JPS5847119Y2 - トンネルライニング用コンポジツトセグメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、円筒状トンネルケーシング構造に用いるライ
ニング用コンポジットセグメントに関する。

地下通路ないしトンネルの壁は、周囲の土質に耐える材
料、例えばスチール、鋳鉄、プラスチック或はコンクリ
ートなどを用いてつくったセグメントにより簡単に形成
される。

しかし、該セグメントは掘削による圧力低下に伴う大き
な応力を受ける。

この圧力低下は均一であるとは限らず、もし不均一の場
合には、圧縮力の他にさらに曲げモーメントが加わる。

水が存在する場合には、上記応力は水圧からも生じる。

本考案の目的は、圧縮荷重下において好適に作用し、し
かも重量の軽いライニング用のセグメントを提供するこ
とにある。

本考案においては、セグメントはコンクリートまたは類
似の材料の塊と補強体とにより構成され、補強体は部分
円筒体の形状を有するウェブと、湾曲矩形状の半径方向
に延びる周縁固定フレームとから戒り、コンクリート塊
を、少なくとも部分的に半径方向に開いた補強体の空胴
に入れており、補強体または該空胴の上方に配置され、
コンクリート塊に対し留め合作用をする突出フランジを
有している。

このように、コンクリートと補強体とを組み合わせるこ
とによりケーシングにとって最適な剛性が得られ、ケー
シングの応力が外力とバランスし、コンクリートと補強
体とが同時に応力状態となる。

かくてコンクリートと補強体とは、ケーシングに及ぼす
周囲地面の圧力にたいし共同して耐えることになる。

以下、添付図面に沿い本考案の一実施例につき詳細に説
明する。

添付図面に示す重複（ダブル）ライニングセグメントは
、ケーシングの軸線Ｘ−Ｘ方向に並置された２つのライ
ニングセグメント要素から成り、ケーシングは重複ライ
ニングセグメントを軸方向に、また円周方向に連結して
行くことにより構成されている。

これら重複ライニングセグメントは、構造を詳細に示す
ため、子午線面においてそれらの中央が断面で示されて
いる。

図示したライニングセグメント要素■２は、コンクリー
ト塊または同様な材料の塊Ｂ２と黒鉛球状化鋳鉄製の補
強体Ａ２とで構成される。

この補強体は、部分円筒形のウェブと、このウェブと一
体につくられた固定フレームＣ２とから成る。

この固定フレームＣ２は、半径方向にのびており、湾曲
した矩形を呈している。

即ち、固定フレームは４つの平面壁から構成され、これ
らのうち２つは軸線Ｘ−Ｘに直交する面に沿い、残りの
２つは軸線ＸＸを含む平面に沿っている。

これらの壁の高さは軸線Ｘ−Ｘを持つ２つの円筒表面に
よって決められており、これら円筒表面のうち軸線に近
い表面を内側表面と称し、残りを外側表面と称すること
にする。

各壁の両側面は補強体製造時の鋳造工程のために必要な
わずかな傾斜はつけられているがほぼ平行である。

図示の実施例において、各々のライニングセグメント要
素の補強体Ａ２はほぼ矩形の板７と板２ｂとを有し、こ
れら板は前記固定フレームと一体に鋳造され、それぞれ
軸線Ｘ−Ｘに直交する固定フレームの向き合った壁から
フレームの軸方向内方に向って延びている。

板７は補強体の前記外側円筒表面に位置し、板２ｂは前
記内側円筒表面に位置している。

これら２つの矩形の板は、軸線ＸＸに垂直をなし、かつ
当該板と一体成型された連続壁３ｂにより全長にわたり
互いに結合されている。

２つのライニングセグメント要素の２つの補強体Ａ２は
、軸線Ｘ−Ｘに直交し且つ板２ｂに接したそれぞれの壁
８を互いに当接させるように軸線Ｘ−Ｘ方向に連結され
ている。

壁８は外縁の全長のほぼ半分にフランジ１ｂを有し、こ
のフランジは壁と一体をなし、板２ｂとは反対方向に壁
８から軸線方向にのびている。

各補強体は子午線断面において矩形波状をなし、板２ｂ
と、壁３ｂと、壁８と、固定フレームの軸線を含む２つ
の壁とにより、長方形の側壁を有する空胴６ａを形成し
ており、該空胴６ｂにはコンクリート塊Ｂ２が充填され
る。

このようにすると、コンクリート塊と補強体間に接着剤
層を介在させ良好な相互結合を得ることもできる。

これらケーシングセグメント要素はボルト５によって相
互に結合される。

板２ｂの軸方向長さ、すなわち、空胴６ｂまたはコンク
リート塊Ｂ２の軸線方向の長さは板７の軸方向長さより
も大きく、２倍半程度であるのがよい。

上述した実施例に於いては、コンクリート塊と鋳鉄補強
体間は効果的に相互結合されるため、画材の応力値は、
それら夫々の弾性係数を考えれば得られる。

コンクリートの補強体内への打ち込みは殊に容易であり
、トンネルないし通路の掘削部分に補強体を設置した後
においても可能である。

補強体は図示したような形状であるので、工場で中子を
用いることなく鋳造、成型が可能である。

セグメントは内外面とも完全に平滑になっており、内面
を平滑にすることにより、ケーシング内に流れる流体の
圧力降下を抑制し、また外面を平滑にすることにより、
ケーシング外面と周囲の土との間に注入すべき充填材の
量を少なくすることができる。

支柱壁３ｂはコンクリートに大きなせん断強さを付与す
るものである。

施行したテストによれば、もばら鋳鉄により構成され同
一の性能を有するセグメントと比較して、重量の全節約
量は約２４％であることを示した。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示す断面斜視図である。 Ａ２・・・・・・補強体、Ｂ２・・・・・・コンクリー
ト塊、Ｃ２・・・・・・フレーム、■２・・・・・・セ
グメント要素、１ｂ・・・・・・フランジ、２ｂ、７・
・・・・・板、３ｂ・・・・・・壁、６ｂ・・・・・・
空胴、８・・・・・・壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 円筒状トンネルケーシング構造に用いる湾曲した矩形状
   のライニング用コンポジットセグメントにして、該ケー
   シングと同軸関係をなす部分円筒状のウェブ２ｂと、前
   記セグメントの周縁に沿って、前記円筒の半径方向に延
   びているほぼ平らな４面の壁により構成される周辺フレ
   ームＣ２とを備えた補強体Ａ２を有し、該ウェブと周辺
   フレームとは空胴６ｂを形威し、該空胴内にコンクリー
   トが充填されるようになっているライニング用コンポジ
   ットセグメントにおいて、 前記平らな壁の半径方向外方の縁端が前記ウェブから半
   径方向外方に離れ、従って空胴６ｂが少なくとも部分的
   に半径方向外方に向けて開口しており、 さらに前記補強体Ａ２が、該補強体と１体につくられ、
   前記ウェブ２ｂから半径方向外方に、かつ前記周辺フレ
   ームの壁のうち円周方向に延びている壁の１つに平行に
   、鉄壁から隔置されて延びている補助的な壁３ｂと、前
   記ウェブ２ｂに平行に、かつ該ウェブから半径方向外方
   に離れて位置し、前記補助的な壁３ｂと前記１つの平行
   な壁とを連結している部分円筒状の板７と、前記１つの
   壁に平行し、かつこれから離れた別の壁８の長さの半分
   にわたって、該別の壁に沿い円周方向に、また軸方向外
   方に延びているフランジ１ｂとを有し、ライニングセグ
   メントを隣接の同種のライニングセグメントと組み立て
   る場合、前記フランジ１ｂは隣接のセグメントの空胴６
   ｂを被って突出し空胴内のコンクリートに対し留め合作
   用を及ぼすことを特徴とするトンネルライニング用コン
   ポジットセグメント。