JPS5847809B2 - デンキホアンキ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は微少電力を検出して、主電極間を短絡する、高
感度電気保安器に関するものである。

従来の電気保安器には、避雷器あるいは放電管のように
ある値以上の高電圧負荷時に短絡するもの、または、ヒ
ューズのように過電流が流れたときに溶断するものがあ
る。

ところが、近時多く使用される集積回路では電子回路そ
のものが微少電力化されているため応答感度の点で従来
のものでは役立たない。

そのため例えば第１図に示すような保護回路が使用され
ている。

１および２は微少電力で応答する保護回路であり、３は
保護の対象となる集積回路である。

保護回路１はヒューズに相当する働きをし、保護回路２
は避雷器に相当する働きをするものである。

これらの保護回路１，２はトランジスタ、其他の電子部
品の組合せ回路により構或されるため直流電源を必要と
し、複雑、高価な欠点がある。

ヒューズのように使い捨てでよく、自動復旧を必要とし
ない場合には無駄が多い。

また、電気ヒューズは、流入する電力により発熱溶断す
るものであるから増幅作用がない。

従って発熱消散を極力押えるため真空封入が行なわれる
が、それでも限界があり感度がよくない。

放電管も同様に増幅作用がないので感度がよくない。

第１図に示した電子保護回路は増幅作用があるので高感
度である。

しかし電気増幅を利用しているので高価で使い捨てには
不適である。

本発明の目的は、上記の欠点をなくし、高感度で動作し
、極めて低価格で使い捨て可能な、高感度電気保安器を
提供するものである。

上記の目的を達戒するために本発明では、火薬を使用し
て増幅作用を行なわせ、火薬の爆発により電極間を短絡
させるようにする。

以下本発明を実施例によって詳細に説明する。

第２図は本発明の原理に関連する動作を説明するための
高感度な切断フユーズの例を示す断面図であり、第１図
に示した保護回路１に相当する従来のヒューズと同様な
作用をする保安器である。

１，１′は検出すべき電流を印加するための入力端子、
２はフィラメント、３はフィラメント２に付けられた火
薬、４，４′は平常時に導通させるべき通路を構成する
ための出力端子、５は火薬３の爆発によって溶断される
出力フユーズである。

動作について説明すると、出力端子４，４′間は平常時
、出力フユーズ５によって短絡されており通電状態にあ
る。

いま、入力端子１，１′に異状事態を示す信号、すなわ
ち、ある値以上の電流または電圧が加えられると、フィ
ラメント２が発熱し、火薬３を爆発させ、その熱作用と
風圧により、出カフユーズ５を溶断するものである。

６は封入ガラスであり、ガラスの飛散を防ぐため、樹脂
性の防爆被膜７で保護されている。

第３図は第２図に示したフィラメントと火薬を組合せた
ような爆発的に溶断する部材を用いた本発明による一実
施例を示す断面図であり、第１図に示した保護回路２に
相当する保安器の例である。

入力端子１，１′間にある値以上の電圧が加わるとフィ
ラメント２が加熱され、火薬３が爆発して、平常時開い
ている出力端子４，４′の狭小部が溶融された出力フユ
ーズ５′により架橋短絡され、出力端子４，４′間が導
通する。

すなわち、火薬３が爆発するとその熱によって出力フユ
ーズ５′は溶融し、容易に移動するようになる。

そのため、溶融した出力フユーズは爆発による風圧によ
って先端部から根本側に向って移動され、端子間の狭小
部を架橋する。

爆発は瞬間的であるから温度は急激に低下し、溶融した
出力フユーズは直ちに固化するので、端子間の短絡は保
持される。

そこでたとえば出力端子４，４′を保護の対象である電
子回路の入出力間に接続しておけば異常電圧が電子回路
に印加されるのを防止することができる。

出力フユーズ５あるいは５′には、通常のヒュー？に使
用されるような低融点の合金や、金属箔、金属繊維など
の電気抵抗が小さく、熱で容易に溶融するものが使用で
きる。

以上の説明で明らかなように、火薬の爆発利用が、非常
に経済的なエネルギ激増の作用をするため、微弱な入力
電圧電流で主回路を短絡することができる。

しかもこの保安器を構成する材料は特種なものを使用す
る必要がないため極めて低価格で、実用化できる。

従来技術では、２０リワット以下の入力で応答するヒュ
ーズは実現不能であったが本発明によれば数マイクロワ
ット程度の入力で充分応答動作できる高感度ヒューズが
実現できる。

またこの程度の入力では、主回路を短絡して避雷器と同
様の役目を果す保安器は実現不能であったが、本発明に
より可能となった。

本発明は微弱電流電圧で動作する電子回路の高感度で経
済的な保安器として実用的に絶大な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は保護回路を設けた集積回路の例を示す系統図、
第２図は本発明の原理に関連する高感度フユーズの例を
示す断面図、第３図は本発明の一実施例を示す断面図で
ある。 １，１′・・・入力端子、２・・・フィラメント、３・
・・火薬、４，４′・・・主回路に接続される出力端子
、５，５′・・・出力フユーズ、６・・・封入ガラス、
７・・・防爆被膜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ あらかじめ定められた大きさ以上の電流が流れたと
   きに爆発的に溶断する第１の導電材料と、並列に配置さ
   れ、両者間に狭小部が設けられた少なくとも一対の電極
   端子と、この電極端子の先端部に通常この端子間が開放
   となるように設けられ、上記第１の導電材料の爆発的溶
   断による発熱により溶融変形する第２の導電材料とを有
   し、上記第２の導電材料の設けられた上記電極端子の先
   端方向に対向した位置に上記第１の導電材料を配置して
   これらを同一管球内に封入し、上記第１の導電材料に通
   電するための外部引出し端子と、上記電極端子を外部に
   接続するための引出し端子とを備え、上記第１の導電材
   料の通電による爆発的溶断によって溶融変形した上記第
   ２の導電材料により上記電極端子間を短絡することを特
   徴とする電気保安器。