JPS5855246Y2 - ロ−ル熱処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば製鉄所における圧延ロールのごとき大形
あるいは重量の大きいロールの熱処理装置に関するもの
である。

一般に、この種のロール熱処理装置においては、力ロ熱
炉としては縦型の誘導加熱炉が多用されている。

そして、熱処理されるロールは加熱装置内に直立して装
入され、ロール周囲の加熱コイルとの隙間を保持しなが
ら回転可能とするために、上部にはクランプ装置、下部
にはロール回転装置が設けられる。

このロール回転装置は、ロールの熱処理時に加熱コイル
のらせん巻形状によるロール加熱むらが発生するのを防
止するべく、該ロールを回転させるために設けられるも
のである。

ところが、ロール回転装置はロールの下端を支持しなが
ら回転させるものであり、重量の重いロールを支持しな
ければならない上に、ロール支持面は加熱炉内の高温の
雰囲気に直接触れることになるので、ロール支持面の円
錐角と摩擦角の関係を保ってセンタリングを行うために
は、ロール支持面のメンテナンスを容易に行えることが
大切であるが、そのためにはロール支持部を炉外に容易
に取り出し得ることが要求される。

また、ロールおよびロール支持部の有する高い温度がロ
ール回転装置を含むロール支持装置の軸受等に伝わらな
いよう良好な断熱を行うことが要求される。

本考案はこのような課題に鑑みてなされたもので、良好
な断熱効果を得ることのできるロール熱処理装置を提供
することを目的とするものである。

この目的を達成するため、本考案によるロール熱処理装
置は、被加熱ロールの下端支持部材をロール下端が当接
される逆円錐支持面を設けたロール支持台から形成し、
このロール支持台には炉内外を遮断する下部シールを設
け、かつ該ロール支持台は断熱材および回り止め手段を
介して被加熱ロールに回転動を付与する回転軸に着脱自
在に載置嵌合されていることを特徴とするものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に従ってさらに説明す
る。

第１図は本考案によるロール熱処理装置の一実施例の概
略を示す断面図、第２図は第１図のロール熱処理装置の
要部を示す拡大断面図である。

第１図から明らかなように、熱処理を受けるロール１は
加熱装置２の内部に加熱コイル３からの距離を適正に保
った状態で直立して装入される。

ロール１の下端はロール回転装置４によって支持され、
またこのロール回転装置４は昇降装置５を介して架台６
上に、ロール１の長さに合わせて昇降可能に支持されて
いる。

一方、ロール１の上方には、ロール１と加熱コイル３と
の間に適正な隙間を保つためのクランプ装置７が架台８
上に載置された作業床９の上に設置されている。

また、ロール１の下端部および上端部の外周側には、加
熱装置２内を外部からシールするための下部シール装置
１０と上部シール装置１１とがそれぞれ設けられている
。

前記ロール回転装置４は第２図に示すように、ロール１
の下端部外周をセンタリング状態で支持するための逆円
錐状支持面１３を有するロール支持台１２を備えている
。

この逆円錐状支持面１３の円錐角度θはロール１の下端
の摩擦角度に対応して９０〜１２０°の角度範囲内で選
ぶことが好ましい。

ロール支持台１２がこのように逆円錐状支持面１３を有
することにより、加熱装置２内へのロール１の持ち込み
時における偏心状態は該逆円錐状支持面１３の円錐角度
により該ロール１の下端が該逆円錐状支持面１３上を滑
ることによってセンタリングされる。

前記ロール回転装置４は前記昇降装置５とともにロール
支持装置を構成するものであり、該ロール昇降装置５に
より昇降可能に支持されているが、次にこの支持機構に
ついて詳細に説明する。

前記ロール支持台１２はロール回転装置４の回転軸１４
とは分割された構造であり、該ロール支持台１２と回転
軸１４とはキー１５により回転力の伝達がなされるよう
構成されている。

また、ロール支持台１２と回転軸１４との間には該ロー
ル支持台１２からの高い温度が回転軸１４に伝達される
のを防止するための断熱材１６が介在されている。

回転軸１４の上部外周には大スプロケット１７がスプラ
イン１４Ａ（第３図）により嵌挿されており、この大ス
プロケット１７は押えリング１８を回転軸１４に固定す
るためのセットポルＩ〜１９により抜は出さないよう取
り付けられる。

前記大スプロケットはその外側に配置された小スプロケ
ット２０から回転力を伝達されるが、この小スプロケツ
）−２０は、昇降装置５に取り付けられたブラケット２
１にボルト締めされたモータ２２から回転力を付与され
、該小スプロケットに付与された回転力はチェーン２３
を介して大スプロケット１７に伝達される。

前記回転軸１４の下端部外周にはロール１等からの荷重
を受けるための軸受２４が配置されており、この軸受２
４は下方からボルト２５で回転軸１４に固定されるエン
ドプレート２６により支持されるとともに、上方からは
ボルト２７により昇降装置５の上端に固定される軸受押
え２８により、昇降装置５の上端部内側に設けられた段
部に取り付けられている。

また、第２図から明らかなように、ロール支持台１２の
外側には前記下部シール装置７の下端と連結されるシー
ル板２９が設けられ、該シール板２９にはシールガイド
３０が取り付けられる。

このように、本実施例においては、ロール支持台１２と
回転軸１４とがキー１５により着脱自在に結合されてい
るため、ロール支持台１２の逆円錐状支持面１３のセン
タリング用の補修を行う場合、落とし込みのみにより着
脱可能であり、他の部分の分解は全く不用となる。

また、ロール支持台１２と回転軸１４との合せ面には断
熱材１６が介在されているため、ロール１からロール支
持台１２に伝達された高温が回転軸１４や軸受２４等に
伝達されることが防止され、該回転軸１４や軸受２４等
の保護が十分に行われることになる。

尚、断熱材１６の代用として回転軸１４とロール支持台
１２の円周接触面間に円柱状スペーサーを等間隔に数個
介在させ、断続的に空間を設けても同様の効果が期待出
来る。

以上説明したように、本考案によれば、被加熱ロールの
下端支持部材からの高い温度が該被加熱ロール用の回転
軸に伝達されることが防止されるとともに、ロール支持
面の補修等を容易に行うことができるという優れた作用
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるロール熱処理装置の一実施例を示
す概略的断面図、第２図は第１図のロル熱処理装置の要
部を示す部分的拡大断面図、第３図は回転軸とチェーン
スプロケットとの取付関係を示す概略的断面図である。 １・・・・・・ロール、２・・・・・・加熱装置、３・
・・・・・加熱コイル、４・・・・・・ロール回転装置
、５・・・・・・昇降装置、１２・・・・・・ロール支
持台、１３・・・・・・逆円錐状支持面、１４・・・・
・・回転軸、１５・・・・・・キー、１６・・・・・・
断熱材、２２・・・・・・モータ、２４・・・・・・軸
受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱装置内に被加熱ロールを直立させて回転させなから
   熱処理を行うロール熱処理装置において、被加熱ロール
   の下端支持部材をロール下端が当接される逆円錐支持面
   を設けたロール支持台から形成し、このロール支持台に
   は炉内外を遮断する下部シールを設け、かつ該ロール支
   持台は断熱材および回り止め手段を介して被加熱ロール
   に回転動を付与する回転軸に着脱自在に載置嵌合されて
   いることを特徴とするロール熱処理装置。