JPS5845709Y2 - 緊急避難用降下筒 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は火災等の緊急時に高層建造物より避難する為の
緊急避難用降下筒に関し、特に常時は降下筒本体を収納
する収納箱を備えた緊急避難用降下筒に関する。

従米より、火災等の緊急時に高層建造物より避難する為
の降下筒には各種のものが提案され、かつその一部は実
施されている。

降下筒には傾斜して取付けるものと垂直に取付けるもの
がある。

傾斜して取付けるものは避難者の降下速度を遅くするこ
とができるが、緊急時の固定が面倒であり、また建造物
が密集しているところでは傾斜して取付けることが困難
な場合がある。

垂直に取付けるものは高層建造物の屋上または上層階に
格納しておき、緊急時にこれを吊下げ直ちに使用するこ
とができる。

本考案は高層建造物の屋上から該建造物に接し屋外に吊
下げられて下層階の窓の位置にも進入口を設けてなる降
下筒本体を収納するために屋上に設置される箱を有する
降下筒に関し、緊急時その収納箱を回転させることによ
り直ちに降下筒本体が使用可能な状態に吊下げられる緊
急避難用降下筒を提供することをその目的とするもので
ある。

以下図面を参照して実施例に基づいて本考案を説明する
。

まず、本考案が適用される降下筒本体について説明する
。

降下筒本体１０には、高層建造物１の屋上１Ａより直ち
に人が進入退避することができるとともに、吊下げた状
態で下層階の窓ＩＢ、ＩＣ，・・・・・・の位置に、人
の進入が可能なように進入口１１が側壁を切り抜いて設
けられる。

進入口１１の下半部には外方に延伸する進入導布１２が
縫着されている。

進入導布１２の先端にはロープ１３が取付けである。

ロープ１３は該階の固定物または重量物、例えば机の脚
等に結着される。

これにより入口導布１２は各階窓よりの進入口１１への
避難者の安全な導入路となる。

また進入口１１の内側には下部を人が進入可能に開放し
てたれ蓋１４が上部および側部で側壁に縫着されている
。

たれ蓋１４の下縁と進入口１１のない側の側壁に緩衝片
１５が縫着され、降下筒１０内が閉塞されている。

緩衝片１５の中央にはゴム等の弾性体に囲まれ、該弾性
体の弾性に抗して人力で拡張することにより人が通過し
得る大きさとなる開口１６を有している。

降下筒本体１０は避難者の降下速度を緩和して安全に降
下せしめると共に、迅速に多数の避難者を降下せしめる
必要がある為、緩衝片１５ではその間口１６に避難者の
足等が進入し、避難者の肩部等の幅の広いところで緩衝
片１５で降下速度が若干緩和され、引続いて避難者の体
重により開口１６が拡げられ、避難者が直ちに開口１６
を通り抜ける程度の降下速度の制御をするように緩衝片
１５を設計しておけばよい。

また降下筒本体１０の大きさは避難者の降下に際して著
しい摩擦が生じない程度に小さくしておく。

これにより避難者は自から足などによって降下速度にブ
レーキをかけることができる。

この降下筒本体は緊急時吊下げ使用することができるが
、弾性の開口を有する緩衝片が設けられであるので、避
難者の降下速度が緩和され、安全かつ迅速に降下するこ
とができる。

さらに、下層階の窓に安全な進入口が設けられるので、
屋上へ行けない避難者も同−降下筒によって避難するこ
とができる。

また、下層階の進入口はたれ蓋で覆われているので、上
層階よりの降下者と下層階よりの進入者が衝突する危険
がない等の利点を有するものである。

本考案の特徴部分は、上記の如き降下筒本体を常時は屋
上において収納し緊急時建造物外側に対し反転すること
によって直ちに該本体をその底板に固定した状態で吊下
げられるようにした収納箱に存するものである。

本考案にあっては、降下筒本体１０は建造物１の屋上１
Ａにある収納箱２に格納される。

収納箱２は六面体で、底板２Ａはその一辺が屋上１Ａの
端部近傍で屋上１Ａと蝶番結合されて該−辺を軸として
建造物の外側に反転せしめられる。

収納箱２の側板２Ｃおよび第２図における前後の側板は
底板２Ａに固定されているが、上板２Ｄは側板２Ｃに、
側板２Ｅは一ヒ板２Ｄに蝶番結合され、他の板とは結合
していない。

従って、収納箱２を反転すると第１図の如く展開される
。

降下筒本体１０は底板２Ａにその端縁部が固定され、ま
た底板２Ａは本体１０に屋上１Ａから進入できるよう孔
が穿設されている。

底板２Ａの他端はロープ３で支柱４等の固定物と連結さ
れ反転した収納箱を支持している。

箱２を回転すると、箱２内に畳み込まれた降下筒１０は
第１図に示すように吊下がり、屋上１Ａより直ちに人が
進入退避することができる。

本考案は以上の構成に基づくものであるから、降下筒本
体を緊急時高層建造物の屋上から速かに吊下げられるよ
う万全の態勢をもって収納しうるもので、ひとたび火災
等が発生した場合には各板間の係合を解き数箱を反転せ
しめるだけで速かに本体を吊下げることができ該本体の
有用性を格段に高めうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る降下筒が使用状態を示す説明図、
第２図は収納箱の反転による降下筒本体の吊下げ開始状
態を示す説明図、第３図は降下筒本体の進入口附近を示
す説明図である。 １・・・・・・建造物、２・・・・・・収納箱、３・・
・・・・支持ロープ、１０・・・・・・降下筒本体、１
］・・・・・・進入口、１２・・・・・・進入導布、１
３・・・・・・ロープ、１４・・・・・・たれ蓋、１５
・・・・・・緩衝片、１６・・・・・・開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高層建造物の屋上から該建造物に接し屋外に吊下げられ
   て下層階の窓の位置にも進入口を設けてなる緊急避難用
   降下筒において、降下筒体を収納する収納箱が屋上に設
   置され、降下筒本体の端縁部が固定される収納箱の底板
   に降下筒本体に通ずる孔が穿設され、収納箱全体が建造
   物の外側に反転可能なるように底板の一辺が屋上の端部
   近傍に蝶番結合され、反転した収納箱を屋上の固定物に
   支持させる支持ロープが張設され、屋上と蝶番結合する
   底板の辺に当接する側板と上板とが蝶番結合されるとと
   もに屋上と蝶番結合する底板の辺の反対側の辺から立設
   する側板と該上板とが蝶番結合されてなり収納箱の回転
   に伴い直ちに使用可能な状態に降下筒本体が吊下げられ
   るようにしたことを特徴とする緊急避難用降下筒。