JPS5848227B2

JPS5848227B2 - 水中塗装機

Info

Publication number: JPS5848227B2
Application number: JP12342778A
Authority: JP
Inventors: 一岡本; 稔鷺原; 凌司織田
Original assignee: Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Current assignee: Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority date: 1978-10-06
Filing date: 1978-10-06
Publication date: 1983-10-27
Also published as: JPS5549170A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、船舶や水中に構築された構造物等の水中構造
物に塗装する水中塗装機に関するものである。

近年、海洋開発に伴なう石油掘削リグあるいは石油備蓄
パージ、海上プラント船等の鋼構造物の建造が増加の一
途をたどっているが、これら鋼構造物は、設定海域に曳
航設定後、設定区域からメンテナンスのための移動が不
可能である。

したがって、これら海洋鋼構造物の水面下での防食塗装
、清掃、保守等の問題が生じ、洋上におけるメンテナン
スの必要性が大きな課題となっている。

この中で、例えば、船体清掃面では多くの手法が開発さ
れており、また、海上での船体の溶接あるいは溶接によ
る外板修理を水中で行う技術はすでに実用化が可能にな
っている現状にある。

しかし、水中塗装技術については、従来確立された手法
がなく、一部では、潜水夫の手作業により水中硬化型塗
料を塗布する方法や、あるいは圧送式へらを用いて塗装
する方法が実施されているが、いずれも非能率的で水中
での塗装が可能であるにすぎず、塗膜の厚さ調整、平滑
さ及び塗料の付着力が不良であること等のため、満足な
防食塗膜を得ることができなかった。

そこで本発明は、水中でも陸上と同様の塗装作業ができ
、しかも塗装の仕上状態が良好な水中塗装機を提供すべ
く鋭意研究した結果なされたものであって、本体を浮力
タンクと兼ねることによって塗装機の重量を軽減化する
とともに、塗装ローラの外周に塗料を付着させるための
塗料溜を、水中と遮断して本体の塗装ローラ収納部分に
設け、しかも水中と塗料溜とを遮断する被覆部材でロー
ラに付着する塗料を均一化するようにしたものでる。

そして、好ましくは、塗装用ローラには、その外周面と
被塗装面との間にシゴキカを発生し得る回転を与えれば
、被塗装面の水膜を確実に排除して塗料の付着力をより
向上させることができるようにしたものである。

次に図面により本発明の一実施例を説明する。

第１図において、本体１は、浮力調整のための浮力タン
ク２を兼ねて水密状に形成され、水中での重量バランス
を保つようになっている。

この本体１の第１図ａ下面外周部分には、半円状の凹部
３が形成されている。

この凹部３には、例えば、シンナー不晦性のゴムを外周
に被覆した塗装用ローラ４がその殆んどを没するように
配置され、しかもこのローラ４の外周面と凹部３の内面
３ａとは適宜隙間を保持するように配置されている。

すなわち、凹部３の開口部３ｂは、塗装用ローラ４でそ
の殆んどを覆われることになる。

そして、このように配置された塗装用ローラ４は、エア
モータ５によりギヤ群６を介して回転駆動される。

一方、前記凹部３の開口部３ｂのうち、塗装用ローラ４
で覆いきれなかった本体１側面開口部は、第１図ｂに示
すように、本体１から延長された薄い金属板７等で摺動
型シールを形成している。

また、塗装用ローラ４で覆いきれなかった第１図ａにお
ける本体１下面開口部は、例えば、金属、ゴム等で形成
したエツヂ８，９を本体１から塗装用ローラ４外周面に
接触する位置まで延長することによって覆われている。

このようにして凹部３の開口部３ｂを覆うことによって
、凹部３内に塗料溜１０を形威している。

また、エツヂ８は、塗装用ローラ４外周部に付着した塗
料をこのローラ４に均一な厚さに付着させる役目も果た
しながらエツジ９と共に塗料溜１０内への水の進入を防
止する。

そして、塗料溜１０内には、第１図ｂに示すように凹部
３内に適宜固定され塗装ローラ４の軸線に対して適正な
角度を有するバツフル１１が配置されている。

このバツフル１１は、塗装用ローラ４が回転することに
よって不要の塗料をかき上げるためのものであって、塗
装用ローラ４が回転する限り塗装機がいかなる姿勢であ
ろうとも塗料が塗料溜１０から漏れるのを防止するもの
である。

一方、前記塗料溜１０の頂点部分には、第２図に示す塗
料供給装置１２の末端の管路１３が臨んでいる。

この塗料供給装置１２を第２図により説明すると、水面
上方例えば塗装船等に塗料供給装置１２の大部分が位置
する。

この水面上方に位置する装置は、塗料タンク１４と、エ
ア母管１５からエア供給弁１６を介して送られるエアに
よって作動するエアレス塗料ポンプ１７と、前記塗料タ
ンク１４からエアレス塗料ポンプ１７に塗料を吸い上げ
る管路１８と、圧力計１９と圧力調整器２０とからなり
、また、水中に位置する装置は、塗料溜１０の頂点部分
に位置する前述した管路１３とこの管路１３の上部に設
けた塗料供給弁２１とからなる。

そして、この塗料供給弁２１と前記圧力調整器２０とは
、フレキシブルな塗料ホース２２で連結して塗料供給装
置１２を構成している。

一方、前記エアモータ５は、水面上方、例えば塗装船に
設けたエア母管１５からモータ用エア供給弁２３を介し
、更に、フィルタ２４、圧力調整弁２５、給油器２６を
介したエア供給装置２７と、フレキシブルなエア供給ホ
ース２８で連結されている。

なお、エアモータ５には、排気調整弁２９を備えた一端
を水面上方に位置させるエア排出ホース３０の池端が連
結されており、このホースはエアモータ５を回転させ終
ったエアを排出するものである。

このエア排出ホース３０は、その途中に逆止弁を介在さ
せれば、水中にエアを排出させることもできる。

また、本体１にば、把手３１が取り付けられている。

このような構成した水中塗装機３２の前記塗装用ローラ
４は、水中塗装機３２を矢印■のように前進させる場合
には、その移動速度に相当する回転よりも速く第１図ａ
矢印方向に回転させ、矢印＠のように後進させる場合に
は、塗装用ローラ４が逆転することを利用して塗装用ロ
ーラ４で適宜被塗装面３３をシゴクようにしている。

また、この実施例で使用する塗料３４は、ある程度抗水
性で鋼板面の水分を除去して付着するものを使用してい
る。

この塗料は、撥水性の樹脂を含むものであって、水中に
おける付着性が優れているという性質を利用している。

そして、塗料の硬化は硬化剤を配合することによって行
い水や空気を不要にしている。

なお塗料の粘度は、適宜塗料を圧送することによってホ
ース内を流動できる範囲（例えば６０〜７０ポイズ／
６０ｒ．ｐ，ｍ）にし、また塗料の比重を１．２
〜３．０の範囲にして塗料が被塗装面から脱落又は浮上
しないようにすることが望ましい。

いま、エア母管１５から送られる圧縮空気をモータ用エ
ア供給弁２３を開くことによってエア供給ホース２８か
らエアモータ５に送るとともに、排気調整弁２９を開き
ながらエアモータ５の回転数すなわち塗装用ローラ４の
回転数を定める。

そしてエア供給弁１６を開きこの状態で水中塗装機３２
を水中に没めた後、ダイバーが塗料供給弁２１を開くと
、塗料タンク１４内の塗料はエアレス塗料ポンプ１７に
より塗料ホース２２を介して管路１３に圧送されるので
、塗料３４は塗料溜１０に供給されることになる。

この時すでに塗装用ローラ４は回転しているので、塗料
溜１０に流大した塗料は即塗装用ローラ４の外周面に付
着する。

そして、外周面に塗料を付着した塗装用ローラ４が第１
図矢印方向に回転すると、ローラ４外周面に付着した塗
料はエッヂ８により均一にならされて被塗装面３３側へ
出てくる。

この時、塗装用ローラ４の回転数は、被塗装面３３を前
進する水中塗装機３２の移動速度に相当する塗装用ロー
ラ４の回転数よりも速くなっているために、このローラ
４のシゴキ作用により被塗装面３３の水膜を排除すると
ともに、塗料自体の椀水性により被塗装面３３から水を
排除しながら塗装用ローラ４に付着した塗料は、被塗装
面３３に付着する。

なお、塗装用ローラ４の外周面に付着していた塗料が被
塗装面３３に移行して付着する際、塗料に剪断力が働い
て被塗装面３３に塗料が付着するが、塗料の剪断力を顔
料種を添加することにより低くすることができるととも
に、塗装用ローラ４は被塗装面３３をシゴクので、この
ようにすれば被塗装面３３への塗装用ローラ４の押圧力
は小さくて済む。

すなわち、水中塗装機３２を被塗装面に沿って移動させ
る際には、反力がでない程度に軽く水中塗装機３２を被
塗装面に沿わせる感じで移動させれば被塗装面３３に確
実に塗装することができる。

一方、前述したように、塗装用ローラ４にエツヂ８より
塗料を一定厚さにならす際、塗料の厚さは、塗料の硬さ
、エッヂ８の弾力、ローラ４の回転速さのバランスで決
定すれば良く、また被塗装面３３に付着する塗料の厚さ
は、水中塗装機３２の移動速度で決定すれば良い。

これまでの作用の説明では、水中塗装機３２の前進工程
のみを説明したが、水中塗装機３２を矢印＠のように後
退させながら被塗装面３３に塗装するには、塗装用ロー
ラ４の外周面に付着した塗料をエツヂ８でならし、塗装
用ローラ４は、被塗装面３３を逆転力で，シゴキながら
後退するので、前述した前進時の作用に倍加する作用で
塗装することができる。

以上のように本発明によれば、回転する塗装ローラが、
このローラ自身の回転で塗料をローラ外周面に供給する
とともに、塗料溜は外界と遮断されているために、水等
によるローラ表面への塗料供給阻害がなく、塗料の供給
を円滑に行うことができる。

また、ローラ表面の前後に設けた被覆部材（実施例では
エツヂ８，９）により塗料漏れを無くするとともに、塗
料厚さを均等にローラに与えながら被塗装面に水中で直
接塗布して塗装を行うことができ、水中塗装の半自動化
及び塗装面積の拡大の池に塗膜の厚さや付着力の而でも
良好な長期メンテナンス可能な塗装ができる。

更に、本体は、浮力タンクを兼ねていることにより浮力
バランスを保ち、ダイバーに重量的な負担を掛けないた
め作業能率が向上するとともに、被塗装面への塗装機の
設定を極めて容易に行うことができ、その結果、平滑な
塗膜を得ることができる。

そして更に、実施例のように塗料を水中自然硬化性の無
躊剤型塗料にすれば、塗料が水に溶けないので公害防止
面でも良好な結果を得ることができる。

このように本発明は、困難を極めていた従来の水中塗装
を一挙に容易化できる極めて有益な発明である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例であり、第１図ａは一部縦断し
た側面図、第１図ｂは要部を一部拡大した正断面図、第
２図は、システム図である。１・・・・・・本体、２・・・・・・浮カタンク、３・
・・・・・凹部、３ｂ・・・・・・凹部３の開口部、４
・・・・・・塗装用ローラ、被覆部材（７・・・・・・
金属板、８，９・・・・・・エツヂ）、１０・・・・・
・塗料溜、３２・・・・・・水中塗装機。

Claims

【特許請求の範囲】

１浮力タンクを兼ねる本体の外周部の一部に凹部を設
け、この凹部の開口部を、本体外に一部外周が露出する
塗装用ローラと、このローラに一端が接触すべく本体か
ら延長した被覆部材とで覆うことにより、凹部内に塗料
溜を形成したことを特徴とする水中塗装機。