JPS5855761Y2 - 密閉型開閉装置用避雷器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属酸化物の電圧非直線抵抗体素子を使用した
密閉型開閉装置用避雷器に関するものである。

第１図に示すように従来の密閉型開閉装置用避雷器１は
、ＳＦ６ガス４が封入された金属容器３の中に、そのＳ
Ｆ６ガス４とは絶縁筒５と端板６等によりガス区分され
、その内に窒素ガス７を封入し且つその雰囲気中に直列
ギャップ８と炭化珪素を主成分とする電圧非直線抵抗体
９を収容して成る避雷器本体２を収容していた。

この為避雷器の続流しや断不能時においても、避雷器本
体２の内部が窒素ガス７である為ＳＦ６ガスの分解ガス
の問題がなくその防爆装置１０を大気中に向けて設ける
事ができた。

尚１２は容器３の一方を閉塞する絶縁スペーサであす、
１５は他方を閉塞する底板を示す。

しかし近年開発された金属酸化物の電圧非直線抵抗体を
使用した密閉型開閉装置用避雷器は、電圧−電流の非直
線特性が良いので直列ギャップが不要である事、又非常
にコンパクトにできるのでその内部要素の絶縁距離の不
足が生じ、それを補う為に、避雷器本体２の内部をその
外部を絶縁するＳＦ６ガス４と共通としている。

この場合はその防爆装置を大気中に向ける事は、ＳＦ６
ガスの分解ガスの問題があるので好ましくない。

この為、避雷器続流しや断不能時のそのエネルギーを金
属容器内で消費する必要が生じた。

金属酸化物の電圧非直線抵抗体１６を使用した従来から
考えられている密閉型開閉装置用避雷器を第２図及び第
３図に示す。

第１図と同一部品に同符号を記した第２図に示す様に避
雷器本体２の絶縁筒５内部雰囲気は、その外部を絶縁す
るＳＦ６ガスと端板６に設けた連通孔１１により共通の
ものになっている。

この場合避雷器が続流しや断不能に陥りそれに地絡電流
が流れる事により発生するエネルギーを金属容器３の中
で処理する為金属容器３の内部の圧力は非常に高くなる
。

密閉型開閉装置は、過密地域に設けられるものである為
、その容器などが破壊する事は好ましくない。

第２図に示す様な密閉型開閉装置用避雷器１において強
度的に弱いと考えられるものは、絶縁スペーサー１２と
絶縁ベース１３である。

絶縁スペーサ１２は、その形状が円錐形である為その強
度は絶縁ベース１３のそれより強くする事ができ、もし
それが破壊してもＳＦ６ガスの分解ガス等の高圧ガスは
母線中に留り外部に悪影響を及ぼす事はない。

一方絶縁ベース１３は、それが破壊すれば必ずＳＦ６ガ
スの分解ガスは大気中へ放出されてしまう。

この絶縁ベース１３は、避雷器の内部要素の漏れ電流を
測定する必要がある為設けられかつその形状は避雷器の
内部要素だけを取り付又取はすしを容易にする為絶縁筒
５の内径程度の大きさが必要でありその受圧面積が大き
くなり、又形状が円板の為その強度は弱く、それを増す
為にはその板厚を非常に厚くしなければならなかった。

尚、１９は絶縁ベース１３と底板１５間の気密を保持す
るオーリングである。

一方強度的な問題を解消する為に第３図の様なブッシン
グ１４を第２図に於ける絶縁ベース１３の代りに使用す
る事が考えられている。

しかしこの場合、電気的な特性と機械的強度はその目的
を達せられるが、避雷器の内部要素の保守点検の為それ
だけを着脱する必要が生じた場合又組立時には、底板１
５や絶縁筒５などをその都度分解しなければならない。

特に三相一括の密閉型開閉装置用避雷器の場合は第３図
の様な構造にすると、その工数が非常に増え実用に適さ
ない。

本考案はこれらの問題を解消し、保守点検が容易でさら
に気密構造のすぐれた密閉型開閉装置用避雷器を提供す
る事を目的とする。

本考案の一実施例を第１図乃至第３図と同一部品に同符
号を記した第４図に基づいて説明する。

本考案は金属容器３の内にＳＦ６ガス４を介して収容さ
れた避雷器本体２において、その内部雰囲気も端板１１
に設けた連通孔１１によりその外部と共通のＳＦ６ガス
４とした金属酸化物の電圧非直線抵抗体１６を使用した
密閉型開閉装置用避雷器１となっている。

この避雷器１は直列ギャップを使用していない為、抵抗
体１６に直接系統電圧が印加されるのでわずかではある
が常時漏れ電流が流れる。

このようなギャップレス避雷器においてはこの漏れ電流
が金属酸化物の電圧非直線抵抗体１６の劣化の状態を推
定する重要なパラメータであるのでそれを他の漏れ電流
から分離する必要がありこの為底板１５に絶縁ベース１
７とそれを補強する当て板１８を設けた。

避雷器の内部要素に流れる漏れ電流を測定する必要性は
従来からあってその為絶縁ベース１３、ブッシング１４
等を避雷器の接地側に設ける事は行なわれていた。

金属酸化物の電圧非直線抵抗体１６を使用したギャップ
レス避雷器の場合その必要性はさらに大きい。

又本考案を適用する金属酸化物の電圧非直線抵抗体１６
を使用した密閉型開閉装置用避雷器１は、避雷器本体２
の内部雰囲気もその外部を絶縁するＳＦ６ガス４と連通
孔１１により共通にしである為、避雷器に送電線直撃に
よるサージが侵入しそれが続流しや断不能に陥った場合
でも、避雷器本体２の内部に発生するエネルギーを外部
へ放出する事ができず、金属容器３の内部で処理しなけ
ればならない。

この場合金属容器３の内部は高圧力となる。

絶縁ベース１７はそれだけを取りはずせば避雷器内部要
素を着脱できる様に大きく作っである為、その受圧面積
が大きい。

従ってその強度が不足する為それを補う必要があり金属
の当て板１８をその外部に設けた。

漏れ電流を測定する事は板厚の薄い絶縁ベース１７が行
い、強度的には金属の当て板１８が担当する。

又気密特性も絶縁ベース１７を直接ボルトで締め付けず
、当て板１８により絶縁ベース１７を均一に押す為、局
部的な応力の集中がなく、オーリング１９を圧縮でき、
絶縁ベース１７を破損する懸念がなくなり、単に内圧上
昇に対し必要なだけのボルトを使用すれば良い。

すなわち絶縁物面を加圧する金属の面積を埋め込み金物
やワッシャー等の数を増加する事により増加させる必要
がなくなり、気密構造の信頼性が向上する。

本考案の他の実施例を第５図に示す。

第５図は三相一括の密閉型開閉装置用避雷器２０の断面
図である。

本考案による第４図に示す密閉型開閉装置用避雷器１を
三相一括用に応用したものである。

この場合は特に保守点検の為に又組立分解時において避
雷器の内部要素だけを着脱する時の便の為各避雷器本体
２を独立させ、底板１５や絶縁筒５などを分解せずに容
易に１相分の内部要素だけを着脱できるようになってい
る。

この為その作業効率が非常に良い。

第６図は本案の更に他の実施例を示すもので、蓋２１を
底板１５に取付けることによって、前述の実施例と同様
の作用効果を得ることができる。

即ち第６図は第３図に示すブッシング１４の装着方法を
改善したもので、ブッシング１４を取り付けた蓋２１を
取りはずすだけで避雷器内部要素を着脱できる大きさの
、ブッシング１４付の蓋２１を金属容器３の底板１５に
取り付は密閉したものである。

第３図に示す様にブッシング１４を使用する事で避雷器
続流しや断不能時の金属容器３内部の圧力上昇に対する
強度は十分満足するものであるが、避雷器内部要素を着
脱する為に底板１５、絶縁筒５等を分解しなければなら
ない。

が、第６図構成によれば避雷器の内部要素の着脱がその
蓋２１だけを取りはずすだけで容易にてき三相一括用の
ものに使用した場合は特にその作業性が向上し、強度的
にも初期のものを十分満足している。

以上のように本案によれば密閉型開閉装置用避雷器の内
部要素の着脱時の簡便化の必要性から生ずるその内部に
ＳＦ６ガスが封入された避雷器に於て特に絶縁ベース１
７の強度の不足を当て板１８の使用で容易に補強でき、
防爆構造の信頼性の向上ができさらに気密構造も向上さ
せることができる密閉型開閉装置用避雷器を提供できる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の密閉型開閉装置用避雷器を示す断面図、
第２図及び第３図は金属酸化物の電圧非直線抵抗体を使
用した従来から考えられている密閉型開閉装置用避雷器
を示す断面図、第４図は金属酸化物の電圧非直線抵抗体
を使用した本考案による密閉型開閉装置用避雷器の一実
施例の断面図、第５図は本考案を三相一括のものに適用
した他の実施例の断面図、第６図は本考案の他の実施例
の要部の断面図である。 １・・・・・・密閉型開閉装置用避雷器、２・・・・・
・避雷器本体、３・・・・・・金属容器、４・・・・・
・ＳＦ６ガス、５・・・・・・絶縁筒（コンデンサー筒
）、６・・・・・・端板、７・・・・・・窒素ガス、８
・・・・・・直列ギャップ、９・・・・・・炭化珪素を
主成分とする電圧非直線抵抗体、１０・・・・・・防爆
装置、１１・・・・・・連通孔、１２・・・・・・絶縁
スペーサ、１３．１７・・・・・・絶縁ベース、１４・
・・・・・ブッシング、１５・・・・・・底板、１６・
・・・・・金属酸化物の電圧非直線抵抗体、１８・・・
・・・当て板、１９・・・・・・オーリング、２０・・
・・・・三相一括の密閉型開閉装置用避雷器、２１・・
・・・・蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁ガスを封入した金属容器と、この金属容器内に収納
   された絶縁筒内に収納配置した金属酸化物の非直線抵抗
   体と、前記金属容器を閉塞する底板と、この底板を貫通
   して設けられた前記非直線抵抗体の漏れ電流を測定する
   為の装置と、この装置を保持する前記非直線抵抗体の径
   よりも大きい径の絶縁ベースと、この絶縁ベースを前記
   底板に固定する金属当て板とから成る密閉型開閉装置用
   避雷器。