JPS6365365B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は懸濁微粒子を含む懸濁液を濾過して濾
液と懸濁微粒子とに分離するスクリユー式濾過方
法およびその装置に関するものである。

（従来技術） 多数の環状の濾過プレートを積重固定した濾過
体の中心孔部に懸濁液を供給して各濾過プレート
間の細隙から濾液を外部に排出させることにより
懸濁微粒子と濾液とを分離するようにした濾過装
置はすでに実用化されているが、従来のものは濾
過プレート間や濾過体の内周面に付着した懸濁微
粒子が徐々に硬化して濾過を妨害するために濾過
精度が悪いうえ長時間の稼動ができないという問
題点があつた。

（発明の目的） 本発明はこのような問題点を解消して低濃度の
懸濁液の濾過も効率的に行うことのできるスクリ
ユー式濾過方法およびその装置を目的として完成
されたものである。

（発明の構成） 本発明は所要の間隔をおいて配設される多数枚
の環状の濾過プレートと各濾過プレート間に介装
されて各濾過プレートとの間に細隙を形成する可
動プレートとによつて形成される筒状の濾過体の
中心孔部にスクリユーを設けて該スクリユーを駆
動させながら排出口側開口からの排出に制限が加
えられた該中心孔部の一端より懸濁液を供給し、
該濾過体の内周面に付着される懸濁微粒子層を遊
動する該可動プレートにより移動させて該懸濁微
粒子層を形成する各懸濁微粒子相互間の濾過細隙
を再生しながら濾液を濾過プレートと可動プレー
ト間の細隙を通じて濾過体の外周より除去すると
ともに濾過体の中心孔部に堆積する懸濁微粒子を
スクリユーにより他端に向け移動させてケーキ状
に加圧脱水後該中心孔部の他端よりケーキを排出
させることを特徴とする第１の発明と、多数の透
孔を周面に配設するとともに端部に懸濁液供給口
と懸濁微粒子の排出口とを設けた濾過槽の内部に
多数枚の環状の濾過プレートと各濾過プレート間
にスペーサを介して介装される環状の可動プレー
トとよりなる筒状の濾過体を設けるとともに該濾
過体の中心孔部にはこれに堆積された懸濁微粒子
を前記排出口に向け移送するスクリユーを設け、
さらに、前記中心孔部の排出口側開口には該中心
孔部内の懸濁微粒子の排出に制限を加えるための
排出弁を設けたことを特徴とする第２の発明とよ
りなるものである。

（実施例） 次に、本発明を図示の実施例について詳細に説
明すれば、１は懸濁液供給口２を一側に設けると
ともに懸濁微粒子の排出口３を他側に設けた横型
の円筒状の濾過槽であつて、該濾過槽１の周面に
は多数の濾液排出用の透孔４が配設され、該濾過
槽１内には後記する筒状の濾過体５が設けられて
いる。この濾過体５はステンレス鋼板などよりな
る肉薄の金属板材よりなる環状の濾過プレート６
および該濾過プレート６より小径の可動プレート
７と該濾過プレート６および可動プレート７より
僅かに厚い環状のスペーサ８と該濾過プレート６
およびスペーサ８に挿通される複数本のボルト１
０と該ボルト１０の両端が取付けられる上下の固
定板１１，１２とよりなり、該固定板１１，１２
間において所要の間隔をおいて配設したこの濾過
プレート６相互間にスペーサ８を介して前記可動
プレート７を各濾過プレート６との間に細隙が形
成された状態として遊動自在に介装したもので、
該固定板１１，１１をもつて濾過槽１内部に固定
してある。１３は濾過槽１内において濾過体５の
中心孔部９に設けられる懸濁微粒子移送用のスク
リユーであつて、該スクリユー１３のスクリユー
羽根は一端より他端に行くほどピツチが小さく形
成され、該スクリユー１３の他端側にあたる中心
孔部９の排出口側開口は常時はスプリング１５に
よつて弾発される排出弁１４をもつて封止されて
いるが、スクリユー１３により移送される中心孔
部９内の懸濁微粒子の吐出圧が一定以上に達する
と該排出弁１４による封止が解かれて加圧脱水さ
れたケーキが排出口３より排出されるようになつ
ている。なお、この排出弁１４は中心孔部９内の
懸濁微粒子の排出に制限を加えるものであつて、
排出口側開口が狭窄されていれば必ずしも必要は
ない。

このように構成されたものは、懸濁液供給口２
から濾過槽１の内部に懸濁液を供給するとともに
懸濁微粒子移送用のスクリユー１３を回転させれ
ば、懸濁液はスクリユー１３によつて移送されつ
つその外周に設けられた環状の濾過プレート６と
環状の可動プレート７とを交互に重ねた筒状の濾
過体５によつて濾過されることとなるが、この濾
過は主として濾過体５の内周面において行なわれ
濾過プレート６と可動プレート７との細隙を通じ
て濾液は濾過槽１の周面に透設された透孔４から
外部へ排出される。このようにして濾過が進行す
るにつれて濾過プレート６と可動プレート７とよ
りなる筒状の濾過体５の内周面に次第に懸濁微粒
子が付着し、この懸濁微粒子層を形成する各懸濁
微粒子相互間の濾過細隙を通過することにより濾
過が行なわれることとなるが、この間スクリユー
１３の回転によつて濾過体５の内周面に局部的に
圧力変動が生じ、またスクリユー１３により移送
される懸濁微粒子と可動プレート７との間に摩擦
力が生ずるので、可動プレート７はこれらの力に
よつて濾過プレート６，６間において遊動回転を
生じ、濾過体５の内周面に付着積層した懸濁微粒
子はこの遊動する可動プレート７によつて常に移
動され、微粒子相互間の濾過孔は常に再生されつ
つ濾過が進行することとなり、従つて、濾過体５
の内周面で目詰りが生ずることがなく長時間にわ
たる連続稼動が可能である。しかも、中心孔部９
の排出口側開口は常時は排出弁１４により封止さ
れるなどして排出制限が加えられているので、中
心孔部９において濃縮された懸濁微粒子は先端へ
行くほどピツチが小さくなるスクリユー１３によ
り次第に加圧脱水されながら移送されて排出弁１
４の下方に蓄積していく。そして、この懸濁微粒
子はスクリユー１３により連続的に送り込まれる
からスクリユー１３の先端部の圧力は次第に高ま
り、ここで十分な脱水が行なわれるとともに、こ
の圧力がスプリング１５の押圧力より大きくなつ
たとき排出弁１４が開いて十分に加圧脱水された
ケーキが排出口３から排出されることとなり、目
詰り防止効果の外に優れた脱水効果を併せ持つも
のであるから、比較的濃度の低い懸濁液の濾過に
好適なものである。なお、第４図は本発明装置の
第２の実施例を示すもので、濾過プレート６およ
び可動プレート７の内周面には凹凸２２が形成さ
れており、これらの凹凸２２は懸濁液の流れを濾
過体５の内周面で激しく撹乱されることにより濾
過体５の内周面に付着した懸濁微粒子をより激し
く移動させる効果があり、また、可動プレート７
の内周面の凹凸２２はスクリユー１３により移送
される懸濁液と可動プレート７との間の摩擦力を
高めることにより可動プレート７の遊動を促進す
るもので、この凹凸２２はスクリユー１３の軸と
平行であつてもよいが、懸濁液の流動圧を可動プ
レート７の回転力に有効に変換させることができ
るようにスクリユー１３の軸に対して傾斜させて
もよい。さらに、第５図は本発明の第３の実施例
を示すものでスクリユー１３の送り羽根を前方に
傾斜させてスクリユー１３の回転による懸濁液の
移送をより効率良く行なうことができて脱水効果
を一層向上させることが可能となる。

（発明の効果） 以上の説明からも明らかなように、第１の発明
によれば濾過プレートと可動プレートとよりなる
濾過体の内周面や各濾過プレートと可動プレート
間に付着した懸濁微粒子をこの可動プレートの遊
動により移動させて各懸濁微粒子相互間の濾過細
隙を再生しながら濾過を行なうので、従来法のよ
うに懸濁微粒子が濾液に混入することがなく、精
度の良い濾過ができるうえに目詰りが生ずる恐れ
がなくて長時間にわたり懸濁液の濾過を行なうこ
とができ、また、濃縮された懸濁微粒子は濾過体
の中心孔部内でケーキ状に加圧脱水されたのち排
出される利点がある。また、第２の発明は多数枚
の濾過プレート相互間に可動プレートを介装した
特殊な濾過体とスクリユーを濾過槽内に設けると
ともにこの濾過体の中心孔部の排出口側開口に排
出弁を設けただけの簡単な構造であるにも拘らず
懸濁液を濾過精度良く長時間にわたり濾過してケ
ーキとして排出することができるもので、従来の
懸濁液の濾過上の問題点を解決したスクリユー式
濾過方法およびその装置として業界の発展に寄与
するところ極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の第１の実施例を示す一部
切欠正面図、第２図は同じく一部切欠側面図、第
３図は第２図のＡ−Ａ矢視図、第４図は本発明装
置の第２の実施例を示す一部切欠側面図、第５図
は本発明装置の第３の実施例を示す一部切欠正面
図である。 １：濾過槽、２：懸濁液供給口、３：懸濁微粒
子層の排出口、４：透孔、５：濾過体、６：濾過
プレート、７：可動プレート、８：スペーサ、
９：中心孔部、１３：スクリユー、１４：排出
弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所要の間隔をおいて配設される多数枚の環状
   の濾過プレートと各濾過プレート間に介装されて
   各濾過プレートとの間に細隙を形成する可動プレ
   ートとによつて形成される筒状の濾過体の中心孔
   部にスクリユーを設けて該スクリユーを駆動させ
   ながら排出口側開口からの排出に制限が加えられ
   た該中心孔部の一端より懸濁液を供給し、該濾過
   体の内周面に付着される懸濁微粒子層を遊動する
   該可動プレートにより移動させて該懸濁微粒子層
   を形成する各懸濁微粒子相互間の濾過細隙を再生
   しながら濾液を濾過プレートと可動プレート間の
   細隙を通じて濾過体の外周より除去するとともに
   濾過体の中心孔部に堆積する懸濁微粒子をスクリ
   ユーにより他端に向け移動させてケーキ状に加圧
   脱水後該中心孔部の他端よりケーキを排出させる
   ことを特徴とするスクリユー式濾過方法。 ２ 多数の透孔４を周面に配設するとともに端部
   に懸濁液供給口２と懸濁微粒子の排出口３とを設
   けた濾過槽１の内部に多数枚の環状の濾過プレー
   ト６と各濾過プレート６，６間にスペーサ８を介
   して介装される環状の可動プレート７とよりなる
   筒状の濾過体５を設けるとともに該濾過体５の中
   心孔部９にはこれに堆積された懸濁微粒子を前記
   排出口３に向け移送するスクリユー１３を設け、
   さらに、前記中心孔部９の排出口側開口には該中
   心孔部９内の懸濁微粒子の排出に制限を加えるた
   めの排出弁１４を設けたことを特徴とするスクリ
   ユー式濾過装置。