JPS5856022B2 - バナジウム炭化物高含有の高耐摩耗性粉末治金工具鋼物品 - Google Patents

バナジウム炭化物高含有の高耐摩耗性粉末治金工具鋼物品

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JPS5856022B2
JPS5856022B2 JP54039913A JP3991379A JPS5856022B2 JP S5856022 B2 JPS5856022 B2 JP S5856022B2 JP 54039913 A JP54039913 A JP 54039913A JP 3991379 A JP3991379 A JP 3991379A JP S5856022 B2 JPS5856022 B2 JP S5856022B2
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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    • C22C33/02Making ferrous alloys by powder metallurgy
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Description

【発明の詳細な説明】 工具鋼及びそれからつくられる物品は、MC−型炭化物
分散物の相当量の存在のため耐摩耗性の見地から有益で
あることは公知である。
しかし乍ら、炭化物含有量が増大するにつれ、鋼の加工
性は低下する。
その結果、此種の従来の溶融鋳造合金では、その実用的
限界は全MC型炭化物含有量に依存する。
具体的には、工具鋼及びこれからつくられる物品は、使
用中に遭遇する高応力下での変形に耐える降伏強さと、
圧延、押出し、ブランキング、パンチング、スリッティ
ング、その他の作業中の被加工物との接触中の摩耗に耐
える耐摩耗性と、該被加工物との接触中に該工具の破壊
や欠損を防止する靭性との絹合せ特性をもつことを要求
される。
この目的のため、炭化物粒子の分散物を備えた合金鋼マ
トリックスを有し、これら炭化物粒子は耐摩耗性の目的
で存せしめられかくして該マトリックスは所望の強度と
靭性とを付与されるようにした工具鋼を使用することは
公知である。
従って、この種の合金に於て、その耐摩耗性が炭化物含
有量、特にMC−型バナジウム炭化物の増大につれて増
大させることが認められる。
この種の炭化物は、それらの相対的硬さのため耐摩耗性
に対し、最も著しく貢献する。
この理由で、MC−型バナジウム炭化物の多量は、MC
型炭化物形形成バナジウムを炭素と化学量論的に均衡さ
せることにより得られる。
MC型バナジウム炭化物形成のための化学量論的関係は
、1φバナジウムと0.20%炭素である。
認められているように、この炭化物含有の増大に伴ない
、鋼の靭性は低下する。
更に、1方、靭性と加工性は、インゴットの凝固中或い
はその他合金の鋳造中に起る炭化物の偏析により悪影響
を与えられる。
更に炭化物粒子の不当に大きいサイズへの生長は避ける
ことが出来ない。
その結果、従来の工具鋼ではMC−型バナジウム炭化物
含有量は、最大的8.2容量饅までに制限される。
米国特許3,746,518は、漠然と、複数個の炭化
物形成元素を含むコバルト、鉄及びニッケル主体合金を
開示しているが、各種のマトリックス物質中にも各種の
炭化物形成元素中にも区別をせず、炭化物形成元素のい
づれについても上限を明確tこ設定していない。
明らか(こ、これらのファクターは重要と考えられなか
った。
これに対して、本発明は、専ら鉄主体合金について取り
扱い且つバナジウムを臨界炭化物形成元素として取り扱
い而してバナジウムとバナジウム炭化物含有量について
臨界的限定を設定するものである。
従って、本発明の第1の目的は、実質上球状の且つ均一
に分散されたMC−型バナジウム炭化物の高含有量をも
つ高耐摩耗性粉末冶金工具鋼物品を提供し、これにより
、該物品に著しく改善された耐摩耗性を付与せしめると
同時に靭性及び加工性を許容レベルに維持するようにし
たことにある。
本発明の此の並びに他の目的並びにその一層完全な理解
は、下記の説明、具体的実施例及び図面により明らか(
こする。
鼓に使用した語rMC〜型バナジウム炭化物」は、面心
立方結晶構造を特徴とする炭化物を指称し、「M」は炭
化物形成元素、本質的にバナジウムを表わす。
而してこれは又1!v14c3−型バナジウム炭化物を
含み又炭素を窒素及び/又は酸素で部分置換した「炭窒
化物」及び「オキシ炭窒化物」と称するものを含む。
本発明の粉末冶金工具鋼物品は鼓で、実質土倉てのMC
−型バナジウム炭化物を含むと定義されるが、M6C2
M2C及びM23C6炭化物等の他の型式の炭化物が少
量存在してもよいが本発明の目的を達成する見地から重
要でない。
鼓で使用される語「粉末冶金工具鋼物品」は、加熱と加
圧の組合せにより、最終成形として、理論密度の99φ
以上の密度を有する固有質量体に形成された圧縮された
事前合金化チャージを指称するに用いられる。
これは、ビレット、ブルーム。ロンド、バーその他の中
間製品を含むと共に当初の事前合金化粒子チャージから
或は該中間製品から作られるロール、ポンチ、ダイス、
耐摩耗プレート、その他の最終製品をも含む。
概して、本発明の実施に於て、事前合金化粉末チャージ
が得られる。
これに於て、その各粒子は、容量で10乃至18φの範
囲内で好ましくは、15乃至17饅或いは13.3乃至
17.2φの範囲内で、MC−型バナジウム炭化物の均
一な分散をもつ合金鋼マトリックスを有する。
これら炭化物は、実質上球状であり且つ均一に分散され
ている。
更に詳細には、本発明の粉末冶金工具鋼物品を形成する
事前合金化粉末は、下記範囲内で、重量パーセントに於
て、冶金組成物と、容量パーセントに於てMC−型バナ
ジウム炭化物含有量とを有する。
*鋼製造実施特性の付随元素及び不純物を含む。
本発明の物品は、更に、該MC−型バナジウム炭化物が
実質上球状であり且つ均一に分散されていることを特徴
とする。
炭素含有量は、バナジウム、クロム及びモリブデン含有
量と均衡化され、粉末冶金物品が少くとも56 Rcの
硬さに熱処理されることを可能(こするに充分な炭素を
提供する。
更に、事前合金化粉末の冶金組成に関して、マンガン含
有量が上記した上限界をはずれるならば、生成する物品
は、切削加工の目的に要求される低硬度へ焼なましする
ことが困難である。
■方、マンガス含有量が低くすぎるならば、適当な可削
性を付与するに必要な硫化マンガンを形成するに充分な
マンガンがないこととなる。
シリコンは最大限度を越えるならば、物品の硬さは切削
のための焼なまし条件tこは大きすぎる。
クロムは加熱処理中の適当な硬化性に必要であり更に加
えて昇温強度を増進する。
クロム含有量が高すぎるならば、これは、加熱処理中に
、高温フェライトの形成或いはオーステナイトの不当に
多量の残存をもたらす。
高温フェライトの形成は、熱間加工性に悪影響を与え、
又残存オーステナイトは、熱処理中に、所望の高い硬さ
レベルに達することをさまたげる。
モリブデンは、クロムのように、合金物品に高温強度及
び硬化性を与える。
イオウは、硫化マンガンの形成を与えることにより切削
性を増進する。
炭素は、MC−型バナジウム炭化物を形成して耐摩耗性
を与える目的で、バナジウムの均衡されるべきである。
又炭素は、含有する全てのバナジウムと結合する量含有
し且つその上マトリックス強度付与のために含有するこ
とが適当なマトリックス硬化に必要である。
この特性の粉末チャージは、任意の粉末冶金技術で、そ
の技術が炭化物の過剰な、有害な生長及び塊状化をもた
らさない限り、圧縮されて所望の製品形状にされる。
オートクレーブ内に事前合金化、アトマイズ化粉末を密
閉充填したものを熱間均等加圧すると云う周知の技術を
使用することが好ましい。
本発明は、実質土竜てのMC−型バナジウム炭化物を含
む粉末冶金製造された合金鋼組成物及び粉末冶金工具鋼
物品を取り扱う。
更に、バナジウム含有量とMC−型バナジウム炭化物含
有量とを一定の臨界レベル範囲に規制することにより、
耐摩耗性と靭性と許容し得る研削性との従来得られなか
った組合せ特性が遠戚される。
本発明は、表■に表示した各種合金により説明する。
これら合金CPM6V、CPMI IV及びCPM14
Vは、(1)誘導融解及びガスアトマイゼーションによ
り事前合金化粉末を製造すること、(2)該粉末を一4
0メツシュサイズ(米国標準)にスクリーニングするこ
と、(3)粉末を140mm径×152mm高さの軟鋼
容器内に入れること、(4)これら容器をガス抜き並び
に密封すること、(5)これら容器を1170℃に加熱
し且つその温度に9時間保持すること、(6)91 M
P aの均等加圧作用により本質的に充分な密度に固め
ること、及び(7)周囲温度に冷却することをこより、
調製された。
これら圧縮体は次で25.4mm平方のバーに容易に熱
間鍛造(鍛造温度1090℃)され、これらバーから各
種試験片が調製された。
比較の目的で、C6V及びCIIVで表わしたと類似の
組成物が、45kg加熱溶鋼に誘導融解され、次で耐火
レンガでライニングされた127關平方鋳型内に注入さ
れた。
これらインゴットは次で、対応する粉末冶金圧縮物CP
M6V及CPMIIVで使用したと同じスケジュールに
より鍛造処理(1090℃加熱温度を使用して)を施し
た。
表Iに報告したC6V鋼は、相当の注意を払って76關
平方バーに鍛造し得た。
之に対し、表■に報告したC11■鋼は当初の鍛造加圧
で相当な亀裂を受けかくして実用上加工不能であること
が認められた。
粉末冶金製品CPM6V及びC2M11■の著しく優れ
た熱間加工性がこの実験の結果認められた。
CPMIOVの素材は、(1)誘導融解及びガスアトマ
イゼーションにより事前合金化粉末を製造すること、(
2)粉末を−16メツシユサイズ(米国標準)にスクリ
ーニングすること、(3)粉末を324■インチ外径X
1524mm高さの軟鋼容器内に入れること、(4)該
容器をガス抜きすること、(5)該容器を1180℃に
加熱すること、(6)83 MP aの均等加圧作用に
より本質的に充分な密度に固めること、(7)周囲温度
に冷却することにより、調製される。
該圧縮物は、次で(1)1150℃に加熱され、(2)
断面267mmX 76mmをもつビレットに熱間圧延
され、(3)焼鈍され、(4)コンディショニングされ
、(5)1135℃に加熱され、(6)断面215.l
X50間に鍛造され、更に(7)断面203.6 X
44.8mmに切削加工された。
CPMI 6Vの素材は、(1)誘導融解及びガスアト
マイゼーションにより事前合金化粉末を製造すること、
(2)−20メツシユサイズ(米国標準)に粉末をスク
リーニングすること、(3)25.4山内径X101.
6山高さの軟鋼容器内に粉末を入れること、(4)該容
器を脱気すること、(5)該容器を1190℃に加熱す
ること及び(6)鍛造加圧の作用により実質上充分な密
度に固めることにより調製された。
これら合金の実用特性の評価を得るべく、冷間加工工具
に於けるこれらの使用に関する緒基本特性の決定を行な
った。
これらは、(1)顕微鏡組織、(2)強度の測定として
熱処理条件での硬さ、(3)靭性の測定として曲げ破断
強度及び衝撃値及び(4)耐摩耗性測定としてクロスシ
リンダー摩耗テストに於ける摩耗率を含む。
銅物品CPM6V、CPMIOV、CPMI IV。
CPMI4V、C6V及びCIIV中のMC−型バナジ
ウム炭化物の特性は、第1.2,3,4゜5及び6図に
夫々示されている。
公知の特別な選択エツチング技術の適用(ピクラール及
びムラカミ試薬の連続適用)により、該MC−型バナジ
ウム炭化物は、暗い背景(全ての他の微細緒組成分を含
む)に白い粒子として見えるようにせしめられる。
尚、ピクラール試薬は、100m1エチルアルコール中
に5gピクリン酸から戊り、ムラカミ試薬は100 m
、l水中10gフェリシアン化カリウム及び7gの水酸
化ナトリウムから威る。
MC型バナジウム炭化物粒子は、第1,2及び3図の鋼
CPM6V、CPMIOV及びC2M11■の夫々の鋼
に於て、均一に分散し、サイズが小さく且つ実質上球状
であることが極めて明白である。
これらの鋼に於いて、該MC−型バナジウム炭化物の少
くとも90%はサイズは3ミクロン以下であり且つ如何
なる方向にもサイズが15ミクロンより実質上大きいも
のはない。
これに対し、第4図のCPM14V及び第5図及び第6
図のインコツト鋳造鋼C6V及びC11■は夫々、明ら
かに一層大きい角のある形状の、例えば、非球状の、M
C−型バナジウム炭化物の存在により特徴付けられる。
これらの大きい角のある形状の炭化物は、物品の顕微鏡
組織中に全体に亘り、一群の塊りとして現われ而して不
均一なMC−型バナジウム炭化物分散を結果として生成
する。
MC−型バナジウム炭化物の特性に関して、鋼CPM6
V。
CPMI OV、及びCPMIIVは、本発明の範囲内
の物品のMC−型バナジウム炭化物外観の例示であり、
之に対し、鋼CPM14V、C6V及びC11■のその
外観は、本発明の範囲外の物品の特性である。
該MC−型バナジウム炭化物のサイズ、形状及び分布に
加え、本発明は、物品中に含まれるMC型バナジウム炭
化物の量の重要性を強調する。
鋼CPM6V、CPMIOV、CPMIIV。
CPMI4V、C6V及びC11■中に含有のMC−型
バナジウム炭化物の量は、鋼のバナジウム含有量はMC
又はM4C3型炭化物の形で存在し、鼓でMは実質上量
てのバナジウムであり又バナジウム/炭素比率は容量幅
で5:1であると云う充分容認された事実に基き算出さ
れた。
この型式の合金に於て、タングステンは、如何なる目的
にも故意(こ添加されないけれども、付随元素及び不純
物として通常存在する。
比較の目的に使用されるその他の材料として、Al5I
A7及びD7についての容量パーセントが、鋼のバナジ
ウム含有量として、夫々4.75及び4.0重量パーセ
ントのわずかなバナジウム含有量を使用する実験□につ
き同じ基準で計算された。
AISIM2及びM4高速度鋼について、MiC型バナ
ジウム炭化物含有量の容量パーセントは、ケイサー及び
コーエン著技術刊公物メタルプログレス、1952年6
月、79〜85頁から採用された。
硬さは、冷間加工或いは熱間加工工具に使用中の変形に
耐える鋼の能力の測定である。
Rc56の最小硬さは、通常要求される。
表■に提示した結果は、954°Cで1時間オーステナ
イト化すること、油急?+(焼入れ)すること及び26
0℃で2+2時間焼戻しすることとから成る熱処理後の
ASTME18−67基準に従った硬さ試験で得られた
鋼の記述 製造 式 MC−型バ ナジウム炭 化物含有量 (Vol、φ) 硬さ くRc) CPM 6■ 粉末冶金 10.5 2 6V インゴット鋳造 10.2 6 CPM、1iv 粉末冶金 17.7 3 C11■ インゴット鋳造 18.2 0 本発明に従って製造された製品(CPM6V及びC4M
11■)がインゴット鋳造製品(C6V及びCIIV)
より熱処理反応に於て優れていることは極めて明白であ
る。
C2M10■の試料は、オーステナイト化処理と冷却処
理と、焼戻し処理とから戊る広範囲に亘る各種の熱処理
を施した。
オーステナイト化の結果は、第9図に提示されている。
鼓で、時間一温度関係は下記の通りである。
焼戻し処理の結果は第10図に示されている。
これらの図面から熱処理による硬さ56 Rcは、広い
処理範囲tこ亘るオーステナイト化及び焼戻し条件に於
て本発明の物品について達成され得ることが明らかであ
る。
曲げ破断強度は、靭性の尺度である。
この性質の決定は、環境温度で、6.35m4X 47
.6mm長さの試験片につき、38.1 urn、支持
スパンをもつ3点荷重を使用し、毎分2.54mmの曲
げ率を使用して、なされた。
曲げ破断強度は、試料の破断をもたらす応力である。
次の式を使用して計算される。鼓で、Sは曲げ破断強度
(Pa) Pは破断をもたらすに必要な荷重(N) Lは支持スパン(m) bは試料幅(m) hは試料高さくm) 表■に提示の結果は、954°Cで1時間のオーステナ
イト化処理、油急冷処理及び260℃で2+2時間の焼
戻し処理とにより熱処理された試験片に於いて得られた
本発明に従った粉末冶金調製品の優秀性は、極めて明白
である。
衝撃靭性試験を12.7mrrtの切溝径を有する試験
片につきASTME23−72処法に従って、室温でシ
ャルピ一式試験片につき実施した。
表■に提示の結果が得られた。
表■から、次のことが分る。
即ち、本発明の物品は、炭化物含有量を実質上一層多く
含むものでさえ、冷間加工適用のための最適の熱処理条
件に於ける従来の市販の冷間加工或いは熱間加工材料よ
り、靭性が優れていることが認められる。
表■に提示の靭性データは第7図tこグラフで表わされ
ている。
これらのデータは、容量で約18φを越えるMC−型バ
ナジウム炭化物含有量では、本発明に従った製品の靭性
は、従来達成されている靭性レベルに減少しかくして本
発明のこの利点は消失することを示す。
耐摩耗性の評価のため、クロスシリンダー摩耗試験が用
いられた。
この試験に於て、夫々の冷間加工或いは熱間加工工具材
の円筒状試験片(15,9間径)とタングステン炭化物
(コバルト結合材6φを含む)の円筒状試験片(12,
7mm径)とが互に直角に配置される。
66.8N荷重がおもりを介しレバーアーム上にかけら
れる。
次で該タングステン炭化物円筒状試験片が毎分667回
転の速度で回転される。
潤滑剤は全く施されない。
試験が進行するにつれ、摩耗スポットが該工具材の試験
片上に発達する。
時々、摩耗度が該試験片上の摩耗スポットの深さを測る
ことにより決定され、而してこの目的のためをこ具体的
に導かれた関係の助けにより、それを摩耗容量に換算す
る。
耐摩耗性、即ち摩耗率の逆数が次で下記式に従い計算さ
れる。
鼓で、■−摩耗容量(mo) L−かけた荷重(N) S−スライド距離(m) d−タングステン炭化物円筒体の径(m)N−タングス
テン炭化物円筒体の回転数(rpm)此の試験は、実施
上遭遇する摩耗状況と優れた相関関係を与えた。
この摩耗試験を本発明の試験片と市販ストック品からい
くつかの最近広く使用されている高耐摩耗性の冷間加工
或いは熱間加工工具材とに施した結果、表■に提示のデ
ータが得られた。
耐摩耗性について、本発明の合金の優秀性は、該報告デ
ータから極めて明らかである。
更に詳細には、表■及び第8図に示すように、CPMI
O試験片の耐摩耗性は、C2M11試料の耐摩耗性より
著しく優れて居り、且つ一層高いMC−型バナジウム炭
化物含有量を有しかくして一層高い耐摩耗性を有するこ
とが期待される。
第8図から明らかなように、従来の材料より耐摩耗性の
より優れた利益を得るには、容量で10咎の最小MC型
バナジウム炭化物含有量が必要である。
故に、本発明に従った物品につき、最小MC型バナジウ
ム炭化物含有量は、これらのデータにより確立される。
MC−型バナジウム炭化物含有量(こ関するその上限は
、約11φ或いはそれ以上のバナジウム含有量或いは容
量で約18係或いはそれ以上のMC−型バナジウム炭化
物含有量を有する色々の鋼の顕微鏡組織中(こ存在する
相対的に大きいサイズのMC−型バナジウム炭化物は、
鉄鋼の研削性に悪影響を与えると云う認定により確立さ
れた。
研削性は、研削がこの種の鋼からの工具及びその他の耐
摩耗性物品の製造に於てしばしば用いられるので、重要
な考慮すべきことである。
MC−型バナジウム炭化物サイズの研削性に対する影響
は、鋼CPMIOV及びCPM16Vからの試料につき
行なった下記実験の結果から明らかである。
これら2種類の鋼は、これらのバナジウム及び炭素の含
有量及びそれらのMC型バナジウム炭化物含有量を除き
、本質的に同じ化学組成をもつ。
C1M10■は本発明の範囲内であり、之に対しCPM
16Vはそうでない。
画調の試験片は、荒く切削加工され次で、1177°C
で4分間オーステナイト化処理し、油急冷焼入れ処理し
、及び538°Cで2+2時間焼戻し処理することによ
る熱処理を施された。
この処理後、CPMIOV鋼の硬さは63.5Rc及び
CPM16V鋼のそれは64.5Rcであった。
これら試験片は次で最終寸法31.34mm(長さ)、
10.11mm(幅)、8.74mm(厚さ)(こ仕上
げ切削加工された。
研削性評価は、往復動テーブルと磁気チャックとを備え
たツートン水平スピンドル式表面研削機の使用によりな
された。
使用された研削条件は下記の通りであった。
クロス送り 0.203山 クロス速度 28m/分 ダウン送り 0.025關/パス 研削ホイール 4−A−54−H−10−V−FM研削
ホイール 2000rpm 冷却剤 CX−308 研削を受ける 、□67IL、を 試験片表面積 各試験以前に、試験片の厚さがマイクロメーターで測定
された。
10回パス後(0,025mm/パスの研削ホイールダ
ウン送りで)試験片厚さが測られ且つ試験片厚さの変化
が計算された。
10回パス(10×0.025=0.25間)の研削ホ
イールのダウン送りと試験片厚さの測定結果変化との間
の相異が研削ホイールの摩耗をその半径として表わす。
研削ホイールの摩耗が小さいほど、被加工材料の研削性
が良い。
3回の試験が、これら試験片CPMIOV及びCPM1
6Vの夫々について行なわれた。
研削ホイールは各試験の前に目立てさせた。
上記の手段を使用することにより、下記の結果が得られ
た。
10V O,2460,2440,2490,246
0,007616V O,2310,2360,23
10,2340,0203*10回パス(0,254m
m)での研摩ホイールのダウンフィードと10回パスで
の試料厚さの平均変化との間の変化として決定。
これらの結果から、MC−型バナジウム炭化物含有量が
本発明の上限以上であると云う見地から、本発明の範囲
外である16V試験片は、不満足な研削性を表わし、而
して本発明の範囲内である10■試料片の研削性より著
しく劣ることが明らかである。
鋼CPM11■のバー(19,2mm径)は多数の冷間
押出しポンチに製造され、且つAl511008鋼から
のスパークプラグシェルの製造に於いて使用されるポン
チとして実際の使用に供された。
これらポンチの性能は、不当に摩耗して取り換えを必要
とするまでに製造されたシェルの数により決定される。
本発明CPM11■の合金の性能平均は、Al5I型M
4高速度鋼より優れていることが明白である。
別の例示として、CPMIOV鋼製のポンチは、酸化鉄
被膜金具にスロットを穿設するための工具として使用さ
れた。
4子方個の金具が該工具に摩耗を生ずることなく穿設加
工された。
比較として、Al5ID7(4饅バナジウム、或いは6
.7容量パーセントのバナジウム炭化物を含む)から製
造された同じ工具の場合、s、o o o、o o o
乃至12.000,000個の金具加工後に使用できな
くなった。
更に別の試用として、ポンチは、CPMIOVからつく
られ而して電子部品製造用の0.381mm厚さの銅−
ベリリウム合金ストリップにスロットパンチング加工す
るに使用された。
■方、硬さRc60乃至62に熱処理されたAl5ID
2?’e間加工鋼製の同様のポンチは、通常75,00
0個の部品を製造後摩耗し使用不能となった又Rc64
の硬さに熱処理されたAISIM4高速度鋼製のボンチ
ェ具は、200,000個部品製造後にいくらかの摩耗
をみた。
之に対し、Rc60硬さに熱処理されたCPMIOV製
のポンチは200,000個部品製造後にも全く摩耗し
なかった。
本発明の物品は、全く不当な困難性なしに、工具用構成
部品に製造し得られる。
これらは、所望の工具形状を形成するに必要な場合に、
250乃至300プリネル硬度に焼なましされ、切削加
工され、研摩加工され、孔あけ加工される等をなし得る
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従って製造された1例の工具鋼物品
の1部の顕微鏡写真で、該合金マl−IJラックス中特
徴あるMC−型バナジウム炭化物形成を示す。 第2図は、本発明に従った他側の一層高いMC−型バナ
ジウム炭化物含有量であることを除いては、第1図に類
似の顕微鏡写真である。 第3図は、本発明の許容上限である更に高いMC型バナ
ジウム炭化物含有量であることを除いては、第1図及び
第2図に類似の顕微鏡写真である。 第4図は、同様に、MC−型バナジウム炭化物含有量が
本発明の上限を越えてこれらの炭化物の成るものはサイ
ズが15ミクロンより大きく、実質上球状でなく、且つ
均一に分散していない点を除き、第1,2及び3図に類
似の顕微鏡写真である。 第5図は、本発明に従った組成を有し且つ具体的にはバ
ナジウム含有量を有する工具鋼物品のしかし、粉末冶金
製造物品よりはむしろインゴット鋳造物品の1部の顕微
鏡写真である。 第6図は、第5図の物品に類似のしかし一層高バナジウ
ム含有量を有する工具鋼物品の1部の顕微鏡写真である
。 第7図は、衝撃靭性とMC−型バナジウム炭化物含有量
との間の関係を示すグラフである。 第8図は、耐摩耗性とMC−型バナジウム炭化物含有量
との間の関係を示すグラフである。 第9図は、本発明に従った且つサンプルCPMIOVと
一致する粉末冶金物品の硬さに対するオーステナイト化
処理の効果を示すグラフである。 第10図は、本発明に従った且つサンプルCPMIOV
と一致する粉末冶金物品の硬さに対する2千2時間の焼
戻し時間での焼戻し温度の効果を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量パーセントで、マンガン0.2乃至1.5、シ
    リコン最大2、クロム1.5乃至6、モリブデン0.5
    0乃至6、イオウ最大0.30、バナジウム6乃至11
    .炭素1.6乃至2.8残部鉄並びに付随元素及び不純
    物から威る鉄鋼製造実施特性の合金の圧縮事前合金化粉
    末から形成された粉末冶金工具鋼物品から成り、且つ該
    物品は、実質土倉てのMC−型バナジウム炭化物の分散
    物を容量で約10乃至18パーセントの範囲内で有し、
    該炭化物は、実質上球状であり且つ均一に分散せられて
    居り、又その炭素は、クロム、モリブデン及びバナジウ
    ムと均衡せられて物品が少くとも56 Rcの硬さまで
    に熱処理されることを許容するに充分な炭素を備えるこ
    とを特徴とするバナジウム炭化物高含有の高耐摩耗性粉
    末冶金工具鋼物品。 2 該粉末冶金工具鋼物品は、重量パーセントで、マン
    ガン0.4乃至0.6、シリコン最大1、クロム5乃至
    5.5、モリブデン1.15乃至1.4、イオウ最大0
    .09、バナジウム9.25乃至10.25、炭素2.
    40乃至2.50、残部鉄並びに付随元素並びに不純物
    から戊る鉄鋼製造実施特性の合金の事前合金化粉末から
    形成され、且つ該物品、は実質土倉てのMC−型バナジ
    ウム炭化物の分散物を容量で約15乃至17パーセント
    の範囲で有することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の物品。 3 該粉末冶金工具鋼物品は、重量パーセントで、マン
    ガンO12乃至1、シリコン最大2、クロム4.5乃至
    5.5、モリブデン0.80乃至1.7、イオウ最大0
    .14、バナジウム8乃至10.5、炭素2.2乃至2
    .6、残部鉄並びに付随元素及び不純物からなる鉄鋼製
    造実施特性の合金の事前合金化粉末から形成され、且つ
    該物品は、実質土倉てのMC−型バナジウム炭化物の分
    散物を容量で約13.3乃至17.2パーセントの範囲
    内で有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の物品。
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