JPS5847384B2 - 搬送用ハンガ−傾動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 開示技術は自動車ボディー等の犠装工程に配設されるオ
ーバーヘッドコンベヤに吊下されたワークに対する傾動
装置の傾動機構の技術分野に属するものである。

而して、この発明はオーバーヘッドコンベヤに移送され
る自動車ボデイ等のワークがホイストに吊下された搬送
用ハンガーに設けた係合機構と静止系に設けられた対設
掛止機構とが連係し合って該ハンガーごと上記ワークを
傾動させる装置に関する発明であり、特に、該ハンガー
に外延した係合アームが上記対設掛止機構のフックに係
合可能である様にした搬送用ハンガー傾動装置に係る発
明である。

従来、多くの組付部品を有する製品の量産工場、例えば
、自動車工場等に於ではコンベヤシステムによる搬送組
付工程がとられているが、中でも作業空間での干渉防止
、機能性有効利用等の目的からエンジンや各車輌装置に
対してホイスト、オーバーヘッドコンベヤ等の吊下方式
輸送が採用されており、勢い作業は下から上向きになさ
れるのが基本的態様であるが、当然のことながら、該上
向姿勢は極めて不自然な作業姿勢を強いられることにな
り、単に疲労が多くなるばかりでなく、作業能率も悪化
し、精度も低下する不利点がある。

これに対処するに、例えば、チルト式ハンガー機構等の
回動機構を付設してワークを所定角度傾斜させ、側方よ
り無理な姿勢をとらずに作業を行う様にする手段がとら
れているが、該種従来技術に於では第１に専用ハンガー
が必要であり、又、回動を要する作業位置には作業床面
に回動装置を設けねばならず、機構が極めて複雑である
欠点があり、コスト高になるのみならず、管理が煩瑣で
あり、メンテナンスもし難い難点があった。

而して、作業部位に於ける回動装置の占有空間、面積も
大きく他の装置、機構に与える干渉の影響もあり、編成
代えの場合に於では極めて不都合な条件を有していた。

この発明の目的は上述従来技術に基づくオーバーヘッド
コンベヤ搬送のワーク傾動の問題点を解決すべき技術的
課題とし、搬送用ハンガーをホイストから吊降すろ過程
でその一体係合アームをして静止系に設けたフックに係
止させて傾動させる簡単な構或ながら合理的設計により
確実に傾動可能である様にし製造産業に於けるワーク搬
送利用分野に益し得る優れた搬送用ハンガー傾動装置を
提供せんとするものである。

上述目的に沿うこの発明の構成はオーバーヘッドコンベ
ヤに対して所定にホイストごと搬送されて来たワーク保
持の搬送用ハンガーは組付議装作業位置に於で該ホイス
トにより吊降されると共に該ハンガーの側部に外延した
一体係合アームが静止係に取付けられて該搬送用ハンガ
ーに対設されたフックに掛止されて片持ち状態にされ、
偶力により該係合部を中心に回転して傾動し、該回動姿
勢を維持した状態で所定犠装作業を傾斜ワーク側方から
無理のない姿勢で自在に行い、作業後は上述工程を逆に
して復行する様にした技術的手段を講じたことを要旨と
するものである。

次にこの発明の１実施例を図面に基づいて説明すれば以
下の通りである。

１はフレームであって、自動車工場のボデイ犠装ライン
に設けられているものであり、該フレーム１は上方に限
らず、側方、下位にも設けられている。

而して、該フレーム１の生産ラインに沿った方向に延設
されるレール２には駆動電車３に連結するト０１Ｊ−４
が矢印方向に停止を含めて進行可能にされており、該ト
ロリー４にはホイスト５がチェン昇降装置６を具備して
懸架され、更に該ホイスト５からはそのローラ７，７を
介して該昇降装置６よりの延長吊索のチェン８，８が搬
送用ハンガー９の上部フレーム１０に掛止され、該搬送
用ハンガー９に係止懸架されたワークとしての自動車ボ
デイ１１を上支点裡に吊下してオーバーヘッドコンベヤ
を戒している。

そして、該搬送用ハンガー９の上部フレーム１０からは
一体的に図上進行方向右側に第３図に示す様に係合機構
としての１対のアーム１２が側延され、その先部は下方
に曲折されると共に先端には九棒のブリッジアーム１３
が渡設されており、該ブリッジアーム１３には筒管１４
が回転自在に遊嵌されている。

一方、静止系を成す前記フレーム１にはレール２に沿っ
て所定犠装作業部位毎に第２図に示す様にブラケット１
５を介してアンカーロツド１６が垂下して設けられ、そ
の下端には位置調節用昇降ネジ１７を介して第２，３図
に示す様にプッシュ１８の掛止機構が軸装されており、
ワーク１１搬送側に対して延設したフツク１９は通常設
計に於で前記係合アーム１２のブリッジアーム１３の真
下に該ブリッジアーム１３の筒管１４を受け止めぶれ止
めしない様に係合するノツチ２０を底設する左右下向の
テーパガイド２１．２１が形成され、第３図に示す様に
該テーパガイド２１．２１の先端フォーク部の進行方向
幅Ｓ２は前記筒管１４の長さＳ１よりも短かくされ、前
者に対じ後者が充分ガイド掛止され得る様にされている
。

又、第２、４図に示す様にベース２２上であって設定犠
装部位には作業用安全柵２３とワーク、その他の落下防
止柵２４が設けられている。

２５はリミットスイッチで落下防止柵２４に付設され昇
降装置６に接続されている。

尚、図示する様に傾動して蟻装作業を必要とじない場合
は第２図に示す様にワーク１１と掛止機構１８とは上下
方向に充分の間隔を有しており、相互に干渉しない様に
されている。

上述構戒に於で、前記オーバーヘッドコンベヤが移行し
、搬送用ハンガー９が自動車ボデイのワーク１１を懸架
しレール２に沿って搬送され、傾動蟻装部位に来ると、
即ち、該搬送用ハンガー９のアーム１２のブリッジアー
ム１３、及び、筒管１４の中心が前記掛止機構１８のフ
ツク１９のノツチ２０の中心にセンタリングする様な位
置に来ると電車３を停止し、次いで昇降装置６を起動さ
せてチェン８を降下させ、それにより、搬送用ハンガー
９はワーク１１ごと緩速降下し、掛止機構１８に近接す
る。

而して、第３図に示す様に搬送用ハンガー９の上部フレ
ーム１０から外延したアーム１２のブリッジ１３の筒管
１４がフツク１９に接触する様になる。

当該プロセスはチェン８，８による降下であるので左右
に微揺動するためノツチ２０にセンタリングするとは限
らないことにより該ブリッジアーム１３の筒管１４が転
動じながら両側のテーパガイド２１．２１に係合して次
第に１体降下し、該テーパガイド２１．２１によるセン
タリングを介して終局的には該筒管１４はノツチ２０に
嵌合する。

この場合、該筒管１４の長さＳ１がテーパガイド２１の
幅Ｓ２より大きい様にされているため縦方向のズレにつ
いては調整は不要である。

上記筒管１４のノツチ２０に対する筒管１４を介してブ
リッジアーム１３の嵌着掛止の後猶も昇降装置６による
チェン８，８の繰り出し降下を続けると、該搬送用ハン
ガー９は第４図に示す様に該掛止機構１８を中心として
カンチレバ一式に矢印方向に回転作用を受けて傾動し始
める。

更にチェン８，８を伸延させると、ワーク１１は傾動し
搬送用ハンガー９ごと傾動を増加し、遂には落下防止柵
２４のリミットスイッチ２５に当接し、該リミットスイ
ッチ２５の作動により昇降装置６が回転を停止してワー
ク１１のその時の傾斜姿勢を維持する。

そこで、作業者は横傾斜姿勢のワーク１１に対して無理
のない作業姿勢で所定の犠装作業を行う。

この間、治具等の落下は防止柵２４により防ＩＥされ、
周囲は安全柵２３にて防護される。

そして、当該部位に於ける犠装作業が終了すれば、図示
しないハンガースイッチ等を介して昇降装置６を逆回動
させてチェン８，８を上昇させ、ワーク１１と搬送用ハ
ンガー９を起こし上昇させる。

而して、チェン８，８の引揚げに伴って上述プロセスと
は逆にアーム１２のブリッジアーム１３はフツク１９か
ら離脱し、正姿勢で上昇復帰し、トロリー４により次段
犠装部位に搬送されていく。

尚、上述プロセスで傾斜角度を調整する場合は昇降ネジ
１７を回動じてアンカーロツド１６のネジ部に対して掛
止機構１８を適宜量昇降させる様にすることが可能であ
るし、アーム１２の長さを変える様にしても良い。

そして、次段犠装位置が同じ場合には上記同様にプロセ
スが反復され、傾斜が不必要な場合はアンカーロツド１
６から掛止機構１８を取り外し、又、ベース２２から落
下防止柵２４、安全柵２３を取除いておけば良く、通常
のワーク姿勢で作業を行えば良い。

尚、この発明の実施態様は上記実施例に限るものではな
く、搬送用ハンガーからのアームは両サイドに延設して
おき、掛止機構を傾動作業部位の右域は、左に設ける様
にしておいても良いし、又、掛止機構は図示実施例の様
に上方からの吊下方式でもよいが、下方から垂立する方
式でも良く、側方フレームから延出させる様にしても良
い等種々の態様が採用可能である。

そして、この発明の適用対象も自動車に限らず、他の量
産製品の部品組付、蟻装に適用可能であることも勿論で
ある。

前述の様にこの発明によれば、オーバーヘッドコンベヤ
に移送されるワーク懸架搬送用ハンガーがホイストによ
り−ヒ昇下降自在にされ、更に保合機構としての係合ア
ームを少くとも一側に有して静止系のフレームに設けた
掛止機構のフックに連係可能である様にした傾動装置に
より移送されて来るワークが蟻装作業等の作業に対して
所定に吊降され、通常の作業に供される効果があるのみ
ならず次段作業までは所定高さに復帰して再走行される
ので他作業に支障を来たすことがない効果がある。

而して、該搬送用ハンガーに付設した係合アームが該搬
送用ハンガーの少くとも１側から延出してフレームに静
止して設けた掛止機構のフックに掛止可能にされている
ことにより、上記吊降作用を行うだけで自動的に該係合
を介して搬送用ハンガーごとワークが傾動され、その結
果何ら特別な回動機構を設けることなく自動随伴裡に傾
動が行われて側方からの犠装、組付作業が出来、無理な
姿勢をとることなく、従って、作業能率も要く、精度の
良い作業が行える優れた効果がある。

又、搬送用ハンガーに延設した係合アームと静止系の掛
止機構のフックは構造が簡単で、前者は従来装備品に対
するアームの付加で良く、製作も容易で低コストで出来
、後者はオーバーヘッドコンベヤフレームからの吊設等
により場所をとらず、伸縮継手等を組込むことにより作
業干渉も起らず、取り外し自在にすることにまり編戒替
え等にも容易に対処出来る優れた副次的効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の１実施例を示すものであり、第１図は
オーバーヘッドコンベヤー及び搬送用ハンガーの側面図
、第２図はワークの搬送横断視図、第３図はアーム及び
フックの掛止関係斜視図、第４図は傾動状態横断視図で
ある。 ２〜８・・・・・・オーバーヘッドコンベヤ、５・・・
・・・ホイスト、８・・・・・・吊索、９・・・・・・
搬送用ハンガー、１２，１３・・・・・・係合機構、１
８・・・・・・掛止機構、１２・・・・・・係合アーム
、１９・・・・・・フック、１・・・・・・フレーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ラインのフレームに設けられたオーバーヘッドコン
   ベヤに装備されたホイストに吊索を介して上昇下降自在
   に吊下された搬送用ハンガーの傾動装置において、上記
   搬送用ハンガーの少くとも１側に係合アームが一体的に
   外延して設けられ、一方前記フレームに設けられた掛止
   機構が該係合アームに掛止可能なフックを該係合アーム
   の下降域に有していることを特徴とする搬送用ハンガー
   傾動装置。