JPS5842003Y2 - 連続「ろ」過装置における「ろ」材の下降特性調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上・下水、産業排水など（以下排水という）に
含有される懸濁物質（以下Ｓ−３という）を分離除去し
、排水を清澄化する装置に関するものである。

特にＳ−５除去操作において、排水を濾過する粉粒状濾
材（例えばアンスラサイト、砂、微粉炭等）を連続的に
供給・排出する連続濾過装置に関するものである。

その要旨を要約すれば、排水を沈澱部に供給し、固定し
た濾材充填層下部の濾過部に水平流で外向きに通過させ
、Ｓ−５除去を行うと共に、飽和した濾材は充填層底部
からレーキ羽根の回転運動により、沈澱部底部に掻出し
、同中央底部から引抜き外部へ排出しようとするものに
於て、レーキ羽根を回転方向に屈曲させて濾材の下降特
性を調整可能にしたもので、以下添付図面を参照し、実
施例について説明する。

第１図〜第２図は本考案が実施される連続濾逸機を示し
、１は濾過機本体で、その内部に外筒２と同筒３が同心
的に配設されている。

２ａは外筒２の内部に設けられた外筒金網、３ａは同じ
く内筒の下部に設けられた内筒金網である。

濾過機本体１は外筒２と内筒３で沈澱部Ａ、濾材を満た
した濾材層Ｂならびに処理水部Ｃに仕切られる。

Ｄは濾材層Ｂの下部にあって濾過外筒３ａ間に存在する
濾過部である。

４は主軸で、架台７上に取付けられた無段変速減速機５
、減速機６を経で駆動され、その下端に固着したレーキ
のレーキ羽根８をゆっくり回転する。

９は原水ＲＷの流れを整流するための整流板で、内筒３
の上部に張設されている。

１０は濾材排出用のロータリー排出弁で、本体１の中心
下部に設置されている。

１１は濾材ホッパーで、レーキ８と同期されており、濾
材ホッパー１１から一定量づつ濾材は供給される。

以上の構成よりなる濾過装置は次のごとく作動する。

原水ＲＷを沈澱部Ａの上部に供給すると整流板９を通っ
て沈澱部Ａから濾過部りへと流れ、ここで濾材によりＳ
−５が除かれたのち、処理水部Ｃに到る。

濾材は濾材ホッパー１１から濾材層Ｂの上部に供給され
、逐次下部の濾過部りに供給される。

ここでＳ−５を捕捉した濾材はレーキ８によって濾材層
底部から定量づつ掻出されて中心部に掻寄せられたのち
排出弁１０から系外にとり出される。

さて、本考案は叙上のいわゆる十字流型濾過装置に於け
るレーキ羽根に係るもので前記した如く、このレーキ羽
根によって濾材の下降特性を調整し、原水ＲＷに濃い、
うすいの差があっても、濾過部りでのＳ−５の捕捉が均
一に行われ、濾材を経済的に使用することができるよう
にしたものである。

以下第２図〜第５図を参照してレーキ羽根の上表の如く
、（１）のレーキ羽根のみでは濾過部の内・外で１３．
５ ： １の比率となるが、これに（２）〜（４）の組
合せのごとく、補助羽根を取付けることによ実施例につ
いて説明する。

第２図〜第４図で明らかなごとく、レーキ羽根はレーキ
の回転方向にへ字状に屈曲している。

この構造により中心部と外側部に於ける濾材の下降特性
の調整を可能にしたものである。

第２図〜４図を参照するに角αは濾過部り内に存在し、
濾過部の内側（内筒３側）と外側（外筒２側）水平断面
積が等しくなるような半径Ｒの円（第５図の例では８０
６ ｍｍ）上のレーキ羽根８の傾角である。

そして第２図の場合はｔａｎα＝ｈ、第３図の場合はｔ
ａｎα＝責、又第４図の場合はｔａｎα＝４、となるよ
う屈曲角βが選択されている。

そして、屈曲部が直線で構成されているので、角αは外
側へ行く程小となっている。

従って、主軸４のまわりにレーキ羽根８が回転すると、
屈曲側が濾材と接して濾材に対し向心力を及ぼすが、角
ａの違いにより外側程中心方向の力は小となるようにな
っている。

このため濾材は中心に近い程下降速度が大となる。

なおレーキ８の厚さは約１２ｍｍ程度である。

第６図の場合は第２図のレーキ羽根８の先端に補助羽根
８ａを固着したものである。

この補助羽根８ａを取付けることによって、屈曲したレ
ーキ羽根８の場合よりもさらに多様な下降速度の調整が
可能である。

以上の如き構成のレーキ羽根において、第２図に示すレ
ーキ羽根８を基本とし、これに第６図に示す如き補助羽
根８ａを取付け、１）レーキ羽根８を単独に使用した場
合、２）レーキ羽根８に厚さｔ＝ｌＱｍｍの補助羽根を
つけた場合、３）ｔ＝１５ｍｍの補助羽根をつけた場合
、４） ｔ ＝２４ｍｍの補助羽根をつけた場合につい
て、濾過部りの内側、中間部、外側の濾材の下降速度比
は次の如くなる。

つて内側と中間部との間で下降速度比が変化し、下降速
度比の調整が可能なることがわかる。

叙上の如く、下降速度比を調整することによつて、排水
中のＳ−５の濃度の大小に応じて最適の下降速度比が得
られ、濾材層でのＳ−８捕捉を内外部で単位濾材当りの
捕捉割合の均一化ができ、濾材の使用量を節約できるの
で、極めて経済的な濾過操作を行うことができる。

以上の実施例においては、レーキ羽根８の屈曲側は直線
で構成されていたが、必ずしも直線に限定するものでは
なく、回転方向に曲率を有するものが考えられる。

又補助羽根８ａについても厚さの変化のみでなく、断面
形状（半径方向と回転方向）について種々のものが可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は連続濾過装置の縦断面図。 第２図〜第４図はレーキ羽根の実施例を示す。 第５図は第２図〜第４図に示したレーキ羽根の断面図。 第６図は第５図と同様の図面で、レーキ羽根の先端上面
に補助羽根を取付けた場合の断面図。 図において；Ａ・・・・・・沈澱部、Ｂ・・・・・・濾
材層、Ｃ・・・・・・処理水部、Ｄ・・・・・・濾過部
、１・・・・・・（濾過機）本体、２・・・・・・外筒
、２ａ・・・・・・外筒金網、３・・・・・・内筒、３
ａ・・・・・・内筒金網、４・・・・・・主軸、５・・
・・・・無段変速減速機、６・・・・・・減速機、７・
・・・・・架台、８・・・・・・レーキ羽根、８ａ・・
・・・・補助羽根、９・・・・・・整流板、１０・・・
・・・（濾材排出用）ロータリー弁、１１・・・・・・
濾材ホツパー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）濾過機本体１を、下部に内筒金網３ａを有する内
   筒３と、同じく外筒金網２ａを有する外筒２とで仕切っ
   て中心部を沈澱部Ａ、中間部を濾材層Ｂ、最外側を処理
   水部Ｃとし、沈澱部Ａと濾材層Ｂの下部の濾過部りとの
   底部レーキ８を走行させて沈降懸濁物質と飽和濾材を濾
   過機本体底部中央より糸外に排出可能とした十字流型濾
   過装置において、レーキ８のレーキ羽根をレーキの回転
   方向にへ字型に屈曲させたことを特徴とする濾材の下降
   特性調整装置。
2. （２）レーキ羽根の先端にさらに補助羽根８ａを取付け
   、濾材の外側、中間部及び内側における下降特性を調整
   可能にしたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲（
   １）記載の濾材の下降特性調整装置。