JPS586770B2 - 鉱石等の焼結方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鉱石等の焼結方法，とくに，各ウインドボック
スにつき物質収支によって吸込ガス量を正確に求めて，
この条件で焼結完了点を推定し，焼結完了点が一定位置
にくるよう制御して鉱石等を焼結する焼結する焼結方法
に関する。

一般に，鉱石等を焼結する際に，安定した焼結操業を実
施するために，焼結完了点が焼結機上の一定の位置にあ
るようにして焼結することが重要である。

このため，焼結機の排鉱部付近において各ウインドボッ
クスの排ガスの温度を測定し，焼結完了点の管理を行な
っている。

しかし，この方法では漏風による影響、つまり、漏風に
よってガス量が変化し，このため、熱量が同じでも排ガ
ス温度が変化しているのにも拘らず、温度を測定して焼
結完了点を求めているのであって、正確に焼結完了点を
決定できない。

すなわち，第１図は一般の焼結機の配置図であって、第
１図に示す如く連続的に連結されたパレット群１上に鉱
石、コークス、石灰石等の原料が給鉱され，原料層の表
面が着火されて，パレット群１が排鉱部２にいたる間に
焼結される。

また、焼結時の通風は下部の各ウインドボックス３ａ，
３ｂ，３ｃ・・・・・・等から行なわれ、各ウインドボ
ックスでは空気を吸込んでパレット群１上の原料層に供
給され，所要の焼結後は排ガスとしてとり出される。

この焼結機の操業において、その管理は排鉱部２に通常
焼結完了点が存在することを予想して，排鉱部２の各ウ
インドボックス，例えば３ａ，３ｂ，３ｃの排ガス温度
ｔａ，ｔｂ，ｔｃを測定し、これらの各温度を第２図の
通りにプロットして最高温度を示すところとして焼結完
了点〔ＴＢ〕を予想し，この焼結完了点（ＴＢ）が焼結
機上の一定の位置にくるよう、焼結を行なっている。

しかし，このように焼結する場合に、ウインドボックス
には漏風があり、漏風の大小によって第２図に示す温度
カーブや温度の絶対値が変化するため，このように最高
温度点を推定しても、必ずしも正確でないのが欠点であ
る。

本発明は上記欠点の解決を目的とし、とくに，各ウイン
ドボックスにおける吸引ガス量とともに排ガス量を測定
し、更に、これら各ガスの成分を連続若しくは一定時間
毎に測定し，これらＮ２バランスその他で各ウインドボ
ックス毎の炭素燃焼量や，石灰石分解量を求めて、焼結
完了が一定位置になるようにして焼結する方法を提案す
る。

以下、本発明方法について詳しく説明する。

まず，第３図に示す如く，連続的なパレット群１は矢印
方向に連続的に移動し、このパレット群１上にはホツパ
４から鉱石等の原料が供給され、この原料層の表面には
点火器５で着火され，パレット群１が順次に排鉱部２の
ところに移動する間に焼結される。

また、この間、各ウインドボックス３ａ，３ｂ・・・・
・・３ｎから空気等の燃焼用ガスが吸引され、原料中の
炭材等が燃焼され，燃焼排ガスは各ウインドボックス毎
に排気される。

次に，以上の通りに焼結される間に，各ウインドボック
ス３ａ，３ｂ・・・・・・３ｎ毎に吸込ガス量（以下，
Ｖｉ１という。

）若しくは排ガス量（以下，Ｖｉ２という。

）を連続若しくは一定期間毎に測定すると共に、吸込ガ
スならびに排ガスにおける水分，ＣＯ，ＣＯ２，０２，
Ｎ２等の各分圧を測定し，更に，これら測定値によって
Ｎ２バランス、その他を行なって原料中の炭素分の燃焼
量や、石灰石の分解量を求めて、各ウインドボックスの
焼結反応を把握し操業する。

すなわち，各ウインドボックスで測定される吸込ガス量
をＶｉ１ｍ２／分（ただし、ｉは各ウインドボックスの
サフィックス），排ガス量をＶｉ２ｍ２／分（ただし，
ｉはウインドボックスのサフィックス）とし、把握すべ
き炭素分燃焼量をＣｋｇ／分、石灰石〔ＣａＣＯ３〕の
分解量をＬｋｇ／分，炭素分のＣＯへの転化率をαとす
ると，Ｎ２，Ｃ，ＣＯ２，Ｏ２の各バランスは次の式で
示される。

なお、吸込ガスの各成分の分圧は，各ウインドボックス
について．〔Ｈ２０〕ｉ１，〔Ｃ０２〕ｉｉ１，〔ＣＯ
〕ｉ１，〔０２〕ｉ１，〔Ｎ２〕ｉ１とし、排ガスにつ
いても各成分の分圧は〔Ｈ２０〕ｉ２，〔ＣＯ〕ｉ２，
〔ＣＯ２〕ｉ２，〔０２〕ｉ２，〔Ｎ２〕ｉ２，とし，
サフイツクスのｉはｉ番目のウインドボックスのものを
示す。

＜Ｎ２バランスについて＞ Ｖｉ１｛１−〔Ｈ２Ｏ〕ｉ１｝〔Ｎ２〕ｉ１＝Ｖｉ２｛
１−〔Ｈ２０〕ｉ２｝〔Ｎ２〕ｉ２・・・〔１〕＜Ｃバ
ランスについて＞ 従って、これらの（１）式〜（４）式によって、各ウイ
ンドボックス毎に排ガス量とともに、これらのガス分析
値を求めると、吸込ガス量、Ｃの値、Ｌの値、αの値は
容易に求められる。

このため、これらの値により、例えば、計算機処理によ
り連続あるいは一定時間毎に各ウインドボックス毎に炭
素材の燃焼量、石灰石の分解量が把握でき、必然的に炭
素材の燃焼石灰石の分解等が完了するウインドボックス
がわかり、この前提において焼結完了点が一定のウイン
ドボックスに存在するよう、つまり、一定位置にくるよ
うに焼結する。

以上詳しく説明した通り、本発明法は各ウインドボック
ス毎のＮ２，ＣＯ，ＣＯ２，Ｏ２毎のバランスにより、
原料中の炭素材等の漏風等があっても、焼結量すなわち
発生熱量を正確に把握でき、この点、従来例では温度の
測定によるため、同じ熱量でも漏風があると見掛上低く
なって、発生熱量を正確に把握することはできない。

要するに、本発明法においては各ウインドボックスにお
ける炭素材の燃焼量、すなわち発生熱量が正確に推定で
き、これにより焼結完了点は正確に把握でき、焼結完了
点は容易に一定位置に正確に固定したままで操業でき、
焼結鉱の品質安定に寄与できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例に係る焼結機の操業管理方式の一例の説
明図、第２図は第１図によって焼結の完了点を推定する
場合の各ウインドボックスと排ガス温度との関係を示す
グラフ、第３図は本発明法を実施する場合の一例の説明
図である。 符号、１・・・・・・パレット群、２・・・・・・排鉱
部、３ａ，３ｂ，・・・３ｎ・・・・・・ウインドボッ
クス、４・・・・・・ホッパ、５・・・・・・点火器、
ｔａ，ｔｂ，ｔｃ・・・・・・排ガスの温度、ＴＢ・・
・・・・焼結完了点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １焼結機の各ウインドボツクス毎に、排ガス量を測定す
   るほか、吸込ガスならびに排ガスにつき，各成分の分圧
   を連続若しくは一定時間毎に測定し，（ｉ），（２），
   （３）ならびに（４）式に代入して，吸込ガス量，炭素
   分の燃焼量．石灰分の分解量ならびに炭素分のＣＯへの
   転化率を求めることによって．炭素材の燃焼ならびに石
   灰石の分解が完了する位置を検出し、この位置が常に一
   定のウインドボツクスに存在するよう．焼結することを
   特徴とする鉱石等の焼結方法。 ただし、Ｖｉ１・・・・・・ｉ番目のウインドボツクス
   の吸込ガス量 Ｖｉ２・・・・・・ｉ番目のウインドボツクスの排ガス
   量 Ｌ・・・・・・・・・・・・石灰石の分解量Ｃ・・・・
   ・・・・・・・・炭素材の焼結量α・・・・・・・・・
   ・・・炭素分のＣＯへの転化率（Ｈ２０）ｉｔ，（ＣＯ
   ２）ｉ１，（ＣＯ）ｉ１，（０２）ｉ１，（Ｎ２）ｉ・
   ・・・・・ｉ番目のウインドボックスの吸込ガスの 各ガス成分の分圧 〔Ｈ２０〕ｉ２，〔ＣＯ２〕ｉ２，（ＣＯ〕ｉ２，（Ｏ
   ２）ｉ２、〔Ｎ２〕ｉ２・・・・・・ｉ番目のウインド
   ボックスの排ガスの各 ガス成分の分圧。