JPS5839592B2 - 底付缶の内面処理法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、底付缶の内面処理法に関する。

本発明において内面処理とは、缶の内側の面、もつと詳
しく言うと、缶底内面と缶側壁内面とを有機塗膜又は金
属メッキ膜で覆うこと、活性化することをいう。

処理液とはこれらの処理のために使用される液をいう。

塗装、メッキ処理等による底付缶の内面処理法としては
、処理液をスプレーノズルから缶内面に向って噴霧して
缶内面に処理液を所要量付着させたりする方法と、缶全
体を処理液に浸して処理する方法と、缶底を下にし開口
側を上にして直立させた缶内に処理液を満し、次に缶を
逆側して処理液を缶から排出して処理する方法とが知ら
れている。

上明第−の方法は、スプレーノズルの噴霧口が、ごみ等
で一部又は全部塞がれてしまうと、表面処理されない缶
が生じることがあり、短時間に大量の缶を処理する場合
には、この未処理缶の発見排除に多くの費用を要すると
いう欠点があり、第二の方法では液に缶全体を浸し液内
を進行させるので、このために複雑な缶支持装置を必要
とする欠点があり、第三の方法は、缶外に液が溢れ缶外
を汚すことを防がねばならず、且つ処理液排除のための
缶を転倒しなげればならないのでこれ又缶支持に複雑な
装置を必要とするという欠点をもっており、更にいずれ
の方法を用いても必然的に缶の内面処理液が缶の外面側
にも付着して被膜を形成してしまうので、内面と外面と
で異なる被膜を形成することができないという欠点をも
っている。

本発明は、これらの欠点を排除した缶内面処理法であっ
て、その特徴は、開口側を下にした状態で送込みコンベ
ヤ上を搬送され、該送込みコンベヤの前端に到達した底
付缶の底部を、該送込みコンベヤの前端上方に延出して
いる後端を有し且つ該送込みコンベヤよりも高速度で移
動している処理コンベヤの後端の下走行ベルトにより、
缶と缶との間隔を保った状態で吸着し、そのまΣ搬送す
る間に、該缶内に液体案内体を挿入して該案内体内の液
通路を通じて処理液を送り、該缶底内面と該案内体との
間を該処理液で満した後、該処理液を缶側壁内面に沿っ
て流下させることにより該処理液で缶内面を処理し、そ
の後、該案内体を缶内から離脱させ、さらに開口側から
水を噴射させて缶内面を洗浄することにある。

本発明方法の１つの具体例につき説明をする。

第１図は本具体例における装置の配置を説明するための
線図、第２図は缶体と液室内体との移動相関位置関係を
示す図、第３図は缶に挿入された液室内体を示す断面図
である。

第１図において、１は缶Ａを内面処理個所に送込むため
の送込みコンベヤ、２は内面処理個所内ノ缶を支吊し、
移動させるための処理コンベヤ、３は該コンベヤ２のベ
ルト１２の下走行路に近接し、該ベルト１２の上側に固
設されたマグネット、４は処理清缶を次工程に送るため
の送出しコンベヤで、これらコンベヤ１，２，４は何れ
も缶を同方向に搬送するように進行し、コンベヤ１，４
はコンベヤ２の下で、且つ処理コンベヤ２内のマグネッ
ト３の下までのびている。

５は缶底を上にし、支吊され移動している缶真の下方か
ら上昇して缶内に挿入され、又、下降して缶から離脱さ
せられる液室内体、６は該液室内体５の下に缶の進行方
向に長く設けた処理液槽、７は該処理液槽内の処理液、
８は処理液槽６内の処理液７を液室内体５に送るための
ポンプ、９はポンプ８と液室内体５間を結ぶパイプ、グ
は処理液槽６とポンプ８を結ぶパイプ、１１は送込みコ
ンベヤ１のベルト、１３は送出しコンベヤのベルト、３
０は処理液槽６の次に試けられた水槽、３１は該水槽３
０と支吊されている缶との間に設けた水噴出ノズルであ
る。

適宜手段によってコンベヤ１のベルト１１上に、開口側
を下にし、底部を上にして倒立させられ、相接しておか
れた底付缶Ａはコンベヤ１により図の左方から右方に移
動できて、処理コンベヤ２のマグネット３の下に至って
、該マグネットに吸い上げられ、マグネット３の下側を
走行する処理コンベヤ２のベルト１２に底壁を接し支吊
されてベルト１２と共に移動する。

ベルト１２の速度は約１〜２ｍ／分程度であり、ベルト
１１の速度よりも速くなっている。

そこで缶は、両コンベヤの速度差の間隔をおいて移動す
る。

その移動中に、缶の通路の下に缶と同速度で同方向に移
動し、且つ上下動可能に設けられ、缶内面形状と相似で
や互生さい形状の液室内体５が缶内に入る。

そして缶と共に移動している間に、処理液が、処理液槽
６からポンプ８によりパイプ９′、９を通って、該案内
体５の上端面に開口する液通路１０（第３図）に至り、
そこから該案内体５の上端面１４と缶の底壁１５内面と
の間に供給される。

ポンプ８は液室内体５が缶底に近接した所定高さに達し
たことを検知したときに作動を如め、タイマーにより所
定時間その作動を停止する液室内体を通り缶の底部に向
って供給された液は、缶底壁１５と案内体の上面１４と
の間を満し、缶側壁１６の内面と案内体の外周面１７と
の間隙を缶側壁１６にそって流下し、缶外に流出し、処
理液槽６に戻る。

そのために缶底内面と液室内体の間隙よりも、液室内体
の上端と、缶側壁内面の間隙を狭くした。

所定量の処理液を供給し終ったのちは、液室内体は缶と
共に移動しながら、下降し缶から離脱する。

液室内体５の作動を第２図により缶Ａの底部の周辺の１
点の動きで説明する。

まず、移動中の缶Ａ′がありその缶にの直下に案内体５
があるものとする（この時の位置をａで示す。

なお、２０は案内体の上部右端点を示す）。

こ匁から案内体は缶にと同速で、図面の右方に移動しつ
〜、上昇し、缶内に入る（このときの位置をｂで示す）
。

このとき、案内体の前記点２０は点線２４にそって点２
１のところに来る。

次いでこのｂの位置にある案内体が缶Ａ′と共にさらに
進行し、点２１が点２２のところに至る間に、前記ポン
プ８が作動し缶内に処理液が送られ、所定量を供給し終
ったのち、缶Ａ′と共に移動しながら下降し缶から離脱
する（このときの位置をＣで示す）。

このとき点２２は点２３のところに移動する。

下降した液室内体はＣ位置から図の左方のａ位置に戻さ
れる。

その位置は次の未処理缶の直下にあたる。

換言すると、支吊された１つの缶Ａ′とその直前の缶に
とがあり、に缶のあった位置までＡ′缶が前進する間に
、案内体は点２０，２１．２２，２３，２０を結ぶ移動
を行い、この作動を繰返す。

内面処理を行った缶は支吊されたまΣ更らに移動し処理
液槽に、缶内に付着した余分の処理液を流落下させ、そ
の後、水ノズル３１からの噴水により、水と共に残った
余分の処理液を洗い流される。

その後、ようやくマグネットからはずされて送出しコン
ベヤベルト１３上に落ち、次工程に送り出される。

水と共に洗い落された処理液は、水槽３０内に落下する
。

上記具体例から理解されるように、本発明方法によると
きは、液室内体を缶内に挿入し、スプレーノズルを使用
することなく、スプレーノズルに比べて極めて広い通路
を通し処理液を注入するので、通路のつまりによる面未
処理缶の発生がなく、又、始めから缶の開口側を下にし
て移動させながら缶内面を処理するので、処理液槽内を
通過させる方法および缶を逆側して液を排出する方法に
比べて缶の支持手段が簡略化される。

そして、缶と缶とが間隔を保った状態で搬送されている
間に、処理液による缶の内面処理及びスプレーによる水
洗処理を受けるので、缶内面から流下して来た処理液が
、缶の開口端から外面側へまわって毛管現象により上昇
して缶外面を部分的に表面処理（汚染）してしまうとい
う様なことがなく、従って缶内面と外面とを異なる被膜
で被覆することができ又、電気的処理を行う場合には缶
と缶との接触を防止するための特別な絶縁手段が不要と
なる利点がある。

その上、同一支持状態のまＳ缶内面の各種処理が連続し
てでき、余分に付着した処理液の回収が容易であるとい
う付随的効果をもつ。

又処理液で缶底内面と液室内体との間を満し、缶側壁内
面にそって処理液を流下させるので、缶内面全体が確実
に処理される。

液室内体を導電体とし、これを陰極とし、缶体に電流を
通じ、これを陽極とし、処理液に電着塗装液を用いれば
、缶内には電着塗膜が形成される。

交流電着塗装方法も適用できる。

液室内体の外面（液と接する面）を不活性化し、無電解
ニッケルメッキに適用することもできる。

又処理液に、リン酸処理液を使用し缶内のリン酸被膜の
形成をなすこともできる。

上記具体例で缶の支持手段としてマグネットにより吊り
下げる場合を示したが、非磁性材料製缶の場合には、真
空で吸引吊下げすればよく、又は缶の開口側端を受けて
もよい。

又上記具体例は缶列が１例のものについて述べたが、多
列の場合には、液室内体を、その列数だげ設ければよく
、更らに単時間に大量に処理するには液室内体を多列多
行に設ければよい。

単位時間の処理数が少なくてよい場合には、案内体は上
下動のみとし、液室内体上で缶を所要時間停止し、缶を
間欠移動させればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一例における装置の配置説明図、第２
図は缶と液室内との移動相関位置関係の説明図、第３図
は缶に挿入された液室内体の断面図。 図中、Ａ、ＡＩ、には缶体、５は液室内体、１０は液通
路、１５は缶底、１６は缶側壁、１１゜１２．１３はベ
ルト、３はマグネット、７は処理液。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口側を下にした状態で送込みコンベヤ上を搬送さ
   れ、該送込みコンベヤの前端に到達した底付缶の底部を
   、 該送込みコンベヤの前端上方に延出している後端を有し
   且つ該送込みコンベヤよりも高送度で移動している処理
   コンベヤの後端の下走行ベルトにより缶と缶との間隔を
   保った状態で吸着し、そのまま搬送する間に、 該缶内に液体案内体を挿入して該案内体内の液通路を通
   じて処理液を送り、該缶底内面と該案内体との間を該処
   理液で満した後、 該処理液を缶側壁内面に沿って流下させることにより該
   処理液で缶内面を処理し、その後、該案内体を缶内から
   離脱させ、さらに開口側から水を噴射させて缶内面を洗
   浄する。 ことを特徴とする底付缶の内面処理法。 ２ 該液案内体と缶とを電極にし、該処理液を電着塗装
   液として、缶内面に電着塗膜を形成させる第１項記載の
   内面処理法。 ３ 該処理液としてリン酸処理液を使用して、缶内面に
   リン酸被膜を形成させる第１項記載の内面処理法。