JPS5841430A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は磁性金属蒸着膜を有する基体の裏面に導電性
および潤滑性を有する塗膜を設けた磁気テープの如き磁
気記録媒体に関する。

磁性金属蒸着膜を有する磁気記録媒体は、一般にポリエ
ステルフィルムの如き基体を、ローラを介して回転キャ
ン上に走行させ、これに真空下Ｃｏ。

Ｎｉ　　の如き高磁性金属を加熱蒸着させることにより
製造されている。ところが、この方法では蒸発源からの
二次電子の影響により基体フィルムが帯電しやすく、ま
た熱膨張によりフィルム伸びをおこし回転子ヤンと走行
フィルムどの間の速度差でスリップを生じてこれが原因
で帯電することもあり、かかる帯電をきたすと回転キャ
ンに走行フィルムがへばりつこうとするため、上記フィ
ルムに必然的に縦じわが生じ、これに磁性金属蒸着膜を
形成したとき、その出力変動が著るしく増大する欠点が
あった。

この発明者らは、上記の事情に鑑み鋭意検討した結果、
ポリエステルフィルムの如き基体の一面にあらかじめ導
電性金属粉とシリコーン系ないしフッ素系の潤滑剤とを
含む塗膜を形成し、その後に他面側に磁性金属蒸着膜を
設けるようにしたところ、上記塗膜が導電性および潤滑
性にすぐれたものであるため、真空蒸着時の二次電子の
影響による帯電やフィルム伸びに起因したスリップによ
る帯電が効果的に抑制され、出力変動の小さい磁気記録
媒体が得られることを知り、この発明を完成するに至っ
たものである。

すなわち、この発明は、磁性金属蒸着膜を有する基体の
裏面に導電性金属粉とシリコーン系ないしフッ素系の潤
滑剤とを含む塗膜を設けたことを特徴とする磁気記録媒
体に係るものである。

ところで、一般の磁気テープにおいて、テープの巻き特
性ないし走行性能をよくするだめに、磁性層を有する基
体の背面にカーボンブラックと脂肪酸エステルとを含ま
せた塗膜を設けることはすでに公知である。しかし、か
かる公知の塗膜をこの発明に適用したのでは、縦じわの
発生を効果的に防止することができない。この理由は、
潤滑作用を有する脂肪酸エステルは一般に非常に低沸点
で真空蒸着時容易に揮散するため、カーボンブラックと
併用してもその本来の機能を発揮できず、専らカーボン
ブラックの導電機能に頼らざるを得す、この場合充分な
る帯電防止効果が得られないためである。

これに対して、前記この発明に係る塗膜では、導電性金
属粉がこれ単独でもすぐれた帯電防止効果を示すととも
に、これと併用されて塗膜に強度を与えるシリコーン系
ないしフッ素系の潤滑剤が脂肪酸エステルに較べて真空
蒸着時揮散しにくいものであってかつすぐれた潤滑性を
有していることから、その本来の潤滑機能と前記導電性
金属粉の導電機能とが相乗的に作用して、真空蒸着時の
帯電を顕著に抑止し、出力変動の低下に大きく寄与する
ものである。

この発明において用いられる導電性金属粉としては、ア
ルミニウム粉、銅粉、ステンレスファイバーなどがあり
、その平均粒子径としては５μ以下で、ステンレスファ
イバーの如き針状のものでは軸比５〜５０程度のもの゛
が好適である。この種の金属粉はこれを単独で塗膜中に
含ませても塗膜強度に欠けるため、この欠点をシリコー
ン系ないしフッ素系の潤滑剤と併用することによって回
避する一方、その潤滑性を利用し、真空蒸着時の帯電防
止にさらに一段と好結果を与える。

この発明において用いられるシリコーン系潤滑剤は、常
温で液状ないし半固体状のものであり、ジメチルポリシ
ロキサンの如き未変性のシリコーンのほか、脂肪酸、ポ
リエーテル、アルコール、アルキル基などの極性基で変
性されたシリコーンがいずれも使用できる。極性基で変
性されたシリコーンは、結合剤樹脂との親和性がよく、
真空蒸着時により揮散しにくいため、とくに好適である
。

上記シリコーン系潤滑剤の市販品としては、未変性の７
リコーンとして東しシリコーン社製商品名Ｓ　Ｈ−２０
０、信越シリコーン社製商品名ＫＦ−９６などを、脂肪
酸変性シリコーンとして信越ンリコーン社製商品名ＴＡ
−９３０を、ポリエーテル変性シリコーンとして東しシ
リコーン社製商品名Ｓ　Ｈ−３７４６、同３７４９など
を、アルコール変性シリコーンとして東しシリコーン社
製商品名５Ｆ−８４２７、同８４２８などを、アルキル
変性シリコーンとして東しシリコーン社製商品名５Ｉ（
−２３０，ＢＸ１６−８１１．５Ｆ−ｓ４１６などを挙
げることができる。

この発明において用いられるフッ素系潤滑剤は、常温で
液状ないし半固体状のものであるが、前記のシリコーン
系潤滑剤に較べてさらに高沸点であって真空蒸着時の揮
散が著るしく少ないためもっとも好適である。その代表
的な化学構造式としては、 ハ）ＣＦ　３（−ＣＦ−ＣＦ２−Ｏｈ「ＣＦ３ＣＦ３ などが挙げられるが、上記に限定されることなく各種の
市販品をいずれも使用できる。市販品の例としては、デ
ュポン社製商品名クライトツクス、モンテジンン社製部
品名フオンブリン（いずれもパーフルオロアルキルポリ
エーテル）、ダイキン工業社製商品名ダイフロイル（ポ
リトリクロロトリフルオロエタン）などが挙げられる。

導電性金属粉とシリコーン系ないしフッ素系の潤滑剤と
を含む塗膜の厚みは、一般に０．０５〜５μ程度である
。このような塗膜を基体上に形成するために用いられる
結合剤樹脂としては、一般に磁性金属蒸着膜との接着性
が低いものが好ましい。

もちろん、他の添加剤によって上記接着性が低くなるよ
うな樹脂であってもよい。

結合剤樹脂の具体例としては、繊維素系樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメ
タクリレート樹脂、アクリロニトリル−ブタジェン−ス
チレン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げら
れる。

導電性金属粉は上記の結合剤樹脂との合計量中２０〜８
０重量％、好適には４０〜６０重量％とされているのが
よく、またシリコーン系ないしフッ素系の潤滑剤は導電
性金属粉１００重量部に対して０１〜２０重量部、好適
には０．５〜５重量部とされているのがよい。

つぎに、この発明の実施例を記載する。以下において部
とあるは重量部を意味するものとする。

実施例１ 厚み１０μのポリエステルベースフィルムの一面に、Ｖ
ＹＨＨ（Ｕ、Ｃ，Ｃ社製商品名；塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂）６０部、ステンレスファ・ｆバー（平均
粒子径０５μ、軸比２０）４０部、５Ｈ−２００（前出
の未変性シリコーン）１部、メチルイソブチルケトン１
５０部およびトルエン１５０部からなる塗料を、乾燥厚
みが０．５μとなるように塗着した。つぎに、真空系内
の回転キャンに、このキャンに上記塗着面が接触するよ
うに１０ｍ／分の速度で走行させながら、Ｃｏ　／　Ｎ
ｉ重量比が８／２で保磁力５００エルステツドの磁性金
属蒸着膜を上記ベースフィルムの他面側にｏ、１μ厚に
形成した。そのと、１゜／２インチ巾に切断して、この
発明の磁気テープを得た。

実施例２ 塗料成分中の５Ｈ−２００の代わりに、ＴＡ−９３０（
前出の脂肪酸変性シリコーン）１部を用いた以外は、実
施例１と同様にして磁気テープを作製した。

実施例３ 塗料成分中の５Ｈ−２００の代わりに、フォンプリン（
前出のフッ素系潤滑剤）１部を用いた以外は、実施例１
と同様にして磁気テープを作製した。

比較例 塗料成分中のステンレスファイバーと、５Ｈ−２００と
の代わりに、Ｈ３−５００（旭カーボン社製商品名；カ
ーボンブラック）４０部とステアリン酸ｎ−ブチル１部
とを用いた以外は、実施例１と同様にして磁気チー′プ
を作製した。

上記実施例および比較例の各磁気テープを、ビデオテー
プレコーダＶＴ−８０００（日立社製）に装填し、４０
℃、８０％ＲＨで３００回走行させたのちの出力変動を
調べた結果は、つぎの表に示されるとおりであった。ま
た、真空蒸着を行なう前に、各塗膜を形成したポリエス
テルベースフィルムの上記塗膜面の表面電気抵抗および
摩擦係数を調べ、その結果を次表に併記した。なお、表
面電気抵抗は、１ｃｒｎの間隔を設けた１対の電極に５
０９の張力をかけて試験フィルムをつるし、５００■の
電圧を印加したときの抵抗値を調べたものであり、まだ
、摩擦係数は回転ドラム法で測定した。

上表から明らかなように、この発明の磁気テープは、真
空蒸着を行なう前のポリエステルベースフィルムの表面
電気抵抗および摩擦係数が小さく、また記録再生時の出
力変動が著るじ〈小さいものであることが判る。

特許出願人　　　日立マクセル株式会社１−１とニ一部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）磁性金属蒸着膜を有する基体の裏面に導電性金属
   粉とシリコーン系ないしフッ素系の潤滑剤とを含む塗膜
   を設けたことを特徴とする磁気記録媒体。