JPS5842127Y2 - 心合せ用治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は各中心孔が共通の軸部材に挿通された複数の
円板状部材を心合せする治具に関するものである。

たとえば薬品のアンプル等にロット番号等を印刷する版
胴は、一般に、数字や記号等の組合せを変更できるよう
にするため、１桁、１文字ずつ別体の複数の版胴部分に
分割されていて、これらの版胴部分を心合せして一体的
に構成されるようになっている。

そして、このような版胴は一般に速乾性のインキを使用
するため凹版である。

前記のような版胴部分どおしを心合せするのに、従来は
、■ブロック等を治具として利用していたので、精度が
悪くて厳密な心合せを行うことができず、そのため隣り
合う版胴部分間にわずかではあるが段差が形成されてし
まい、この段差部分にインキがドクタブレードで拭いき
れずに残ってしまい、その結果版胴部分間のこの段差に
沿って不要な線が印刷されてしまう等の欠点があった。

この考案は上記従来のもののもつ欠点を排除し、各中心
孔が共通の軸部材に挿通された複数の円板状部材を高精
度に心合せし、そのためたとえば上記の版胴において隣
り合う版胴部分間に段差が形成されずしたがって不要な
線が印刷されるなどのことがない心合せ用治具を提供す
ることを目的とするものである。

この考案を図面に示す実施例を参照して説明する。

第１，２図に示すように、心合せ用治具１は、互いに平
行に立設した側板２，２′を具えている。

側板２゜２′には、互いに平行にかつほぼ水平に延びる
２本の支持軸３，３′が相互に離隔してほぼ同一高さに
固着され、これらの支持軸３，３′には周面を高度に研
摩された金属製のローラ４，４′がそれぞれ回転可能に
取付けられている。

側板２，２′にはまた、ローラ４．４′の上方にそれら
とほぼ平行に延びる揺動軸５が回転可能に取付けられ、
この揺動軸５には操作レバー６および１対のブラケツ）
７．７’が固着されている。

ブラケツ） ７．７’の下端には、支持軸３，３′と平
行な付勢軸８がばね９を有する付勢部材１０．１０’に
よって揺動軸５から離隔する方向に付勢して取付けられ
、この付勢軸８には周面を高度に研摩された金属製のロ
ーラ１１が回転可能に取付けられている。

側板２，２′にはさらに、ブラケッ） ７．７’の揺動
域を第１図の鎖線位置がら実線位置までの範囲に規定す
る棒状のストッパ１２．１２’が取付けられている。

第３図は心合せ用油具１により心合せされる複数の円板
状部材の１例である印刷用版胴２１を示す。

この版胴２１は、一端にフランジ２３が、がっ他端にね
じ２４がそれぞれ形威されたボス２２に、おのおのボス
２２を挿通可能の中心孔２７を有し、がつ外径が互いに
等しいリング状の版胴部分２６ ａ〜２６ ｄを順次嵌
挿し、フランジ２３に螺着したねじ２５の突出部分に版
胴部分２６ ａの凹所２８を適合してフランジ２３と版
胴部分２６ ａとの相対円周方向移動を抑止し、ねじ２
４と螺合するねし孔３１を有する止め板３０をワッシャ
２９を介して螺入し、版胴部分２６ ａ〜２６ ｄの各
外周面に形威された数字や記号等を適宜セットした状態
で止め板３０を緩めに螺着して仮止めしたうえ、心合せ
し、この状態で緊締用ねじ孔３２に緊締用ねじ３３を螺
着して、緊締用ねじ３３の先端がワッシャ２９を介して
版胴部分２６ ｄ〜２６ ａをフランジ２３に押圧する
ことにより全体が一体的に緊締して構成されるようにな
っている。

前記心合せ用油具１を使用する際は、版胴２１を前記の
ように仮止めした状態でローラ４，４′上に載せ、操作
レバー６を倒してブラケッ） ７．７’を第１図におい
て鎖線位置から左方向に揺動させて実線位置にもたらす
。

この位置において、ローラ１１の回転軸線はブラケツ）
７．７’の揺動軸線と版胴２１の軸線とを結ぶ平面を
左方へわずかに越えているから、ブラケツ） ７．７’
は、左方向への移動をストッパ１２により、また右方向
への移動をばね９によってそれぞれ抑止されてこの位置
に停止する。

この状態において、ローラ１１はばね９のはたらきによ
り付勢されて版胴２１をローラ４，４′に対して押圧し
、したがって版胴２１は心合せされることとなる。

心合せおよびそれにともなう前記緊締作業が終了したら
、操作レバー６を引上げてブラケット７．７′を第１図
において実線位置から右方向に揺動させると、心合せさ
れた版胴２１は取出されることとなる。

なお、上記実施例では心合せされる円板状部材として版
胴２１を例示したがこれに限定するものでなく、また各
ローラ４，４’、１１の周面形状を円板状部材に適合す
るように形威しさえすれば、互いに同一直径の円板状部
材どおしの心合せに限らずそれ以外の形状の円板状部材
の心合せにも適用することができ、その他この考案は上
記実施例の種々の変更、修正が可能であることはいうま
でもない。

この考案は上記のように構成したので、各中心孔が共通
の軸部材に挿通された複数の円板状部材を高精度に心合
せすることができ、そのためたとえば複数に分割された
各版胴部分どおしの心合せに使用して、版胴部分間に段
差が形成されずしたがって不要な線が印刷されることが
なく、その他各種の心合せに適用して有用である等のす
ぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す縦断正面図、第２図は
第１図のものの側面図、第３図は円板状部材の１例を示
す展開説明図である。 １・・・・・・心合せ用油具、４．４’、１１・・・・
・・ローラ、５・・曲揺動軸、７，７′・・・・・・ブ
ラケット、９・・・・・・ばね、１２゜１２′・・・・
・・ストッパ、２１・・・・・・版胴、２６ａ〜２６
ｄ・・・・・・版胴部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各中心孔が共通の軸部材に挿通された複数の円板状部材
   を心合せする治具であって、機枠に、互いに平行に延び
   る２つの支持部材と、これらの支持部材から離隔してそ
   れらとほぼ平行に延びる軸と、ストッパとを設け、前記
   軸にブラケットを揺動可能に取付けるとともに、このブ
   ラケットの先端に前記支持部材と平行な回転軸を有する
   ローラを前記揺動軸から離隔する方向に付勢して取付け
   、前記両支持部材に前記複数の円板状部材の周面をあて
   がい、前記ブラケットを揺動し該ブラケットが前記スト
   ッパに係合して揺動を停止されたとき、前記ローラが前
   記円板状部材の周面に当接してこれらの円板状部材を前
   記両支持部材に対して押圧するようにしてなる心合せ用
   治具。