JPS5852878B2

JPS5852878B2 - 半没水型多胴船

Info

Publication number: JPS5852878B2
Application number: JP54156682A
Authority: JP
Inventors: 安弘播田
Original assignee: Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Current assignee: Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority date: 1979-12-03
Filing date: 1979-12-03
Publication date: 1983-11-25
Also published as: JPS5679074A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、高速性能及び耐波性能等の特性を有する半没
水型多胴船に関し、詳しくは接岸時に船体を保護する防
舷材を航走時に船側に固縛収納できるようにした半没水
型多胴船に関するものである。

この種の船舶は、前記特性を有する関係上、水線面積が
非常に小さいため接岸時に種々の問題を生ずる。

すなわち、半没水型多胴船は、第１図に示すように、水
面１上に位置するアッパーハル２と没水する複数のロワ
ーハル３とを水線面積の非常に小さいストラット４で連
結している。

そして、ロワーハル３に設ける推進器の動力伝達軸をス
トラット４内に配置する関係上、ストラット４の直上の
アッパーハル２部分に主機を配置しなければならないた
め、若しくは、接岸時にロワーハル３がアッパーハル２
よりも先に岸壁５に当るのを防止するために、一般に前
記アッパーハル２とロワーハル３の船側外方への突出中
をほぼ同一にしている。

したがって、第１図から判るように半没水型多胴船にお
いては、船側が凹凸状に形成されるので、岸壁５に設け
た防舷材６ａにアッパーハル２の船側が必ずしも当接す
るとは限らない。

すなわち、潮の干満や船体の吃水の変化若しくは波浪の
影響によって岸壁５の防舷材６ａに対してアッパーハル
２は上下方向に移動するので、もし、第１図に示す防舷
材６ａにストラット４の外側面が対向した場合、ロワー
ハル３やアッパーハル２の下部コーナが岸壁５に衝突す
る危険がある。

換言すれば、第１図に仮想線で示すようにこのような岸
壁５に接岸する場合は、常にアッパーハル２の船側を防
舷材６ａに対向させておかなければならない。

しかし、これは、前述したように波浪等の影響を受ける
ことから実質的に不可能である。

そこで、本発明者等は、第１図に示すように接岸時に水
面１に浮遊する防舷材６を船側に設けることにより前述
したような問題を解決した。

しかし、この防舷材６は航走中に水面１に浮遊したまま
にすれば抵抗になり、また水面上方に位置させるべく単
に船側から吊り下げたままにしておくと、防舷材６の船
体への固縛が難かしく、しかも、特に客船等では外観上
好ましくない。

また、防舷材６をアッパーハル２上に載せることも考え
られるが、このようにすれば客室からの視界が著しく防
げられるのでこれも好ましいものではない。

そこで本発明は、半没水型多胴船の船側に設けた防舷材
を航走時に船側に収納する際に、簡単に該防舷材を固縛
できるようにするとともに、外観上極めて好ましいよう
にした半没水型多胴船を提供することを目的とする。

すなわち本発明の半没水型多胴船は、アッパーハルと、
複数のロワーハルがストラットで連結され、前記アッパ
ーハルはその側面が前記ストラットの側面よりも横方向
に突出した半没水型多胴船において、前記アッパーハル
上に設けた駆動手段により、船側に設けたダビットを介
して枕形空気式の防舷材を船側に上下動自在に配置する
と共に、前記突出したアッパーハルの側面に底面が前下
りに傾斜している凹部を設けて前記防舷材をこの凹部に
収納可能となし、前記防舷材の径を前記ストラットの外
側面と前記アッパーハルの外側面との距離よりも大きく
し、該防舷材は水面に浮遊したとき該防舷材が船体に対
して前後に移動することを防止するため該防舷材の前後
端と船体とがワイヤーロープで連結しであることを特徴
とするものである。

次に第２図〜第４図により本発明の詳細な説明する。

なお、ここで説明する半没水型多胴船全体の既略構成は
、第１図に示すものと実質的に同一なので、既略構成の
説明は省略し、付置は第１図と同一符号を使用して以下
要部のみを説明する。

第２図において半没水型多胴船の船側には、防舷材６が
上下動自在に配置されている。

この防舷材６は、ワイヤーロープ８等で吊り下げられて
いて、このワイヤーロープ８は、アッパーハル２に固定
したダビット９を介してウィンチ１０により巻き出しあ
るいは巻き取られるように成されている。

マタ、前記ダビット９間のアッパーハル２の船側には、
第３図に断面を示すようにアッパーハル２の上縁を斜め
に切り取るようにして形成した凹部１１が設けられてい
る。

この凹部１１の船体前後方向の寸法は、防舷材６の長手
方向が入る寸法に定められており、航走時には、前記防
舷材６をこの凹部１１に第２図仮想線で示すようにして
収納する。

そして、前記防舷材６は、接岸時にウィンチ１０からワ
イヤーロープ８を巻き出すことによって水面１上に浮遊
するように成されていて、第３図に示すように、前記防
舷材６の径は、ストラット４の外側面とアッパーハル２
の外側面間の距離Ａよりも大きく形状され、防舷材６の
外面が岸壁５に接してもアッパーハル２やロワーハル３
が岸壁５に衝突しないように成されている。

第２図に示すように、接岸時、すなわち防舷材６が水面
１に浮遊する時に、前記防舷材６が船体に対して前後に
移動しないようにするために、この防舷材６の前後端と
船体とをワイヤロープ１２等で連結するようにしている
。

このワイヤロープ１２の長さは、防舷材６が水面１に浮
遊する時にたるまない程度の長さに定めるのが好ましい
。

なお、前記防舷材６は使用時に圧縮空気等の流体圧によ
り膨出させるようにするのが好ましいが、常時、一定寸
法の形状を保持するように材質等を定めてもよい。

また、前記防舷材６は、好ましくは、水面に浮遊するよ
うな浮力を有する方が良いが、ワイヤーロープ８等で吊
下する場合は、この防舷材６を水面１近傍に位置させる
に当って、特に前述したような浮力がなくてもよい。

しかし、前述したように防舷材６に圧縮空気等の気体を
充填した場合には、船体を岸壁５に接舷する際に船体の
運動エネルギを吸収し、しかも、接舷時や係船時に、ア
ッパーハル２とロワーハル３の岸壁５等への衝突を防止
する効果をワイヤロープ８をたるませて単に水面１に浮
遊させた状態で達成でき、また防舷材６の重量を極めて
軽くできるので冒頭に述べたような特性を要求される半
没水型多胴船には好都合である。

このようなことからいま仮に、防舷材６に圧縮気体を充
填して使用する場合には、内圧を考慮することにより更
に半没水型多胴船に効果的な防舷材にすることができる
。

すなわち、通常の単胴船に比して半没水型多胴船は、船
側の凸凹が大きいため、アッパーハル２やロワーハル３
よりも外方へ突出する防舷材６も必然的に大きくなる。

しかも、船体及び付帯設備を軽くすることが要求される
ので、防舷材６の内圧を低くした場合には、エネルギを
吸収するために撓む防舷材６の撓み量が大きくなること
からあらかじめ、この撓み量を考慮して防舷材６の直径
を大きくしておかなければならない。

したがって、既に単胴船の防舷材に比して大きい防舷材
６が内圧を低くすればより大きな直径にしなければなら
ない。

第４図に空気式防舷材の一般特性を示すが、この図から
判るように、防舷材の初期内圧を０．３〜０．４に９／
ｃｒｉにした場合の特性Ｃと初期内圧を０．６−／瀝以
上にした場合の特性Ｂとを比較すると、船体と岸壁との
スペーサとして使用する場合に、吸収エネルギを一定と
仮定すると特性Ｂの方がたわみ率が小さくなる。

換言すれば初期内圧を０．６に９／ｃｒｌｉ以上（好ま
しくはｏ、ｓｋｙ／ｃｙｙｔ）にすれば、特性Ｃ
に比して防舷材６直径を小さくできる。

したがって、防舷材６の内圧を適正にすることにより、
防舷材６の収納部、すなわち前記凹部１１も小さくでき
、第２図に示すように客室１３からの視界も妨げないよ
うにすることができる。

このように構成した防舷材６を収納するには、水面１に
浮遊する防舷材６をウィンチ１０を作動させてワイヤー
ロープ８を巻き取れば、防舷材６は、ストラット４の斜
板４ａ表面に泪って一旦アツバ−ハル２の外側に出た後
凹部１１へ収納される。

防舷材６を凹部１１へ収納したらウィンチ１０を停止さ
せれば防舷材６はその位置で、ワイヤロープ８及び凹部
１１の前後面によりその位置が固縛されるので、防舷材
６の収納作業を極めて容易に行うことができる。

なお、防舷材６を水面１に降すには、単にウィンチを作
動させれば、防舷材６は自重により降りるので、防舷材
６を降す作業も極めて簡単に行うことができる。

以上のように本発明によれば、船側に防舷材を収納する
凹部を設けたので防舷材の船体への固縛が容易であり、
航走中に防舷材が揺動することもなくなる。

また防舷材が外部から見えにくくなるので、見苦しくな
くなり、美観上も改善される。

更に、特に客船の場合に客室からの視界がさまたげられ
ることもなくなる。

更にまた、防舷材の径をストラットの外側面とアッパー
ハルの外側面との距離よりも大きくしたので、接岸時に
特に横方向に突出したアッパーハルの岸壁への衝突を防
止することができる。

このことは半没水型多胴船の接岸を円滑にするうえで特
に重要なことである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来船の接岸状態を示す正面視の説明図、第２
図は本発明の一実施例を示す要部の斜視図、第３図は、
その正面視の説明図、第４図は、防舷材の一般特性図で
ある。１・・・・・・水面、２・・・・・・アッパーハル、３
・・・・・田ワーハル、４・・・・・・ストラット、６
・・・・・・防舷材、１１・・・・・・凹部。

Claims

【特許請求の範囲】

１アッパーハルと、複数のロワーハルがストラットで
連結され、前記アッパーハルはその側面が前記ストラッ
トの側面よりも横方向に突出した半没水型多胴船におい
て、前記アッパーハル上に設けた駆動手段により、船側
に設けたダビットを介して枕形空気式の防舷材を船側に
上下動自在に配置すると共に、前記突出したアッパーハ
ルの側面に底面が前下りに傾斜している凹部を設けて前
記防舷材をこの凹部に収納可能となし、前記防舷材の径
を前記ストラットの外側面と前記アッパーハルの外側面
との距離よりも大きくし、該防舷材は水面に浮遊したと
き該防舷材が船体に対して前後に移動することを防止す
るため核防舷材の前後端と船体とがワイヤーロープで連
結しであることを特徴とする半没水型多胴船。