JPS5852581B2 - 網グラビア製版法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は調子再現性に富んだ網グラビア製版法に関する
ものである。

オフセットや写真凸版が網点面積の大小により原稿の調
子を再現するのに対して、グラビアでは最も一般的には
網点面積は同一で四角な点である。

そしてこの網点の一つ一つは深さが異なっており、従っ
て網点一つ一つにはいるインキの量は網点の深さに比例
し、印刷した場合調子の再現は網点の濃淡によりなされ
る。

この方法はコンベンショナルグラビアとして広く知られ
ている。

一方、グラビアにおいても印刷の調子変動の防止または
耐刷力の向上などを目的として網点面積の大小と、網点
深さの深浅による調子再現を行なう製版法がある。

この方法は網グラビアと呼ばれる。網グラビアの一般的
な製版法はいわゆるダルジャン民法で、これは連続階調
ポジと網ポジを用いる方法である。

この方法によると、センシタイズされたカーボンチッシ
ュに網ポジを焼付げて、次いで、その未感光部に連続階
調ポジを焼付け、さらに該カーボンチツシュをシリンダ
ーに転写し、次いで現像し、腐蝕して製版する。

この方法におい−ｃ ハＨ版の安定性という点では改善
されるのであるが、上記連続階調ポジと網ポジの寸法を
全く同一にしなげればならず、この点で作業工程の複雑
化を招き、技術的にも困難を伴う欠点がある。

さらに、この方法ではライト部、特に網ポジの網点バー
セント５〜８％の程度のライト部が表現されないため印
刷物にがさついた感じが生じ、全体的ななめらかさが失
なわれる欠点がある。

このため網ポジ作成時に網点な通常よりも大きく作製す
るなどの複雑な操作を要する。

本発明の方法は上記のような従来行なわれている網グラ
ビア製版法の有する種々の欠点を解消するものである。

すなわち、本発明はセンシタイズされたカーボンチツシ
ュに、０．１〜３．０の連続的濃度変化を有する特殊コ
ンタクトスクリーンを密着焼付けする手段と、オフセッ
ト用もしくは凸版用の網ポジを密着焼付けする手段と、
上記カーボンナツシュ上にライトマスク、拡散シートお
よび上記網ポジを順に重ねて密着焼付げする手段とを任
意の順序で施し、しかる後、該カーボンチツシュを版材
に転写し、さらに現偉し、次いで腐蝕することを特徴と
する網グラビア製版法である。

以下、上記の本発明について詳細に説明する。

上記の本発明においてカーボンチツシュは特に限定され
るものではなく、従来のコンベンショナルグラビアある
いは網グラビアに用いられるものを広く使用することが
できる。

カーボンチツシュは重クロム酸カリの数パーセント溶液
につげて暗室で乾燥させることによりセンシタイズされ
、次に述べる三つの焼付は手段を任意の順序で施される
。

センシタイズされたカーボンチッシュに施す一つの手段
は０．１〜３．０の連続的濃度変化を有する特殊コンタ
クトスクリーンを密着焼付けする手段である。

上記特殊コンタクトスクリーンは中心部が最高濃度３．
０を有し、周辺部にかげて連続的に濃度が淡くなり周辺
が最低濃度０．１で輪郭がぼやけた正方形ないし正方形
の頂角が丸くとれたような形状を有するスクリーンであ
り、必要に応じて１００〜３５０線／ １ｎｃｈの線数
のものが用いられる。

この特殊コンタクトスクリーンは、たとえば所望の線数
に応じた線数な有する格子状のガラススクリーンより二
種類の絞りをかげてフィルムに二重露光することにより
得ることができる。

上記二種類の絞りとは丸形絞りとつの形絞りであり、丸
形絞りをかけての露光量はつの形絞りをかけての露光量
の１５〜３倍で操作する。

上記の特殊コンタクトスクリーンをセンシタイズされた
カーボンチッシュに真空焼枠を用いて密着焼付けする。

この際、露光の光源としては水銀灯やアーク灯など通常
用いられるものが使用できる。

この焼付げにより、グラビア印刷に必要ないわゆる土手
を形成すると同時に白線スクリーンを使用した場合のよ
うに網点が鋭く切られることもな（、全体的に網点が比
較的丸くなりインキの着きを良くするものである。

また更に網ポジを密着焼付けする工程で形成される網点
の大小を網ポジと拡散シートを密着焼付けする工程で再
度変化させ原稿に近い調子再現を得るものである。

よって一般的な網グラビア製版法より一層安定、かつ良
好な調子再現が可能であり、また印刷物にがさついた感
じが生じるため全体的になめらかさが失われるといった
欠点を解消するものである。

次に、センシタイズされたカーボンチツシュに施すもう
一つの手段は網ポジを密着焼付けする手段である。

ここで網ポジとしてはオフセット用もしくは凸版用の網
ポジを使用することが可能である。

網ポジの焼付けは上記特殊コンタクトスクリーンの場合
と同様に行なうことができ、これにより網点の大小を形
成する。

次にまた、センシタイズされたカーボンチッシュに施す
さらにもう一つの手段は該カーボンチツシュの上にライ
トマスク、拡散シートおよび上記網ポジを順に重ねて密
着焼付けする手段である。

焼付けは上記特殊コンタクトスクリーンの場合と同様に
行なうことができ、まず網ポジを透過した光は拡散シー
トによって拡散される。

網ポジを通る光はシャドウ部分では透過量が少な（、ハ
イライト部では透過量が多い。

この透過量の多少は上記の拡散作用を伴なって連続階調
の変化を作る。

ここで拡散シートは光の透過率が６０〜９０％、厚さが
５０〜１００μ程度のものから、網ポジの濃度範囲、原
稿の調子、あるいは現像法、腐蝕法などに従って適宜選
択することができ、その具体例としてはたとえば、マッ
ト化フィルム、拡散ガラスなどが挙げられる。

さらに本発明においては、拡散シートとカーボンチツシ
ュの間にライトマスクを介在させることによりライト部
の網点の深度が不足したり、網点が小さくなることを防
ぐことができるため、上記網ポジの網点パーセント５〜
８％の網点を再現させることができる。

この結果、網グラビア製版にオフセット用あるいは凸版
用の網ポジを用いた場合の最大の欠点であるライト部の
調子再現が可能となる。

ここで上記ライトマスクは最高濃度０．６程度を有する
連続調ぼけマスクであり、網ポジから作製することがで
きる。

このライトマスクはたとえば、連続調フィルムあるいは
リス型フィルムの上に拡散シートさらにその上に上記と
同じ網ポジを重ねて密着させて、網ポジの網点バーセフ
１５％程度ないし５％以下の部分が最高濃度０．６程度
となり、網点パーセント８％以上の部分が濃度０となる
ように露光量を調整して網ポジ側から露光して焼付け、
現像、定着することにより得られる。

使用するフィルムは硬い調子のライトマスクを得る上か
らリス型のものを用いることが好ましい。

また、拡散シートは透過率が３０〜５０％、厚さが１５
０〜２５０μ程度のものから網ポジの濃度範囲や原稿の
調子などにより適宜選択すれば良い。

センシタイズされたカーポンチツシュへの上記三つの手
段を施す際には特殊コンタクトスクリンンノ焼付はヲ通
常のコンベンショナル法のスクリーン焼付けの場合と同
じ程度の露光量で行ない、網ポジだげの焼付けはコンタ
クトスクリーンの焼付けの露光量よりも少なく、その６
０〜９０％程度の露光量で行ない、さらに網ポジ、拡散
シート。

ライトマスクを重ねての焼付けはコンタクトスクリーン
の焼付けの露光量の半分程度、すなわち４０〜６０％程
度の露光量で行なうことができる。

次に、上記三つの手段を任意の順序で施したカーボンチ
ッシュを版材に転写し、さらに現像し、次いで腐蝕する
ことによりグラビア版を得ることができる。

この操作は通常のコンペショナル法の操作とほぼ同様に
行なうことができる。

焼付けしたカーボンチツシュは速やかに版材の所定位置
に転写する。

版材としては通常の輪転用のシリンダーの他、銅板など
も使用できる。

転写する方法としては湿式法あるいは乾式法で行なうこ
とができる。

転写した後、不溶解性の部分は版面上に残るので未感光
性の部分を湯で溶解除去する。

完全に除去した後、水で洗浄し、さらに乾燥させる。

次いで、塩化第二鉄溶液で腐蝕を行なう。

この腐蝕には比重の異なる数種ないし土様程度の塩化第
二鉄溶液を用いる方法あるいは一液腐蝕法などの方法が
行なえる。

腐蝕後、版材にクロムメッキあるいはニッケルメッキを
施せば、耐刷力を高めることができる。

以上の説明で明らかなように、本発明は再現性に優れた
網グラビア製版法である。

本発明では、上記の特殊コンタクトスクリーンの使用に
より、白線スクリーンを使用した場合のように網点が鋭
く切られることがなく、全体的に網点は比較的丸い。

従って網点の変形がはっきり印刷物に表われたすせず、
また版面の網点に対するドクターの当たりが平均化され
るため、印刷物全体になめらかさを与えることができる
。

また、本発明の方法には網ポジとしてオフセット用ある
いは凸版用のものが使用可能である。

特にオフセット用網ポジを使用すれば、グラビアの有す
る質量感などの長所の他に、オフセットの長所を取り入
れることができ、原稿の調子再現性の向上を図れる他、
オフセットによる校正刷りが可能となる。

本発明では網ポジのみで製版できるので工程の簡略化を
図れると共に、表現形式が網点の大小とその深度の両方
によるため、腐蝕の多少のばらつきに影響されることが
なく極めて調子再現の安全性に富むものである。

さらに、本発明では、ライトマスクを用いるため、ライ
ト部の再現性に優れており、階調が豊富な印刷物が得ら
れる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ センシタイズされたカーボンチッシュに、０．１〜
   ３０の連続的濃度変化を有する輪郭がぼやけた正方形な
   いし正方形の頂角が丸くとれた形状を持つ特殊コンタク
   トスクリーンを密着焼付けする手段と、オフセット用も
   しくは凸版用の網ポジを密着焼付けする手段と、上記カ
   ーボンチッシュ上ニ、連続調フィルムあるいはリス型フ
   ィルムの上に拡散シートさらにその上に上記と同じ網ポ
   ジを重ねて密着させて、網ポジの網点パーセント５％以
   下の部分が最高濃度０．６となり、網点パーセント８％
   以上の部分が濃度０となるように露光量を調整して網ポ
   ジ側から露光して焼付け、現像、定着することにより得
   られたライトマスク、拡散シートおよび上記網ポジを順
   に重ねて密着焼付けする手段とを任意の順序で施し、し
   かる後、該カーボンチツシュを版材に転写し、さらに現
   像し、次いで腐蝕することを特徴とする網グラビア製版
   法。