JPS5854783B2 - エクレアのクリ−ム充填方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、オーブンにより焼成されたエフレアパフを
移載するコンベアを有し、このコンベアにより搬送する
過程で充填ノズルをパフに挿入してクリームを充填する
エフレアのクリーム充填方法並びにそのための装置に関
する。

エフレアは、オーブンで細長い形に焼成したパフ（シュ
ークリームの皮）に、カスタードクリーム又は生クリー
ムを充填した後、上面にチョコレートを塗布して製造す
る。

オーブンで焼き上ったエフレアパフは、第１図にその断
面を示す如く、内部に隔壁で仕切られた気泡２が長手方
向に並んだ状態に焼成され、クリームを充填する場合、
ノズル３を上面又は長い側面から突き差してクリームを
注入した場合は、ノズル３が挿入された気泡Ｅこのみク
リームが入り、パフ１全体に行き渡らず、残余のクリー
ムがノズル３を伝って外部にオーバーフローして外観を
損い又爾後のチョコレート途布工程で、チョコレート塗
布槽中のチョコレート液中にクリームが混入したすする
不具合を生ずる。

第２図に示す如く、ノズル３をパフ１の長手方向の一方
の端部から水平に挿入し、先端がパフの他端の近くに到
達した後、ノズル３を緩やかに引き抜きながら、先端よ
りクリームを注入して行けば、隔離で仕切られた各気泡
内にクリームがまんべんなく充填されるとともに、ノズ
ル３の周面にクリームが付着したり、ノズルの刺通孔よ
りクリームがオーバーフローすることもない。

この充填方法は「横差し充填」と呼ばれ、最も優れたク
リーム充填方法とされている。

オーブンで焼成されたエフレアパフは、通常第３図に示
す如く、長手方向を搬送方向にして、スチールベルト４
上に複数個横に並んだ「複列状態でオーブン５から出て
くるが、前述の横差し充填を行うには、第３図に示す如
く、パフをジグコンベア６の凹み内に長手方向を搬送方
向に対して横に向けて一列に並べた単列状態に移載し、
搬送過程で一時停止して、コンベアの側方からパフの端
面にノズルを挿入してクリームを充填し、その後再び別
のベルトコンベアに移載して次の工程に搬送する方法が
行なわれている。

しかし、エフレアパフは柔軟な上形が大小不揃いで凸凹
があり、把持の仕方によっては欠損したり変形し、複列
状態より単列化して移載することを機械化することは極
めて困難であり、敢えて行ったとしても装置が複雑化し
、又、人手で行へば人手が掛りコスト高になる欠点があ
った。

あるいは横差し充填を断念し、複列状態のまま、第１図
に示す如く上方よりノズルを差込んで充填し、品質の低
下を許容するか、いずれかの方法が従来採用されてきた
。

この発明は、従来のエフレアのクリーム充填方法及び装
置の上述の問題点にかんがみ、オーブンから出てきた複
列の状態のまま充填装置の搬送装置に移載し、しかも横
差し充填を可能とするエフレアのクリーム充填方法並び
にそのための装置を提供することを目的とする。

以下、本発明をその実施例を示す図面にもとずいて詳細
に説明する。

本実施例の装置は、第４図第５図及び第６図に示す如く
、機枠１０の両端部に軸支されたチェーンホイール１１
にコンベアチェーン１２が掛は渡されており、図の左側
のチェーンホイール１１゜減速機１３を介して、駆動装
置１４により矢印の方向に間けつ駆動されている。

コンベアチェーン１２の各リンク１５は、第７図に示す
如く、適当な間隔を置いて相対して設けられた１対の逆
り形断面を有する部材１６．１７と、これらの部材の垂
直辺の両端部を互に連結するピン１８とより成り、前後
のリンクとは両端をピン１８に回動自在に軸支された連
結部材１９を介して連結されている。

外側の逆り形部材１６の水平辺の上面には之に垂直に、
先端に円錐部２０ａを有するピン２０がナツト２１によ
り取付けられている。

内側の逆り形部材１７の水平辺の上面には、反対側の対
応するチェーンリンクとを連結するタイバー２２がボル
トナツト２３により取付けられている。

両側のコンベアチェーン１２の相対する各リンク１５の
間にはスラット２４が架は渡されている。

（第４図、第５図）スラット２４は、第７図の上部に示
す如く、両側部を下方にコの字状に折り曲げた平板状の
スラット本体２５とその両端部の下面に固着された円座
２６及び両端面に水平に設けた円柱状突起２７より成る
。

円座２６とその上の本体２５には前記のピン２０が遊嵌
しうる貫通孔２６ａが対応する位置に設けられている。

スラット２４は、上記貫通孔２６ａにピン２０を嵌合さ
せて、円座２６の下面をリング１５の逆り字形部材１６
の上面に自重で載置されることにより位置決め保持され
てチェーン１２と共に間欠駆動される。

この際、チェーンループの上側になるチェーンリンク１
５のピン１８は機枠に水平に搬送方向に固定された角形
レール２８（第４図、第９図及び第１０図参照）の上面
に沿って転動するので、チェーン１２は中央部でたるむ
ことなく正確なレベルを保持して搬送される。

又、第５図に全体を、第８図に端部を拡大して示す如く
、チェーンループの下部及び両端の側部にはスラット２
４の突起２１を支承する位置に、チェーンに平行にガイ
ド２９が設けられており、突起２７がこのガイド２９に
支承されることによって、スラット２４がチェーンリン
クのピン２０より外れることを防止され、スラットはチ
ェーンループの下側においてもチェーンと共に駆動され
る。

上述のスラット２４、チェーン１２、駆動装置１１．１
３．１４等より戊るスラットコンベアは図示しないオー
ブンのスチールベルトと一直線をなして接続する如く配
置されている。

本クリーム充填装置のクリーム充填部には、第４図、第
５図、第６図及び第９図に示す如く、機枠１０の両側の
ガーダ−１０ａ上に、垂直支柱３０及び之に支持される
取付板３１を介してエアシリンダ３２が垂直に固定され
ている。

該エアシリンダ３２のピストン棒３２ａの上端には、ス
ラットガイド棒保持部材３３が固定されており、シリン
ダ３２の伸縮ｆこ伴ってこの部材３３はその前後ｆζ設
けられたスライドベアリング３４′を介して前記垂直支
柱３０の延長部に案内されて上下方向に移動するように
なっている。

部材３３の下面には鉛直にスラットガイド棒３４が固定
されている。

このスラットガイド棒３４は、充填部にもたらされたス
ラット２４の孔２６ａに嵌合するピン２０の軸線の延長
線上に設けられ、ピン２０と同一の外径を有する丸棒で
あって、その下端には前記ピン２０の上端部の円錐形突
起２０ａと嵌合する円錐形凹み３４ａが設けられている
。

スラットガイド棒３４の外側には、之に嵌合する上下の
バネ押え部材３５に挟持されてバネ３６が設けられてい
る。

スラットガイド棒３４の下端は通常時は第１０図に破線
で示す如く、チェーンリンク部材１６上に載置された状
態の破線で示すスラット２４の上面よりも上方に１１だ
け離間した位置に保持されており、クリーム充填操作時
には、エアシリンダ３２を１１だけ短縮することにより
、スラットガイド棒３４を１１だけ降下させ、その下端
をピン２０の上端部に当接させ、下端の円錐形凹み３４
ａをピン２０の上端の円錐形突起２０ａに嵌合させて一
体のガイド棒を形成する。

充填部にあるスラット２４の直下には、第９図に示す如
く、スラット上昇装置３７が設けられている。

この装置は図に示す如く、機枠に固定されたエアシリン
ダ３８と、そのピストン棒３８ａの上端に固定された水
平山形材３９と、該山形材３９の下面に垂直に設けられ
機枠に固定されたスライドベアリング４０に案内される
案内棒４１と、前記山形材３９の両端部に固定されたス
ラット上昇用支持台４２とｌζより構成されている。

スラット上昇用支持台４２は図に示す如くＵ字形をなし
ている。

この理由は、この部材４２がスラット２６をクリーム充
填位置迄押上げる際、左右のチェーンリンク部材１７を
連結するタイバー２２を逃げるためである。

上記のスラット上昇用支持台４２の上面は通常時はチェ
ーンリンク１６上に載置された第１０図に破線で示す位
置にあるスラット２４の下面より若干下方に離れた位置
にあるが、充填操作時にはエアシリンダ３８を伸張させ
て上昇させ、スラット２４の下面のフランジ部に当接さ
せて、第１０図に示す距離１２だけ上方の実線にて示す
位置迄押し上げるようになっている。

第１０図１ζ示す如く、左右の支柱３０ｆζは、上昇位
置にあるスラット２４上に載置されたパフ１の上面を押
圧する位置に連続アーチ状のスラットカバー４３が取り
付けられている。

このカバー４３には前後にも適当な深さの垂下部が設け
られており、パフ１にノズルを挿入、抜去する際にパフ
がスラット２４から滑り落ちることが防止されている。

なお、第９図の斜視図には、その下の部材を見せる都合
上、スラットカバー４３は図示されていない。

上昇位置ｌζあるスラット２４上に載置された各パフの
後端面に対向する位置に先端を有し、かつパフの長手方
向に水平に配置されたクリーム充填ノズル４４を有する
クリーム充填機４５が、機枠１０の左右に設けられたス
ライド台４６上に両端部下面を固定して架は渡されてい
る。

スライド台４６は機枠１０の左右それぞれ前後に固定さ
れた１対の保持部材４７に両端を固定されて前後方向に
水平に上下に２本設けられたがイドバー４８に摺動自在
に保持されている。

一方のスライド台４６（図の場合は手前側）の後端面に
は、後部の保持部材４７の後面に前後方向１こ取付けら
れたエアシリンダ４９のピストン棒の先端が固定されて
いる。

前後の保持部材４７の間には更にラック５０が前後方向
に設けられ、スライド台４６に回動自在に軸支されたピ
ニオン５１が噛合っている。

左右両側のスライド台４６１ζそれぞれ設けられたピニ
オン５１は１本の軸（図示せず）の両端に固定されてお
り、第９図において手前側のスライド台４６がエアシリ
ンダ４９の伸縮により前後方向に移動した場合は、ピニ
オン５１は固定されたラック５０によって回動し、左右
両側のピニオン５１を連結する軸を介して反対側のピニ
オン５１も同じ回転速度で回動し、ラック５０に噛合っ
て手前側のスライド台４６と同じ速度で前後方向１こ移
動する。

したがって両側のスライド台４６に両端を固定された充
填機４５は左右に傾くことなく前後方向に移動すること
が出来る。

エアシリンダ４９は、エアハイドロコンバータ５２（第
４図及び第５図）の作用により伸張時は速く、収縮時は
緩やかに作動するようになっているので、充填機４５は
急速に前進し、緩漫に後退する。

この装置は以上の如く構成されているので、オーブンに
よって焼成され、スチールベルト上に長手方向を前後に
して複列状態で出て来たエフレアパフは、送り棒等の簡
単な機械的手段によって、極めて簡単に本クリーム充填
装置のスラットコンベアのスラット２４上に、そのまま
の姿勢と配列のままで、移載することができる。

パフを載置したスラット２４は、駆動装置１４により間
欠駆動されるコンベアチェーン１２の移動に伴い、第４
図、第５図に矢印で示す方向に間欠移動し、クリーム充
填部に到達する。

この位置で、スラット２４に対し次の間欠運動が開始さ
れる迄の１回の静止期間中に以下に説明する一連の動作
が行なわれる。

まず、シリンダ３２が短縮し、スラットガイド棒３４が
４１だけ下降して、その下端円錐形凹部３４ａがコンベ
アチェーンリンク１６のピン２０上端の円錐形突起２０
ａと嵌合し、一体のガイド棒が形成される。

次いでスラット昇降装置３７のエアシリンダ３８が伸張
し、スラット上昇用支持台４２の上端面によりスラット
２４が距離１２だけ押し上げられる。

この際、スラット２４の両端部の孔２６ａがスラットガ
イド棒３４に案内され、かつ上方よりバネ３６により押
え部材３５が常にスラット上面を押圧しているので、ス
ラット２４は前後左右にずれ動いたり、上下方向に踊っ
たりすることはなく、パフ１はスラット２４上に安定に
載置されて上昇し、第１０図中に実線にて示す位置に達
し、上面をスラットカバー４３により押えられる。

なお、パフのサイズによっては上面にスラットカバー４
３が当接しない場合もあるが、スラットカバー４３の前
後部に設けた適当な深さの垂下部により、パフが前後方
向に移動してずり落ちることは防止される。

次いで、スライド台４６移動用エアシリンダ４９が伸張
してスライド台４６及びその上に取付けられた充填機４
５を高速度で前方に移動させ、充填機４５の前面に設け
られたパフの数だけのノズル４４がパフ１の後端面から
長手方向（ζ水平に挿入され、パフの前端迄若干の距離
を残して停止する。

次にエアシリンダ４９がエアハイドロコンバータ５２の
作用により緩やかな速度で短縮し、之により充填機４５
が後退し、ノズル４４は先端の孔からクリームを射出し
つつ適当な速度で後退し、ノズルの先端がパフ１より抜
去される直前にクリームの射出を停止した後ノズルを抜
去する。

次いで、エアシリンダ３８を収縮させることにより、ス
ラット上昇用支持台４２が下降し、スラット２４はバネ
３６により押え部材３５に上方より押圧されながら、コ
ンベアチェーン上の搬送レベル迄下降する。

次いで、エアシリンダ３２を伸張することにより、スラ
ットガイド棒３４が１１だけ上昇してピン２０の上端部
と離間し、チェーン及びその上に載置されたスラット２
４の前後方向の移動が可能となる。

上述の一連の動作により、クリームの横差し充填が完了
したパフは、第４図、第５図において左側部にて図示し
ない移載装置により複列状態のまま次の工程（チョコレ
ート塗布）に搬送される。

以上の如く、本発明によれば、オーブンで焼成され、複
列状態で出てきたパフをそのまま直進させて、クリーム
充填装置のコンベアのスラット上に移載し、かつクリー
ム充填の完了したパフは複列のまま次の工程に移載され
るので、本装置の前後の移載操作は簡単な構成で機械化
することが出来、しかも品質上優れている横差し充填が
可能となり、製品の品質向上、装置のコストダウン、省
力化に顕著な効果が得られる。

又、コンベアスラットは手で持ち上げるだけで容易に１
枚ずつコンベアチェーンから取外すことができるので洗
浄に際して手間が掛らず、洗浄が容易になり衛生的にも
優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図はエフレアパフの縦断面及び上差し充填法を説明
する断面図、第２図は横差し充填法を説明する断面図、
第３図は従来の横差し充填装置の概略を示す斜視図、第
４図、第５図、第６図はそれぞれ本発明のクリーム充填
装置の実施例の全体を示す上面図、正面図及び側面図、
第７図はそのコンベアチェーンの１個のチェーンリンク
ドスラット端部の斜視図、第８図はコンベアのループの
方の端部付近の拡大正面図、第９図は本発明の充填装置
の充填部の一部部材を省略して示した斜視図、第１０図
はその要部断面図である。 １・・・・・・エフレアパフ、１２・・・・・・スラッ
トコンベアチェーン、２４・・・・・・スラット、３７
・・・・・・スラット上昇手段、４４・・・・・・ノズ
ル、４５・・・・・・クリーム充填機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンベアでクリーム充填位置に搬送され水平に置か
   れたエフレアパフの長手方向の端部より水平方向にクリ
   ーム注入ノズルを挿入し、ノズルを引き抜きながらノズ
   ル先端の孔よりクリームを充填しノズルを抜去するエフ
   レアのクリーム充填方法において、上記エフレアパフは
   その長手方向をコンベアの搬送方向ｆこ一致させて搬送
   方法に対して横方向に複列状態でコンベア上を搬送され
   、搬送されるエフレアパフの横方法の一列を搬送レベル
   より上方のクリーム充填位置に変位させて停止させ、ク
   リームを充填し、クリーム充填後各パフをもとの搬送レ
   ベルまで下降させるようにしたことを特徴とするエフレ
   アのクリーム充填方法。 ２ コンベアでクリーム充填位置に搬送され水平に置か
   れたエフレアパフの長手方向の端部より水平方向にクリ
   ーム注入ノズルを挿入し、ノズルを引抜きながらノズル
   先端の孔よりクリームを充填しノズルを抜去するエフレ
   アのクリーム充填装置において、上記エフレアパフをそ
   の長手方向をコンベアの搬送方向に一致させて搬送方向
   に対して横方向に複列状態で載置でき、下方より押し上
   げるか又は上方より引き上げることにより他の搬送部材
   より離脱させることのできるスラットと、該スラットを
   間けつ的に前進せしめる駆動手段とを有するスラットコ
   ンベアと、クリーム充填位置に来たスラットをコンベア
   の搬送レベルより上方所定の位置に上昇させ、かつ原位
   置に下降させるスラット上昇手段と、該上昇手段により
   上昇せるスラット上に載置された各エフレアパフの長手
   方向の端面に対向する位置に先端を有しかつパフの長手
   方向に水平に配置されたクリーム充填ノズルを備え、少
   くとも充填ノズルがクリーム充填に必要なストロークだ
   け前後進可能なりリーム充填機とを設けたことを特徴と
   するエフレアのクリーム充填装置。