JPS584357Y2 - 取手支持ピンの固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はテレビジョン受像機等の電子機器においてハ
ンドル、ベルト等の取手の端部を支持する取手支持ピン
の固定装置に関するものである。

一般に例えば小型のテレビジョン受像機では軽量である
ため簡単に設置場所を移動することができるが、それを
より行ない易くするためにテレビジョン受像機本体に取
手が設けられている。

この取手は合成樹脂の成形品で構成されるか、あるいは
ベルトで構成され、通常テレビジョン受像機の表面に固
定された１対のピンによって支持される。

従来におけるこのようなピンの固定装置を第１図、第２
図に示す。

すなわち第１図においてテレビジョン受像機１の上面キ
ャビネット４に金属２が取付けられ、この金具２にピン
３が固定される。

金具２は第２図に示すように両端が同一方向に略直角に
折曲された脚部を有し、その脚部の先端にピン固定用の
穴（図示せず）が設けられ、中央部にキャビネット４の
裏面にネジ止めするための穴（図示せず）を有している
。

キャビネット４は金具２の脚部が貫通する穴を有してい
ると共にネジ止め用の穴に対応する位置にダボを有して
いて、金具２はこのダボにネジ止めされる。

ピン３は一端に径大部を有し、金具２の穴に挿入された
後他端にＥワッシャー等が嵌合され、金具２に固定され
る。

このピン３に図示しない取手の両端が支持される。

従来において取手支持ピンは以上のように固定されるが
、部品点数が多く組立が複雑で工数がかかること、使用
時にキャビネットに取付けているネジに力が加わりネジ
がゆるむことがあり信頼性に欠ける等の欠点を有してい
た。

この考案は以上の点に対処してなされたものであり、ピ
ンの固定が簡単でかつ信頼性に豊んだ取手支持ピンの固
定装置を提供することを目的とする。

以下第３図〜第６図を参照してこの考案に係わる取手支
持ピンの固定装置を詳細に説明する。

第３図はこの考案を小型テレビジョン受像機に通用した
例を示す分解斜視図である。

すなわちキャビネットが前面部１１．上部１２、底部１
３に分割されている。

前面部１１は側表面から一段下がって奥の方向に延びる
嵌合部を有し、この嵌合部の上部と底部に嵌合孔１４（
底部は図示せず）を有している。

上部１２と底部１３にはこの嵌合孔１４と対応する位置
にダボ１５が設けられている。

さらに上部１２と底部１３にはその左右の側表面にそれ
ぞれ鍔１６．１７が設けられ、この鍔１６．１７の対向
する面に凹溝を有したピン嵌合用のダボ１８（上部１２
については図示せず）が設けられている。

さらに上部１２の側表面には鍔１６から先端まで延びる
ネジ受部１９が設けられ、このネジ受部１９と対応する
鍔１７の個所にネジ穴２０が設けられている。

以上のように分割構成されたキャビネットは次のように
組立てられる。

すなわち、まず上部１２と底部１３をそのダボ１５が前
面部１１の嵌合孔１４に嵌合するように前面部に嵌合さ
せる。

このとき、取付支持ピン２１の両端をダボ１８の凹溝に
嵌合させる。

その後図示しないネジで上部１２と底部１３を固定すれ
ばキャビネットの組立が完了する。

ベルト２２は組立の途中、すなわちネジ止めの前にその
両端のループ状部分をピン２１に引掛けて取付けてもよ
いし、ループ状部分が結んだり解いたりすることが自由
にできるように構成されているものであればキャビネッ
トの組立終了後において取付けることもできる。

第４図にキャビネット組立終了後の状態が示されている
。

ピン２１は図示のように鍔１６．１７に設けられたダボ
１８によってその両端が固定されるが、ピン２１とダボ
１８の関係を第５図を参照してさらに詳細に説明する。

第５図ａは第３図、第４図に示されているピン２１とダ
ボ１８を示す断面図である。

すなわち鍔１６に一体にダボ１８が設けられ、鍔１７に
同じく一体にダボ１８が設けられ、それぞれのダボ１８
，１８の中間部に凹溝が設けられている。

ピン２１はこの凹溝にその両端が嵌合される。

又、ピン２１は上述の如くダボ１８，１８間の凹溝に挿
入される別部品のみならず、どちらか一方のダボ１８と
一体に形成され片側のみピンと一体に形成されなかった
ダボの凹溝に挿入する構成とすれば更に部品点数の削減
が可能である。

この考案の取手ピンの固定装置は以上のように構成され
るため、従来の装置に比べて部品点数が少なく、組立て
が非常に簡単となり、作業がしやすく、また分解作業も
簡単である。

またＥワッシャー等を使用することがないため意匠を損
ねることもない。

またベルト、ハンドルによる外力はあらゆる方向から加
わるが、ピンの固定に直接ネジを使うことがないためネ
ジがゆるむということもなく、信頼性が向上するもので
ある。

なお、単一のピンで強度上不安な場合には、ピンを２重
構造にすればよく、その例を第５図すに示す。

すなわち第５図すに示す実施例では鍔１６に設けられて
いるダボ１１の先端を延長し、がっビン２１全体を包む
ことのできる凹溝をその中間部に設け、さらに鍔１７に
設けられているダボ３２の径を大きくシ、ダボ３１の先
端を収納できる凹部を中間部に、さらにその中心側に凹
溝を設けるようにしたものである。

ピンはダボ３２の凹溝にまず嵌合され、その後ダボ３１
の凹溝に嵌合される。

このときダボ３１の先端がダボ３２の凹部に収納され、
実質上ピン２１は２重構造になったことになり、その強
度が増加するものである。

また以上の説明では、ベルトを取付けるように構成され
たテレビジョン受像機にこの考案を適用した例について
説明したが、当然ハンドルを取付けるように構成された
電子機器にもこの考案は適用できるもので、その実施例
を第６図に示す。

すなわち第６図に示す実施例では、前、後に２分割され
たテレビジョン受像機のキャビネット３３．３４の上部
にそれぞれ対向するダボ３５を２対設け、このダボ３５
によってピン３６を固定するようにしたもので、第３図
、第４図に示す実施例と同様、前、後のキャビネット３
３．３４を嵌合させ、図示しないネジによって固定する
ことによってキャビネットが組立てられピン３６が同時
に固定される。

そしてこのピン３６に図示しないハンドルが取付けられ
るものである。

なおハンドルの構造によってはキャビネットの組立て途
中にピンに取付けられることがあることは述べるまでも
ない。

更に第３図及び第６図にて説明したダボ１８，３５の配
置は、キャビネットの外表面に形成することで説明した
が分割されたキャビネットの内面でダボを対向させて形
成しこのダボにピンを挿入することで取手を取付けても
良い。

この場合キャビネットにはベルト又はハンドル等の取手
の取出口を設け、取手部のみキャビネットの外部に導出
しダボ１８，３５部分はキャビネット内に収納されるの
ですっきりした意匠のキャビネットが得られる。

以上のようにこの考案の取手支持ピンの固定装置によれ
ば、キャビネットを分解し、それぞれのキャビネットに
キャビネットを組立てたときに対向するようにダボを設
け、これらダボに凹溝を設け、この凹溝でピンの両端を
嵌合固定するようにしたため、構造が簡単で、ピンの固
定、分割が容易で、しかも信頼性に豊んだ取手支持ピン
の固定装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の取手支持ピンの固定装置を示す
斜視図および部分的断面図、第３図はこの考案による取
手支持ピンの固定装置の一実施例を示す分解斜視図、第
４図は第３図に示すテレビジョン受像機の組立完了の側
面図、第５図はこの考案の要部の断面図、第６図はこの
考案の他の実施例を示す斜視図である。 １２．１３，３３．３４・・・・・・分割されたキャビ
ネツ）、１８゜３５・・・・・・ダボ、２１・・・・・
・ピン。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）分割されたキャビネットにそれぞれ対向させて設
   けられたダボと、このダボのダボが対向する方向に設け
   られた凹溝と、前記分割されたキャビネットの組立時に
   この凹溝に挿入固定されるピンとを具備した取手支持ピ
   ンの固定装置。
2. （２）前記一方のダボの凹溝によって前記ピンの全体が
   包まれるようにそのダボの先端が延長され、他方のダボ
   に前記一方のダボの先端が収納される凹部が設けられた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   取手支持ピンの固定装置。