JPS5848906Y2 - ダンプトラツク荷台後部煽戸 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、荷台の後方開口部に設けられ、前記荷台の傾
動により自動的に開閉し、所要の開口度を確保するダン
プトラック荷台後部煽戸に関する。

第１図はこの種の従来の煽戸の概略構成図を示す。

図において１は荷台、２は煽戸枢支部、３は煽戸、４は
煽戸３の両側面上端部に固定された支持金具、５は荷台
１の後部に設けられた後方開口部である。

いま、荷台１が水平な積荷状態において、煽戸３はその
自重により、後方開口部５を閉鎖するように、煽戸枢支
部２により支持されている。

荷台１が後方へ傾動するに従って、煽戸３はその自重に
より煽戸枢支部２を軸心として回動し、後方開口部５を
自動的に開口して、図示されていない積載物を排出する
。

しかし、この下開き式煽戸３は十分な開口度が得られな
いために、砕石、砂利などの積載物を一個所に大量にお
ろす際に、全体に荷重が加わり、煽戸３に損傷を与える
おそれがある。

また、荷台１の傾動力強、激に行なわれ、積載物が一個
所に堆積されたために、煽戸３がこの堆積物により押し
上げられて、煽戸枢支部２に損傷を与えることもあった
。

本考案は、上述の点に鑑み、従来技術の欠点を除き、構
成が簡単で、製作が容易で、十分な開口度が得られ、積
載物の排出が容易で、かつ煽戸の損傷が防止され、長期
の使用に堪えるダンプトラック荷台後部煽戸を提供する
ことを目的とする。

このような目的は本考案によれば、荷台の後方開口部に
設けられ前記荷台の側板後方上部の煽戸枢支部により上
端部が回動自在に枢支される上部煽戸と、前記上部煽戸
の下端部に設けられ前記上部煽戸とともに、前記荷台の
後方開口部を閉鎖し得る下部煽戸と、前記上部煽戸の両
側面下部を回動自在に枢支する上部煽戸側回動軸と前記
下部煽戸の両側面上部を回動自在に枢支する下部煽戸側
回動軸とに−より前記上部および下部煽戸な連結する連
結金具とを備え、前記荷台が後方へ傾動する際に、前記
上部および下部煽戸がその自重により前記煽戸枢支部を
軸心として回動し、前記荷台の後方開口部が開口すると
ともに、前記積載物の押圧により前記下部煽戸が前記上
部煽戸側回動軸を軸心として回動し、さらに前記下部煽
戸側回動軸を軸心として回動し得るように構成すること
により達成される。

次に、本考案の一実施例を図面に基づき、詳細に説明す
る。

第２図は本考案の一実施例の概略構成図を示す。

図において第１図と同一の機能を有する部分には、同一
の符号が付されている。

煽戸６は上部煽戸７、下部煽戸８および上部煽戸７と下
部煽戸８とを連結する連結金具９とから構成される。

上部煽戸７の両側面上端部に支持金具４が固定され、荷
台１の側板後方上部に設げられた煽戸枢支部２により、
回動自在に枢支される。

また、連結金具９の上部煽戸側回動軸１０は上部煽戸７
の両側面下部を、回動自在に枢支し、下部煽戸側回動軸
１１は下部煽戸８の両側面上部を、回動自在に枢支する
。

なお、下部煽戸８の下端部には係合ピン１２が設げられ
、図示されていない係合フックと係合することにより、
煽戸６は後方開口部５の閉鎖状態を維持する。

さらに、２点鎖線で示す８Ａは上部煽戸Ｔと同一方向に
ある下部煽戸の状態を示す。

上部および下部煽戸７，８の高さ手法Ｈ１，Ｈ２はほぼ
同一寸法として示されている。

次に、第３図は第２図の動作説明図を示す。

図において第１図および第２図と同一の機能を有する部
分には、同一の符号が付されている。

第２図に示す係合ピン１２と、図示されていない係合フ
ックとの係合が解かれ、荷台１が後方へ傾動するに従っ
て、煽戸６はその自重により煽戸枢支部２を軸心として
回動し、荷台１の後方開口部５を開口する。

このような煽戸６の自動的な回動とともに、煽戸６は積
載物１３の押圧力Ｆを受けることにより、下部煽戸８が
連結金具９の上部煽戸側回動軸１０を軸心として回動す
る。

さらに、下部煽戸８が下部煽戸側回動軸１１を軸心とし
て回動する。

従って、下部煽戸８が上部および下部煽戸側回動軸１０
，１１を有することにより、大きく回動し得るから、必
要な開口度が容易に得られ、積載物１３の排出に支障を
生じない。

次に、第４図は下部煽戸の動作状態図を示し、Ａは上部
煽戸側回動軸を軸心とする回動状態、Ｂは下部煽戸側回
動軸を軸心とする回動状態である。

図において第３図と同一の機能を有する部分には、同一
の符号が付されている。

下部煽戸８Ａは積載物１３の押圧力Ｆを受けて、上部煽
戸側回動軸１０を軸心とする下部煽戸の回動状態を示し
、下部煽戸８Ｂは下部煽戸８Ａからさらに下部煽戸側回
動軸１１を軸心とする下部煽戸の回動状態を示す。

押圧力Ｆは積載物１３が荷台１から排出されるとき、下
部煽戸８に及ぼす斜め下向き方向の力で、下部煽戸８の
重心位置Ｇに集中するものとする。

長さ寸法Ｄ１は重心位置Ｇから上部煽戸側回動軸１０ま
での距離、長さ寸法Ｄ２は同じく重心位置Ｇから下部煽
戸側回動軸１１までの距離である。

Ｗは下部煽戸８Ａ、８Ｂの重心位置Ｇにおける重力で、
Ｒ１，Ｒ３は下部煽戸８Ａ、８Ｂの重力Ｗの軸線方向の
分力、Ｒ２，Ｒ４は同じく重力Ｗの軸線に垂直方向の分
力を示す。

いま、Ａに示すように、押圧力Ｆの水平方向分力をＦｌ
とすれば、回転モーメン）ＦＩＸＤＩは明らかに回転モ
ーメン）ＦＩＸＤ２より大きい。

従って、下部煽戸８は上部煽戸側回動軸１０を軸心とし
て、回転モーメン）ＦＩＸＤＩにより下部煽戸８Ａの状
態に回動する。

下部煽戸８Ａにおいて、押圧力Ｆの軸線に垂直方向の分
力Ｆ２が、重力ＷＯ分力Ｒ２とほぼ等しくなり、力の均
衡が保たれるとき、この下部煽戸８Ａの状態を維持する
。

ところが、積載物１３の排出が進行して堆積量が増加す
るに伴い下向き方向の押圧力Ｆは矢印方向りの上向き方
向の力となり、下部煽戸８Ａを押上げるように作用する
。

Ｂに示すように、この押圧力Ｆの方向変化により、下部
煽戸８Ａは下部煽戸側回動軸１１を軸心として、下部煽
戸８Ｂの状態に回動する。

この下部煽戸８Ｂにおいて、押圧力Ｆの軸線に垂直な分
力Ｆ３が、重心Ｗの分圧Ｒ４とほぼ等しくなり、力の均
衡が保たれるとき、この下部煽戸８Ｂの状態を維持する
。

次に、積載物１３の排出が終了して、荷台１を水平状態
に復帰する際、上述の押圧力Ｆが消滅するから、下部煽
戸８Ｂは重力Ｗの分力Ｒ４により、下部煽戸８Ａの状態
へ自動的に復帰する。

さらに、下部煽戸８Ａは重力Ｗの分力Ｒ２により、下部
煽戸８の状態へ自動的に復帰する。

上部煽戸７の下端部に半径ｒの円弧状断面を有する切欠
き部が設けられ、この切欠き部により下部煽戸８が上部
煽戸１に接触することなく、回動が円滑に行われる。

このように、積載物１３の排出の過程において、押圧力
Ｆはその大きさおよび方向に変化が生じても、この押圧
力Ｆに応じて、上部および下部煽戸７．８は所要の開口
度を維持する。

以上に説明するように本考案によれば、煽戸を上部およ
び下部の煽戸に２分割し、かつ上部および下部煽戸側回
動軸を有する連結金具により連結するという簡単な回動
手段により、その構成が簡単で、製作が容易で、十分な
開口度が確保され、積載物の排出が容易で、煽戸の損傷
が防止され、長期の使用に堪えるという効果を奏する。

さらに、本考案の作用効果を逸脱することなく、変更を
加えた実施態様のものは、本考案と同一の技術範囲に属
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの種の従来の煽戸の概略構成図、第２図は本
考案の一実施例の概略構成図、第３図は第２図の動作説
明図、第４図は下部煽戸の動作状態図を示し、Ａは上部
煽戸側回動軸を軸心とする回動状態、Ｂは下部煽戸側回
動軸を軸心とする回動状態である。 １：荷台、２：煽戸枢支部、５：後方開口部、６：煽戸
、７：上部煽戸、８：下部煽戸、９：連結金具、１０：
上部煽戸側回動軸、１１：下部煽戸側回動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷台１を後方へ傾動して積載物１３を排出し得るダンプ
   トラックにおいて、前記荷台の後方開口部５に設けられ
   前記荷台の側板後方上部の煽戸枢支部２により上端部が
   回動自在に枢支される上部煽戸７と、前記上部煽戸の下
   端部に設けられ前記上部煽戸とともに、前記荷台の後方
   開口部を閉鎖し得る下部煽戸８と、前記上部煽戸の両側
   面下部を回動自在に枢支する上部煽戸側回動軸１０と前
   記下部煽戸の両側面上部を回動自在に枢支する下部煽戸
   回動軸１１とにより前記上部および下部煽戸を連結する
   連結金具９とを備え、前記荷台を後方へ傾動する際に、
   前記上部および下部煽戸がその自重により前記煽戸枢支
   部を軸心として回動し、前記荷台の後方開口部が開口す
   るとともに、前記積載物の押圧により前記下部煽戸が前
   記上部煽戸側回動軸を軸心として回動し、さらに前記下
   部煽戸側回動軸を軸心として回動し得るように構成した
   ことを特徴とするダンプトラック荷台後部煽戸。