JPS5849389B2 - 複合建材の製造法

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【発明の詳細な説明】本発明は、石綿セメント板等のアルカリ性無機質板材に
発泡フェノール樹脂層を積層した複合建材の製造方法に
関するものである。

発泡樹脂には種々のものが知られているがレゾールタ
イプΦフエノールレジンに発泡剤ｆ加えこれを、酸を硬
化剤として得られる発泡フェノール樹脂は、自立性があ
る、難燃性・自己消化型でかつ有毒ガスを発生しない、
吸水による体積変化がないなど、建材用断熱材として有
用である。

しかしながら、建材として用いるには、強度的に不充分
であり、機械的に強靭な基板との複合化が必要である。

ところで、基板と断熱材との複合建材を製造する方法と
して、断熱材を板状に戒形し、これを基板に接着剤で複
合する方法が公知であるがこの方法では、製造工程が
多工程化し、製造能率上、不利である。

基板と発泡樹脂層との複合板においては型内に基板を
敷き、この基板上に発泡性樹脂を流し込み、次いで発泡
性樹脂を発泡させるようにすれば、発泡性樹脂層の或形
と複合化とを一工程で行うことができ、工程的に有利で
ある。

しかしながら、発泡性樹脂として硬化反応が酸によっ
て促がされる上記レゾール型の発泡性フエノールレジン
を用い、基板に、石綿セメント板等のアルカリ性無機質
板を用いるときは基板とレジンとが接する界面におい
て酸が中和されてしまい、硬化反応が阻害される結果、
満足な複合板を得ることができない。

本発明に係る複合建材の製造方法は上述の点に鑑みて発
明された方法であり、アルカリ性無機質板材の片面を酸
により処理し型内においてこの板材の処理面上にレゾ
ールタイプの発泡性フェノールレジンを流し込み次い
で発泡させることを特徴とする方法である。

以下、図面により本発明を説明する。

第１図において、１はアルカリ性の無機質板材、例えば
石綿セメント板であり、その板材１の片面１１を稀釈し
た酸性溶液で処理しその片面の表面層近くを中性化す
る。

この中性化すべき板材１の表面厚さδは、１００〜１０
００μで充分である。

２は金型であり、下型２１内に上記表面処理した板材
１を、その処理面１１を上に向けて敷載する。

而るのち、発泡剤並びに硬化剤（酸）を配合したレゾー
ル型のフェノールレジンを板材の上記処理面上にヘラ等
でこすり付け同処理面の中性化層にレジンを含浸させ
る。

更に、板材１上にフェノールレジン３を流し込む。

次いで、上型２２を閉じ、型を加熱し、フェノールレジ
ン３の硬化反応を促進させると共に発泡剤を発泡させ
る。

この場合フェノールレジンに接するアルカリ性の板材
面は中性化されておりかつレジンが含浸されているの
でその界面でのレジンの硬化反応は酸性硬化剤によっ
てよく促進される。

従って板材に良品質の発泡フェノール樹脂層が秀れた接
着性で複合化される。

本発明において第２図に示すようにフェノールレジ
ン３を流し込んだのちにスペーサＳを介して板材１０
をセットし発泡フェノール樹脂層の両面に板材１０，
１を複合することもできる。

この場合上側板材１０にもアルカリ性板材を使用す
るときはその板材１０のフェノールレジンに接する面
を上記と同様に中性化処理し更にフェノールレジン
を含没する。

以下、本発明の実施例について説明する。

実施例石綿セメント板の片面を、１０％塩酸液で約２分間処理
し、この処理面を水洗のうえ、乾燥させた。

この石綿セメント板を、金型の下型に、処理面を上に向
けて敷載し次いで同処理面にフェノールスルホン酸
（硬化剤）並びにフレオン（発泡剤）配合のレゾール型
フェノールレジンをヘラで含浸し、更に、同レジンを流
し込んだ。

而るのち、上型を閉じ６０℃で５０分間金型を加熱し
、レジンを反応させると共に発泡させた。

このようにして得た建材についての発泡フェノール樹脂
層と石綿セメント板との接着性は極めて良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を示すための工程図第２図は本発明の
別実施例を示す型閉後の状態を示す説明図である。図において、１はアルカリ性無機質板材、１１は板材の
片面、２１は下型、２２は上型、３は発泡性フェノール
レジンである。

【特許請求の範囲】

１アルカリ性無機質板材の片面を酸により処理し、型
内においてこの板材の処理面上にレゾールタイプの発泡
性フエノールレジンを流し込み次いで発泡させること
を特徴とする複合建材の製造法。