JPS5839323Y2 - 天井吊形ヒ−トポンプ式冷暖房装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、天井串形のヒートポンプ式冷暖房装置の改良
に関し、特に暖房時に均一な室内温度分布を得るように
したものに関するものである。

従来、この種の天井串形ヒートポンプ式冷暖房装置とし
て、天井に吊られた室内機本体の前面に前面吹出口を設
けて、冷凍サイクルを可逆としたヒートポンプの運転に
より上記前面吹出口から冷風または温風を吹出すことに
より、室内を冷房又は暖房するようにしたものはよく知
られている。

ところで、このような天井串形ヒートポンプ式冷暖房装
置においては、暖房時、前面吹出口からの吹出し角度を
水平方向に対し斜め下方４５°に設定した場合、温風の
到達距離が最も大きく、室内機本体の前方においては快
適な均一温度分布が得られるが、室内機本体の下方にお
いては温風が充分に循環せず、冷気が溜り、不快な冷気
ゾーンが生じる。

一方、上記前面吹出口からの吹出し角度を水平方向に対
し斜め下方４５°以上にすると、温風が室内機本体の下
方にまで幾分循環して本体下方の温度分布はある程度改
善されるが、温風の前方への到達距離が短かくなり、本
体前方に冷暖温度差の大きい不快なゾーンが生じるとい
う問題があった。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、暖房時
、室内機本体の前面吹出口からの前方吹出流とは別に且
つ該前方吹出流に誘引されることなく室内機本体の下方
へ温風の一部を吹出すようにすることにより、室内に不
快なゾーンの発生をなくして室内機本体の前方並びに下
方において均一な室内温度分布が得られるようにするこ
とを目的とするものである。

゛この目的のため、本考案の構成は、室内機本体
の前面に設けた吹出グリルの上流側に上下方向に吹出し
角度可変な前面吹出口を有する天井串形ヒートポンプ式
冷暖房装置において、上記吹出グリルより上流側の室内
機本体の下部に下向きの開口を設けるとともに、冷房時
後側端部を前記開口の後側縁に位置させて閉じ、暖房時
前記後側端部を後方上方に傾斜させて開き前記吹出流の
一部を前記開口に導く開閉ダンパーの前側端部を、前記
開口の前側縁近辺位置に回動可能に軸支して、前記開口
を暖房時前記吹出流の一部を吹出す暖房用補助吹出口に
形成したものである。

このことにより、暖房時、前面吹出口からの吹出し角度
を例えば斜め下方４５°に設定して温風を前方へ吹出す
とともに暖房用補助吹出口からも温風の一部を下方へ吹
出して均一な室内温度分布を得るようにしたものである
。

また、冷暖時には前面吹出口のみからの冷風の吹出しに
よっても冷気の対流効果により充分に均一な室内温度分
布が得られるので、上記暖房用補助吹出口を閉じて該補
助吹出口からの冷風吹出しを不要としたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

第１図および第２図は本考案に係る天井扇形ヒートポン
プ式冷暖房装置の室内機を示し、１は天井に吊懸けられ
る室内機本体であって、該室内機本体１内にはシロッコ
ファン２および室内側熱交換器３が内蔵されている。

室内機本体１の前面には前面吹出口４が開設され、該前
面吹出口４には水平羽根５ａと垂直羽根５ｂとを一体に
組立ててなる一体形吹出口羽根５が回動可能に配設され
ている。

すなわち上記水平羽根５ａを上下方向に、垂直羽根５ｂ
を左右方向にそれぞれ回動することにより、前面吹出口
４による吹出し角度を上下方向および左右方向にそれぞ
れ可変に構成している。

また、前面吹出口４の前面部には吹出グリル６が装着さ
れている。

７はドレンパン、８はドレンパン７の下部に設けたバイ
パス孔であって、冷房時に室内機本体１の下面に結露が
生じるのを防止するように室内機１下面に沿って室内空
気を吸引するためのものである。

さらに、９ｄは上記吹出グリル６より上流側の室内機本
体１の下部に下向きに開設された開口である。

該開口９ｄには開口９ｄを開閉する開閉ダンパー１０が
配設されている。

該開閉ダンパー１０は前側端部においてその左右に設け
たピン１０ ｂを介して上記開口９ｄの前側縁９ｂ近辺
に回動可能に取り付けられており、開閉ダンパー１０の
後側端部は、冷房時上記開口９ｄの後側縁９Ｃに位置し
て閉じる閉位置と、暖房時後方上方に傾斜して開き吹出
流の一部を上記開口９ｄに導く開位置とに回動するもの
であって、よって上記開口９ｄを暖房時には開閉ダンパ
ー１０を開いて吹出流の一部を吹出す暖房用補助吹出口
９に形成するように構成されている。

尚、上記暖房用補助吹出口９の開口９ｄの位置は吹出グ
リル６と室内側熱交換器３との間の室内機本体１の下部
であって、前面吹出口４からの前方吹出流によって暖房
用補助吹出口９からの流れが誘引されない距離を隔てた
位置に設定すればよい。

また、開口９ｄの後側縁９Ｃ内壁には断面円弧状のガイ
ド曲面９ａが形成され、開閉ダンパー１０の開作動時吹
出流をガイド曲面９ａに沿わしめてスムーズに下方向に
吹出させるためのものである。

さらに、上記開閉ダンパー１０の下部にはその開作動時
吹出流の一部を下方の開口９ｄヘスムーズに案内するた
めのガイド面１０ ａが形成されている。

したがって、上記実施例においては、暖房時にはシロッ
コファン２から送風され室内側熱交換器３によって熱交
換された温風は、実線矢印で示す如く吹出口羽根５によ
って吹出し角度を変向されて前面吹出口４から前方へ吹
出される。

この場合、上記吹出口羽根５による吹出し角度を水平方
向に対し斜め下方４５°に設定すれば、温風の前方への
到達距離が最大となり、室内機本体１の前方における室
内温度分布゛は最良となる。

さらに、上記前面吹出口４からの温風吹出しと併せて、
第２図で実線で示す開閉ダンパー１０の開作動により温
風の一部は一点鎖線矢印で示す如く暖房用補助吹出口９
から室内機本体１の下方へ吹出される。

その場合、暖房用補助吹出口９にガイド曲面９ａおよび
開閉ダンパー１０にガイド面１０ ａを設ければ、上記
暖房用補助吹出口９からの下方への温風吹出しが前面吹
出口４からの前方吹出流に誘引されることなく、より一
層スムーズに行われる。

よって、上記前面吹出口４からの前方吹出流（特に斜め
下方４５°の前方吹出流）と暖房用補助吹出口９からの
下方吹出流とによって、室内機本体１の前方および下方
すなわち、室内全体は略均−の良好な室内温度分布とな
り、不快ゾーンのない快適な暖房状態が得られる。

一方、冷房時には、第２図仮想線で示す開閉ダンパー１
０の閉作動により暖房用補助吹出口９が閉塞されること
により、シロッコファン２から供給され室内側熱交換器
３で熱交換された冷風は破線矢印で示す如く前面吹出口
４のみから前方へ吹出される。

この場合、前方吹出流のみによっても冷気の対流効果に
よって室内全体に冷気が循環して快適な温度分布の冷房
状態が得られる。

以上説明したように、本考案の天井扇形ヒートポンプ式
冷暖房装置によれば、室内機本体の前面の前面吹出口と
は別に室内機本体下部に下方向の開口よりなる暖房用補
助吹出口を設け、暖房時にダンパーの開作動により暖房
用補助吹出口からも温風の一部を下方へ吹出すようにし
たことにより、暖房時、前面吹出口からの前方吹出流と
暖房用補助吹出口からの下方吹出流とによって室内機本
体の前方および下方に温風が隈無く循環して室内全体が
均一な温度分布となり、快適な暖房状態を得ることがで
きるものである。

加えて、上記開口の後側縁内壁に断面円弧状のガイド曲
面を形成し、また上記開閉ダンパーの下部に開動時に吹
出流の一部を下方へ案内するガイド面を形成すれば、上
記暖房用補助吹出口からの温風の下方吹出しを前方吹出
流に影響されることなく、より一層スムーズに行うこと
が可能であるという利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示するもので、第１図は室内
機の全体構成概略図、第２図は要部の拡大断面図である
。 １・・・・・・室内機本体、４・・・・・・前面吹出口
、６・・・・・・吹出グリル、９・・・・・・暖房用補
助吹出口、９ａ・・・・・・ガイド曲面、９ｂ・・・・
・・前側縁、９Ｃ・・・・・・後側縁、９ｄ・・・・・
・開口、１０・・・・・・開閉タッパ−１１０ａ・・・
・・・ガイド面。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）室内機本体１の前面に設けた吹出グリル６の上流
   側に上下方向に吹出し角度可変な前面吹出口４を有する
   天井串形ヒートポンプ式冷暖房装置において、上記吹出
   グリル６より上流側の室内機本体１の下部に下向きの開
   口９ｄを設けるとともに、冷房時後側端部を前記開口９
   ｄの後側縁９Ｃに位置させて閉じ、暖房時前記後側端部
   を後方上方に傾斜させて開き前記吹出流の一部を前記開
   口９ｄに導く開閉ダンパー１０の前側端部を、前記開口
   ９ｄの前側縁９ｂ近辺位置に回動可能に軸支して、前記
   開口９ｄを暖房時前記吹出流の一部を吹出す暖房用補助
   吹出口９に形成したことを特徴とする天井串形ヒートポ
   ンプ式冷暖房装置。
2. （２）開口９ｄの後側縁９Ｃ内壁に円弧状のガイド曲面
   ９ａを形成した実用新案登録請求の範囲第１項記載の天
   井串形ヒートポンプ式冷暖房装置。
3. （３）開閉ダンパー１０の下部に、該開閉ダンパー１０
   の開作動時吹出流の一部を下方へ案内するガイド面１０
   ａを形成した実用新案登録請求の範囲第１項又は第２
   項記載の天井串形ヒートポンプ式％式％