JPS5844825Y2 - 脱穀機における揺動選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、脱穀機の選別室に内装される揺動選別装置に
関する。

この揺動選別装置は、通常、扱室下方のクリンプ網の直
下でかつ一番スクリューの上方に位置し、籾と藁屑とを
比重選別する作用をもつ前半部のチャフシーブや、排塵
室下方でかつ二番スクリューの上方に位置し、唐箕から
の起風によって風選別する作用をもつ後半部のストロ−
ラックや、チャフシーブの下方でかつ一番物回収用流し
板の上方において風選別を行なうグレンシーブなどを、
揺動運動自在に設けたシーブケースに保持させて構成し
である。

而して、従来のものにおいては、チャフシーブ自体に、
その比較的広い全面積範囲に亙って多数の一番均温下孔
が設けられてあったために、次のような不都合が生じて
いた。

（イ）クリンプ網を通過した籾と、藁屑のうちの小さな
切片は、前記漏下孔を直ちに通過しやすい傾向にあり、
つまり、比重選別が不十分で、下方のグレンシーブに藁
屑片が詰まりやすい。

（ロ）藁屑片が漏下孔を通過せんとするときに、この漏
下孔に引掛りやすく、この引掛りが進行すると籾（−香
物）の漏下自体が阻害される。

（ハ）（ロ）と同じ理由により、ストロ−ラックに向け
て移行させるべき藁屑の移行が、漏下孔に引掛ったもの
によって阻害されやすい。

これら（イ）、（ロ）は、漏下孔がチャフシーブ自体は
その全面積範囲に互って設けられていたことに起因して
、十分な比重選別が行なわれないことに、その原因があ
る。

本考案による脱穀機における揺動選別装置は、上記不都
合を解消すべく開発されたもので、チャフシーブとスト
ロ−ラックとを一連化し、かつ、前記チャフシーブの終
端部で一番物回収用流し板の先端上方相当個所に、下方
への屈曲傾斜部を形威し、この屈曲傾斜部に一番均温下
孔を設けであることを特徴とする。

即ち、漏下孔は、チャフシーブの全域に亙って設けられ
るのではなく、その終端部においてのみ設けであるから
、クリンプ網を通過した籾や藁屑片を、直接的につまり
従来の如くそのまま漏下させてしまうといったことなく
、確実に受止めるチャフシーブ面積が十分大きなものと
なっている。

従って、チャフシーブにおいては、十分な時間をかけて
良好な比重選別を行なえ、籾と藁屑とか、確実に下層と
上層とに分離した状態において、これらをチャフシーブ
終端の漏下孔部に案内させて、下層の籾を透過させるこ
とができる。

一方、藁屑は、籾より上層において、籾とは分離された
状態で、即ち漏下孔とは隔絶された状態で、ストロ−ラ
ック側に移行されていくことになるため、籾が漏下孔を
、藁屑に対してあたかも閉塞するが如くに漏下している
こととも相俟って、藁屑が漏下孔を通過する量は非常に
少なく、又漏下孔に引掛るおそれも非常に少ない。

それ故に又、籾の集中的な漏下孔通過は継続されるとと
もに、藁屑のストロ−ラック側への移行も良好に継続さ
れる。

又、漏下孔からの藁屑落下が非常に少ないが故に、グレ
ンシーブが詰まるおそれも少ない。

本考案では、チャフシーブの後端部を下方へ屈曲傾斜さ
せ、この傾斜部に籾の漏下孔を形威しであるので、前述
の作用との相乗により次の利点も期待できる。

即ち、前記下方への屈曲傾斜によって処理物移送方向の
終端に、それまでの上手側での移送方向とは方向の異な
る下向きの移送経路が形威され、この下向き移送経路に
よる処理物移送作用の変化によって、つまり、終端部に
、それよりも上手側での移送作用よりも移送能力の劣る
下向き移送経路を形成することによって、穀粒が漏下孔
形成個所を素通りしてしまうことなく、積極的に一時的
な処理物の停滞する個所を設け、ここに漏下孔を形成す
るものであるから、前述比重選別のおこなわれた籾を、
漏下孔から集約的に漏下させやすく、漏下孔の上方を籾
が通り過ぎてしまうような選別不良を招く虞れが少ない
ものであり、しかも、その停滞個所が下向き経路である
から、籾の流れ方向を下向きに方向づけて、速やかに前
記漏下孔から排出しやすく、故に、停滞に伴って籾とワ
ラ屑とが再び混り合う虞れも少なく、この点でも良好な
選別処理を行える有利さがある。

以上の如く、本考案によれば、十分な比重選別を達成し
ながら、籾および藁屑の全体的な流れを良好に保持でき
、もって、効率ならびに性能の極めて高い選別作用を発
揮させ得るに至った。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

Ａは、扱胴１３を軸架内装する扱室すの下方と、扱室す
の後方で、排塵用横断流ファン１４を軸架内装した排塵
室Ｃの下方とに亙って形成された選別室ａにおいて、唐
箕７、一番スクリュー８ならびに二番スクリュー９とと
もに内装された揺動選別装置を示す。

この揺動選別装置Ａは、チャフシーブ１、ストロ−ラッ
ク２、グレンシーブ３などを、機枠に対して揺動運動自
在に設けた左右一対のシーブケース側板４，４に装着し
て構成されている。

チャフシーブ１は、扱胴１３下方に張設されたクリンプ
網１２の終端部直下で一番スクリュー８の上方において
、ケース側板４，４中間の上縁部に設けられている。

ストロ−ラック２は、二番スクリュー９の上方において
、ケース側板４，４後端側の上縁部に設けられている。

グレンシーブ３は、チャフシーブ１の前端下方において
、ケース側板４，４の下縁部に設けられている。

１０は、一番スクリュー８の下方から斜め後方上方に向
けて延出された一番物回収用流し板、１１は、二番スク
リュー９の下方から同様に延出された二番物回収用流し
板である。

而して、本案にあっては、チャフシーブ１とストロ−ラ
ック２とを一連化するとともに、チャフシーブ１の終端
部であって、−香物回収側流し板１０の先端上方相当個
所に、下方への屈曲傾斜部１Ａを形威し、この屈曲傾斜
部１Ａにおいてのみ、複数個の一番均温下孔１ａ・・・
・・・を形成しである。

この揺動選別装置Ａの作用、効果は既述の通りである。

尚、ストロ−ラック２は、実際には前方に延長され、延
長部がチャフシーブ１の上面に載置固定されである。

そして、延長端左右両端の立上げ片２ａ、２ａがチャフ
シーブ１の前端左右両端の折曲片１ｂ、ｌｂに下から嵌
入される一方、チャフシーブ１の後方側において、これ
をケース側板４，４に付設のＬ字部材５，５に載置した
状態で取付けるための二つのボルト６．６をもって、ス
トロ−ラック２を共締め固定している。

従って、ストロ−ラック２の取付け、取外しが容易に行
なえて、掃除、点検などが迅速にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機における揺動選別装置の実施
例を示し、第１図は縦断側面図、第２図は要部斜視図、
第３図は要部縦断側面図、第４図は第３図ＩＶ−ＩＶ線
断面図である。 １・・・・・・チャフシーブ、１Ａ・・・・・・屈曲傾
斜部、１ａ・・・・・・−香物漏下孔、１０・・・・・
・−香物回収用流し板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チャフシーブ１とストロ−ラック２とを一連化しである
   揺動選別装置であって、前記チャフシーブ１の終端部で
   一番物回収用流し板１０の先端上方相当個所に、下方へ
   の屈曲傾斜部１Ａを形成し、この屈曲傾斜部１Ａに一番
   均温下孔１ａ・・・・・・を設けであることを特徴とす
   る脱穀機における揺動選別装置。