JPS5839255B2 - ジシヤクオシヨウシタクラツチレリ−ズジクウケソウチノ ジドウチヨウシンソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はクラッチレリーズ装置の改良に関する。

とくに、本発明はクラッチレリーズ軸受の自動調心装置
の改良に関する。

一般に、この種のクラッチレリーズ装置はトランスミッ
ション装置に突出して設けられたフロントカバー上を軸
方向に摺動可能に装着されたスリーブにクラッチレリー
ズ用の軸受を有している。

この軸受の内輪もしくは外輪のいずれかの軌道輪は回転
可能であり、該回転可能の軌道輪はクラッチ装置のダイ
ヤフラムバネまたは爪などのトルク伝達部材に当接させ
られてクラッチのレリーズ作用を起す。

しかるに、クラッチレリーズ軸受の軸中心線と、フライ
ホイールの回転中心線とを正確に一致させることは製作
ならびに組付上極めて困難なことである。

この不一致の１つの態様はフライホイールの回転中心線
とクラッチレリーズ装置の軸受中心との間の平行なずれ
（偏心）でありもう１つはそれらの中心線間の傾きであ
る。

そのためクラッチ装置のトルク伝達部材とクラッチレリ
ーズ軸受との接触面に異常なすべりが生じ、該接触部に
摩耗が生じるとともに耳ざわりな異常音や振動等が発生
し、さらに又クラッチ操作が重くなるという欠点力；あ
る。

本発明の第１の目的はフライホイールの回転中心とクラ
ッチレリーズ用軸受の軸中心線との間のずれを両者が接
触回転中自動的に修正して調心し、該調心位置にクラッ
チレリーズ軸受を保持することである。

本発明の第２の目的は上記第１の目的に述べた意味での
調心とともにクラッチレリーズ軸受の中心線の、フライ
ホイールの回転中心線に対する傾きを修正することであ
る。

本発明によれば、トランスミッション装置のフロントカ
バー上に摺動可能なスリーブと、該スリーブ上に設けら
れ、クラッチレリーズ時に内輪もしくは外輪のいずれか
がトルク伝達部材に接触して回転する軸受とから成るク
ラッチレリーズ軸受装置にかいて、磁力による吸引作用
により、フライホイールの回転中心線に直角な方向への
上記軸受の移動を制限する磁石を設けて釦り、フライホ
イールの回転中心線と該軸受の軸中心との間に偏心があ
る場合、前記軸受は前記トルク伝達部材に接触して回転
する際の求心作用により調心位置に移動し、上記磁石に
より該調心位置に保持される。

本発明のさらに追加的な特徴によれば、軸受の内輪もし
くは外輪軌道輪のうち固定軌道輪は、前記スリーブの一
方の側面と接触して装着された案内プレートに対して球
面接触してかり、したがってフライホイールの回転中心
線と前記軸受の軸中心線とに傾きがある場合、前記軸受
は前記求心作用により前記案内プレートに対して傾いて
前記軸受の軸中心線がフライホイールの回転中心線に一
致して前記傾きが修正され、前記磁石によりその修正位
置に保持される。

以下に図面を参照して本発明の好適な実施例のいくつか
について説明する。

本発明の第１実施例を示す第１図公よび第２図にち−い
て、クラッチレリーズ装置１は第１図に卦いて右方に形
成されている図示なきトランスミッション装置のケース
に突出して形成されたフロントカバー２上にスリーブ３
をもって摺動可能に設けられている。

フロントカバー２は第１図に釦いて左方に形成されるこ
とになる図示なきフライホイールの回転中心線にほぼ共
軸に形成されてかり、該フロントカバー内をトランスミ
ッション装置側からフライホイール側へと駆動軸（図示
なし）が貫通している。

クラッチレリーズ装置１のスリーブ３はベース３ａ部で
フロントカバー２とゆるくはめ合わされ軸方向に摺動可
能に設けられてわり、クラッチレリーズ時用のためには
図示なきフォーク手段により左方向に移動する。

スリーブ３には軸方向中央部に半径方向に突出した周状
フランジ３ｂが一体的に形成されている。

軸受４の内輪７の内周面はスリーブ３のベース３ａの外
周面との間に軸受４が半径方向に移動できる隙間を形成
している。

又、軸受４の内輪７は外輪８の端面よりも軸方向外側（
左側）に延長してかり、クラッチレリーズ装置がレリー
ズ作用のために左方に摺動する時トルク伝達部材と接触
して回転しうるようになっている。

軸受４の外輪８は軸受用鋼より成る磁性体より形成され
、内輪７との間にはボール９が挿入され、その１わりに
ケージ１０が設げである。

又外輪の両側部にはグリース洩れ防止用のシール部材１
２．１３が固設しである。

スリーブ３のフランジ３ｂの外周端部には軸受４のケー
ス１５が固定されている。

ケース１５は軸受４がその半径方向に移動しうるように
外輪８との間に隙間を形成している。

さて、本発明によれば外輪８と対向するスＩＪ−プ３の
フランジ３ｂには、所望の磁力をもった永久磁石２０が
埋設されている（第２図）。

永久磁石２０はその磁力を有効に活用するために磁力遮
蔽部材２１を有するものが望ましい。

磁石２０は軸受４の半径方向移動による外輪８の移動の
どの位置でも外輪８の端面に対向できる径を有するこト
カ望１しく第２，３図の如く円板形のものであっても、
第４図の如く弧状のものであってもさらに又リング状の
ものであっても良い。

磁石２０の磁力により外輪８が吸着され、したがって軸
受４はその吸着位置に保持され半径方向の運動を制限さ
れている。

今クラッチ軸受装置１が図示なきフォーク手段により左
方向に移動し、内輪７がトルク伝達部材（図示なし）に
よって回転させられた際、フライホイールの回転中心線
と軸受４の軸中心線との間に偏心があると、軸受４は軸
受４の軸中心線がフライホイールの回転中心線に一致す
るように求心作用を受け、軸受４は該求心力により磁力
に逆らって移動し、その軸中心線がフライホイールの回
転中心線に一致し、磁石２０の磁力により前述の態様で
との調心位置に保持される。

以下に述べる本発明の他の実施例に訃いて第１実施例と
同一の部分については同一の符号をもって説明する。

本発明の第２実施例を示す第５図にかいてスリーブ３の
フランジ３ｂに埋設された磁石２０と軸受４の外輪との
間にはリング状の磁性体薄板２３が挿入されてｉ−リ、
磁石２０は該磁性体薄板２３を介して外輪８を吸着する
ようになっている。

第２実施例によれば、外輪８が磁性体薄板２３を介して
磁石２０に接触するので、例えば外輪８がクリープして
も磁石２０の摩耗が防止される。

第２実施例の他の構造卦よび作用については第１実施例
と同様である。

第６図に示す第３実施例にかいて、磁石１２０はリング
状のものであり、スリーブ３に固定された軸受ケース１
５の内側に圧入されて外輪８を吸引している。

この第３実施例の場合、外輪８の端面全体に磁力を及ぼ
して吸引している。

本実施例は、上記各実施例に比較し、クラッチ軸受装置
の組付けは容易である。

第３実施例の他の構造釦よび作用については上記実施例
と同様である。

本発明の第４実施例を示す第７図に卦いて、外輪８は、
外輪ケース２５内に嵌装されて釦り、磁石２０と対向す
る外輪ケース２５のフランジ部２５ａは磁性体となって
いる。

したがって磁石２０によりフランジ部２５ａが吸引され
、その吸引力により外輪ケース２５を介して軸受４は保
持されている。

外輪ケース２５のフランジ部２５ａの外周端はスリーブ
３のフランジ３ｂに固定された軸受ケース１５により、
調心運動できるだけの隙間をもってゆるく保持されてい
る。

外輪８と外輪ケース２５との装着は固定でも良いが、わ
ずかの隙間をもたせても良い。

第８図は第７図の第４実施例の変形例であり、外輪ケー
ス２５とフランジ部２５ａとを別体としたものであり、
外輪ケース２５′を非磁性体材料で作り、そこにリング
状の磁性体板２５ａ′を加締め固定したものである。

第４実施例の場合は、外輪ケースのフランジ部２５ａ、
２５ａ’により磁力を受ける面積が拡大されているので
、大形の磁石を数少なく設置すれば良い。

又、第７図の実施例にあっては漏洩磁束による幣害が防
止できる。

第４実施例の他の構造釦よび作用については上記実施例
と同様である。

第９図は本発明の第５実施例である。

本実施例において磁石２２０は外輪８に一体に形成され
たボス部８ａの数個所に埋設されて釦り、スリーブ３の
フランジ３ｂは磁性体で作られている。

したがって磁石２２０の吸引力により軸受はスリーブ３
のフランジ３ｂに接触保持される。

第１０図は第９図に示す第５実施例の変形例であり、外
輪８のフランジ３ｂ側端部内面に固定されたシール体２
９により磁石２２０が支持されている。

第５実施例の他の構造、作用は上記実施例同様である。

第１１図は第６実施例を示している。

上記実施例はいずれも内輪がクラッチ装置のトルク伝達
部材に接触して回転するいわゆる内輪回転型であったが
、第６実施例は外輪がトルク伝達部材に接触して回転す
る外輪回転型のものである。

すなわち、第１１図に卦いては、外輪２８はトルク伝達
部材との接触面を有して回転可能に形成されてふ・す、
固定側の内輪２１に対向するスリーブ３のフランジ３ｂ
の部分に磁石２０が埋設されている。

内輪２７の他端はスリーブ３０ベース３ａに固設された
支持部材３０により軸方向に支持されている。

この第６実施例の他の構造卦よび作用については外輪２
８が回転し、又内輪２７を介して軸受が磁石２０により
吸引保持される点を除いて上記各実施例と同様である。

第１２図は第７実施例であり、外輪回転型のものである
。

内輪２７のフランジ部２７ａに磁石２２０が埋設されて
いる。

作用については第６実施例と同様である。

第１３図は本発明の第８実施例を示すものである。

上述の実施例はいずれもフライホイールの回転中心線と
クラッチレリーズ用軸受の中心線との間の偏心を調心す
るものであったが、本実施例のばあいそのような調心の
みならず両軸心間の傾きをも修正するものである。

第８実施例に釦いて軸受４の外輪８とスリーブ３のフラ
ンジ３ｂとの間には外輪８と球面接触する磁性体から成
るリング状の案内プレート１００が挿入されている。

外輪８と案内プレート１００の接触面はともに、第１３
図左方向に位置する軸受中心線上のある一点を中心とす
る円弧の一部として形成されて訃り、軸受４がある角度
範囲を傾きうるようになっている。

第８実施例の他の構造は第１図のものと同様である。

以上の構造であるので、フライホイールの回転中心線と
クラッチレリーズ軸受間に偏心があるばあい、上述の実
施例と同様調心作用が起る。

その時両軸心間に傾きがあれば、軸受４は案内プレート
１００上を滑って傾き軸受４の中心線はクラッチ装置の
回転中心線に一致し、その位置に軸受４は磁石２０を介
して保持される。

第１３図にかいては、内輪回転型のものとして例示した
が、外輪回転型の軸受のばあい内輪とスリーブとの間に
同様な案内プレートを設ければよい。

以上の如く、本発明によれば簡単な構造をもって、フラ
イホイールの回転中心線とクラッチレリーズ軸受の中心
線との偏心、ふ・よび円中心線間の傾きを確実に修正し
、その修正位置に軸受を保持することができる。

さらに又本発明によれば、次に列記する如き種種の効果
がある。

（１）永久磁石を使用しているので機械的な破損がなく
長期の使用が可能で容易である。

（２）軸受内輪又は外輪の固定側のものがスリーブの直
角な面に磁力結合であり、圧接していないのでトルク伝
達部材と軸受が軽く接触した程度で容易に調心し、した
がってトルク伝達部打釦よび軸受の摩耗が極めて軽微に
なる。

（３）磁力結合によって軸受がフローティングした形で
保持されているので、移動摩擦が小さく小さな偏心に対
しても、放射方向のいずれにも均一にむらなく調心する
。

したがって、大きな偏心はもとより小さな偏心も容易に
とることができる。

（４）本発明の構成は永久磁石をスリーブのフランジ又
は外内輪の側面に埋設したり、シールに嵌装したので軸
受中または軸受よりわずかに巾がひろい程度のため、ク
ラッチ装置の設計の際にしばしば問題とされるクラッチ
軸受巾寸法（エンジン側とミッション側の双方から設計
し双方の制約の下にクラッチ軸受の巾がきめられる）１
の制約をうけて使用できないという事がない。

（５）永久磁石を単にスリーブ、シールなどに埋設した
りケース内に保持するなどしているので、製造組立など
が容易となる。

（６）案内プレート（球面座）を使用した場合にはフラ
イホイールの中心線と軸受中心線間に傾きがあっても容
易に修正される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の要部軸方向断面図、第２
図は第１図の■−■線矢視方向断面図、第３図は第１実
施例に使用する永久磁石の１例を示す斜視図、第４図は
同様な永久磁石の別の例を示す平面図、第５図は本発明
の第２実施例の要部軸方向断面図、第６図は第３実施例
の要部軸方向断面図、第７図は第４実施例を示す要部説
明図、第８図は第４実施例の変形例を示す要部説明図、
第９図は第５実施例の要部軸方向断面図、第１０図は第
５実施例の変形例の要部軸方向断面図、第１１図は第６
実施例の要部軸方向断面図、第１２図は第７実施例の要
部軸方向断面図、第１３図は第８実施例の要部軸方向断
面図である。 主要部分の符号の説明 ３・・・・・・スリーブ、４・
・・・・・軸受、７，２７・・・・・・内輪、８，２８
・・・・・・外輪、２０．１２０，２２０・・・・・・
磁石、１００・・・・・・案内プレート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ トランスミッション装置のフロントカバー上に摺動
   可能なスリーブと、該スリーブ上に設けられ、クラッチ
   レリーズ時に内輪もしくは外輪のいずれかがトルク伝達
   部材に接触して回転する軸受とから戒るクラッチレリー
   ズ軸受装置に公いて、磁力による吸引作用によりフライ
   ホイールの回転中心線に直角な方向への上記軸受の移動
   を制限する磁石を設け、 フライホイールの回転中心線と該軸受の軸中心線との間
   に偏心があるばあい、前記軸受は前記トルク伝達部材に
   接触して回転する際の求心作用により調心位置に移動し
   、上記磁石により該調心位置に保持されることを特徴と
   する磁石を使用したクラッチレリーズ装置の自動調心装
   置。 ２、特許請求の範囲第１項に記載の装置に釦いて、軸受
   の内輪もしくは外輪軌道輪のうち固定軌道輪は、前記ス
   リーブの一方の側面と接触して装着された案内プレート
   に対して球面接触して釦り、したがってフライホイール
   の回転中心線と前記軸受の中心線とに傾きがある場合、
   前記軸受は前記求心作用により前記案内プレートに対し
   て傾いて前記軸受の軸中心線がフライホイールの回転中
   心線に一致し、かつ前記磁石によりその位置に保持され
   ることを特徴とする磁石を使用したクラッチレリーズ軸
   受の自動調心装置。