JPS5841074Y2 - ねじ切機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として吋ねじを切削するねじ側根に関する
。

従来のねじ側根は、切削しようとするねじの１吋当りの
山数の変更に準じて其の都度変束歯車機構を組替える手
数を必要とする欠点を持つものである。

本考案はシフトレバ一式変速歯車装置を主軸内に装備す
ると共に１吋当り偶数のねじ山を備えた刃物台往復作動
用送りねじを配設し、該送りねじに回転可能に遊嵌した
駆動側歯車円板と該送りねじに往復運動可能に装着した
従動側円板とによって構成される１つ爪型クラッチ装置
を取付け、且つ上記の駆動側歯車円板に取付けたセンサ
ー作動用ドッグ、センサー及びフリップフロップ回路よ
り成る回転数検出装置を装備して、刃物台を戻した後で
送りを再開する時に上記のセンサーが送りねじの１吋長
さに該当する偶数回転目毎の発信位置に達した時点での
み上記の１つ爪型クラッチ装置を結合作動し得るよう制
御することによって、繰返し切削によるねじ仕上げに際
して１吋当り奇数−のねじの場合にねじ山部を切削する
危険を防止することを特徴とし、切削しようとするねじ
の１吋当りの山数の変更に際して、シフトレバ−の操作
だけでこれに対処し且つ１吋当りのねじ山数の奇数と偶
数とに無関係に所要のねじを完全に繰返し切削によって
仕上げることを目的とするものである。

以下図面に従って本考案のねじ側根の構造並に作用につ
いて詳細に説明する。

第１図は本考案のねじ側根の一実施例を示す説明図であ
る。

１は主軸で主軸台（図示せず）に設けられた軸受２，２
′によって回転可能に支承されている。

３，３′は主軸１０両端に取付けたチャックで、図示の
実施例の場合は、ねじ切削しようとする油井管を主軸１
中空部に嵌挿してチャック３゜３′によってチャックす
るよう設けたものである。

主軸１は駆動軸４により歯車を介して回転するよう設け
られている。

５はベッド（図示せず）上に設けられた刃物台で、刃物
台往復作動用送りねじ６の回転によって往復運動するよ
う設けられている。

この刃物台往復作動用送りねじ６及び主軸１は第１図の
一実施例に示す歯車列を介して駆動軸４に夫々連結し、
両者間に所要の回転数関係を保持しながら上記駆動軸４
によって回転するよう設けられている。

Ｌは上記の駆動軸４と送りねじ６とを連結する歯車列中
に配設されたシフトレバ一式変速歯車装置で、シフト可
能の駆動側歯車群ａ。

ｂ、ｃと軸に固着した従動歯車群ａ′、ｂ′、ｃ′とに
よって構成されている。

ａとａ′、ｂとｂ′及びＣとＣの結合は図示の実施例の
場合は夫々１吋当り１、１山１５山及び８山のねじの切
削に対応している。

尚図示の実施例の場合刃物台往復作動用送りねじ６は１
吋当り２山のねじに形成されており、従って送りねじ６
の２回転に対して主軸１はａ。

ａ′、ｂ、ｂ’及びｃ、 ｃ’の結合に準じて夫々１
１゜５及び８回転して所要の１吋当り１１％５及び８山
のねじ切りを達成するよう設けられている。

８は１つ爪型クラッチ装置で、送りねじ６に回転可能に
遊嵌した駆動側歯車円板（駆動軸４より送りねじ６に回
転を伝達する歯車列の最終の歯車に該当する）９と該送
りねじ６に軸方向に往復運動可能に装着した従動側円板
１０とによって構成されており、側円板９及び１０は夫
々の相対応する位置に固着した１個の爪９′及び１０′
によって結合するよう設けられている。

又上記の駆動側歯車円板９にはセンサー作動用のドッグ
１１が取付けられており、ベッド側に取付けたセンサー
１２及びフリップフロップ回路（図示せず）によって回
転数検出装置を構成して、上記のセンサー作動用のドッ
グ１１が偶数回転目毎の発信位置到達時点でだげ〜上記
の１つ爪型クラッチ装置を結合作動し得るよう制御して
いる。

本考案のねじ側根の場合、刃物台５の戻り行程に対し従
来のねじ側根と同様に、切削工程終了時にクラッチ装置
旦を解放し、送りねじ６を油圧モーター（図示せず）に
よって高速逆回転するよう設けられているが、この逆回
転の停止時に従動側円板１０の爪１０′が１駆動側歯車
円板９の爪ダのセンサー発信時に該当する定位置に対し
て常に略々所定の角度間隔（約２０度）の位置を占める
よう調整制御することによって１つ爪型クラッチ装置迂
の結合作動の際に側円板９゜１０の爪９’、１０’が衝
突する危険を防止するよう設けられている。

さらに詳しく、刃物台の送りを再開した時にねじ山の位
相を刃物台を戻す前と一致させるための説明をすると、
刃物台５の送りねじ６に固定された円板１００１つ爪１
０′と駆動側歯車円板９０１つ爪９′が噛合ったとき送
りねじ６の２回転に対する主軸１（即ちチャック３′）
の回転状態を考えてみると歯車比により、 ａ、 ａか噛合った場合 す。

ｂ′が噛合った場合 Ｃ１ Ｃ′が噛合った場合 この時刃物台はＬ吋×２＝１吋進み１吋当り１１山、５
山及び８山のねじが加工できる。

この場合駆動側歯車９０１つ爪９′の第３図図示点に於
けるチャック３′のＡ点を考えてみた時それぞれ爪９′
の２回転に対してＡ点はｌ１％５．８回転で同一点に戻
り位相が合うが爪９′の１回転に対してＡ点は５．５．
２．５．４回転で１吋当り１１山、５山のねじは位相が
半回転（ねじの半ピツチ）ずれてねじの山を削り取るこ
とになる。

即ち駆動側歯車９の偶数回転目を爪９′と定間隔に固定
されたドッグ１１によりベッドに固定されたセンサー１
２で感知しフリップフロップ回路（偶数回毎に発信）で
発信し送りねじ６に固定された円板の爪１０′と噛み合
わせればねじ山の位相が合致する。

このように１吋当り偶数のねじ山の送りねじ６に対して
送りねじ６の１吋長さに該当する偶数回転目毎にだけ爪
型クラッチ装置８が結合するように制御すればねじ切削
ができる。

送りねじを１吋当り２山としたのは送りねじの精度をよ
くするためである。

以上に説明した構造を備えた本考案のねじ側根によって
吋ねじを繰返し切削仕上げする場合、ｌ吋当りの山数の
変更はシフトレバ一式変速歯車装置りのレバー操作だけ
で簡易に対処することが出来、又１つ爪型クラッチ装置
はは駆動側歯車円板９の１つ爪９′即ち該歯車円板９円
周上の同一点で噛合い、しかも偶数回転目毎にだけ噛み
合うよう設けられているために、１吋当り奇数−のねじ
の場合も、ねじ山を切削する惧れなしに完全なねじ山を
繰返し切削して仕上げるものである。

第２図はこの切削の状態を示す説明図で、Ａは送りねじ
６のねじ山を表わしており、実際は１吋当り２山、点線
は１吋当り４山のねじを示す。

Ｂ及びＣはワーク上に切削された夫々１吋当り５山及び
８山のねじを表わしている。

第２図によって明らかなように０，２．４・・・・・・
回転目即ち偶数回転目にクラッチ装置８が結合する場合
は（○印にて表示）１吋当り５山及び８山のねじは執れ
も何等支障なく正常なねじ形を繰返し切削仕上げするこ
とが出来るが、若しｌ、３．５・・・・・・回転目即ち
奇数回転目にクラッチ装置８が結合した場合は（◎印に
て表示）１吋当り８山のねじは支障なく切削することが
出来るが５山（其の他奇数山を含めて）のねじの場合は
ねじ山を剛域ることになって正常なねじ山を切削するこ
とが不可能なことを意味する。

本考案のねじ側根に於ては図示の実施例について説明す
るように、１つ爪型クラッチ装置旦を装着することによ
って繰返し切削によって正常なねじ山の仕上を確保する
と共に回転数検出装置を介して、１吋当り２山の刃物台
往復作動用送りねじ６の場合駆動側歯車円板９の偶数回
転目だけにクラッチ装置８が結合するよう制御して１吋
当り奇数−のねじ切削の場合に発生し得るねじ山剛域り
の危険を完全に防止するものである。

以上は１吋当り２山の送りねじ６の場合について説明し
たが、２山以外の例えば１吋当り４山の送りねじ６の場
合は２回転（偶数）目は２山ねじの１回転（奇数）に該
当して不都合であり、第２図よりも明らかなように、一
般的には１吋当り偶数のねじ山の送りねじ６に対して、
該送りねじ６の１吋長さに該当する偶数回転目毎にだけ
クラッチ装置旦が結合するよう制御することが必須の条
件である。

以上に説明するように本考案のねじ側根は、切削しよう
とするねじの１吋当りの山数の変更に際して、シフトレ
バ−の単純な操作だけでこれに対処し且つ１吋当りのね
じ山数の奇数と偶数とに無関係に所要のねじを繰返し切
削によって完全に仕上げようとする当初に記載した所期
の目的を完全に達成するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のねじ側根の一実施例を示す説明図・第
２図は刃物台往復運動用送りねじのねじと切削されるね
じのねじ山との相関関係を示す説明図、第３図は第１図
の■−■線矢視図である。 以下図面の簡単な説明、１：主軸、２，２’：軸受、３
．３’：チャック、４：駆動軸、５：刃物台、６：送り
ねじ、７：シフトレバ一式変速歯車装置、８：１つ爪型
クラッチ装置、９：駆動側歯車円板、９′：歯車円板９
の爪、１０：従動側円板１１０′二円板１０の爪、１１
：ドッグ、１２：センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切削しようとする１吋当りのねじ山数に対応するよう設
   けたシフトレバ一式変束歯車装置を主軸台内に装備する
   と共に１吋当り偶数のねじ山を備えた刃物台往復作動用
   送りねじを配設し、該送りねじに回転可能に遊嵌した駆
   動側歯車円板と、該送りねじに軸方向に往復運動可能に
   装着した従動側円板とによって構成される１つ爪型クラ
   ッチ装置を取付け、且つ上記の駆動側歯車円板に取付け
   たセンサー作動用ドッグ、センサー及びフリップフロッ
   プ回路より成る回転数検出装置を装備して、刃物台を戻
   した後で送りを再開する時に上記のセンサー作動用ドッ
   グが送りねじの１吋長さに該当する偶数回転目毎の発信
   位置に達した時点でのみ上記の１つ爪型クラッチ装置を
   結合作動し得るよう制御することを特徴とするねじ側根
   。