JPS585224B2 - 重油の熱分解法 - Google Patents

重油の熱分解法

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JPS585224B2
JPS585224B2 JP673679A JP673679A JPS585224B2 JP S585224 B2 JPS585224 B2 JP S585224B2 JP 673679 A JP673679 A JP 673679A JP 673679 A JP673679 A JP 673679A JP S585224 B2 JPS585224 B2 JP S585224B2
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JP
Japan
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oil
reaction
heavy oil
coking
yield
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JP673679A
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JPS5599995A (en
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好彦 角南
邦彦 西岡
司 近田
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Kureha Corp
Nippon Steel Corp
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Kureha Corp
Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、重油の熱分解法に関する。
近年、軽油やガソリンなどの軽質成分油の需要が激増し
、需要が軽質化傾向にあるのに対し、輸入原油は重質化
傾向にあるため、重質油からガソリンを取り出す製造法
が発達している。
ところで、その1つに熱分解法がある。
これは、原料油を常圧もしくは加圧下において短時間の
内に加熱し、炭素鎖の切断を促す。
という操作により重質油の熱分解処理を行なうもので、
この熱分解装置は簡便であるが、重質油に対する軽質油
生成物の比率(以下収得率と称す)が低く、さらに熱分
解装置内にコークスの生成が伴う(以下コーキングと称
す)ため、この熱分解装置の長期連続運転が不可能とな
っていた。
すなわち、熱分解装置内での反応は、熱分解によって分
子の切断低分子化が起こり、ガソリンなどの軽質分が生
成する反面、重合反応も同時に起こり、コークスなどの
重合物が生成してしまう。
この際、反応条件を上げれば軽質分の収得率は増大する
が、重合物収得率も増大し、熱分解反応生成物は最終的
には軽質分がさらに分解を起こすため、全てコークスと
ガス化してしまい、熱分解装置からガソリンなどの軽質
分を高収得率で取り出すことは困難であった。
又、コーキングは熱分解装置の長期連続運転に重大な支
障を来すため、従来よりこのコーキングを克服するため
の試みが幾つかなされている。
その1つの方法として、基型反応器を用いた二種セミバ
ッチ方式によるガソリン、コークス多生産設備がある。
これは、熱分解装置を半連続式としてガソリン、コーク
スの高収得率を図ったものである。
しかし、この方式ではガソリンの高収得率は達成された
が、反応後の基型反応器内のコークスの破砕及びその取
り出し作業が必要なこと、反応時間が長いこと、半連続
式であるために製品の品質が不均一となることなどの欠
点を有していた。
又、基型反応器の代わりに、内径の小さいパイプをアッ
プダウン式、あるいはスパイラル式に加工した背型反応
器を用いた重質油の熱分解も試みられたが、管内のコー
キングを克服する適当な手段が得られず、結局は断念さ
れている。
又、接触分解法や水素化分解法などのガソリン製造法が
あるが、これらは高価な触媒や水素ガスを使用するため
コスト的に見ると好ましくない。
そこで、発明者は熱分解反応時の背型反応器が基型反応
器に比べ反応時間が非常に短くて済むことに着目し、重
合反応を極力抑制するため、反応条件を温和にすると共
に重合物の管内コーキングの防止剤的な役割の添加物を
熱分解すべき重油に混入することにより、重質油から軽
質油を高収有率で得られる方法を見い出した。
つまり、この発明は水素/炭素の原子比が1,5以上の
重油に、60メツシユ以下の石炭好ましくは非粘結性石
炭又は不活性炭素質を0.1〜5%添加してなる重油を
、400〜550℃の温度範囲でかつ1秒〜10分間の
時間内で常圧もしくは加圧下とする条件下の背型反応器
に導入して熱分解処理を行ない、得られた熱分解生成物
を蒸留してガスと留出油と残油とに分別し、この留出油
のうち沸点200℃以上の分解油は原料重油と混合して
再熱分解処理し、沸点200℃以下の分解油を軽油又は
ガソリンとするものである。
上記重油の水素/炭素原子比を1.5以上とした理由を
下記に述べる。
熱分解反応は分解と重合が同時に起こり、その反応機構
はラジカル反応と考えられる。
したがって、熱分解反応では、先ずある種の分子の分解
が起こるが、この分解生成物は非常に不安定(以下ラジ
カルと称す)であるためこのままでは安定した分解生成
物にならない、そこでラジカルな分子は他の分子から水
素原子を引き抜いて安定化し、ラジカル反応を停止させ
ようとする。
又、水素原子の引き抜きができない場合には、ラジカル
分子は他の分子にラジカルを与えラジカルを与えられた
分子が、又次の分子にラジカルを与えるというように、
連鎖反応を繰り返すことになる。
このような反応では連鎖重合が起りやすく、コークスな
どの高度重合物が生成することになる。
したがって、ラジカル反応における重合反応は、二次的
反応ということになり、一次の分解反応生成物が安定で
あれば、起こり難い反応といりことになる。
したがって、ラジカル反応を一次の分解反応で停止させ
るには、水素原子などのラジカル種への付加が最も有効
であり、反応系内にこのような反応停止剤的なものが多
くある程、二次的反応の重合が起こりにくいということ
になる。
このような意味において、水素含有量の多い、すなわち
水素/炭素の原子比が1.5以上の原料重油を使用して
、コークスなどの重合物の生成防止を図るためである。
この際、この装置の背型反応器の反応系内に水素ガスを
加えて水素/炭素の原子比を1.5以上に図ってもよい
一方石炭好ましくは非粘結性石炭、又は不活性炭素質を
60メツシユ以下にして熱分解処理すべき重油中に0.
1〜5%と少量添加するのは、反応重合物が背型反応器
の管内壁に付着するのを未然に防止する効果を有するた
めで、この添加剤の粒度が60メツシュ以上になると、
原料重油中で沈澱現象を呈し、添加剤の均一分散が損な
われる。
したがって、粒度を細かくすれば、添加剤の表面積が増
加して反応重合物の付着効果が大きくなり、コーキング
の防止に最適となることから、添加剤の粒度は60メツ
シユ以下にする必要がある。
又、添加量が0.1%以下になると、微量のためコーキ
ング防止のための作用をなさず、又添加量が5%以上に
なると、原料送り込みに対してのポンプによる摩耗が激
しく、設備各所で沈澱物が生成して操業トラブルを招く
ことから、添加剤の量は0.1〜5%の範囲がよい。
上記背型反応器の反応条件を400〜550℃、1秒〜
10分間としたのは、コーキング現象を起さない条件下
としたもので、このコーキングは温度と時間とに関係し
ているためである。
先ず、反応条件を400℃以下にすると、温度が低いた
めに背型反応器における目的とする熱分解生成物が得ら
れない。
又、550℃以上にすると、反応温度が高くなり過ぎ、
コーキングが発生し易くなるので400〜550℃の温
度範囲にする必要がある。
さらに、反応条件を1秒〜10分間としたのは、1秒以
下にすると短時間のために原料重油の熱分解処理ができ
ない。
又、10分以上にすると、この発明の特徴とする背型反
応器の反応処理時間が非常に短いということが生かされ
ないため、1秒〜lO分間の時間内にする必要がある。
なお、この反応は反応温度が高げれば反応時間が短くて
もコーキングを起こすし、温度が低ければ時間が長くて
も起こりにくいものである。
上記反応条件において、常圧もしくは加圧下とするのは
、常圧でも十分熱分解処理は行なえるがある一定の圧力
を加えた際は、ガスの生成を抑制し、液状生成物の収得
率を選択的に高めることができるためである。
上記背型反応器で得られた熱分解生成物は、次いで常圧
蒸留塔などにて蒸留し、ガスと留出油と常圧残油とに分
解し、沸点200℃以下の分解油を軽油又はガソリンと
するものであるが、沸点200℃以上で得られるものは
軽質油としては適さないので、沸点200℃以下で得ら
れるものに限定される。
今、この発明法によって重油を熱分解する際、予めコー
キング防止用の添加剤を混合した原料重油を、必要によ
り予熱を行ない、ポンプで背型反応器に送り込む、する
と背型反応器内を通過するときに、反応器の管内壁と接
触し、管壁に付着したコーキング物を脱離させるばかり
でなく、成分が炭素質であるために、反応重合物との親
和性が強く、重合物を優先的に添加剤表面に付着させる
効果を有するから、背型反応器のコーキングが防止され
、この装置の長期連続使用ができる。
同時に高度重合物の生成を抑制するために熱分解反応条
件を温和にしている。
この関係上1パスでの沸点200℃以下の収得率は低い
が、沸点200℃以上の中間留分を再熱分解することに
より最終的には約50%の収得率が得られる。
又、蒸留して得られた高粘度液状物である常圧残油は蒸
留塔底部から逐次抜き出して粘結材や炭素材原料として
供するもので、特にこれらは炭素含有量が多いため、粘
結材や炭素材原料の成分として良好なものとなる。
このようにして、背型反応器を用いることにより、この
装置の連続運転に支障なく、反応時間が大幅に短縮した
重質油からの軽質油を高収得率にて取り出すことができ
、一方常圧残油の重合物は粘結材又は炭素材原料として
最適なものとなり、工柴的に非常に有益である。
実施例 1 水素/炭素の原子比を変化させた原料重油に対して60
メツシユ以下の石炭を3%添加し、反応温度520℃、
反応時間1分、加圧力20kg/cm’とする背型反応
器(管の内径3mm、長さ10m)を備えたこの発明法
による実験室的規模の装置を用いて、熱分解処理した生
成物の収得率を第1表に示す。
第1表より、水素/炭素の原子比の小さい試料C,D程
、残油の収得率が高いことが分かる。
したがって、この種の油では分解反応よりもむしろ重合
反応が支配的に進行することが予想され、水素/炭素の
原子比が1.5以上であることの必要性が認められる。
実施例 2 次に、実施例1と同様の方法装置で、第1表における試
料油Bを用いて反応条件を変化させた生成物の収得率を
第2表に示す。
第2表より、反応条件を上げると共に残油の収得率が増
加しているのが分かる。
特に、試料油の番号B〜5、B−7、B−8は沸点20
0℃以下の分解油の収得率より、残油の収得率の方が高
く。
これらの場合は既に重合反応が支配的であると考えられ
る。
したがって、実装置を想定した場合においても反応条件
は所定の範囲に抑えることが適(当と考えられる。
実施例 3 次に、実施例1と同様の方法装置で、第1表における試
料油Aを用いて、反応温度520℃、反応時間2分、加
圧力3’Okg/lstの反応条件にして、沸点200
℃以上の分解油を循環熱分解処理した生成物の収得率を
第3表に示す。
第3表より、沸点200℃以下の分解油の収得率はパス
回数ごとに増加しており、合成収得率は高収得率となり
、循環熱分解処理が有効であることが分かる。
なお、合成収得率は3パスまで示した。
実施例 4 次に、実施例1と同様の方法装置で、石炭又は不活性炭
素質を60〜200メツシユの粒度に調整した後、重油
Aに対して5wt%の割合で添加して熱分解反応を行な
った結果を第4表に示す。
この結果、残油の収得率が高いにもかかわらず、コーキ
ングの兆候はなく、良好な運転が達成された。
又、コーキングの原因となるコークスなどの付着物の量
を調べるために、反応後の残油を200メツシユのふる
いでろ過して残量を測定したところ、第4表に示すよう
に約6%の重量増加が認められた。
この増量は原料重油量に対して約0.3%ということに
なり、0.3%程度のコークスや重合固形物が添加剤の
表面に付着し得たと層えられ、コーキング防止の役目を
十分果たし得たことがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水素/炭素の原子比が1.5以上の重油に、60メ
    ツシユ以下の石炭又は不活性炭素質を0.1〜5%添加
    してなる重油を、400〜550℃の温度範囲で、かつ
    1秒〜10分間の時間内で常圧もしくは加圧下とする条
    件下の管型反応器に導入して熱分解処理を行ない、得ら
    れた熱分解生成物を蒸留してガスと留出油と残油とに分
    別し、この留出油のうち沸点200℃以上の分解油は原
    料重油と混合して再熱分解処理し、沸点200 ’C以
    下の分解油を軽油又はガソリンとすることを特徴とする
    重油の熱分解法。
JP673679A 1979-01-23 1979-01-23 重油の熱分解法 Expired JPS585224B2 (ja)

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