック２８
．３０を第３図に示すように整列させる手段を備えてい
る。

この手段は、第１図に示すように、外側回転軸１８の右
端とその付近の内側回転軸１６の部分との間に設けられ
た定位置連結用クラッチ５４から成っている。

この定位置連結用クラッチは相対向する電磁コイルとア
ーマチュアとから戒り、これらが電磁コイルの励磁時に
スプリング式保持具で定められた対向面でのみ噛合うよ
うな公知の構造のものであり、この噛合位置が丁度２つ
の巻取ドラム１２，１４のスリット式チャック１２ｂ、
１４ｂが整列するように数句ゆられる。

この定立置連結用クラッチ５４は通常の巻取時には外さ
れていて巻取ドラム１２．１４か条体の張力を一定に保
つように独立して駆動が制御され、巻取終了後係合して
巻取ドラム１２，１４のチャック１２ｂ、１４ｂを整列
させる。

尚、この定位置連結用クラッチ５４の噛合せは電磁コイ
ルを励磁し一方の巻取ドラム１２又は１４を回転させて
行う。

本考案によれば、上記のように、１つの巻取機に設けら
れた同軸上の複数の巻取ドラムに条体を巻取るので従来
に比べて設備が占めるスペースを小さくすることができ
る上にこれらの巻取ドラムは独立して駆動が制御される
ので各条体の張力変動に応じて各々適正な制御を受けて
巻取ることができる。

また、これらの複数の巻取ドラムのスリット式チャック
は巻取終了後整列して保持することができるのでこれら
の巻取ドラム上のコイルを巻始端を損傷することなく取
出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動条体巻取機の垂直断面図、第
２図は第１図の巻取機の左端面図、第３図は巻取ドラム
の斜視図である。 １０・・・・・・自動条体巻取機、１２，１４・・・・
・・巻取ドラム、１６，１８−・・・・・回転軸、２４
、２６・・・・・・環状伝動部材、２８，３０・・・
・・・スリット式チャンク、３２・・・・・伝動手段、
４２・・・・・・ドラム径伸縮手段、５４・・・・・・
定位置連結用クラッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同軸上に隣合って設けられた複数の巻取ドラムと、前記
   複数の巻取ドラムの各々に連結され相互に独立して回転
   するように同軸上に設けられた複数の回転軸と、前記複
   数の回転軸を独立して駆動する伝動手段と、前記複数の
   巻取ドラムを拡径した巻取位置と縮径した巻取位置との
   間で伸縮するドラム径伸縮手段とを備え、前記複数の巻
   取ドラムはそれぞれ巻取るべき条体の巻始端が係入する
   ように軸線方向に平行に延びる少な（とも１つのスリッ
   ト式条体チャックを有し、前記同軸の隣合う回転軸の間
   には前記複数の巻取ドラムのスリット式条体チャックが
   整夕］ルた時のみ相互に噛合うことができる定位置連結
   用クラッチが設けられていることを特徴とする複数の巻
   取ドラムを備えた自動条体巻取機。