JPS585785B2 - インクジエツト記録用ノズルヘツド - Google Patents

インクジエツト記録用ノズルヘツド

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JPS585785B2
JPS585785B2 JP5444478A JP5444478A JPS585785B2 JP S585785 B2 JPS585785 B2 JP S585785B2 JP 5444478 A JP5444478 A JP 5444478A JP 5444478 A JP5444478 A JP 5444478A JP S585785 B2 JPS585785 B2 JP S585785B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、インクをノズルから噴射して記録用紙等に所
要の記録を行なうインクジェット記録装置に用いられる
ノズルヘッドに係り、特にそのノズルヘッドを構成する
基板と蓋板との接合に関する。
第1図は既に提案されているオン・デマンド型のインク
ジェット記録装置の一例を示す。
1はインクジェット記録用のノズルヘッド、2はインク
タンク、3は表面に記録紙を巻き付けたプラテンである
インクタンク2は上下2段に分離されており、下段のイ
ンクタンク2bの中間部にはフィルタ4が設けられてい
る。
このフィルタ4の下側の室と上段のインクタンク2aと
は連通管5により連通されている。
そして、フィルタ4の上側の室と前記ノズルヘッド1と
は毛細管6によって連通されている。
外部から、上段のインクタンク2aに供給されたインク
は、連通管5を通って下段のインクタンク2bに入り、
そこでフィルタ4により濾過された後、毛細管6を通っ
てノズルヘッド1に供給される。
ノズルヘッド1は、第2図および第3図にその詳細を示
すように、基板7と、蓋板8と、圧電振動子9とから構
成されている。
第2図は圧電振動子9を省略し、蓋板8が透明なものと
して画かれている。
基板7には所定形状の溝が形成されており、これに蓋板
8を被せることにより、インク溜め10、抵抗部11、
ポンプ室12、ノズル穴13が形成される。
蓋板7の各ポンプ室12に相当する部分の表面には、そ
れぞれ圧電振動子9が接着されている。
毛細管6によりノズルヘッド1のインク溜め10に供給
されたインクは、抵抗通路11を通ってポンプ室12に
入る。
一方、それぞれの圧電振動子9は記録指令に応じてパル
ス電圧により選択的に駆動されるようになっており、こ
れが駆動されると、第3図に示すように蓋板8が変形し
てポンプ室12の容積変化が起こり、ノズル穴13から
インクジェット14が噴出する。
このインクジェット14はプラテン3上の記録紙に当た
り、所定の記録が行なわれる。
このような装置により良好な記録を行なうためには、イ
ンクジェットの液滴径を100μmφくらいにする必要
があり、そのためにはノズル穴を50〜100μmφ程
度の相当小さなものとし、しかもその寸法精度をきわめ
て高いものとする必要がある。
しかしながら、従来は基板と蓋板とを有機接着剤や半田
等を介して貼り合わせていたため、この接着剤等がノズ
ル穴内に入り、ノズル穴の断面積盆変化させたり、ノズ
ル穴をつまらせたりするトラブルが生じ易く、また、こ
れに伴ない、複数のノズル穴を均一な断面積に仕上げる
ことがむずかしいという問題があった。
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を除き、寸法
精度の高いノズル穴を有するインクジェット記録用ノズ
ルヘッドを提供するにある。
この目的を達成するため、本発明は、ノズル用の溝を有
する基板とこれに被さる蓋板とを、接着剤や半田等を用
いることなく、静電接合により=体化したことを特徴と
する。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳述する。
第4図は、本発明の一実施例に係るノズルヘッドを、そ
の製造方法と共に示す。
ノズル用の溝を形成して基板7に蓋板8が被せられてノ
ズル穴13が形成されている点は従来と同様であるが、
この実施例では、基板7はシリコンからなり、また、蓋
板8はこれに静電結合可能な硼硅酸ガラス(例えばパイ
レツクス、コーニング社の商品名)からなっており、こ
の両者は接着剤を用いることなく、静電接合により一体
化されている。
このようなノズルヘッドを製造するには、まず、シリコ
ンからなる基板7にフォトエッチング技術を用いて高精
度の溝成形加工を行ない、その基板7と硼硅酸ガラスか
らなる蓋板8との接合面を、それぞれ平面度をよく出し
、面荒さ0.1μm程度に仕上げる。
次に、この両者を重ね合せて、電極15.16間に挾み
、全体の温度が約400℃になるまで加熱した後、基板
7側の電極15が十電位に、蓋板8側の一極16が一電
位になるようにして、両電極15.16間に約1000
Vの電圧をかける。
17はその電源、18は電流計である。電流は初期にほ
とんどが流れて数分後に減少し、静電接合が完了する。
接合後、両者の接合部を顕微鏡で観察したところ、両者
間には何等の介在物も存在していないことが確認された
また、接合強度は、両者を引きはがす際に両者の一部が
破壊するほどに大きなものであった。
このようにして?電接合が完了したら、蓋板8の、ポン
プ室に相当する部分の表面に圧電振動子を接着すること
により、ノズルヘッドが完成する。
基板として用いられるシリコンは、多額晶でも単結晶で
もよいが、特に、単結晶を用い、表面に形成したSiO
をマスクとしてアルカリエツテング法によりノズル用の
溝を形成すると、エッチング速度が結晶方位により著し
く異なるため、シリコン基板の結晶面と溝方向を工夫す
ることにより、きわめてシャープな断面形状を有する寸
法精度の高い溝を形成することができる。
また、蓋板として用いられる硼硅酸ガラスは、シリコン
とほぼ同じ熱膨張係数を有しており、シリコン基板と静
電結合する際に、高温にしても熱歪が少なくて済む。
上記実施例では、基板としてシリコンを、蓋板として硼
硅酸ガラスを用いたが、基板としてシリコン、ゲルマニ
ウム等の半導体、蓋板としてセラミックスを用いること
もでき、これら以外にも静電接合が可能な基板及び蓋板
の材質の組合せがあり、好ましいものを例示すると次表
のとおりである。
静電接合可能な材質の組合せは米国特許第339727
8号明細書によれば、これ以外にも次のようなものがあ
る。
ノズルヘッドの製造に適する材質の組合せは、精密加工
の容易さ、平面仕上げの容易さ、最高許容温度、入手の
容易さ、コストなどを考慮して選定される。
第5図及び第6図は本発明の他の実施例を示す。
この実施例は、2枚の基板7A,7Bの間に1枚の蓋板
8をサンドウィッチ状に挾んで、互いに静電接合したも
のである。
両基板7A,7Bの蓋板.8側には、第2図及び第3図
に示したものと同1様な溝がそれぞれ形成されている。
このようにすると、蓋板8の厚みを隔てて2列に並ぶノ
ズル穴1 3A,1 3Bを形成でき、高密度マルチノ
ズルが得られる。
圧電振動子9A,9Bは、両基板7A,7Bの、ポンプ
室12A,12Bに相当する部分の外表面に接着されて
いる。
基板7A,7B4蓋板8の材質は前記実施例と同じであ
る。
その他の構成は第2図及び第3図に示すものと同様であ
るので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する
第7図は、この実施例に係るノズルヘッドを製造する際
の基板7A,7Bと蓋板8との静電接合法を示す。
基板7A,7Bの外表面上には十電極15A,15Bを
接触させ、蓋板8には基板7A,7Bの端面から突出す
る部分8aを設け、そこに一電極16を接触させる。
その他、接合面の仕上げ、温度、電圧、時間等は第4図
に示した実施例の場合と同様であるので、同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。
この実施例では、圧電振動子が基板のポンプ室に相当す
る部分の外表面に接着されており、この圧電振動子を接
着する部分の基板の厚さは、エッチングによって、薄く
しかも精度よく仕上げることができるので、圧電振動子
に加える励振電圧が小さくても効率のよいポンプ作用を
得ることができる。
第8図は、本発明のさらに他の実施例を、その製造方法
と共に示す。
この実施例は、2枚の基板8A,8Bの間に1枚の蓋板
7をサンドウィッチ状に挾んで、互いに静電接合したも
のである。
基板7には、両面に第2図及び第3図に示したものと同
様な溝が形成されている。
このようにしても2列のノズル穴13A,13Bが形成
できる。
基板7の両面に形成する溝は、両面マスクアライナーを
用いれば、フォトエッチング法により約10μm以下の
位置ずれで形成することができるのでこの実施例のもの
は第5図及び第6図に示す実施例のものに比べて、上下
のノズル穴13A,13Bの位置ずれ精度が高い点で優
れている。
その他の構成及び製造方法は第4図に示す実施例と同様
であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略
する。
第9図は、本発明のさらに他の実施例を、その製造方法
と共に示す。
2枚の蓋板8A,8Bの間に1枚の基板7を挾んで互い
に静電接合した点は第8図に示すものと同様であるが、
この実施例では、基板7の溝が基板7を貫通して形成さ
れており、ノズル穴13は1列である。
このようなノズルヘッドを製造するには、まず、第10
図に示すように、基板7にそれを貫通する所定形状の穴
をエッチング又は打抜加工等により形成し、この基板7
の両面に蓋板8A,8Bを重ね合わせて静電接合した後
、第10図のX−X線に沿って切断すればよい。
その他の構成及び製造方法は第4図に示す実施例と同様
であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略
する。
第11図は、本発明のさらに他の実施例を、その製造方
法と共に示す。
この実施例は、基板7とこの基板7と同じ材質の蓋板本
体8bとの間に薄い接合板8cを挾んで互いに静電接合
したもので、蓋板本体8bと接合板8cとで蓋板8が構
成されている。
その他の構成は第4図に示す実施例と同様であり、また
静電接合の際の電圧のかけ方は第T図の場合と同様であ
るので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する
なお、この実施例において、接合板8cは予め蓋板本体
8bに蒸着法やスパッタリング法で被着させることによ
り形成してもよい。
その場合は蓋板本体8bは基板7と別の材質で構成する
ことができる。
第12図は、本発明のさらに他の実施例を示す,この実
施例は、基板7のインクが触れる部分に耐食性の保護被
膜19を設けたものである。
この保護被膜19の材質は例えばS i02等が好まし
く、スパッタリングやCVD法等により基板7に被着さ
せることができる。
保護被膜19を設ける理由は、基板としてシリコンのよ
うなアルカリに弱いものを用いると、インクが弱アルカ
リ性であるため、インクによって基板が侵かされるおそ
れがあるからである。
また、シリコン等の表面はインクをはじく性質があるが
、SiO2等の保護被膜を設けるとインクの濡れ性がよ
くなる。
第13図は本発明のさらに他の実施例を示す。
この実施例は、基板7と蓋板8の両方に耐食性保護被膜
19A,19Bを設けたものである。
なお、上記第12図及び第13図に示す各実施例の説明
において、上記以外の構成は第4図に示す実施例と同様
であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略
する。
以上説明したように、本発明によれば、ノズル用の溝を
有する基板とこれに被さる蓋板とが静電接合により一体
化されているので、従来のようにノズル穴内に接着剤等
が侵入することがなく、ノズル穴の寸法精度を高くする
ことができ、且つばらつきを小さくすることができる。
したがって、微細なインクジェットを正確に噴射して鮮
明な記録が得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図はオン・デマンド型のインクジェット記録装置の
一例を示す概略構成図、第2図及び第3図は第1図の装
置に用いられるノズルヘッドの斜視図及び縦断面図、第
4図は本発明の一実施例に係るノズルヘッドを製造方法
と共に示す正面図、第5図及び第6図は本発明の他の実
施例に係るノズルヘッドを示す正面図及び縦断面図、第
7図はその製造方法を示す正面図、第8図及び第9図は
それぞれ本発明のさらに他の実施例に係るノズルヘッド
を製造方法と共に示す正面図、第10図は第9図のノズ
ルヘッドを製造するのに用いられる基板の水平断面図、
第11図ないし第13図はそれぞれ本発明のさらに他の
実施例に係るノズルヘッドを示す正面図である。 7,7A,7B・・・・・・基板、8 ,8A,8B・
・・・・・蓋板、13,13A,13B・・・・・・ノ
ズル穴。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ノズル用の溝を有する基板と、この基板に被さって
    前記溝の部分にノズル穴を形成する蓋板とを備えたイン
    クジェット記録用ノズルヘッドにおいて、前記基板と蓋
    板とは互いに静電結合が可能な材質の組合せからなり、
    この両者は静電接合により一体化されていることを特徴
    とするインクジェット記録用ノズルヘッド。 2 特許請求の範囲第1項において、前記基板と前記蓋
    板とは同等の熱膨張係数を有することを特徴とするイン
    クジェット記録用ノズルヘッド。 3 特許請求の範囲第1項において、前記基板の材質は
    半導体であり、前記蓋板の材質は硼硅酸ガラスであるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用ノズルヘッド。 4 特許請求の範囲第1項において、前記基板の材質は
    半導体であり、前記蓋板の材質はセラミックスであるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用ノズルヘッド。 5 特許請求の範囲第1項において、前記蓋板は2枚の
    基板の間に挾まれ、前記溝は各基板の蓋板側に形成され
    ていることを特徴とするインクジェット記録用ノズルヘ
    ッド。 6 特許請求の範囲第1項において、前記基板は2枚の
    蓋板の間に挾まれ、前記溝は基板の両面に形成されてい
    ることを特徴とするインクジェット記録用ノズルヘッド
    。 7 特許請求の範囲第1項において、前記基板は2枚の
    蓋板の間に挾まれ、前記溝は基板を貫通して形成されて
    いることを特徴とするインクジェット記録用ノズルヘッ
    ド。
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