JPS5843366B2 - 温熱感刺激性パツプ剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、温熱感刺激作用に優れた水性パップ剤に関し
、さらに詳しくは、紫根エキスと唐辛子剤を含有するか
、又はこれに当帰エキスを追加含有する温熱感刺激作用
に優れた新規な水性パップ剤に関する。

一般に水性パップ剤は薬物を含む水性の泥状又はカニ状
の外用剤で布や不織布に厚く展延して皮膚にはりつけて
使用される湿布薬であって、打撲、捻挫、骨折、腰痛、
肩こり、筋肉痛、神経痛、リウマチ等に対し消炎鎮痛を
目的として主に整形外科領域で使用されるものである。

水性パップ剤と似て非なるものに軟膏があり、一般に軟
膏は薬物を脂肪油やラノリン等の軟膏基剤に混和した半
固形の非水性剤が主であって、皮膚病等の治療に用いら
れ主として皮膚科領域で使用される。

水性パップ剤に配合される薬物には古くは生薬粉末が用
いられたが、現在では生薬のほかに化学薬品も用いられ
ている。

また、最近は外形にも工夫が施され、例えば布上に展延
したカニ状物を包含し成型性を保たせ保護フィルムで被
覆しておき、使用に際しこれをはがして皮膚にはりつけ
るといった便利な水性（成型）パップ剤が主として市販
されている。

従来、温熱感刺激作用を有するパップ剤としては唐辛子
剤を配合したものがよく知られており、このものは温熱
湿布効果を奏するが、まだ十分とはいいがたく、かつ、
皮膚に発赤やかゆみ、さらには痛みを与えるという欠点
がある。

本発明者は、くうした欠点を解消すべく研究を重ねた結
果、唐辛子を含む水性パップ剤において紫根エキス又は
紫根エキスと当帰エキスを配合すると、唐辛子側固有の
温熱感刺激作用が増強されるとともに、唐辛子剤の副作
用である皮膚の発赤、かゆみ、痛みが抑制されることを
見出した。

本発明はこの新知見に基づき完成されたものである。

すなわち、本発明は上記の目的を達成するためになされ
たもので、その要旨は、紫根エキス又は紫根エキスと当
帰エキスを唐辛子剤とともに含有する水性パップ剤であ
る。

本発明の水性パップ剤を患部の皮膚に適用すると、一層
増強された温熱感刺激効果と血流量増加効果が発揮され
るとともに、それでいて、皮膚の発赤、かゆみ、痛みと
いった唐辛子剤の副作用が抑制されるという優れた効果
を得ることができる。

なお、本発明者の研究によると、紫根エキスは冷感刺激
効果をも有するが、唐辛子との共存下ではこの効果は温
熱感刺激効果により消去される。

水性パップ剤において紫根エキスや当帰エキスを唐辛子
剤とともに配合した例はこれまで知られていない。

本発明の水性パップ剤に含有される紫根エキスは、紫根
を水又は水性溶剤例えばアルコール水溶液で抽出して得
た液である。

また、当帰エキスも同様な水性抽出液である。

当帰エキスは紫根エキスの前記作用を助長する作用をも
つ。

紫根も当帰もエキスを用いることが必要であって、粉末
では所期の効果を収めることができない。

唐辛子剤としては、そのエキス、チンキ、原末又はカブ
サイシン、ノニル酸ワニリルアミド等を用いることがで
き、エキスが特に好ましい。

本発明の水性パップ剤における紫根エキス、当帰エキス
及び唐辛子剤の各配合割合は本発明の目的に適合する範
囲で適宜決めることができる。

通常は例えばパップ剤１００部に対し紫根エキス約０．
１部、当帰エキス約０．１部、唐辛子剤（エキスとして
）約０．０１部である。

紫根エキスと当帰エキスを併用する場合の配合割合は等
量が普通である。

紫根エキス、当帰エキス、唐辛子エキス、唐辛子チンキ
等はこれらの生薬を原料として公知の方法で製造するこ
とができる。

カブサイシン、ノニル酸ワニリルアミドは市販品を用い
ることができる。

本発明の水性パップ剤には、上記の配合成分のほかに、
水性パップ剤を構成する通常の成分が含まれることはも
ちろんである。

ただし、本発明の水性パップ剤は唐辛子剤を含み温熱感
刺激性のものであるから、これと両立しない清涼剤刺激
性を与える例えばメントール等の成分は普通は配合され
ない。

通常水性パップ剤は、カオリン、ベントナイト等の基剤
、グリセリン、ソルビトール等の湿潤剤、ゼラチン等の
成型保水剤、ジアルデヒド殿粉等の架橋化剤、ポリブテ
ン、エステルガム等ノ粘着剤、サリチル酸メチル、ジフ
ェンヒドラミン等の薬剤、及びフエノキセトール等の防
腐剤な・どから構成される。

本発明の水性パップ剤においては、これらの構成成分及
び他の成分を目的に適合する範囲で適宜選択して配合す
ることができる。

本発明の水性パップ剤は、唐辛子剤に紫根エキス又はこ
のものと当帰エキスを配合することにより、唐辛子に固
有の温熱感刺激作用を一層増強するとともに、発赤、か
ゆみ、痛みといった唐辛子剤につきものの副作用を抑制
するという効果を発揮する。

温熱感刺激効果の経時変化を下記表で示す。

表によれば、唐辛子単独の場合に比較し、これと紫根エ
キス又は紫根エキス及び当帰エキスを含有する本発明の
水性パップ剤が温熱感刺激効果において優れており、か
つ、作用の持続性において良好であることがわかる。

（注１）剤１００ｇ中にそれぞれ８０．１２５９、ＴＯ
，１２！１１ Ｋｏ、０１ ＆を配合。

（注２）評価 ｌ：極めて弱い、２：弱い、３：有 効、４：かなり強い、５：極めて強 い。

（注３） Ｋによる皮膚の発赤及びかゆみはＳ、Ｓ＋
Ｔの配合によりなくなり、Ｋに よる痛みも緩和される。

以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れらにより限定されるものではない。

実施例 １ ゼラチン９．０部を水３１部に加温溶解した後、これに
カオリン５．０部、グリセリン１０．０部及びフエノキ
セトール（防腐剤）０．２部を加え加温ミキサーにて充
分に撹拌混和してＡ液を得た。

別に、ポリビニルアルコール２．０部を水２６部にとか
した溶液と、唐辛子エキス０．０１部、紫根エキス（「
シコニツクス・リキッド」−丸貿易株式会社）０．１２
５部を水７．７６５部に懸濁させた液（界面活性剤を加
える。

）とを撹拌混和してＢ液を得た。次いで、Ａ液とＢ液と
を一緒にして撹拌し混和が充分であることを確めた後、
ジアルデヒド殿粉（ゼラチンの架橋化剤）０．７部を水
８部２部にとかした溶液をＡＢ混液に対し加温撹拌しな
がら滴下した。

適当な粘度となった後、得られた粘稠物を塗布機を用い
て布に圧延し、その表面をポリエチレンフィルムで被覆
して水性パップ剤を得た。

上記のカオリンの代りに酸化チタン５．０部を、また、
布の代りに不織布を用いて同様にして製品を得た。

実施例 ２ ゼラチン１０．０部を水３１部に加温溶解した後、これ
にカオリン５．０部、グリセリン１５．０部及びフェノ
キ上トール２．０部を加え加温ミキサーにて充分に撹拌
混和してＡ液を得た。

別に、ポリビニルアルコール２．０部を水２６部にとか
した溶液と、唐辛子エキス０．０１部、紫根エキス（「
シコニツクス・リキッドＪ）０．１２５部、当帰エキス
０、１２５部を３．１５部の水に懸濁させた液（界面活
性剤を加える。

）とを撹拌混和してＢ液を得た。次いで、Ａ液とＢ液と
を一緒にして撹拌し混和が充分であることを確めた後、
ジアルデヒド殿粉０．７部を水７部にとかした溶液をＡ
Ｂ混液に対し加温撹拌しながら滴下した。

適当な粘度となった後、得られた粘稠物を塗布機によっ
て布に圧延し、その表面をポリエチレンフィルムで被覆
して水性パップ剤を得た。

以上の実施例で得られた製品にあっては、紫根エキス等
の配合により唐辛子エキスの温熱感刺激効果が増強され
、作用の持続時間が延長されるとともに、使用時に皮膚
の発赤、かゆみが起ることがなく、痛みも緩和された。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 紫根エキスと唐辛子剤を含有する水性パップ剤。 ２ 紫根エキス及び当帰エキスと唐辛子剤を含有する水
   性パップ剤。