JPS5852088Y2 - コンクリ−トミキサ−車のドラム逆転防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリートミキサー車のドラム逆転防止装置
の改良に関する。

コンクリートミキサー車は、ブラインドにおいてドラム
に投入された生コンクリートの品質を低下させないよう
に工事現場へ輸送しなければならない。

このため輸送中および工事現場での排出待機中は、ドラ
ムを回転して収納している生コンクリートを常に攪拌し
ている。

コンクリートミキサー車において、ドラムの停止及び正
逆回転は車輌前方のキャブ内及び車輌後部の車台に設け
た操作レバーにより互に連動して行われ、これらいずれ
の操作レバーによってもドラムの投入混線、攪拌、排出
の各回転及び停止の各操作が行われる。

従って生コンクリートの輸送中及び工事現場での待機中
は、これら前後の操作レバーを共に攪拌位置に保持して
ドラムをこの状態に回転させているが、輸送中運転者が
誤って前方操作レバーを操作したり、または待機中後方
操作レバーがなにかの要因により作動した場合には、ド
ラムの回転が停止するかまたは逆転して収納した生コン
クリートの凝固または路上への排出等の不慮の事故を招
く恐れがある。

本考案はこのような事故を未然に防止するのを目的とし
たコンクリートミキサー車のドラムの逆転防止装置を提
供するものである。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を説明する
。

第１図はコンクリートミキサー車の平面図で、符号１は
ドラム２を駆動する油圧ポンプ、３は車輌のキャブ内に
設けた前方操作レバー、４は車輌後部に設けた後方操作
レバーで、これらの配置を示し、その詳細については第
２図に示される。

すなわち、前方操作レバー３はその中間部がキャブ内床
に取付けた軸受金具５に軸６を介して揺動自在に枢着さ
れ、後方操作レバー４も同様にその中間部を車台側に取
付けた軸受金具７に軸８を介して揺動自在に枢着されて
いる。

９は車輌側に軸１０で枢着した錠状の中間リンクで、こ
の中間リンク９の一方のアーム９ａの先端は、前方操作
レバー３の下端とロッド１１を介して連結されると共に
、後方操作レバー４の下端とロッド１２を介して連結さ
れ、また一方前記中間リンク９の軸１０から前記アーム
９ａと直角に張出したアーム９ｂの先端は、ロッド１３
を介して油圧ポンプ１のポンプレバー１４と連結してい
る。

以上の様にポンプレバー１４と前方および後方操作レバ
ー３，４を、中間リンク９および各ロッドを介して連結
したことにより、ドラムの停止、攪拌、投入混線および
排出の各動作を制御するポンプレバー１４の作動をこれ
ら操作レバーのいずれによっても選択的に行うことがで
きる。

キャブ内の前方操作レバー３は、第３図に示す様に軸受
金具５に枢着した軸６の上方において皿形ばね座金等の
弾性体を介して軸１５により係止レバー１６の中間部１
６ ａがフリクションをもって枢着しており、この係止
レバー１６は前記軸１５を中心に回動できる様に戊って
いる。

１７は、軸受金具５に取付けたストッパで、ストッパ１
７はこれに設けた調整穴１８により軸受金具５に対して
前記軸６のまわりに変位調整することができる。

第３図は前方操作レバー３が攪拌位置にあるときを示し
、係止レバー１６が実線の位置にあるとき前方操作レバ
ー３を反時計方向（ドラム停止および排出方向）に回動
すると、前記係止レバー１６のフック部１６ ｂがスト
ッパ１７と係合してドラム攪拌位置において、前記前方
操作レバー３が制止され、また係止レバー１６を二点鎖
線の位置１６′に傾いているとき前記前方操作レバー３
を反時計方向に回動すると、ストッパ位置を越えてドラ
ム停止位置および排出位置に動かすことができる。

また、前方操作レバー３を第４図に示す様に攪拌位置か
ら更に時計方向の投入混線方向に回動すると、係止レバ
ー１６のフック部１６ｂの内側部位１６ Ｃがストッパ
１７に当たる。

そして、第５図に示す様に更に投入混線最大位置に回動
すると係止レバー１６のフック部１６ ｂの内側部位１
６Ｃがストッパ１７に押されて傾き、自動的にロックは
解除される。

なお、このロック解除の操作は、中間リンク９およびロ
ッド１１，１２を介して前方操作レバー３と連結してい
る後方操作レバー４によって遠隔操作することができる
。

上述の様に係止レバー１６が傾けられた後は、攪拌状態
にある前方および後方操作レバー３，４の反時計方向の
操作がストッパ１７により制止されることなく、シたが
ってドラム２の停止および排出操作を行うことができる
。

本考案は以上のとおりを構成したから、ドラムが車輌走
行中または待機中において攪拌状態で回転しているとき
、係止レバーを正常の状態にしておけば、前方操作レバ
ーまたは後方操作レバーが何等かの要因によりドラムの
逆転方向に回動してもドラムの停止位置及び排出位置に
移動することがなく、ドラムの停止による生コンクリー
トの凝固またはドラムの逆転による路上への生コンクリ
ートの排出等不慮の事故を防止することができる。

また、本考案にあって係止レバーは、前方および後方操
作レバーのいずれかをドラム投入混練最大位置に操作し
たとき、前記ストッパとの係合が自動的に解除される様
構成されているので、操作性の容易化および構造の簡素
化をはかれ、コスト的にも安価に製作できるという実用
的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はコンクリート
ミキサー車の平面図、第２図は前方、後方操作レバーお
よび油圧ポンプの連動機構の説明図、第３図乃至第５図
は前方操作レバーの拡大図でその作動状態を示す。 ２〜ドラム、３〜前方操作レバー、４〜後方操作レバー
、５〜軸受金具、１１，１２．１３〜ロツド、１６〜係
止レバー、１７〜ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輛キャブ内の前方操作レバーと車輌後部の後方操作レ
   バーとを互に連動させて、これら同操作レバーのいずれ
   によっても、ドラムの停止、攪拌、投入混線および排出
   の各動作を操作できる様にしたコンクリートミキサー車
   において、前方操作レバーの軸受金具にストッパを設け
   ると共に、この前方操作レバーには、ドラムの攪拌また
   は投入混線作動位置から停止位置へと移動するのを制止
   するため、前記ストッパと係脱可能に係合する係止レバ
   ーを枢着し、更にこの係止レバーは、前方および後方操
   作レバーのいずれかをドラム投入混線最大位置に操作し
   たとき、前記ストッパとの保合が自動的に解除される様
   構成されて戊るコンクリートミキサー車のドラム逆転防
   止装置