JP2762697B2 - 鳩目穴かがりミシン - Google Patents

鳩目穴かがりミシン

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JP2762697B2 JP13177390A JP13177390A JP2762697B2 JP 2762697 B2 JP2762697 B2 JP 2762697B2 JP 13177390 A JP13177390 A JP 13177390A JP 13177390 A JP13177390 A JP 13177390A JP 2762697 B2 JP2762697 B2 JP 2762697B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、針棒とルーパー土台とを一体回転させるた
めの構造を改良した鳩目穴かがりミシンに関する。
(従来の技術) 鳩目穴かがりミシンの基本構成は次の通りである。ミ
シンフレームのアーム部に設けた針棒上下駆動機構によ
り針棒が上下動され、これに併せてベッド部に設けたル
ーパー駆動機構によってルーパーが動作され、両者の協
働により縫い目が形成される。また、針落ち点を1針毎
に左右に振らせるために、アーム部に針振り機構が設け
られ、一方、加工布がセットされる送り台は送り装置に
よって鳩目穴の切り込み形状に沿わせて送り駆動され
る。
ところで、丸穴状の切り込みと、直線的な切り込みと
を連続させてなるボタン穴等のかがり縫いを行うには、
縫糸Sの縫いパターンは第12図に示すように丸穴部Aの
上半部において放射状となる。従って、丸穴部Aの上半
部の縫い動作時には、針棒の上下動作及び針振り動作に
併せて、ルーパーを設けたルーパー土台と針棒とを一体
的に半回転させる必要がある。
このための構成としては、従来より、例えば特公昭62
-54033号公報に記載されているものがあり、これを第11
図に示してある。同図において、駆動モータ1はミシン
フレームのベッド部に設けられ、その回転力がタイミン
グベルト2を介して連動軸3に伝達される。その連動軸
3はベッド部と針棒機構を設けたアーム部との間に渡る
ように設けられており、そのうちベッド部内に位置する
部分には、ルーパー土台4が設けた従動ギヤ5に噛み合
う扇形ギヤ6が設けられる。また、その連動軸3の上端
寄り部位には、アーム部の針棒機構に設けた針棒用従動
ギヤ7に噛み合う扇形ギヤ8が設けられていて、連動軸
3が駆動モータ1によって駆動されると、各扇形ギヤ6,
8を介して針棒9及びルーパー土台4が一体的に回動さ
れる。
(発明が解決しようとする課題) この種のミシンにおいて、緻密な縫い模様を形成する
には、ルーパー土台4及び針棒9は微少角度ずつ回動さ
せる必要がある。このため、従来より、駆動モータ1と
してステップモータ等を利用して1ステップずつ駆動す
る等の構成を採用してはいるが、特に、扇形ギヤ6とル
ーパー土台4の従動ギヤ5との組合わせにおいて回転比
が大きくなるため、駆動モータ1を微少回転させてもル
ーパー土台4の回動角度が大きくなる傾向を呈する。こ
れに対処するには、ルーパー土台4の従動ギヤ5を径大
にし、その分、扇形ギヤ6を径小にして回転比を小さく
することが考えられるが、実際には、ルーパー土台4の
下方空間にはルーパー駆動機構の構成部品等が多く配置
されているため、従動ギヤ5を径大にすることはスペー
ス上の問題があって困難である。また、タイミングベル
ト2を駆動するプーリー2a,2bの回転比を大きくするこ
とも考えられるが、それではタイミングベルト2のスリ
ップが発生する可能性が高くなるから、これにも一定の
限界がある。このため、従来のこの種のミシンでは、ル
ーパー土台の回動角度を十分に小さくすることができ
ず、緻密な縫い模様のかがり縫いを施すことには限界が
あったのである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
は、ルーパー土台の回動角度を十分に小さくすることが
できる鳩目穴かがりミシンを提供するにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の鳩目穴かがりミシンは、下端部に縫針を備え
てアーム部に上下動可能に設けられた針棒と、この針棒
を上下動させるための針棒上下駆動機構と、ベッド部の
上面部に設けられ加工布がセットされる送り台と、この
送り台を加工布に形成された鳩目穴の切り込み形状に沿
わせて送り動作させるための送り装置と、ベッド部に設
けられ縫針と協働して加工布に縫目を形成するためのル
ーパーと、ベッド部に設けられ鳩目穴の丸穴部のかがり
縫い時期に駆動される駆動モータと、この駆動モータの
回転をルーパーを設けたルーパー土台に伝えて前記鳩目
穴の丸穴部のかがり縫い時期にそのルーパー土台を回動
させるためのルーパー土台用ギヤ機構と、ベッド部とア
ーム部との間に渡るように設けられルーパー土台用ギヤ
機構における回転力をアーム部側に伝達する連動軸と、
アーム部に設けられ連動軸の回転を針棒に伝えて針棒を
ルーパー土台と連動させて回転させる針棒用ギヤ機構と
を備え、前記ルーパー土台用ギヤ機構を、駆動モータの
出力軸に設けられた駆動ギヤと、連動軸に設けられ駆動
ギヤからの回転力を受ける第1の扇形ギヤと、連動軸に
第1の扇形ギヤと一体に設けられこれとは径寸法が相違
する第2の扇形ギヤと、ルーパー土台に設けられて第2
の扇形ギヤからの回転力を受ける従動ギヤとから構成し
たところに特徴を有するものである。
(作用) 駆動モータからの回転力は、駆動ギヤ、第1の扇形ギ
ヤを介して連動軸に伝達され、更に第1の扇形ギヤから
従動ギヤ側に伝達される。従って、ルーパー土台に設け
られる従動ギヤを径大にしなくとも、例えば第1の扇形
ギヤを大きくし且つ駆動ギヤを小さくする等の構成によ
って第1の扇形ギヤ及び駆動ギヤ側で回転比を小さくす
ることができ、ルーパー土台を微少角度ずつ回動させる
ことができるようになる。しかも、第1及び第2の扇形
ギヤは一体化されているから、部品点数が少なくなり、
構造も簡単になる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について第1図ないし第10図
を参照して説明する。
(1) 全体的構造 まず、第9図に基づいてこのミシンの全体的構造につ
いて簡単に述べる。ミシンフレーム11は、略矩形箱状を
なすベッド部12に、その奥方上部から前方に延びるアー
ム部13を一体的に有して構成され、後述するミシンモー
タ88(第10図にのみ図示する)を取付けたミシンテーブ
ル14上に載置されている。アーム部13の先方部には、縫
針15が取付けられた針棒16の上下動可能に設けられ、ベ
ッド部12には針棒16の直下に位置して2個のルーパー
(図示せず)を備えたルーパー土台17が設けられてい
る。これらのルーパーは針棒16の上下動に同期して作動
することにより縫針15と協働して加工布に縫目を形成す
る。また、ベッド部12にはルーパー土台17の奥方側に位
置して下メス18と、この下メス18に対し上方より接離す
るハンマー19とからなるカッター装置20が設けられ、こ
のカッター装置20によって加工布に丸孔部と直線部とが
連なる鳩目孔状の切り込みを形成できるようになってい
る。
前記ベッド部12の上面部には加工布がセットされる送
り台21が設けられると共に、セットされた加工布を前記
切り込みの両側で押さえるための一対の布押さえ(図示
せず)がその送り台21上に設けられている。送り台21
は、全体として薄形の矩形箱状をなし、X方向用及びY
方向用の2つのパルスモータ89,90(第10図にのみ図示
する)を備えた図示しない送り装置により、互いに直交
するX方向(左右方向)及びY方向(前後方向)の所要
の位置に移動される。この送り台21の移動パターンは、
後述する制御装置によって加工布に形成された鳩目穴の
切り込み形状に沿うように設定され、これにより布押さ
えにて押さえ付け固定された加工布を縫針15直下の必要
な位置に移動させ、もってその加工布に形成された鳩目
穴状の切り込みの縁部に順次かがり縫いを施すことがで
きる。
(2) 針棒15の周辺構造 まず、アーム部13の先端下面には針棒15を上下に貫通
させる径大な貫通孔13aが形成され、ここに針棒回動ブ
ラケット23が抜け止め状態で回動可能に嵌め込まれてい
る。この針棒回動ブラケット23は、第6図に示すように
上記貫通孔13a内に位置する筒状部23aと、その筒状部23
aの下面に位置するギヤ部23bと、このギヤ部23bの下面
の対称位置に下向きに突設した一対の脚部23cとを一体
に有してなり、各脚部23cには横方向に延びる収納孔24
が形成されている。この針棒回動ブラケット23の筒状部
23aには針棒案内部材25が上下動可能に収納され、その
針棒案内部材25がアーム部13に対し上下動可能に設けら
れた状態となっている。
針棒案内部材25は、第6図にも示すように、上下に長
い筒状部25aと、その筒状部25aの下端に一体に設けられ
た直方体状のスライドブロック部25bとを一体に有して
成る。その組付け状態では、筒状部25aが針棒回動ブラ
ケット23の筒状部23a内を貫通し、スライドブロック部2
5bが針棒回動ブラケット23の一対の脚部23c間に挟まれ
るように位置している。そして、スライドブロック部25
bのうち上記各脚部23cに接する2つの面には、共に同一
方向に斜めに延びる2本の斜状溝26が夫々形成され、一
方、各脚部23cの収納孔24にはガイドピン27が軸方向に
移動可能に収納され、そのガイドピン27の先端部に上記
斜状溝26に係合する針振り突部28が一体に突設されてい
る。各ガイドピン27は、押え板29との間に設けた圧縮ば
ね30により常時スライドブロック部25b側に付勢され、
これにて針振り突部28が斜状溝26に対し摺動可能に係合
した状態にある。従って、針棒案内部材25が上下に移動
すると、斜状溝26を有するスライドブロック部25bも一
体的に上下動するから、アーム部13側に固定して設けら
れている関係にあるガイドピン27の針振り突部28に案内
され、針棒案内部材25が左右に揺動することになる。こ
の針棒案内部材25の筒状部25aの上端には、ワッシャ31
と固定カラー32との間に挟まれて連結カラー33が回動可
能に嵌合され、その連結カラー33から連結ピン33aが左
右方向に突出している。
上述の針棒案内部材25の駆動源は、前記ミシンモータ
78とは別に設けられた針振り用パルスモータ34である。
この針振り用パルスモータ34はアーム部13の先端左側面
部に固定され、その出力軸には駆動シャフト35が取付け
られている。この駆動シャフト35はアーム部13の左右側
壁部を貫通して回動自在に設けられており、これのアー
ム部13内に位置する部分には前後方向に僅かにスライド
可能な一対の連結アーム36が前方に向けて取付けられて
いる。そして、連結アーム36の先端部は前記針棒案内部
材25に嵌合した連結カラー33の連結ピン33aに回動可能
に嵌合され、もって駆動シャフト35の回動に応じて針棒
案内部材25を上下に駆動できるようにしている。なお、
駆動シャフト35の原点位置を検出するために、アーム部
13の右側面部に突出する駆動シャフト35の先端部にはス
リット37aを有した回転円板37が固定され、アーム部13
にはこの回転円板37に対向する磁気検出式の針振りセン
サ38が固定されている。
このような針棒案内部材25に対し、前記針棒16は上下
動可能且つ回り止め状態で挿通されている。即ち、針棒
16のうち針棒案内部材25のスライドブロック部25bを貫
通する部分の上下には、周面の対称位置に平坦面部16a
が形成され、そのスライドブロック部25bに形成した一
対の穴部39には夫々押え部材40が収納されてねじ41によ
り抜け止め固定されている(第8図参照)。このような
平坦面部16aと押え部材40との関係によって針棒16は回
り止め状態にある。
また、針棒16の上端寄り部分には、連結ピン42を突設
した針棒抱き43が上下一対のカラー44によって針棒16に
軸方向移動を阻止された状態で回動可能に嵌合されてい
る。一方、アーム部13の内部にはミシンモータ78によっ
て回転駆動されるミシン主軸45が設けられ、ここに両端
面に2種類のカム溝を形成した円形のカム体46が取付け
られている。そして、アーム部13内には前後方向に延び
る針棒駆動レバー47が軸47aによって軸支され、その後
端部に前記カム体46の針棒駆動用のカム溝に係合するカ
ムフォロワー48が設けられている。また、その針棒駆動
レバー47の前端部には前後に僅かにスライド可能な連結
アーム49が嵌合し、その連結アーム49の先端が針棒抱き
43の連結ピン42に係合している。これにより、ミシン主
軸45が回転するとカム体46が回転し、これに連動するカ
ムフォロワー48の変位に応じて針棒駆動レバー47が第4
図中矢印A方向に揺動し、もって針棒16が上下に駆動さ
れることになる。従って、これらの構成が針棒16を上下
に駆動するための針棒上下駆動機構50に相当する。
(3) 針棒16とルーパー土台17との連動機構 さて、鳩目穴の丸穴部を縫うときには送り台21が移動
するのみならず、上記針棒16とルーパー17とが僅かずつ
一体的に回動して縫糸が放射状のパターンを描くように
なっている。次に、この連動機構を第1図及び第2図も
参照して説明する。
この機構の駆動源は、ベッド部12内に設けた駆動モー
タに相当するパルスモータ61である。このパルスモータ
61は出力軸を下向きにしてミシンフレーム11に固定さ
れ、その出力軸に駆動ギヤ62が固定されている。
一方、ミシンフレーム11には連動軸63がベッド部12と
アーム部13間に渡るように上下方向に延びて軸受64,65
によって回動可能に支持され、その上部に前記針棒16を
回動させるための針棒用ギヤ機構66が構成され、下部に
前記ルーパー土台17を回動させるためのルーパー土台用
ギヤ機構67が構成されている。このうち、針棒用ギヤ機
構66は、前記針棒回動ブラケット23のギヤ部23bと、前
記連動軸63に取付けられて上記ギヤ部23bに噛合う針棒
用扇形ギヤ68とからなり、連動軸63の回転を針棒回動ブ
ラケット23を介して針棒16に伝えるようになっている。
また、ルーパー土台用ギヤ機構67は、前記パルスモータ
61に取付けられた駆動ギヤ62と、これに噛合うアイドル
ギヤ69と、連動軸63に取付けられた扇形ギヤ70と、前記
ルーパー土台17に設けた従動ギヤ71とからなる。上記扇
形ギヤ70は、互いに半径寸法が異なる第1及び第2の2
つの扇形ギヤ70a,70bを逆向きに一体化した構成で、パ
ルスモータ61側に位置する第1の扇形ギヤ70aは上記ア
イドルギヤ69を介してパルスモータ61の駆動ギヤ62に噛
合う。また、ルーパー土台17側に位置する第2の扇形ギ
ヤ70bは、ルーパー土台17に設けた従動ギヤ71に直接に
噛合う。なお、ベッド部12の裏面側には、第1図に示す
ように、扇形ギヤ70の側方に位置してその双方向の回動
限界位置を規制する2個のストッパ72,73が取付けられ
ている。
(4) 各機構の制御のための構成 以上述べた各機構を制御するために、第10図に示すよ
うにCPU81を中心とした構成の制御装置がミシンテーブ
ル14の下に設けられている。
CPU81は、ROM82及びRAM83とバスにて接続されると共
に、起動・停止スイッチ84、主軸回転速度センサ85、針
棒位置センサ86、針振りセンサ38及び図示しない操作パ
ネル部に設けた振り幅設定スイッチ87からの信号を受
け、ミシンモータ88、送り装置のX方向用及びY方向用
の2つのパルスモータ89,90、前述したパルスモータ6
1、ハンマー駆動機構91並びに針振り用パルスモータ34
を夫々図示しないドライバ回路を介して制御する。
ここで、振り幅設定スイッチ87にて所望の針振り幅を
設定しておき、起動・停止スイッチ84をオン操作する
と、CPU81からの信号に基づきミシンモータ88が起動
し、ミシン主軸45が回転する。すると、これに伴いミシ
ン主軸45に設けられたカム体46が回転するから、前述し
たように動きが伝えられて針棒16が上下に駆動され、ま
たルーパーが針棒16の上下動に同期して動作する。ま
た、ミシン主軸45の回転に伴い、針棒位置センサ86から
針棒16が例えば上死点位置の特定の位相に至ったときに
CPU81に検出信号が与えれらる。するとCPU81は、針棒16
が例えば上死点位置に至ったときから所定の時間が経過
したところで、RAM83に記憶された針振りの設定幅に対
応する数値を読み出し、その数値に応じた数のパルスを
針振り用パルスモータ34に出力してこれを例えば正転さ
せる。これにより、前述したように針棒案内部材25が例
えば上方に移動するため、針棒案内部材25ひいては針棒
16が第5図中左方向に振れ、縫針15は中心から左寄りに
落ちることになる。次に、針棒16が下死点を経て再び上
昇し、上死点位置に至ると、針棒位置センサ86から再び
CPU81に検出信号が与えられる。すると、今度は、CPU81
はやはり針棒16が上死点位置に至ったときから所定の時
間が経過したところで、RAM83に記憶された数値を読み
出し、その数値に応じた数のパルスを針振り用パルスモ
タ34に出力して今度はこれを逆転させる。これにより、
針棒内部材25が下方に移動することになるため、針棒案
内部材25ひいては針棒16が今度は第5図中右方向に振
れ、縫針15は中心から右寄りに落ちることになる。以
下、上述したと同様に、針棒16が上死点位置に至ったと
きから所定の時間が経過したところで、針振り用パルス
モータ34を交互に正転・逆転させることを繰返すことに
より、針棒案内部材25は上下に往復駆動され、これが左
右に振れて、結局、縫針15は振り幅設定スイッチ87にて
設定された針振り幅だけ左右に離れた2点に1針毎に交
互に落ちることになる。
さらに、このようなかがり縫い動作が行われる間、送
り台21は送り装置により鳩目穴の切り込み形状に添わせ
て送り動作され、この結果、相対的には縫針15の針落ち
点が鳩目穴の往路側の直線部B1(第12図参照)から丸穴
部Aを経て、復路側の直線部B2を辿るように移動する。
そして、この場合、丸穴部Aの同図に示した上半部を縫
う時期においては、CPU81はステップモータ61をステッ
プ駆動して微少角度づつ合計180°回動させる。ステッ
プモータ61の回動により、アイドルギヤ69及び第2の扇
形ギヤ70bを介して連動軸63が回動するから、針棒用ギ
ヤ機構66を介して針棒回動ブラケット23ひいては針棒案
内部材35及び針棒16が徐々に回動する。また、連動軸63
の回動に基づき、その回転力が第2の扇形ギヤ70b及び
従動ギヤ71を介してルーパー土台17に伝達されるから、
これが針棒16と同期して徐々に回動する。この結果、鳩
目穴の丸穴部Aの上半部では縫糸の縫いパターンが第12
図に示すように放射状になる。このようにして鳩目穴の
全体を縫い終わると、糸切り動作が行われた後、送り台
21が原点位置に復帰移動すると共に、CPU81からの信号
に基づきステップモータ61が逆転され、これにて針棒16
及びルーパー土台17が180°反転して元の状態に戻る。
上記実施例によれば、次の通りの効果を奏する。
ステップモータ61からの回転力は、駆動ギヤ62、アイ
ドルギヤ69及び第1の扇形ギヤ70aを順に介して連動軸6
3に伝達され、更に第2の扇形ギヤ70bからルーパー土台
17の従動ギヤ71と伝達される。この構成では、駆動ギヤ
62とルーパー土台17の従動ギヤ71との回転比を決定する
要素は、第1の扇形ギヤ70aの半径R2と駆動ギヤ62の半
径R1との比(R2/R1)及び、従動ギヤ71の半径R4と第2
の扇形ギヤ70bの半径R3との比(R4/R3)であり、これら
の値が大きい程、ステップモータ61の1ステップ毎(例
えば約1.8°回動)についてのルーパー土台17の回動角
度を小さくして丸穴部Aに緻密な縫い模様を形成するこ
とができる。この点、上記実施例では、駆動ギヤ62と第
1の扇形ギヤ70aとの組合せが、ルーパー土台17から離
れた位置にあってスペース的な余裕があることを利用
し、第1の扇形ギヤ70aを比較的径大に設定することに
よって半径比(R2/R1)を大きくすることができる。こ
の結果、ルーパー土台17に設けられる従動ギヤ71を径大
にして比(R4/R3)を大きく設定しなくとも、駆動ギヤ6
2から従動ギヤ71に至るギヤ列全体の回転比を小さくす
ることができる。このことは、従来と同一の分解能のス
テップモータ61を使用しても、ルーパー土台17をより微
少な角度で回動させることができ、緻密な縫い模様のか
がり縫いを施すことができることを意味する。また、第
1及び第2の各扇形ギヤ70a,70bは一体に形成されてい
るから、第11図に示した従来構造に比べて、部品点数を
削減することができ、製造コストを低減させることがで
きる。しかも、特に扇形ギヤ70の側方にストッパ72,73
を設けた本実施例によれは、針棒16とルーパー土台17と
の回動位相を合致させる作業を簡単に行うことができる
ようになる。
なお、上記実施例では、針棒16を左右に揺動させる針
振り機構のために、ミシンモータ88とは別の駆動源とし
て針振り用パルスモータ34を設ける構成としたが、本発
明はこれに限られず、従来と同様にミシン主軸45の回転
力をカムとリンク機構とを用いて針棒案内部材25の上下
動に変換して伝えるようにしてもよい。また、ルーパー
土台用ギヤ機構67に設けらアイドルギヤ69は省略しても
よく、逆に、必要ならば第2の扇形ギヤ70bと従動ギヤ7
1との間にアイドルギヤを設けるようにしてもよい。そ
の他、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定され
ることなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実
施することができるものである。
[発明の効果] 本発明は以上述べたように、ルーパー土台の回動角度
を十分に小さくすることができて緻密なかがり縫いが可
能になり、しかも部品点数を削減して製造コストを安価
にできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第10図は本発明の一実施例を示し、第1図
は要部を示すベッド部の底面図、第2図はミシンフレー
ムを模式的に表して内部構造を示すベッド部の側面図、
第3図は同アーム部の左側面図、第4図は同右側面図、
第5図は同正面図、第6図は針棒支持構造を示す分解斜
視図、第7図はやはりミシンフレームを模式的に表して
内部構造を示すアーム部の平面図、第8図は第4図中VI
II-VIII線に沿う断面図、第9図は全体の側面図、第10
図は制御装置のブロック図である。第11図は従来のルー
パー土台の駆動機構を示す斜視図、第12図は鳩目穴の縫
い模様の一例を示す平面図である。 図面中、11はミシンフレーム、12はベッド部、13はアー
ム部、15は縫針、16は針棒、17はルーパー土台、21は送
り台、50は針棒上下動機構、61は駆動モータ、63は連動
軸、66は針棒用ギヤ機構、67はルーパー土台用ギヤ機
構、70aは第1の扇形ギヤ、70bは第2の扇形ギヤ、71は
従動ギヤである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鯉江 和明 愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9丁目35番 地 ブラザー工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D05B 1/00 - 83/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下端部に縫針を備えてアーム部に上下動可
    能に設けられた針棒と、 この針棒を上下動させるための針棒上下駆動機構と、 ベッド部の上面部に設けられ加工布がセットされる送り
    台と、 この送り台を前記加工布に形成された鳩目穴の切り込み
    形状に沿わせて送り動作させるための送り装置と、 前記ベッド部に設けられ前記縫針と協働して前記加工布
    に縫目を形成するためのルーパーと、 前記ベッド部に設けられ前記鳩目穴の丸穴部のかがり縫
    い時期に駆動される駆動モータと、 この駆動モータの回転を前記ルーパーを設けたルーパー
    土台に伝えて前記鳩目穴の丸穴部のかがり縫い時期にそ
    のルーパー土台を回動させるためのルーパー土台用ギヤ
    機構と、 前記ベッド部と前記アーム部との間に渡るように設けら
    れ前記ルーパー土台用ギヤ機構における回転力を前記ア
    ーム部側に伝達する連動軸と、 前記アーム部に設けられ前記連動軸の回転を前記針棒に
    伝えて前記針棒を前記ルーパー土台と連動させて回転さ
    せる針棒用ギヤ機構とを備え、 前記ルーパー土台用ギヤ機構は、前記駆動モータの出力
    軸に設けられた駆動ギヤと、前記連動軸に設けられ前記
    駆動ギヤからの回転力を受ける第1の扇形ギヤと、前記
    連動軸に前記第1の扇形ギヤと一体に設けられこれとは
    径寸法が相違する第2の扇形ギヤと、前記ルーパー土台
    に設けられて前記第2の扇形ギヤからの回転力を受ける
    従動ギヤとから構成したことを特徴とする鳩目穴かがり
    ミシン。
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