JPS5856634Y2 - ミシンにおける布切断メス倒し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はミシンにおける布切断メスの前倒し装置に関す
る。

従来布切断メス倒し装置として、実用新案登録出願実開
昭５１−１６５４７号公報がある。

このものはミシンの縫い方向に対し、上メス部材を縫い
方向側へ傾倒するため、本願のようにルーパ一部材を露
出することは出来ず、オーバーロック系ミシンにおける
ルーパーへの糸通しは、その糸道のメスの内側（送り方
向で前方）にあるため、糸通しのための操作性が悪く困
難であった。

又、上メス駆動機構はカムから上メス部材までにクラン
クロッド、クランク腕、ピン等の連接手段を必要として
いる為、連接部材の組付スキマによる上メス運動ガタが
生じやすく、ミシン運転音が大きくなったり、上下振動
が発生したりする恐れがあった。

又、連接部材の精度確保に加工時間がかかり、コストの
面でも大巾アップとなる等問題点をかかえていた。

本考案は、このに鑑みメス切断機構を送り方向で手前側
に倒し、ルーパニの糸道を開放的状態として、糸通し操
作の作業性を高めんとしたものであり、又本考案装置の
上メス運動は上下運動となっている。

そこで上メス運動方向がカム軸中心方向へ向っているの
で、布切断力が大きく厚物布地でも容易に切断すること
が出来るものである。

以下本考案実施例を図にもとづいて説明する。

１は機枠であり、２はハズミ車で該ハズミ車は図示せぬ
駆動源により回転運動が与えられる。

３はタイミングベルトで前記ハズミ車２の回転を従動プ
ーリー４を介して回転軸５に伝達する。

６は針棒、７は上ルーパー、８は下ルーパーで詳細図示
されぬ機構により、針棒６は上下運動を、上ルーパー７
は支軸７Ａを中心とし、下ルーパ−８は支軸８Ａを中心
として夫夫円弧往復運動が与えられる。

上ルーパー７、下ルーパ−８は第２図で示す様に上メス
１０の後側（縫い方向側に配設されており、上下のメス
で布切断後、針との協働により縫かがりだ行われる。

９は機枠１に固着された下メスで、１０は前記下メスと
協調して布切断を行う上メスである。

１１は上メス駆動ロッド体で、詳細後記するように上部
に上メス１０が取付けられるものであり、その下方部は
回転軸５に固着された駆動カム１２に嵌合されている。

１３及び１４は、回転軸５で支承される左右の上メス駆
動ロッド案内で、その左右両者の間に前記上メス駆動ロ
ッド体１１が配置され、１５．１５は前記左右の上メス
駆動ロッド案内１３及び１４の結合部材である。

上メス１０は、第１及び４図でみて分るように、軸部１
６Ａを持つ上メスホルダー１６に上メス押え１７を介し
てネジ１８．１８で取付けられる。

而して、前記上メスホルダー１６は、上メス駆動ロッド
体１１の上部に形成された二又部１１Ａに軸架され、該
二叉部内で前記軸部１６Ａ上に配設された該軸部１６Ａ
を挟着するＥリング１９と巻バネ２０により、前記上メ
ス１０は常時第４図でみて左方に附勢されている。

２１は角ゴマで、上メスホルダーの軸部端に遊嵌され、
該角ゴマは右方の上メス駆動ロッド案内１４の上方部に
垂直に設けた凹溝１４Ａと摺動可能に嵌合している。

２２はメスユニットの位置決めピンで、右方の上メス駆
動ロッド案内１４の上方部に設けた孔１４Ｂに摺動可能
に挿通される。

而して、前記位置決めピンの小径部２２Ａ上には該小径
部を挟着するＥリング２３とスプリング２４が設けられ
、その先端部は機枠１に固着された位置決め板２５の方
向に附勢を受けた状態で、その係止孔２５Ａに係合せし
められている。

本考案装置の構成は以上の如くであり、ミシンの運転に
より、針棒６の上下運動と上下２個のルーパー７及び８
の円弧往復運動で縫糸と関連してロック縫いが行われる
。

この硅酸運動と機を−にして、回転軸５上の駆動カム１
２の回動により、上メス駆動ロッド体１１の下方保合部
が偏心的に駆動される。

上メス駆動ロッド本１１の上方部には、前述したように
上メス１０が上メスホルダー１６により取付けられ、前
記ホルダーの軸部１６Ａに嵌挿された角コマ２１は、右
方の上メス駆動ロッド案内１４の垂直凹溝１４Ａと摺動
係合するため、上メス１０は下メス９に対し垂直的に上
下の運動を行い布が切断される。

裁縫始め、あるいは作業中の糸切れその他の理由で、ル
ーパーに糸を挿通する場合は、本考案によれば次のよう
にして行う。

即ち、メスユニットの位置決めピン２２をスプリング２
４に抗して右方に引き、その小径部２２Ａと位置決め板
２５の係合を解離させる。

このことにより、メスユニット全体を第２図の状態から
第３図に示す作業者側手前方向いわゆるミシンの縫い方
向に対して反対側に転倒させることができ、ルーパー糸
道には邪魔になるものがなく開放状態となって、従来困
難であったルーパーへの糸通しが非常に楽に行うことが
できる。

糸通しを終った後は、前記と逆に元に戻して位置決めピ
ン２２を操作し、位置決め板２５との係合を行えばよい
。

本案装置は以上述べた如く、簡単な構成で容易に従来の
欠点を解消したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置を備えたミシンの正面図、第２図は左
側面図、第３図は本案要部装置作動図、第４図は要部の
構成説明図である。 １・・・・・・機枠、５・・・・・・回転軸、６・・・
・・・針棒、７・・・・・・上ルーバー、８・・・・・
・下ルーパ−，９・・・・・・下メス、１０・・・・・
・上メス、１１・・・・・・上メス駆動ロッド体、１２
・・・・・・駆動カム、１３・・・・・・上メス駆動ロ
ッド案内（左）、１４・・・・・・上メス駆動ロッド案
内（右）、１６・・・・・・上メスホルダー２２・・・
・・・位置決めピン、２５・・・・・・位置決め板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動源より伝達される回転軸上に駆動カムを固着し、該
   駆動カムにより左右の上メス駆動ロッド案内に上メス駆
   動ロッド体を上・下運転可能にし、該駆動ロッド案内に
   上メスを固定し、前記左右の上メス駆動ロッド案内と共
   に縫い方向の手前側に、転倒自在とさせ、前記上メスの
   後側（縫い方向側）に上・下ルーパーを支軸を中心とし
   て夫々円弧往復運動させるようにした、ロック縫い系ミ
   シンの布切断メス倒し装置。