JPS5855057Y2 - エアコントロ−ルドア切換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車用空調機におけるエアコントロール
ドアの切換作動装置に関する。

第３図は本考案の切換装置が使用される自動車用空調機
の一例を示す。

２５は外気取入口２６、車内気取入口２７の切換えを制
御するドア、２８はファン、２９はクーラのエバポレー
タ、３０はヒータコア、３１はヒータコアへの空気流入
を制御するドア、３３は空気の上部吹出口、３２は上記
吹出し口３３からの空気吹出しを制御するドア、３４．
３５はヒータコア３０を短絡する通路、３６は通路３５
を開閉制御するドア、３７は空気の下部吹出し口、３８
はデフロスタへの空気吹出し口、１１はエアコントロー
ルドアである。

エアコントロールドア１１がＡ位置にあるときは、下部
吹出し口３７、テ゛フロスタへの吹出し口３８は共にヒ
ータコア３０に通じており、ドア１１がＢ位置に来ると
、デフロスタへの吹出し口３８のみがヒータコア３０に
通し、ドア１１がＣ位置に来るとどの吹出し口３７．３
８はどちらもヒータコア３０と遮断される。

このようにエアコントロールドア１１を動かし、且つこ
の動きを他のドア２５，３１．３２．３６の動きと関連
させることにより、冷気を上部吹出し口３３のみから吹
出させたり、上下の吹出し口３３．３７の両方から吹出
させたり、冷気を上部吹出し口３３から暖気を下部吹出
し口３７から同時に吹出させたり、デフロスタへの吹出
し口３８から送気したり、これらの状態の吹出し空気の
温度、湿度を調整したり等の空気調和が行なえるもので
ある。

このようにエアコントロールドア１１は、温度、湿度等
を調和された空気を第３図に示されているように、三つ
の吹出し口３３．３７．３８から自動車車内の上方、下
方またデフロスタへと選択的に吹き出すために切換位置
決めされる。

通常この位置決めは、運転席のインストルメントパネル
に装着された制御装置により、ワイヤ等を介してドア１
１に連結された切換装置を操作することにより行なわれ
るが、この操作を簡単にするため、切換装置は、１本の
制御レバーの単純な動作でドア１１を位置決めするよう
になっている。

例えば、該制御レバーを右端から左端へと一方向に移動
させると、エアコントロールドア１１が第３図のＡ位置
から出発しテ■→ＩＩ−＋ｌｌｌ−＋Ｉｖノ順序で移動
し、Ａ−＋Ｂ→Ａ→Ｃの各位置を占めるように構成され
る。

従来からエアコントロールドアに上記のような変則的な
運動をさせるための装置が存在したが、その構造は、複
雑なカム溝を穿設したレバーを多数組み合せたリンク機
構からなるものであり、極めて複雑で設計が困難である
ばかりでなく、部品点数が多く、シかも操作力が均一で
ないという欠点かあった。

この考案は、遊星歯車機構によるサイクロイド運動を利
用することにより、制御レバーの一方向への回動運動を
エアコントロールドアの変則運動に変換できるようにし
た構造簡単で作動の確実な自動車用空調機におけるエア
コントロールドア切換装置を得ることを目的としている
。

以下、この考案に係るエアコントロールドア切換装置の
構造を第１，２図に示した実施例に従って説明する。

図に示すように、このエアコントロールドア切換装置は
、内部にエアコントロールドア１１を収納したコントロ
ールボックスの端板１２の外側に付設される。

上記コントロールボックスの端板１２には太陽ギアとな
る扇形ギア１３が、扇形ギア１３と一体に又は別体に設
けられたサポート１４を介して固定され、上記扇形ギア
１３の中心には軸１５を介して制御レバー１６が枢着さ
れている。

制御レバー１６の中間部には扇形ギア１３の歯に噛合っ
て遊星ギアとなる小ギア１７が軸着される。

小ギア１７にはその半径よりも大きな半径方向長さを有
するレバ一体１８が一体的に設けられ、その端部には駆
動ピン１９が立設されている。

一方、前記ドア１１の回転軸２０の端部は、コントロー
ルボックス端板１２を貫通して切換装置内に突出してお
り、切換装置内に設けられた揺動レバ一体２１に固定さ
れている。

該揺動レバ一体２１は、その軸線上に長溝２２を有して
おり、この長溝に前記駆動ピン１９を嵌入することによ
り、前記レバ一体１８に係合している。

上記構造において、制御レバー１６の第１図の右から左
への回動に対応して、小ギア１７に固定されたレバ一体
１８の先端の駆動ピン１９がサイクロイド曲線のループ
カーブを描き、第１図において、制御レバー１６がＩ
、 ＩＩ 、ＩＩＩ、ＩＶの各位置にあるとき、エアコ
ントロールドアの駆動ピン１９が描くループカーブ上の
点ａ、ｌ）、ｃ、ｄに合致するように、即ち、駆動ピン
１９が点ａにあるときはドア１１はＡ位置、同様に点す
にあるときはＢ位置、点ＣにあるときはＡ位置、点ｄに
あるときはＣ位置にくるように上記各構成部品の寸法お
よび相互位置を関連づけることは勿論である。

この考案のエアコントロールドア切換装置は、上記のよ
うに構成されているので、制御レバー１６ノがエアコン
トロールドア１１のＡ位置に対応する位置■にある時に
は、駆動ピン１９の位置は第１図においてａにて示した
所に位置する。

そこから制御レバー１６を図示左方へ回動して位置ＩＩ
に移動していくと、該移動に伴って小ギア１７が回転し
てツ駆動ピン１９が図の位置すに到達し、エアコントロ
ールドア１１はＢ位置に達する。

次いで制御レバー１６を更に同方向に移動して位置ＩＩ
Ｉにもっていくと、駆動ピン１９はサイクロイド曲線上
のループカーブにのって上記ａ位置と回転軸２０とを結
ぶ線上のＣ位置に達する。

従って、揺動レバ一体２１によりエアコントロールドア
１１は、制御レバー１６の左方への移動にも拘らずＡ位
置と同じ位置であるＡ′位置に戻るように運動する。

更に、制御レバー１６が左方に移動して位置ＩＶに達す
ると、制御ピン１９はサイクロイド曲線上のｄ位置に達
するので、これに対応してエアコントロールドア１１は
Ａ位置から一挙にＣ位置へと移動することになる。

このように、この考案のエアコントロールドア切換装置
によると、遊星歯車機構によるサイクロイド運動をリン
ク機構によってエアコントロールドアに関連づけるだけ
の比較的簡単な構成により、制御レバーの単一方向への
回動運動をエアコントロールドアの変則運動へと変換で
き、簡単な構造で製作容易であるにも拘らず操作性が極
めて向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本エアコントロールドア切換装置の機構を示
す第２図ニー■線による断面図、第２図は、その側断面
図、第３図は、自動車用空調機を例示する略縦断面図で
ある。 １１：エアコントロールドア、１２：コントロールボッ
クス端板、１３：扇形ギア（固定太陽ギア）、１６ ：
制御レバー、１７：小ギア（遊星ギア）、１８ニレバ一
体、１９：駆動ピン、２０：回動軸、２１：揺動レバ一
体、２２：長溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にエアコントロールドアを収納したコントロールボ
   ックスの端板の外側に付設されるエアコントロールドア
   切換装置であって、固定太陽ギアとなる扇形ギアを前記
   端板に固定して設け、該扇形ギアの中心に制御レバーを
   枢着し、該制御レバーの中間部に上記扇形ギアに噛合っ
   て遊星ギアとなる小ギアを軸着し、該小ギアには小ギア
   の半径より大きな半径方向の長さを有するレバ一体を一
   体的に設け、該レバ一体の端部に駆動ピンを立設し、一
   方、エアコントロールボックス端板を貫通してエアコン
   トロールドアの回転軸端部を切換装置内に突出させ、該
   突出端部に、長溝を有する揺動レバ一体を固定し、該揺
   動レバ一体と前記レバ一体とを、該長溝に前記駆動ピン
   を嵌入することにより係合して、制御レバーの一方向へ
   の回動運動がエアコントロールドアの変則的な揺動運動
   に変換されるように構成したことを特徴とするエアコン
   トロールドア切換装置。