JP2001191045A - 管内清掃用又は塗装用ピグ及びその使用法 - Google Patents

管内清掃用又は塗装用ピグ及びその使用法

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JP2001191045A JP2000005774A JP2000005774A JP2001191045A JP 2001191045 A JP2001191045 A JP 2001191045A JP 2000005774 A JP2000005774 A JP 2000005774A JP 2000005774 A JP2000005774 A JP 2000005774A JP 2001191045 A JP2001191045 A JP 2001191045A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実験的に把握され、かつ、偏心二重円環内流理
論に裏づけされたピグの回転運動を利用した管内清掃用
又は塗装用ピグ、及び、それらを用いた配管内面の清掃又
は塗装方法を提供することである。 【解決手段】清掃又は塗装対象配管の有効な内径の50
から90%、望ましくは70から85%の外径の円柱部
を有する清掃用ピグ1又は塗装用ピグ、及び、そのピグ
を、対象配管2内を圧送押出工法又は吸引工法により移
動させることにより生ずる当該ピグの回転運動15,1
6による配管内面の清掃又は塗装方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、配管内面の清掃や
塗装に用いるピグ及びその使用方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ビル、マンション、各種プラント等に
は、種々の流体を運ぶために多量の配管が使用される。
これら配管は、長期間使用するとその内面に錆や腐食が
発生したり、堆積物が流路を狭めたりして、配管として
の機能が低下して、ついには使用に耐えなくなる。機能
の低下を防ぎ、あるいは、低下した機能を回復させるた
めの一手段として、ピグを用いた清掃や塗装が行われ
る。通常、清掃用又は塗装用のピグは、一般に円柱の先
に円錐又は円錐台を組み合わせた形状を成し、その用途
に応じた材質で作られる。ピグは清掃又は塗装対象配管
の中に挿入された後、その後流側に圧縮空気等を送り込
む圧送押出工法、あるいは、その前流側を減圧する吸引
工法により配管内を移動することにより、清掃又は塗装
の作業を行う。
【0003】まず対象配管を清掃するために、清掃用ピ
グが使用される。清掃用ピグは、清掃対象である錆、腐
食生成物、又は、堆積物の、種類、物性、又は、量に応
じて、その側面の形状、構成、又は、材質、あるいは、
堆積や付着の程度がひどいときに付加的にピグの側面に
装着されるアタッチメントの形状や材質が選ばれる。ピ
グは配管内を移動しながら、その側面を管内面、あるい
は、堆積物等の内面にこすり付けることにより、研削や
研磨を行う。研削又は研磨された錆等の剥離物は、ピグ
を搬送する気流に乗って対象配管から排出される。ピグ
の側面を有効にこすり付けるために、配管内径とほぼ等
しい外径の円柱部を持つピグが選定されるのが普通であ
るが、腐食生成物や堆積物により配管の有効な内径が本
来の配管内径よりきわめて小さくなっている場合には、
ピグが配管の途中で停滞したりすることがないように、
その有効な内径に見合った外径の円柱部を持つピグをま
ず通し、順次、外径のやや大きいものに変えて、最終的
には本来の配管内径とほぼ等しい外径の円柱部を持つピ
グを通す操作が行われることもある。
【0004】清掃が終了した後、塗装用ピグを用い、塗
装が行われる。塗装の場合は、塗装用ピグの進行方向前
方にあらかじめ所要量の塗料が挿入される。塗装用のピ
グは、その塗料を押しながら前進しつつ、配管内面に塗
料を押し付けるようにして塗装作業を行う。ピグを移動
させるのに必要なエネルギーを節約し、かつ、配管内面
全周に均一な塗装を施すためピグが配管内で一方に偏ら
ないようにするため、対象配管の内径とほぼ等しい外径
の円柱部を持つピグが選定される。
【0005】いずれにせよ、従来のやり方では、配管の
有効な内径(配管内がかなりきれいな状態の場合は、本
来の配管内径と同じ。)とほぼ等しい外径の円柱部を持
つピグが採用され、配管内をピグにより、ほぼぴったり
と塞ぐことによって、ピグの側面を配管の内面、あるい
は、堆積物等の内面にこすり付け、あるいは、押し付け
て清掃や塗装の役を果たさせると共に、ピグにより配管
を後流側と前流側の二つの室に分け、その後流側の室を
加圧し、あるいは、その前流側の室を減圧するような形
でピグの移動を図ってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】実験的に把握され、か
つ、偏心二重円環内流理論に裏づけされたピグの回転運
動を利用した管内清掃用又は塗装用ピグ、及び、それらを
用いた配管内面の清掃又は塗装方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、清掃又は塗装
対象配管の有効な内径の50から90%、望ましくは7
0から85%の外径の円柱部を有する清掃用又は塗装用
ピグである。
【0008】また、本発明は、含侵性のある多孔質の素
材からなる、清掃又は塗装対象配管の有効な内径の50
から90%、望ましくは70から85%の外径の円柱部
を有する塗装用ピグである。
【0009】さらに、本発明は、上述の清掃用又は塗装用
ピグを、対象配管内を圧送押出工法又は吸引工法により
移動させることにより生ずる当該ピグの回転運動による
配管内面の清掃又は塗装方法である。
【0010】図4に示すように、清掃又は塗装の対象配
管に相当する部分を透明配管61にした実験装置におい
て、ピグの挙動を観察する。実験に使用するピグ5は、
その回転運動の様子が良く分かるように、円柱部側面に
縦縞状に色彩を施しておく。従来同様、配管の有効内径
とほぼ等しい外径の円柱部を有するピグを使用すると、
後流側からの加圧、あるいは、前流側の吸引のいずれの
方法によっても、当初配管入口のピグ・塗料挿入部66
に挿入された状態のまま、目立った回転をすることなく
配管内を移動して、対象配管の末端のピグ・塗料受止装
置62に至り回収される。
【0011】これに対し、円柱部の外径を少しずつ減少
した試験用ピグ5を何種類かそろえ、それらを順次試験
装置に挿入して試験してみると、配管の有効内径より少
し小さい外径の円柱部を有するピグは、対象配管の中を
移動しながら自転を始め、自転をしながら配管内面に沿
って公転する。自転軸及び公転軸は、対象配管の軸方向
とほぼ一致している。その自転並びに公転の激しさは、
ピグの外径を配管の有効内径に対し、ある程度小さくし
たところで最大となり、さらに小さくすると、回転は緩や
かになる。さらに、配管の有効内径より極端に小さい外
径の円柱部を有するピグに変えると、突風にあおられた
かのごとく不安定な動きをして、対象配管の末端まで吹
き飛ばされてしまう。この場合は、自転軸及び公転軸の
方向も一定していない。
【0012】このピグの回転運動は、偏心二重円環内を
流れる流体の理論、いわゆる偏心二重円環内流理論によ
り説明できる。すなわち、図6に示すように、円柱部の
外半径aのピグが、aよりやや大きい内半径Rを有する
配管の中を気流に乗って飛んでいる場合、ピグの円柱部
の周りには二重の円で仕切られた円環状の隙間ができ
る。ピグの存在している近傍のみを考えれば、気流は円
環状の流路を流れていることになる。ピグの中心軸の位
置は、かならずしも図6のように配管の中心軸と一致し
ないので、実際には偏心二重円環内を気流がピグを乗せ
て流れる形となる。この偏心二重円環内を流れる流体と
ピグの回転運動の関係は、次のように説明ができる。
【0013】ここに、ピグの軸方向の速度をU、ピグの
円柱部の長さをD、ピグの慣性モーメントをI、ピグの
回転角をθ、その角速度をω、流体の流量をQ、流体の
密度をρ、流体の粘度をμ、流体の粘性によりピグの回
転を減衰させる方向に生じるせん断応力をτωθ1、流
体がピグを推進する力により生じピグの回転を加速する
方向に働くせん断応力をτωθ2とする。
【0014】ピグと配管内壁との隙間は、平均すれば
(R−a)であり、隙間が小さい場合は、流体の速度は
配管内壁に接している部分の0(ゼロ)から、ピグの円
柱部側壁に接している部分のUまで、直線的に変化して
いると近似的に考えられる。したがって、流体の流量Q
は、ピグと共に動いている中央部の流量と、速度が次第
に減少する隙間部の流量を足し合わせたものとなり;
【数1】 と表せる。この式をUについて解くと;
【数2】 となる。
【0015】一方、ピグの回転にかかる運動方程式;
【数3】 において、Mはピグの回転方向に作用するモーメントで
あり、ピグの側壁に働く二つのモーメント、すなわち、
粘性によりピグの回転を減衰させるせん断モーメント
と、流体がピグを推進する力により生ずる回転を加速す
るせん断モーメント、の和であり、次のように表され
る。
【数4】
【0016】ここに、流体の粘性によりピグの回転を減
衰させる方向に生じるせん断応力τ ωθ1は、ピグの円
柱部の外周の回転速度aωに比例し、ピグと配管内壁と
の隙間(R−a)に反比例し、比例定数は流体の粘度μ
であるから;
【数5】 であり、一方、流体がピグを推進する力により生じピグ
の回転を加速する方向に働くせん断応力τωθ2は、流
体がピグを推進する力ρQUをピグの円柱部の外周面積
2πaDで除したものに比例すると近似的に考えられる
から、その比例定数をkとすれば;
【数6】 となる。これらを、数式4に代入すると;
【数7】 となる。
【0017】ピグが、流体の流れに乗って安定して回転
しているとき、すなわち、ピグが定速で回転していると
きには、その角加速度dθ/dtは0(ゼロ)であ
るから、数式3の左辺は0(ゼロ)、したがって、右辺
のピグの回転方向に作用するモーメントMも0(ゼロ)
である。Mを示す数式7の左辺を0(ゼロ)とおいて、
さらに数式2を代入して整理すると;
【数8】 となる。
【0018】ピグの円柱部の外半径aが R≧a≧0の
範囲で可変であることを念頭において、この式の中の
(R−a)/a(R+a)について考察すると、
a=Rのときに0(ゼロ)となり、aの減少と共に一方
的に増加する。 したがって、対象配管の内半径Rとピグの外半径aが等
しいときには、ピグの回転運動は起こらず、流体の流量
Qやピグの円柱部の長さDを大きく変えなければ、ピグ
の外半径を小さくすると、ピグが安定して回転する角速
度が大きくなる、すなわち、よく廻ることが分かる。
【0019】しかしながら、以上の検討は、ピグと配管
内壁との隙間(R−a)が小さいとの仮定の下に行って
いるので、aがあまり小さくなると成り立たない。実験
によれば、配管の内半径に対するピグの外半径の比を少
しずつ小さくしていくと、ピグの回転は次第に早く、か
つ、勢い良くなるが、あるところでその勢いは極大とな
り、さらに半径比を小さくすると回転の勢いが落ちるの
が観察された。
【0020】図5に、図4の装置を使った実験で得られ
た 配管の内半径に対するピグの外半径の比率、すなわ
ち、半径比(%)と視察により求めたピグの回転の勢い
の関係を示す。図に示すようにピグの回転の勢いは、半
径比が100%のときの0(ゼロ)から、半径比の減少
と共に上昇し、約83%のところで極大値をとり、半径
比をさらに減少させると、減少する。 ピグの回転の勢いが高いのは、半径比にして50から9
0%、望ましくは70から85%の範囲である。
【0021】さらに、ピグは、自転すると同時に公転す
る。自転軸と公転軸は、対象配管の軸方向とほぼ一致し
ている。自転の勢いが強まると共に公転の勢いも強ま
り、自転の勢いが弱まると公転の勢いも弱まる。 自転及び公転するピグは、対象配管の内面を激しく押し
ながら、あるいは、その内面をこすりながら、進行す
る。ピグの回転運動により生み出されたこの押す力、ま
たは、こする力は、従来選定されていたピグ、すなわ
ち、配管内径にほぼ等しい外径の円柱部を有し、自転も
公転もせずまっすぐに配管内を移動し、配管内面を押す
力は主としてピグ自体の弾性力や、後流からの加圧によ
りピグの一部をわずかに外側に変形させる構造を採るこ
とにより発生する力に頼っていたピグ、の場合よりはる
かに大きい。
【0022】実際に清掃や塗装の対象になる配管を考え
ると、特に清掃の場合には、腐食生成物や堆積物のため
配管の有効内径が本来の配管内径より大幅に小さくなっ
ているケースも考えられる。したがって、この対象配管
内面を押す力、あるいは、こする力を、最大限に発揮で
きるのは、偏心二重円環内流理論により勢いの強い回転
運動が期待できるように、対象配管の本来の内径ではな
く、その腐食生成物や堆積物も考慮に入れた実際の有効
内径に対しての半径比で、上述の50から90%、望ま
しくは70から85%の範囲で選定されたピグである。 本発明により円柱部の外径を選定されたピグを、対象配
管内を圧送押出工法又は吸引工法により移動させること
により、当該ピグに強い回転運動を生ぜしめ、その回転
運動により、 ピグが配管内面を押す力、あるいは、
こする力を、最大限に引き出す効果を生じる。
【0023】ピグが対象配管の内面を清掃、すなわち、
研磨や研削をするのは、まさに、この配管内面をピグが
押す力とこする力によるものであり、それらの力が従来
の方式に比べて大きいと言うことは、 清掃が強力
に、かつ、効率的に行えると言う効果を生じる。 また、ピグが対象配管の内面に均一、かつ、緻密な塗装
を行うためには、ピグが塗料を配管内面に強く押し付
け、かつ、こすりつけることが必要であり、配管内面を
ピグが押す力とこする力が従来の方式に比べて大きいと
言うことは、対象配管内面に、より均一で緻密な塗装
膜を形成できると言う効果を生ずる。
【0024】なお、塗装作業においては、酸化チタン等
を塗装する場合のように、極めて薄い、例えば、数ミク
ロンの厚さの塗装膜を作りたい場合がある。その場合に
は、塗装用ピグを含侵性のある多孔質の素材で製作し、
塗料である液状の酸化チタン等を塗装用ピグの進行方向
前方にあらかじめ挿入するのではなく、多孔質の塗装用
ピグそのものに含侵したうえで、圧送押出工法または吸
引工法により対象配管内を進行させる。塗料を含侵させ
た多孔質の塗装用ピグは、気流に乗って自転及び公転を
しながら進行しつつ塗装用ピグそれ自体を配管の内面に
くまなく押し付けることにより、含侵させた塗料を少し
ずつ均等に配管内面に残して、極めて薄い、かつ、緻密
な塗装膜を作ることができる。
【0025】すなわち、本発明により選定された円柱部
の外径を有する、含侵性のある多孔質の素材からなる塗
装用ピグを、対象配管内を圧送押出工法又は吸引工法に
より移動させることにより、当該ピグに強い回転運動を
生ぜしめ、その回転運動により、 数ミクロン級の極
めて薄い、かつ、緻密な塗装膜を形成できると言う効果
を生ずる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例につい
て図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、かか
る実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体
的構造に種々の変更を加えて良いことは言うまでも無
い。
【0027】図1は、本発明の清掃用ピグの実施の一形
態を示す。清掃用ピグ1は、円柱部11と円錐台部12
を組み合わせた形状を成し、円柱部の径は偏心二重円環
内流により強い回転運動が生じるように、清掃・塗装対
象配管2の有効内径、すなわち、清掃・塗装対象配管2
の内面に付着堆積した物21により小さくなった実際の
内径22の50から90%、望ましくは、70から85
%に選定されている。ピグの側面の形状や構成は、付着
物や堆積物の種類、物性、又は、量に応じて選ばれる
が、この実施の形態では帯状に成形された研磨面13が
5列設けられている。
【0028】清掃用ピグ1は、圧送押出工法、又は、吸
引工法により矢印14の方向に進行する。進行しなが
ら、偏心二重円環内流により15の矢印で示す自転、及
び、16の矢印で示す公転をする。これらの強力な回転
運動は、清掃用ピグ1の研磨面13を強い力で対象配管
内面に押し当て、あるいは、強い力で対象配管内面にこ
すりつける。この動きにより付着・堆積物21は対象配
管内面から、強力に、かつ、効果的にはがされ、その剥
離物23は、気流に乗って対象配管内から排出される。
【0029】図2は、本発明の塗装用ピグの実施の一形
態を示す。塗装用ピグ3は、清掃用ピグと同様に円柱部
31と円錐台部32を組み合わせた形状を成し、円柱部
の径は、清掃・塗装対象配管2の有効内径の50から9
0%、望ましくは、70から85%に選定されている。 塗装用ピグ3も、圧送押出工法、又は、吸引工法により
矢印33で示す方向に進行する。進行しながら、偏心二
重円環内流により矢印34で示す自転、及び、矢印35
で示す公転をする。
【0030】塗装作業においては、ピグの移動を始める
前に、あらかじめ塗装用ピグの進行方向前方に所要量の
塗料25が挿入されている。圧送押出工法または吸引工
法により対象配管内の気流が成立すると、塗料25は押
されて進行し、一部は飛沫26となって先行して配管の
内壁に付着27する。塗装用ピグ3は、気流に乗って自
転34及び公転35しながら進行し、塗料25を押し進
めると共に、強い力で塗料を配管の内面に押し付け、均
質の塗装膜28を形成する。特に、この方法はある程度
の厚みのある塗装膜の形成が望まれる下塗り塗装に適し
ている。
【0031】上記はある程度の厚みのある塗装膜を作る
場合の塗装作業の例であるが、酸化チタン等を塗装する
場合のように、極めて薄い、例えば、数ミクロンの厚さ
の塗装膜を作りたい場合には、塗装用ピグを含侵性のあ
る多孔質の素材で製作する。 塗料である液状の酸化チタン等を、上述のケースのよう
に塗装用ピグの進行方向前方にあらかじめ挿入するので
はなく、前もって多孔質の塗装用ピグそのものに含侵さ
せたうえで、上記と同様に圧送押出工法または吸引工法
により対象配管内を進行させる。塗料を含侵させた多孔
質の塗装用ピグは、気流に乗って自転及び公転をしなが
ら進行しつつ、それ自体を配管の内面にくまなく押し付
けることにより、含侵させた塗料を少しずつ均等に配管
内面に残して、極めて薄い、かつ、緻密な塗装膜を作る
ことができる。
【0032】図3は、本発明の清掃方法又は本発明の塗
装方法の実施の一形態の全体説明図であり、 特願平1
1−152138号に詳述している吸引工法を採用した
場合を示している。 清掃又は塗装の対象配管4は必ずしも一本の配管とは限
らず、図3に示すように主管41から複数の枝管42、
43,44に分かれていることが多い。主管41の開放
端にピグ・塗料受止装置51が設けられ、その先に集塵
装置52、さらに吸引装置53が、配管あるいはダクト
により接続されている。吸い込み側の圧力を一定に保つ
ために圧力調整弁54を設けることが望ましい。一方、
各枝管42、43,44の開放端には、それぞれピグ・
塗料挿入部55が、その先には吸引する空気を取り込む
吸入弁56が設けられている。ピグ・塗料挿入部55
は、ピグや塗料が容易に挿入できるようにソケット継手
等により取り外し容易に構成されている。
【0033】清掃作業を行うには、枝管の一つ、例え
ば、枝管43を選び、そのピグ・塗料挿入部55に清掃
用ピグを挿入する。すべての枝管の吸入弁56を閉じた
まま、吸引装置53を起動させ、対象配管4の中を負圧
にする。負圧が立った後、枝管43の吸入弁56のみを
微開し、取入量を調整しながら外気を導入する。取入量
の調整は圧力計57の指示を、別途実験を実施して求め
た清掃作業に最も適正な値に合わせるように行う。
【0034】取り入れられた空気は対象配管内4を吸引
装置53に向かって流れ、清掃用ピグに偏心二重円環内
流による強い回転運動を与える。清掃用ピグは、その側
面を対象配管4の内面に強い力で押し当て、あるいは、
強い力でこすり付けることにより、強力に、かつ、効果
的に清掃をしながら進行し、ピグ・塗料受止装置51に
至って停止する。剥離した付着・堆積物は、ピグ・塗料受
止装置51や集塵装置52により回収される。 同じ操作を、各枝管に対し繰り返すことにより、対象配
管4全体の清掃が完了する。内部の付着や堆積がひどい
場合には、この操作を繰り返すことも有るし、その際
に、対象配管の有効内径の変化に応じて、清掃用ピグの
円柱部外径を変えることもありうる。
【0035】塗装作業を行うには、同様に任意の枝管、
例えば、枝管43を選び、そのピグ・塗料挿入部55に
塗料を挿入し、その後流側に塗装用ピグを挿入する。対
象配管4の中を負圧にし、負圧が立った後、枝管43の
吸入弁56のみを微開し、取入量を調整しながら外気を
導入する要領は、清掃作業の場合と同様である。取入量
の調整は圧力計57の指示を、別途実験を実施して求め
た塗装作業に最も適正な値に合わせるように行う。 吸入弁56から取り入れられた空気は、塗装用ピグに強
い回転運動を与え、塗装用ピグは、塗料を推し進めると
共に、強い力で塗料を対象配管4の内面に押し付けて均
質の塗装膜を形成しながら進行し、ピグ・塗料受止装置
51に至って停止する。余剰の塗料はピグ・塗料受止装
置51により、飛沫になって気流に乗っている塗料は集
塵装置52により回収される。 同じ操作を、形成すべき塗装膜の数に応じて繰り返し、
又、同じ操作を各枝管に対し繰り返すことにより、対象
配管4全体の塗装が完了する。
【0036】含侵性のある多孔質の素材からなる塗装用
ピグを使う場合は、ピグ・塗料挿入部55に塗料を挿入
する代わりに、あらかじめ塗装用ピグに塗料を含侵させ
る。含侵済みの塗装用ピグをピグ・塗料挿入部55に挿入
し、上記と同様に吸引工法による操作を行えばよい。
【0037】なお、数百メートルに及ぶ長尺の配管を対
象として塗装作業を行う場合には、あらかじめ塗装用ピ
グに含侵させておいた塗料だけでは、配管内面全体を塗
装するのに量的に不足することが考えられる。その場合
には、含侵性のある多孔質の塗装用ピグを通す前に、別
途、通常の方法により、すなわち、ピグ・塗料挿入部5
5に塗料を挿入しその後流側にピグを挿入した上でピグ
を進行させる方法により、配管内に塗料を送り込んで配
管内面に配布しておき、その後で、含侵性のある多孔質
の塗装用ピグを通して、先に通したピグが配布しておい
た塗料を慣らして、均等化し、緻密な塗装膜を作る方法
も考えられる。
【0038】図4は、本発明においてピグの回転運動の
勢いが強く清掃作業あるいは塗装作業に最適となる運転
条件を把握する実験装置を示す。 清掃又は塗装の対象配管を模擬した部分61は透明な素
材で作り、ピグの挙動を容易に観察できるようにする。 対象配管相当部分61の一端には、ピグ・塗料受止装置
62が設けられ、その先に集塵装置63と吸引装置64
が配管あるいはダクトにより接続されている。吸い込み
側の圧力を一定に維持するための圧力調整弁65を設け
ることが望ましい。対象配管相当部分61の他の端には
ピグ・塗料挿入部66が設けられ、その先には吸引する
空気を取り込む吸入弁67や圧力計68が設けられてい
るのは、実機と同様である。
【0039】実験に使用するピグは、その回転運動の様
子が良く分かるように円柱部側面に縦縞状に色彩を施し
ておく。配管の内径に応じて、ピグの半径、ならびに、
吸入弁67の開度を変えることにより、ピグの回転運動
の勢いが強く清掃作業あるいは塗装作業に最適な運転条
件を選定する。
【0040】図5には、図4の実験装置で得られた結果
の一例を示す。 縦軸には、透明な対象配管相当部分61で視察したピグ
の回転の勢いを、横軸には、配管の内半径に対するピグ
の外半径の比、すなわち、半径比を採り、実験結果を示
す。半径比100%、すなわち、従来使用されてきた配
管内径に見合った外径のピグでは、ピグの回転運動は生
ぜず、回転の勢いR100は0(ゼロ)である。半径比
を83%、65%、および、50%と変えて試験をする
と、それぞれに対応する回転の勢いR83、R65、R
50は図に示す通りであり、R が最も強く、
65、R50では次第に減少する。この結果より、清
掃又は塗装対象配管の有効内径の50から90%、望ま
しくは70から85%の外径の円柱部を有するピグが、
最も有効と判断される。
【0041】
【発明の効果】本発明の清掃用又は塗装用ピグにより、
強い回転運動によりピグが配管内面を押す力、あるい
は、こする力を最大限に引き出し、その力を活用する本
発明の清掃又は塗装方法により、清掃が強力に、かつ、
効率的に行え、また、対象配管内面により均一で緻密な
塗装膜を形成できると言う効果を生ずる。また、本発明
の含侵性のある多孔質の塗装用ピグにより、数ミクロン
級の極めて薄い、かつ、緻密な塗装膜を形成できると言
う効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の清掃用ピグの実施の一形態を示し、
(a)は側面図を、(b)は、そのA−A矢視図を示
す。
【図2】本発明の塗装用ピグの実施の一形態を示す側面
図である。
【図3】本発明の清掃方法又は本発明の塗装方法の実施
の一形態の全体説明図であり、吸引工法を採用した場合
を示す。
【図4】本発明における最適な運転条件を把握する実験
装置を示す説明図である。
【図5】図4の実験装置で得られた結果の一例を示す図
である。
【図6】偏心二重円環内流理論によるピグの回転運動の
説明図であり、(a)は側面図を、(b)はB−B矢視
図を示す。
【符号の説明】
1 清掃用ピグ 2 清掃・塗装対象配管 3 塗装用ピグ 4 清掃又は塗装対象配管 5 試験用ピグ 11 円柱部 12 円錐台部 13 研磨面 14 ピグ進行方向 15 ピグの自転 16 ピグの公転 21 付着・堆積物 22 配管の有効内径 23 剥離した付着・堆積物 25 塗料 26 塗料の飛沫 27 内壁に付着した塗料 28 塗装膜 31 円柱部 32 円錐台部 33 ピグの進行方向 34 ピグの自転 35 ピグの公転 41 主管 42,43,44 枝管 51 ピグ・塗料受止装置 52 集塵装置 53 吸引装置 54 圧力調整弁 55 ピグ・塗料挿入部 56 吸入弁 57 圧力計 61 清掃・塗装対象配管を模擬した透明配管 62 ピグ・塗料受止装置 63 集塵装置 64 吸引装置 65 圧力調整弁 66 ピグ・塗料挿入部 67 吸入弁 68 圧力計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E03C 1/302 B08B 9/04 Z E03F 9/00 9/06 F16L 55/26 F16L 55/00 Q Fターム(参考) 2D061 AE05 2D063 FA01 3B116 AA13 AB53 BA01 BA22 BB71 BB90 4D075 AG13 AG15 DA14 DA19 DA27 4F042 AA26 EA12 EA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 清掃又は塗装対象配管の有効な内径の5
    0から90%、望ましくは70から85%の外径の円柱
    部を有する清掃用又は塗装用ピグ。
  2. 【請求項2】 含侵性のある多孔質の素材からなる請求
    項1の塗装用ピグ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のピグを、対象配
    管内を圧送押出工法又は吸引工法により移動させること
    により生ずる当該ピグの回転運動による配管内面の清掃
    又は塗装方法。
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