JPS5838258B2 - 金型の型合せ方法及び型合せ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金型交換装置における型合せ精度の向上を図
った金型の型合セ方法及び型合せ装置に関するものであ
る。

近時、プレス作業による製品の豊富化、多様化、あるい
は製品寿命の短縮化などにより、実際の作業現場におい
ては、多品種少量生産の形態が多くなっている。

この場合、例えばプレス加工では、加工作業が変わるご
とにプレス機に対する金型の交換が必要となり、上述し
たような多品種少量生産では、プレス作業全体における
型の取付け、交換作業などの準備作業、いわゆる段取り
作業の占める割合が増大し、プレス機の稼動率の低下を
招く原因となっている。

そこで、上述した段取り作業の短縮化と簡略化を図るた
めに、プレス機に対する金型の取付け、交換及び位置決
めを短時間で行えるようにした、いわゆるクイックダイ
チェンジ装置と呼ばれる金型交換装置が各種考え出され
、また一部では実用化されている。

例えば、この種の金型交換装置としては、特公昭４６−
７６６８号公報にみられるように、上下動するスライダ
の案内溝内に、金型等の装着されたベースプレートを挿
入し、スライダを空圧、油圧などを用いた駆動手段によ
って上下動させて、ベースプレートの取付け面にクラン
プすると同時に、前記取付面に突設された位置決めピン
を、前記ベースプレートに穿設された孔に挿入して位置
決めを行うようにした装置がある。

また、装置の簡略化及び取扱いの容易さを図った金型交
換装置として、本出願人は、第１図に示すような金型交
換装置を提案している。

この第１図に示す金型交換装置は、ガイドポスト１によ
り上下動が案内されるグイセットの上台２及び下台３に
、抜止縁４を有する断面が略Ｌ字状の固定枠５をそれぞ
れ設け、この固定枠５間に、あらかじめ型合せのされた
金型６が取付けられたベースプレート７を挿入し、次に
前記上台２及び下台３内に沈んでいる４本の位置決めピ
ン８を、空圧、油圧、あるいはピニオンーラック機構な
どにより突出させて、前記ベースプレート７の位置決め
孔９に嵌入する構成になるものである。

しかして、上述したような金型交換装置を用いれば、金
型６の装着されたベースプレート７の交換作業が一動作
で行えるようになり、金型交換作業の簡略化と交換時間
の短縮化が図れるようになる。

ところでこの場合、前記ベースプレート７に対する金型
６の取付け及び型合せ作業は、プレス機の稼動中、ある
いはその前後に、外段取り作業として行われ、この型合
せ作業を正確に行うために一般には金型交換装置とは別
に、ダイセッターと呼ばれる型合せ専用ダイセットを準
備する。

すなわち、ダイセッターの土台及び下台に、それぞれ上
型及び下型の取付け用のベースプレート７を固定し、前
記下台に対して土台を下降させ、上型と下型が最適なク
リアランスを保つように上型と下型の取付け位置を決定
し固定する。

この場合、ダイセッターの土台と下台には、第１図に示
す金型交換装置の上台２及び下台３の位置決めピン８に
正確に対応した位置に位置決めピンが突設され、この位
置決めピンにベースプレート７の位置決め孔９を嵌入さ
セることによって、グイセッター側でのベースプレート
７の位置決めを行っているものである。

したがって、金型交換装置側の各位置決めピン８の配設
位置と、ダイセッター側の各位置決めピンの配設位置が
、正確に対応していれば、ダイセンターによって型合せ
作業の終了したベースプレート７を、第１図に示す金型
交換装置側に装着した場合にあっても、上型と下型のク
リアランスは、ダイセッターで設定したと同様の精度を
もって実現されることになるはずである。

しかしなから状際は、金型交換装置側の各位置決めピン
８の配設位置とダイセッター側の位置決めピンの配設位
置を正確に対応させることは、製造上きわめて困難であ
り、ダイセッターの工作上の誤差をまぬがれ得ない。

したがって、グイセッター側で正確な型合せ作業ができ
たとしても、ベースプレート７を金型交換装置側に取付
けた場合、グイセッターの工作誤差分だけ型ずれが生ず
るという問題点があり、この型ずれを数μｍ以下に抑え
ることはきわめて困難であった。

さらに、グイセッターを用いて型合せを行う上述した方
式では、金型交換装置とは別にグイセッターを準備する
必要があり、コスト的にも高くなるという問題点があっ
た。

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、
金型交換装置に用いられるベースプレートには、正確に
位置決めされた位置に、位置決め孔が穿設されている点
に着目し、このベースプレートの前記位置決め孔に、直
接ガイドポストを挿通させて、一対のベースプレートを
ダイセット形式に組立て、各ベースプレートに対する上
型及び下型の取付けと型合セを行うようにすることによ
り、ダイセッターを不要とし、くたがってグイセッター
の工作誤差による型ずれが生ずることなく、クリアラン
スを高精度に維持でき、しかもコスト低減を図ることの
できる金型の型合せ方法及び型合せ装置を提供すること
を目的とするものである。

以下、図面を参照して本発明による金型の型合セ方法及
び型合せ装置の一実施例について説明するに、まず金型
交換装置に用いられるベースプレートについて述べる。

第２図は、金型交換装置に用いられるベースプレート７
の一例を示す平面図である。

このベースプレート７は、例えば前述した第１図に示す
金型交換装置の固定枠５の設置間隔に応じて外形寸法及
び厚みが規格化されており、さらに、その縦横方向の直
交する二側面が、例えば側面７ａと７ｂとが直角二基準
面として位置決めの基準となっている。

すなわち、この直角二基準面を基準として、例えば金型
取付けのための加工や取付け位置の決定を行うことがで
きるようになっている。

しかして、このベースフ゜レート７には、前言己直角二
基準面から厳密に規定され、かつ第１図に示す位置決め
ピン８と正確に対応する隅角部近傍の所定位置に、前記
位置決めピン８と同径の２個以上（図示実施例では４個
）の位置決め孔９が形或された構或になり、このように
構威されたベースプレート７が、交換される金型数に応
じた枚数だけ準備される。

したがって、準備されたベースプレート７を、第１図に
示す金型交換装置に対して装脱を繰り返しても、各ベー
スプレート７は、上台２あるいは下台３の同一位置に保
持されるようになる。

次に、上述したベースプレート７を一組のグイセット形
式に組立てて、本発明による型合せ方法を実現するため
の型合せ装置を、第３図に示す。

この第３図において、１１は、本発明の型合せ装置を組
立てるための治具としてのガイドポストであり、１２は
、このガイドポスト１１を、上型及び下型が取付けられ
る一対のベースプレートの一方に立設固定するためのク
ランプナットである。

ここで、前記ガイドポスト１１は、その一端部に前記ク
ランプナット１２が螺合するねじ部１１ａが形或され、
このねじ部１１ａに続いて第２図に示すベースプレート
７の位置決め孔９に嵌入する嵌入部１１ｂが形成されて
いる。

この嵌入部１ｌｂは、前記位置決め孔９の内径にほぼ等
しい外径を有する円柱状に形成され、位置孔め孔９に隙
間なく嵌入するようになっている。

さらに、１１ｃは、前記嵌入部１１ｂに続く大径部であ
り、このガイドポスト１１をベースプレート７の位置決
め孔９に立設する際に、前記クランプナット１２ととも
にベースプレート７を挾み込むフランジ部となっている
。

この場合、ガイドポスト１１をベースプレート１上に正
しく垂直に立設するために、前記嵌入部１ｌｂの嵌入面
１１ｄと大径部１１ｃのベースプレート７との当接面１
１ｅとが正確に直交するよう加工されている。

また１１ｆは、前記嵌入部１１ｂの中心線上にこの嵌入
部１ｌｂと同径、すなわち、ベースプレート７の位置決
め孔９の内径とほぼ等しい外径をもって形或された案内
部である。

すなわち、本発明の型合せ装置は、その長手力向両端部
近傍に、ベースプレート７の位置決め孔９に隙間なく嵌
入する同心、かつ同径の円柱部を有するガイドポストを
用いて、金型が取付け固定される一対のベースプレート
を直接ダイセット形式に組立てたものである。

しかして、上述した第３図に示す治具を用いて、一対の
ベースプレートＩをグイセット形式に組立てた本発明の
型合セ装置を第４図ａ７ｂにより説明する。

第４図ａは、第３図に示す治具を用いて、一対のベース
プレート１を、グイセット形式に組立てた場合の一部側
面図、第４図ｂは全体の概略斜視図である。

まず、上型及び下型が取付け固定される一対のペースプ
レート７をそれぜれ７Ａ及び７Ｂとして、この一対のベ
ースプレート７Ａ，７Ｂに対して、少なくとも２本のガ
イドポスト１１（図示実施例では４本のガイドポスト）
を用意し、ベースブレ−｝７Ｂの位置決め孔９に前記ガ
イドボスト１１の嵌入部１ｌｂを嵌入する。

しかる後、ベースプレー｝７Ｂの底面から突出したねじ
部１１ａに、クランプナット１２を螺合して締付け固定
する。

この場合、前述したように、前記嵌入部１１ｂの嵌入面
１１ｄと、大径部１１ｃのベースプレー｝７Ｂへの当接
面とは、正確な直角度をなすよう形成されているので、
ベースプレー｝７ＢＫ対してガイドポスト１１は正しく
垂直に立設される。

このようにして、一方のベースプレート７Ｂ上に立設さ
れたガイドポスト１１に対して、その案内部１１ｆから
他方のベースプレー｝７Ａの位置決め孔９を嵌入させ、
一対のベースプレート７Ａ及びγＢをダイセット形式に
組立てる。

しかして、前記ガイドポスト１１の嵌入部１１ｂと案内
部１１ｆとが同心、かつ同径であることから、一対のベ
ースプレー｝７Ａ及び７Ｂは、それぞれの位置決め孔９
が正確に対応するような位置関係を保って、案内部１１
ｆにより上下動が案内されるようになるものである。

こノ状態において、例えば一方のベースプレー｝７Ｂに
取付げられた下型１３と、他方のベースプレー｝７Ａに
取付けられた上型１４とが、適正なクリアランスをもつ
よう各型１３及び１４の取付け位置を決定してベースプ
レート７Ａ，７Ｂに固定すれば、型合せ作業が完了する
。

この場合、上型１４及び下型１３の高さに応じて、一対
のベースプレー｝７Ａ及び７Ｂ間に適宜高さのスペーサ
を介在させる、あるいは、ガイドポスト１１の外周に適
宜張力のばねを巻装するなどして、一対のベースプレー
｝７Ａ及び７Ｂ間の対向間隔を一定値に調整できるよう
にしておけば、型合せ作業が容易化される。

しかる後、ガイドポスト１１の案内部１１ｆから他方の
ダイプレート７Ａを抜出し、またクランプナット１２を
ねじ部１１ａから外して、一方のベースプレート７Ｂか
らガイドポスト１１を抜き取れば、型合せされた下型１
３及び上型１４がそれぞれ取付け固定された一対のベー
スプレート７Ａ及び７Ｂが得られる。

この場合、上述したようにして型合せされたベースプレ
ー｝７Ａ及びＩＢを、例えば第１図に示す金型交換装置
に装着した際に生ずる型ずれの原因としては、第１図に
示す上台２から突出する位置決めピン３と、下台３かも
突出する位置決めピン２の対応関係のずれが考えられる
。

しかしながら、この金型交換装置側の工作上の誤差は、
精密加工により数μｍ以下に抑えることは容易であるの
で、本発明による型合せ方法では、前記型ずれを数μｍ
以下にすることができるようになる。

これに対し、型合せ作業をダイセッターを用いて行う従
来の方法では、金型交換装置側の工作上の誤差に加えて
、ダイセッター側での工作上の誤差も型ずれの原因とな
る。

すなわち、金型交換装置側とダイセッター側の位置決め
ピンの対応関係のずれと、ダイセッター側の土台及び下
合間の位置決めピンの対応関係のずれが、型ずれの原因
として含まれるようになるので、型合せ作業が終了した
後のベースプレートを金型交換装置に装着した場合にお
ける型ずれを数μｍ以下に抑えることはきわめて困難と
なっているのに対して、本発明による型合せ方法によれ
ば、金型交換装置に装着後の型ずれがきわめて少な《、
数μｍ以下の高精度にプレス加工ができるようになるも
のである。

また、簡単な治具によって一対のベースプレートを型合
せ装置として組立てることができ、ダイセッターが全く
不要となるので、金型交換システムを安価に構或でき、
さらに、グイセッターの土台に相当する部分が、一枚の
ベースプレートにより構或されているので、型合せ作業
時に、上型を下型に対して上下動させる際に、ベースプ
レートの装着された土台を上下動させる従来の方式に比
べて少ない労力で作業ができる、という利点もある。

ところで、上述した実施例では、ガイドポスト１１の案
内部１１ｆに直接ベースプレート７の位置決め孔９を挿
入するようにしているが、ベースフレート７の板厚が薄
い場合は、このベースプレート１の上下動が円滑でなく
なるおそれがある。

このような場合は、第５図ａ，ｂに示すように、ベース
プレート７Ａに対して、ガイドプロツク１５を取付ける
ようにすればよい。

すなわち、第５図ａに示すように、ベースプレート７の
位置決め孔９と同心状に透孔１５ａを設け、この透孔１
５ａに、前記位置決め孔９と等しい内径の、例えばリニ
アボールベアリングなどをプッシュ１６として圧入装着
する。

さらに、前記ベースプレート７Ａに透孔７ｃを穿設し、
この透孔７ｃと同心状に、ガイドブロツク１５側にぬじ
孔１５ｂを形戒する。

しかして、第５図ｂＶＣ示すように、ベースプレート７
Ａとガイドブロツク１５とを重合せて、クランプボルト
１７により締付け固定すれば、ガイドポスト１１の案内
部１１ｆに対する、ベースプレート７Ａとがガイドブロ
ツク１５かもなる重合体の摺動面積が大きくなるので、
板厚の薄いベースプレー｝７Ａについても、その上下動
の円滑さが大幅に改善されるようになるものである。

そのほか本発明は、上記し、かつ図面に示した実施例に
限定されることなく、その要旨を変更しない範囲で、種
々変形して実施できるものである。

以上述べたように、本発明によれば、金型変換装置の基
台上に一対の金型な装着させる前工程として上記一対の
金型の型合セを行なう方法及び装置において、上記ベー
スプレートに予じめ形威された位置決め孔をガイドポス
トの上下に外挿させて該ガイドポストの上下に対向方向
に摺動自在として上記一対のベースプレートを取付ける
と共に該一対のベースプレートの夫々に上記一対の金型
を型合せして取付け固定させ、その後上記一対の金型が
取り付けられたベースプレートを上記ガイドポストから
分離して上記金型交換装置の基台に装置させるようにし
たので、例えば従来のグイセッターを用いて型合せを行
う場合のグイセッターの上下位置決めピンの突出位置に
基づく工作誤差を全く含まず、ベースプレートを金型交
換装置に装着した場合における型ずれがほとんどなく、
プレス加工を高精度で行うことが出来るというすぐれた
効果がある。

また、本発明による金型の型合せ方法及び型合た装置で
は、比較的重量のあるグイセッターが不要となり、簡単
な構造の治具により高精度の型合せ作業が実現できる型
合せ装置が構或できるので型合せ作業の作業性の向上が
図れるとともに、金型交換システムを安価に構成でき、
コスト低減を図る上からも得られる効果はきわめて犬で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、金型交換装置の一例を示す概略構成図、第２
図は、金型交換会置に用いられるベースプレートを説明
するための図、第３図は、本発明による型合せ装置に用
いる治具の一実施例を示す図、第４図ａ，ｂは、第３図
に示す治具を用いて一対のベースプレートをグイセット
形式に組立てた本発明の型合せ装置の一実施例を示す要
部側面及び概略全体構或図、第５図ａ，ｂは、本発明に
よる型合せ装置の他の実施例を示す要部斜視図及び要部
側面図である。 ７・・・ベースプレート、８・・・位置決めピン、９・
・・位置決め孔、１１・・・ガイドポスト、Ｉｌａ・・
・ねじ部、１ｌｂ・・・嵌入部、１１ｆ・・・案内部、
１２・・・クランプナット。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金型交換装置の基台上に突出する位置決めピンに対
   応して複数個の位置決め孔が形成された一対のベースプ
   レートの夫々に一対の金型を型合せして取付け固定する
   金型の型合せ方法において、前記一方のベースプレート
   に対して他方のベースプレートを対向方向に摺動案内さ
   せるようになるガイドポストの上下に前記一対のベース
   プレートの前記対向する位置決め孔を外挿してグイセッ
   ト形成にすると共にこの一対のベースプレートのそれぞ
   れに金型を取付げて型合せを行う工程の終了後に前記一
   対の金型が取付け固定されたベースプレートを前記ガイ
   ドポストから取りはずして前記金型交換装置の基台に装
   着するようにしたことを特徴とする金型の型合せ方法。 ２ 金型交換装置の基台上に一対の金型な装着させる前
   に該一対の金型の型合セを行う治具としての金型の型合
   せ装置において、金型交換装置の基台上に突出する位置
   決めピンに対応して複数個の位置決め孔が形或され、そ
   れぞれに金型の上型及び下型が取付けられるようになる
   一対のベースプレートと、一端部近傍に前記一方のベー
   スプレートの位置決め孔に嵌入する嵌入部が形或され、
   かつ他端部に前記他方のベースプレートの位置決め孔に
   嵌入されてこの他方のベースプレー｝（７）上下動を案
   内する案内部が前記嵌入部と同心状に形成されてなるガ
   イドポストと、このガイドポストを前記一方のベースプ
   レートに立設固定する締付け部材とを有し、前記一対の
   ベースプレートが前記ガイドポストを介して対向方向に
   摺動自在としてグイセット形式に組立てられてなること
   を特徴とする金型の型合せ装置。