JPS5851731Y2 - コンバインの排藁搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱殻機前方に刈取装置を備えたコンバインに関
するものであり、前記脱殻機左側にフィードチェーンを
張架させ、そのフィードチェーン後端に此れに略直交さ
せる排藁チェーンを連結させることにより、排藁カッタ
ーまたは排藁集束台等を取付ける脱殻機後側の小型化を
図ることができたが、前記各チェーンによってＬ形方向
に搬送する排藁の株元が乱れる恐れがあり、特にフィー
ドチェーン前側の搬送稈を水平方向に支持して脱粒した
後、フィードチェーン後側で搬送稈を垂直方向に支持し
て排藁チェーンに受継がせるとき、其の搬送稈である排
藁の株元搬送姿勢を適正に保ち、排藁の脱落並びに粉塵
の発生を防止する必要があった。

本考案は上記問題点を解消するものであり、機体左側に
張架させるフィードチェーン後端に此れに略直交させる
排藁チェーンを連結させ、前記各チェーン外側に設けて
搬送稈の株元を摺接案内する側面及び後面カバーを平面
視り形に連設し、前記フィードチェーンに対してこの搬
送稈送り方向に前記側面カバー上端面を上り傾斜させる
と共に、前記側面及び後面カバーのＬ形連設部内側を平
面視円弧形に彎曲させるもので、前記側面カバー上端面
の上り傾斜面によって搬送稈（排藁）の株元を除去に持
上げることにより、前記フィードチェーンによる稈搬送
姿勢を水平方向から垂直方向に円滑に交換し得、排藁移
動部を平面視においてコンパクトに形成し得、排藁株元
の乱れを防いでこの脱落及び粉塵発生を阻止し得ると共
に、前記側面及び後面カバーのＬ形連設部を円弧形に彎
曲させることにより、フィードチェーンと排藁チェーン
の排藁受継動作を適正に得られ、前記各チェーンによっ
て略直角方向に排藁を移動させることによって機体後部
のコンパクト化を容易に図り得、機体全体を小型にして
機能的に構成し得るようにしたコンバインの排藁搬送装
置を提供しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図は本考案に係るコンバインの右側面図、第２図は
同左側面図、第３図は同平面図であり、図中１は機台、
２は一対の走行うローラ３，３を左右両側に装備させた
トラックフレーム、４は昇降部Ａを支持するメインビー
ムいわゆる刈取り主フレ−ム、５はこのメインビーム４
とトラックフレーム２との間に張架した昇降シリンダ、
６は前記機台１上に搭載した脱殻機で、この内部には扱
胴７を前記機台１の前後方向に沿わせて軸架している。

８は刈取部つまり２条刈り用の刈取装置で、この刈取装
置８は複数の分草板９，９及び１０と刈刃１１と刈取り
フレーム１２とから構成し、ウオームケース１３等を介
して、前記刈取りフレーム１２をメインビーム４に連結
する一方、このメインビーム４中間を前記シリンダ５で
支持し、該シリンダ５操作によって回動枢支軸１４を中
心に刈取装置８全体を昇降させるように構成している。

１５は殻稈挟把移送装置で、この装置１５はフィードチ
ェーン１６と挟把杆１７とから構成していて、前記脱殻
機６の左側でその扱口に沿って張架したものである。

１８は脱殻機６の右側前部に位置するステップ、１９は
該ステップ１８後部における機台１上に搭載したガソリ
ンエンジンで、該エンジン１９のエンジンカバー上には
運転席２０を上載すると共に、この運転席２０の前部に
左右のサイドクラッチレバ−２１，２２などを備えた運
転操作部２３を形成している。

また、２４は脱殻機６の右側で且つエンジン１９の後部
に設けた籾受台で、この籾受台２４の上方部には２つの
籾受台２５．２５を備えだ穀粒出口体２６を臨ませてい
る。

この出口体２６は一番口から精粒を取り出すための揚殻
コンベア装置２７上に連結したものである。

さらに、２８は走行うローラ３用の駆動スプロケットで
、このスプロケット２８はファイナルケースを介して走
行用ミッションに連結している。

また２９は前記スプロケット２８と共に走行うローラ３
の端部を支持するアイドルローラ、３０は前記走行うロ
ーラ３の下部内面に摺接させる複数のトラックローラで
ある。

次に殻稈搬送装置について説明すると、前記刈取装置８
における刈刃１１の上方部にはウオームケース１３を装
設していて、このウオームケース１３には殻稈の根元側
を掻き込む原動側のスターホイル３１を装備すると共に
、このスターホイル３１に従動する別のスターホイル３
２を前記ホイル３１と右側に設け、これら各スターホイ
ル３１．３２を左右の殻稈引起し装置３３．３４に対応
させ装備している。

そして、前記原動側のスターホイル３１の下方には下部
搬送チェノ３５を並設している。

さらに、前記スターホイル３１．３２の後方上部には長
短稈調節可能な縦搬送チェノ３６を傾斜状に張設してい
て、この上端下部は前記回動枢支軸１４に取付けるギヤ
ボックス３７に支持すると共に、前記チェノ３６の下端
側に長短稈調節レバー３８を連結し、右引起し装置３４
の背面に固定する長短稈調節プレート３９に前記レバー
３８を係合させ、スターホイル３１．３２後部をフィー
トチエン１６始端との間に前記チェノ３６を長短稈調節
自在に張架し、脱殻機６の扱口に穂先部を導入させる如
く構成している。

一方、４０は脱殻機６の後部に装設した排藁処理装置で
、この処理装置４０は排藁を掻き込んで切断するための
シリンダカッター４１と、該カッター４１の上方で左右
方向に二段に架設する上下段搬送体である排藁チェノ４
２，４３と、前記カッター４１の右側に設ける排藁集束
装置５１とを含み、前記排藁チェノ４２．４３をフィー
トチエン１６の終端に連設すると共に、フィートチエン
１６に対して排藁チェノ４２．４３を略直角状に延設さ
せ、稈の搬送路を略直角に交叉させてなる。

さらに、第４図乃至第７図にも詳細に示す如く、前記上
段排藁チェノ４２は始端側に設、けるコ字状の棒ガイド
４４と終端側に設ける駆動スプロケット４５間に張架す
る一方、前記下段排藁チェノ４３はこの上段排藁チェノ
４２の下方の駆動スプロケット４６とアイドラ４７間に
前記チェノ４２と平行に張架している。

そして、前記下段排藁チェノ４３の駆動スプロケット４
６は前記フィートチエン１６の送り終端側に設けるアイ
ドラ４８とはギヤボックス４８ ａに内蔵するベベルギ
ヤを介して連動連結する一方、前記上段排藁チェノ４２
の駆動スプロケット４５は、前記下段側のアイドラ４７
より大径に形成し、且つ軸７０を介して該アイドラ４７
に一体連結して、前記フィートチエン１６のアイドラ４
８の回転によって、この下段及び上段の排藁チェノ４３
．４２を駆動すると共に、上段の排藁チェノ４２の送り
速度が下段の排藁チェノ４３の送り速度よりも早くなる
ように構成している。

また、前記各排藁チェノ４２．４３にはそれぞれチエン
４２．４３に沿わせて稈元ガイド４９及び排藁ガイド５
０を設けていて、前記稈元ガイド４９は伸縮可能に形成
し、この先端補助ガイド４９ ａを適宜伸張させること
により、前記集束装置５１に稈を送り集束処理をさせる
一方、前記補助ガイド４９ ａを本体側ガイド４９に収
納させることにより、稈をシリンダカッター４１に送り
込み切断処理する如く作業切換が可能に構成している。

ここで、６７は本体側ガイド４９に補助ガイド４９ ａ
を適宜固定する調節ボルトである。

そして、前記フィートチエン１６より排藁チェノ４２．
４３に受継いだ排藁の稈元を下段の排藁チェノ４３より
早い速度の上段の排藁チェノ４２で送り、この稈元が先
頭になるように稈姿勢を順次傾けながらシリンダカッタ
−４１または集束装置５１部に送るように形成してなる
。

また、前記稈ガイド４９及び排藁ガイド５０には稈を各
チェノ４２．４３側に押しつける様に支持する挟把装置
５２を備えている。

この装置５２は前記各ガイド４９及び５０を支持する一
対のガイド棒５３゜５３及び５４．５４と、このガイド
棒５３，５３及び５４．５４を支持すると共にガイド棒
５３．５３及び５４．５４に排藁チェノ４２，４３側の
付勢力を与える板バネ５５及び５６と、該板バネ５５及
び５６を受板５５ ａ及び５６ａを介して支持すると共
に、脱殻機６側に片持ち軸６８等を介して固定されるガ
イドケース５７とから構成していて、前記板バネ５５及
び５６の付勢力でもって前記各ガイド４９及び５０を排
藁チェノ４２．４３側に押しつける様に形成している。

この板バネ５５．５６の使用によって、簡単に板バネ５
５．５６組込みが行えると共に、前記ガイド４９ 、５
０の有効ストロークを大として、その挟把効果の増大と
共にこの装置５２自体のコンパクト化も図れるものであ
る。

さらに、５８は前記上段排藁チェノ４２に、また５９は
前記下段排藁チェノ４３に設けた各チェノガイドであり
、それぞれのチェノ案内面５８ａｊ５９ａを各排藁チェ
ノ４２及び４３の搬送側裏部に当接させる様に形成して
いる。

前記、チェノガイド５８．５９はコ字状のブラケット６
０上下面に固着するもので、このブラケット６０は支持
ポール６１を介して機体側の側壁６２に固定されている
。

また、前記ブラケツ） ６０には前記上段排藁チェノ４
２の駆動スプロケット４５及び下段排藁チェノ４３のア
イドラ４７の軸受部材６３を固定する摺動杆６４が左右
調節自在に設けられていて、前記摺動杆６４を適宜移動
調節することにより、前記各チェノ４２．４３にテンシ
ョンを与える如く構成している。

さらに、６５は前記上段排藁チェノ４２の機内側つまり
非搬送側に設けたテンション用板バネであり、後バネ６
５先端側を彎曲状に形成し、この凸部彎曲面を前記チェ
ノ４２に摺接させて、チェノ４２に自動テンションを与
える如く形成し、チェノ４２の弛みを吸収するように前
記チェノガイド５８に支持部材６６を介して取付けてい
る。

ところで、前記フィートチエン１６の送り終端部に設け
るアイドラ４８と上段排藁チェノ４２の駆動スプロケッ
ト４５とは同一水平位置に設けられると共に、前記排藁
チェノ４２の他端側つまり送り始端側を支持する棒ガイ
ド４４とフィートチエン１６の終端側とは鎖状に連結し
ていて、前記上段排藁チェノ４２とフィートチエン１６
とは同一水平状態位置に位置させると共に、受継部をラ
ップさせることによって、両者における稈の受継ぎを容
易且つ確実に行わせる様に構成している。

さらに、第８図及び第９図にも示す如く前記フィートチ
エン１６の外方には側面カバー７１を、また前記排藁チ
ェノ４２，４３の後方には後面カバー７２をそれぞれ各
チェノ１６，４２．４３に沿わせる如く設けていると共
に、前記側面カバー７１と後面カバー７２とは直角状に
連結形成している。

前記側面カバー７１の上端面７１ ａはフィートチエン
１６の始端から終端にかけて上り傾斜に形成し、前記フ
ィートチエン１６によって移送させる稈の稈元部を前記
上端面で案内支持し、稈の移動にともなって稈元部を前
記傾斜上端面７１ ａにより立上らせる如く構成してい
る。

また、前記側面カバー７１の上端面７１ ａ後端におけ
る後面カバー７２との連結う−ナ一部内側縁に比較的大
きな曲率Ｒ部を形成していて、第８図で稈元先端軌跡を
仮想線に示す如く前記フィートチエン１６から排藁チェ
ノ４２，４３に受継がれる稈の稈元部をスムーズに９０
°方向変換させ、この稈元部を後面カバー７２と排藁チ
ェノ４２．４３上方に設けた機体側後部カバー７３との
間に入れて、排藁チェノ４２，４３で搬送する様に構成
している。

本考案は上記の如く構成しており、前記フィートチエン
１６と連動して排藁チェノ４２．４３を駆動し、脱殻機
６内に穂先部分を挿入させた状態で稈をフィートチエン
１６によりこの終端に移し、フィートチエンに排藁を受
継ぎ適宜切断若しくは集束処理するものである。

このフィートチエン１６における稈の移送途中稈の稈元
部は前記側面カバー７１の上端面７１ ａによって支持
案内されるもので、またこの時稈の移動にしたがって稈
元部は前記上端面７１ａの上り勾配によって除々に立設
姿勢に変換させられ、この後端における前記曲率Ｒ部に
おいてその移動方向を９０°変換させられながら前記排
藁チェノ４２，４３に受継がれるものである。

なお、上記実施例においては搬送体として搬送チェノ４
２．４３を用いる構成としたが、本考案はベルト等の搬
送体を用いても同様の効果を得ることは云うまでもない
。

以上実施例から明らかなように本考案は、機体左側に張
架させるフィードチェーン１６後端に此れに略直交させ
る排藁チェノ４２を連結させ、前記各チェーン１６．４
２外側に設けて搬送枠の株元を摺接案内する側面及び後
面カバー７１．７２を平面視り形に連設し、前記フィー
ドチェーン１６に対してこの搬送稈送り方向に前記側面
カバ−７１上端面を上り傾斜させると共に、前記側面及
び後面カバー７１゜７２のＬ形連設部内側を平面視円弧
形に彎曲させるもので、前記側面カバ−７１上端面の上
り傾斜面によって搬送枠（排藁）の株元を除々に持上げ
ることにより、前記フィートチエン１６による稈搬送姿
勢を水平方向から垂直方向に円滑に変換でき、排藁移動
部を平面視においてコンパクトに形成でき、排藁株元の
乱れを防いでこの脱落及び粉塵発生を阻止できると共に
、前記側面及び後面カバー７１．７２のＬ形連設部を円
弧形に彎曲させることにより、フィードチェーン１６と
排藁チェーン４２の排藁受継動作を適正に得ることがで
き、前記各チェーン１６．４２によって略直角方向に排
藁を移動させることによって機体後部のコンパクト化を
容易に図ることができ、機体全体を小型にして機能的に
構成できて頗る実用的である等の顕著な効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る排藁搬送装置を具備したコンバイ
ンの右側面図、第２図は同左側面図、第３図は同平面図
、第４図は要部の拡大説明図、第５図は前図の背部説明
図、第６図は前図のＩＩ −ＩＩ線断面説明図、第７図
は要部の分解平面図、第８図は第４図における外観視図
、第９図は第５図における外観視図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体左側に張架させるフィードチェーン１６後端に此れ
   に略直交させる排藁チェーン４２を連結させ、前記各チ
   ェーン１６．４２外側に設けて搬送稈の株元を摺接案内
   する側面及び後面カバー７１゜７２を平面視り形に連設
   し、前記フィードチェーン１６に対してこの搬送稈送り
   方向に前記側面カバ−７１上端面を上り傾斜させると共
   に、前記側面及び後面カバー７１．７２のＬ形連設部内
   側を平面視円弧形に彎曲させたことを特徴とするコンバ
   インの排藁搬送装置。