JPS5855534Y2 - 同軸ケ−ブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は同軸ケーブルに関する。

従来、同軸ケーブルの外部導電層（外部導体又はしやへ
い体）は金属線を編組したものや金属テープを螺旋状に
巻いた横巻き型のもので構成されていたが、製造工程が
複雑なため価格的に高価になると云う欠点を持っていた
。

本考案は上記に鑑み、価格的に安価に製造でき、しかも
内部導体を外部導電層による閉ループで完）全に包み込
む構造とした同軸ケーブルを提供することを目的とする
。

以下、本考案の一実施例について図面を参照しながら説
明する。

第１図において１，１は２条の絶縁心線で、その゛外周
面に断面が略Ｓ字状になるようにして１枚の外部導電層
用テープ４が縦添え密着包被されている。

絶縁心線１，１はそれぞれ内部導体２と、この内部導体
２を被覆するポリエチレンやポリ塩化ビニル等の絶縁層
３とからなっている。

外部導電層用テープ４はアルミニウムや銅などの金属テ
ープ４０から構成されており、この金属テープ４０には
第２図に示すようにその巾方向中央部より一端側の部分
には表面に接着剤層４１が形成され、巾方向の中央部よ
り他端側の部分では裏面に接着剤層４２が形成されてい
る。

接着剤としては例えば塩ビ錯ピコポリマなどが用いられ
る。

なおこの接着剤層として、ポリエステルや紙からなるテ
ープ両面に前記接着剤を塗布したものを用い金属テープ
４０を補強することもできる。

そして、このテープ４は第１図に示すように、巾方向の
両端部でそれぞれ接着剤層４１．４２が内側となるよう
に折り返されている。

また絶縁心線１，１の絶縁層３，３に接触する側の面は
それぞれ接着剤層４１．４２が形成されている面の反対
側の面、すなわち金属テープ４０の露出面となっている
。

そして両端部は前記したように接着剤層４１．４２が内
側となるようにすなわち金属テープ４０の露出面が外側
に向くように折り返されているので、両端折り返し部の
外側に向いた露出面がそれぞれ中央部の露出面と接触し
電気的に接触することになる。

そのため外部導電層用テープによる２つの閉ループが形
成されることになり、絶縁心線１，１はその閉ループの
それぞれに納められることになる。

更に一方のテープ端部の折り返し部外側にドレンワイヤ
５か゛系従添えされる。

したがって、このドレンワイヤ５は折り返し部において
外側を向いている金属テープ４０の露出面に接触するこ
とができ、電気的なコンタクトが図られる。

ポリ塩化ビニルやポリエチレンなどでなるジャケット（
保護被覆層）６はこのような状態のテープ４及びドレン
ワイヤ５のまわりを被覆して保護する。

第１図の同軸ケーブルは例えば゛第３図に示すような成
形機によって絶縁心線１，１に外部導電層用テープ４を
縦添え成形する。

この第３図において、基台７上に多数のスタンド（成形
板）８が絶縁心線１及びテープ４の走行方向（矢印で示
す）に沿って配列されている。

そして各スタンド８には絶縁心線１，１を通すための穴
８１．８ｉとテープ４を通すための溝８２とが設けられ
ており、この溝８２は第４図に示すように走行方向の各
段階ごとに順次変形させられている。

Ａ−Ｅまでの段階はテープ４の両端を折り返し成形する
ための工程であり、Ｅ〜■の段階はこうして折り返され
たテープ４を２本の絶縁心線１，１の外周面にＳ字状に
包被させるための工程である。

最終段階Ｉのスタンド８においては穴と溝とは一体にな
っており、この最終段階■のスタンド８からテープ４が
絶縁心線１に縦添え、密着包被された形で導き出される
。

この成形機によれば極めて簡単な作業で外部導電層用テ
ープ４を２本の絶縁心線１，１にＳ字状に縦添えさせる
ことができる。

またこの成形機の機構は極めて簡単なものであるから堅
牢でかつ安価である。

なお、この成形機を用いれば上記のように種々の利点が
得られるが、この成形機を用いない方法で外部導電層用
テープを絶縁心線に縦添えさせて第１図に示す同軸ケー
ブルを製造することができることは勿論である。

以上、実施例について説明したように本考案によれば、
２条の絶縁心線をそれぞれ個別に一枚のテープにより完
全に包むことができるとともにドレンワイヤとの電気的
接触性も良好な同軸ケーブルを得ることができる。

しかもこの同軸ケーブルは構造的には極めて簡単なもの
であるから安価に製造できる。

またテープが絶縁心線に縦添えされた時、その外周面側
に接着剤層が面しているためジャケットとの接着性が良
好となり、ジャケットを剥離すればテープもまたそれと
ともに切断除去されるので端末処理が極めて容易なもの
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係る同軸ケーブルの縦断面
図、第２図は第１図の外部導電層用テープを示す斜視図
、第３図は成形機の一例を示す斜視図、第４図は第３図
の各段階におけるスタンドの断面図である。 １・・・・・・絶縁心線、４・・・・・・外部導電層用
テープ、４０・・・・・・金属テープ、４１．４２・・
・・・・接着剤層、５・・・・・・ドレンワイヤ、６・
・・・・・ジャケット、７・・・・・・基台、８・・・
・・・スタンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２条の絶縁心線の外側に、その巾方向中央部より一端側
   の部分は表面に接着剤層が形成され、他端側はその裏面
   に接着剤層が形成され、がっその巾方向両端で前記接着
   剤層がそれぞれ内側になるように折返えされてなる外部
   導電層用テープを、前記接着剤層を外側にして実質的に
   前記各心線を個別に包むように略Ｓ字状に縦添えさせ、
   かつ一方のテープ折返し部上にドレンワイヤを縦添えさ
   せ、その外側に保護被覆層を施してなる同軸ケーブル。