JPS5841948Y2 - 床板起伏式寝台に於ける床板の支持機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は床板起伏式寝台に於いて、床板の起伏に際して
の所要力を低減することのできる新規な床板の支持機構
を提供するものである。

以下本考案を実施例に基づいて詳細に説明すると次の通
りである。

符号１に背部床板、２は腰部床板、３は脚部床板であり
、該背部床板１、腰部床板２並びに脚部床板３を夫々屈
曲自在に連結する。

前記床板のうち、脚部床板３は床板支持枠４上に技手方
向に移動自在に支持する。

該脚部床板３を移動自在に支持する機構は、図に示すよ
うに平行リンク５を用いた機構の他、台車状の機構等、
長手方向に移動自在であれば適宜で良い。

ここで前記床板のうち、背部床板１は前記腰部床板２と
の連結位置６から頭部側に適宜離れた位置を第１の支持
位置７とし、また該第１の支持位置７から更に頭部側に
適宜離れた位置を第２の支持位置８とし、該第２の支持
位置８に前記床板支持枠４の頭部側に回動自在に固定し
た長支持腕９の先端を回動自在に固定すると共に、前記
第１の支持位置７に、前記床板支持枠４に回動自在に固
定した短支持腕１０の先端を回動自在に固定する。

本考案はこのように背部床板１を四節リンク機構の一部
として支持し、そして腰部床板２をかかる背部床板１と
前記脚部床板３とによって支持するものである。

かかる構成に於いて背部床板１は、長支持腕９並びに短
支持腕１０が図中反時計回りに回動する際、それらの腕
長の差により図示の如く傾斜する。

そしてこの傾斜により背部床板１と腰部床板２との連結
位置６は図中左下方に移動するので、該腰部床板２は左
方、即ち寝台の頭部側に移動しつつ若干傾斜し、また脚
部床板３も左方に移動する。

本考案はこのように背部床板１の傾斜動作に連動して腰
部床板２を傾斜させ、床板上の患者等を安楽な姿勢にす
ることができる。

かかる際背部床板１は腰部床板２との連結位置６から頭
部側に適宜離れた位置を第１の支持位置７とし、該位置
７から更に頭部側に適宜離れた位置を第２の支持位置８
としているので床板上の患者等の腰部の重さは該背部床
板１を傾斜させる方向に作用し、従って背部床板１、腰
部床板２並びに脚部床板３を前述した様に動作させるた
めの所要力が小さい。

この為本考案は駆動能力の小さな駆動装置をも使用し得
るのは勿論の事、前記第１並びに第２の支持位置７．８
を調節して、上半身と腰部との重量バランスをとること
により、患者等が自分自身で背を少々動かして上半身の
重量を腰部側に移動するだけで前記した床板の起伏を行
なうこともでき、このような場合には駆動装置に代って
適宜のストッパー機構だけで床板起伏式寝台を構成する
ことができる。

本考案はこのように床板の起伏に際しての所要力が小さ
いので、駆動装置を省略したり、もしくは小さな能力の
駆動装置を使用することができ、構成を簡素化して価格
を低減し得る効果がある。

また本考案は前述した通り、背部床板１を傾斜させると
腰部床板２並びに脚部床板３が寝台の頭部側に移動する
ので、この動作の前後に於ける患者等の上半身の移動量
が少ない。

従って本考案を適用した寝台では、背部床板１を水平状
態から傾斜状態へと移行させても患者等の上半身が、寝
台の頭側近傍に置いて各種物品の収納に使用するベッド
サイドキャビネット等から離れないので、患者等は仰臥
した状態でも、また背部床板１の傾斜により起き上った
状態となった時にも、いつも楽な姿勢でかかるベッドサ
イドキャビネット等を使用することができるという効果
がある。

本考案は背部床板１の傾斜に伴った前記腰部床板２並び
に脚部床板３の移動量を、前記第１並びに第２の支持位
置７，８並びに前記長、短支持腕９゜１０を調節するこ
とにより適宜に設定することができる。

このうち床板支持枠４に対する短支持腕１０の固定位置
を図に示す通り、背部床板１が水平状態に於いて前記第
１の支持位置７よりも寝台の頭部側に構成すれば、背部
床板１が前述した通り傾斜するにつれてその第１の支持
位置７は短支持腕９の回動により上昇するので、該背部
床板１と腰部床板２との連結位置６の下方への移動距離
は、該第１の支持位置７を固定した回動支点と仮定した
場合の回動による下降距離から前記上昇分を差し引いた
距離となる。

従ってこの場合には第３図に示すように腰部床板２′と
の連結位置６′から頭部側に適宜離れた位置を回動支点
７′とし、該回動支点７′を床板支持枠４′に突設した
固定支持腕１０′に回動自在に固定して、単に回動によ
り背部床板１′を傾斜させる従来の支持機構と比較して
、背部床板１の傾斜に際しての患者等の腰部の落ち込み
を少なくすることができるので、不自然な姿勢とならず
、また床板支持枠４を高い位置に設定できるので床板の
下方空間をスツールロッカー等の収納に有効に利用する
ことができるという効果を奏する。

尚、図示の実施例は前記駆動装置としてガススプリング
１１を用いたもので゛、これはシリンダ１２に対して伸
縮自在に構成した作動ロッド１３を、シリンダ１２内の
ガスの圧縮弾性によって伸長方向に駆動させると共に、
シリンダ１２内の非圧縮性のオイルによって所定の位置
でロックするようにしたガススプリング１１の前記作動
ロッド１３側を腰部床板２下側に連結すると共に、シリ
ンダ１２側を背部床板１の押上リンク１４に連結し、該
作動ロッド１３をロックするためにシリンダ１２内に内
蔵したロック弁を操作するための操作レバー１５を腰部
床板２の側部に設けたものである。

かかる駆動装置並びにその設置方法は自由である。

本考案は以上の通り腰部床板との連結位置よりも頭部側
の位置を四節リンク機構の一部として背部床板を傾斜自
在に支持しているので、かかる背部床板を傾斜させるた
めの所要力を小さくすることができ、駆動装置の簡素化
あるいは省略を可能とすると共に、傾斜の前後に於ける
床板上の患者等の上半身の移動量が少ないのでベッドサ
イドキャビネット等をいつも楽な姿勢で使用することが
できるという特徴がある。

更に本考案は背部床板の傾斜に際しての患者等の腰部の
落ち込みを小さくすることができるので、不自然な姿勢
とならず、また床板の下方空間を有効利用し易いという
特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｌ）は本考案の一実施例の構成並びに動作を
示す説明的側面図、第２図は要部の動作説明図、第３図
は従来例の動作説明図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背部床板、腰部床板並びに脚部床板を夫々屈曲自在に連
   結し、該脚部床板は床板支持枠上に長手方向に移動自在
   に支持すると共に、背部床板は前記腰部床板との連結位
   置から頭部側に適宜離れた位置を第１の支持位置とし、
   また該第１の支持位置から更に頭部側に適宜離れた位置
   を第２の支持位置とし、該第２の支持位置に、前記床板
   支持枠の頭部側に回動自在に固定した長支持腕の先端を
   回動自在に固定すると共に、前記第１の支持位置に前記
   床板支持枠に回動自在に固定した短支持腕の先端を回動
   自在に固定したことを特徴とする床板起伏式寝台に於け
   る床板の支持機構。