JPS583674B2 - 酵素または微生物菌体の固定化法 - Google Patents

酵素または微生物菌体の固定化法

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JPS583674B2
JPS583674B2 JP2690676A JP2690676A JPS583674B2 JP S583674 B2 JPS583674 B2 JP S583674B2 JP 2690676 A JP2690676 A JP 2690676A JP 2690676 A JP2690676 A JP 2690676A JP S583674 B2 JPS583674 B2 JP S583674B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光硬化性多不飽和樹脂粒子の水分散液を用いて
酵素または微生物菌体を固定化する方法に関するもので
ある。
酵素を固定化する方法の内で酵素または微生物菌体の包
括法による固定化法は酵素自身とは結合を起させること
なく、ゲルの微細な格子の中へ酵素などを取りこむため
、多くの種類の酵素や微生物菌体に普遍的に使用できる
可能性があると共に、固定化された酵素などの活性も高
く、酵素の固定にはきわめて有用な方法であるが、酵素
または微生物菌体を包括してその溶離を防ぎ、しかも基
質の透過性がよいという選択透過性のすぐれた固定化物
質が要求される。
従来、この包括法による酵素などの固定化に関しては、
親水性低分子モノマー、すなわちアクリルアミド、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレートなどき酵素または微生物菌体の
水懸濁液とを均一に混合してそのまま重合させて酵素ま
たは微生物菌体を固定化する方法がとられていた。
しかしこの方法では重合によって生成する多孔質ゲルの
孔径を任意に調節することはむずかしく、したがって基
質の透過性を保ちつつ酵素の溶離を防ぐいわゆる選択透
過性を適切に調節することがむずかしいため、酵素など
の溶離や脱離が著しい欠点を有する。
また、ゲル状の沈澱粒子として生成した固定化樹脂は、
樹脂生成後、繊維状、フイルム状などに成型加工するこ
とがきわめてむずかしい。
また、多官能性樹脂の水溶液に酵素または微生物菌体を
均一に混合してなる水懸濁液に活性光線を照射する固定
化法も試みられている。
この方法ではあらかじめ酵素などを重合体分子からなる
格子にとじこめて溶離せず、しかも基質を通しやすい格
子の大きさとなるように樹脂中の光硬化性を有するエチ
レン性不飽和基間の分子量をあらかじめ調節した水溶性
の光硬化性樹脂が用いられる。
この方法によれば前記ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類などの親水性モノマーの重合による酵素固定
化法にくらべて選択透過性は良好になり、また光照射と
同時にフイルム状などの任意の形態に成形して硬化させ
ることが可能である。
しかしながら、これに用いられる光硬化性樹脂は前述し
たように水溶性の樹脂骨格を有し、酵素などを溶離せず
、基質を通しやすい格子の大きさとなるように、光硬化
性を有するエチレン性不飽昭基間の分子量をあらかじめ
調節しなければならないため、樹脂構造、分子量や不飽
和度(単位樹脂量当りの不飽和基のモル数)に制限があ
り、また樹脂の光硬化性や、光硬化して得られたフイル
ムなどの機械的強度を向上させるために不飽和度や分子
量を任意に変化させることが困難であった。
そのため、特に機械的強度を要求される場合は他の樹脂
を混合したり、合成物、天然物を基材として用いなけれ
ばならないが、この場合も他種樹脂との相溶性や基材と
の密着性が良くないという欠点があった。
本発明者らはこれらの欠点を改良すべく鋭意研究の結果
、粒径0.01μ〜1μの粒子状であって、かつその表
面に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する光
硬化性樹脂粒子を水中に分散してエマルションとし、こ
れに酵素または微生物菌体の水懸濁液を加えて光照射し
て酵素または微生物菌体を固定したところ、酵素などを
包括し、基質のみを透過させる選択透過性の調節が、光
硬化性樹脂粒子の粒径の調節によって容易に可能であり
、従って樹脂の光硬化性や、固定化物の機械的強度を向
上させるための樹脂構造、分子量や不飽和度の調節が任
意に行なえるため、すぐれた機械的性質を有する酵素ま
たは微生物菌体の固定化物が得られることを見出し、本
発明を完成した。
すなわち本発明は、0.01μ〜1μ(好ましくは50
mμ〜600mμ)の粒径を有し、該粒子の表面に該粒
子1個あたり少くとも2個のエチレン性不飽和結合を有
する光硬化性多不飽和縮重合体粒子の水中分散液に、酵
素または微生物菌体を添加し、これに活性光線を照射す
ることを特徴とする酵素または微生物菌体の固定化方法
に関するものである。
本発明は、酵素または微生物菌体を光硬化性樹脂粒子間
に包括し、この粒子相互間を光照射により架橋して固定
化物を得る方法であり、従来の親水性モノマーの重合に
よる多孔質ゲル固定化法や水溶性光硬化性樹脂分子の不
飽和基間分子量を調節して光硬化させる固定化法にくら
べて、固定化樹脂の孔径を立体的に規定するので溶離酵
素または微生物菌体の割合が非常に少く、しかも基質の
透過性は良好である。
光硬化性樹脂の粒子径は0.01μ〜1μの範囲、好ま
しくは50mμ〜600mμの範囲である。
粒径が0.01μより小さくなると酵素または微生物菌
体を包括する孔径が小さくなりすぎて酵素活性が低下し
また粒子はコロイドエマルジョンとなり、粘度が上昇す
のため作業性ば低下する。
また粒径が1μより大きくなると孔径が大きくなりすぎ
て酵素活性が低下しまたエマルションの安定性が悪くな
る。
光硬化性樹脂粒子は光照射により粒子相互間架橋をさせ
るため、粒子となる光硬化性樹脂は光重合可能なエチレ
ン性不飽和基が各樹脂粒子の表面に少くとも2個以上あ
ることが必要である。
粒子相互間架橋を確実に行なわせるために1官能性また
は多官能性の光硬化性不飽和樹脂を併用することは一向
にさしつかえない。
エマルションの安定化が劣る場合は樹脂粒子に親水基を
有せしめるかまたはエマルションに乳化剤、安定剤など
を加えることができ、この場合には酵素活性に悪影響を
及ぼさないものを用いることが好ましい。
また有機溶媒を含有してもさしつかえないが、酵素活性
に悪影響をおよぼす有機溶媒などは含有しない方が好ま
しい。
多官能性不飽和樹脂中に有せしめる親水基は非イオン性
、イオン性のどちらでも良いが、イオン性親水基の場合
、酸価があまり高くない方が好ましい(酵素反応はpH
4〜8程度に最適pHをもつものが多いため)。
酵素固定化には上記したごとく活性光線を使用するので
硬化時に温度が上昇することがなく、固定化される酵素
または微生物菌体の活性をそこなうことがない。
得られる固定化物の機械的性質は、光硬化性不飽和樹脂
の高分子量化や、樹脂組成、不飽和度によって調節が容
易なため、従来の親水性モノマーの重合による多孔質ゲ
ル固定化法や、水溶性光硬化性樹脂分子の不飽和基間分
子量を調節して光硬化させる固定化法で得られる固定化
物にくらべてきわめてすぐれている。
また、多官能性不飽和樹脂エマルション自体は塗料とし
て用いられるほどであるから物質に対する密着性も良く
、従って、固定化物の機械的強度を更に補強するため、
合成物、天然物などの基材に含浸させたり、物体に塗布
して用いても非常に良い結果が得られる。
本発明に用いられる粒子状の光硬化性縮重合体の水中分
散液は上記の限定中に含まれるものであればいずれでも
よく、たとえば1粒子表面に少くとも2個のエチレン性
不飽和結合を有する固体もしくは液状のポリマー(附加
重合体もしくはポリ縮合体)であり、必要ならば界面活
性剤(乳化剤)を添加し、または塩基性物質もしくは酸
性物質を添加し、そのポリマー中の酸性基もしくは塩基
性基と造塩せしめ、水分散性をさらに増大させたうえて
機械的に水中に分散させて得られる水中分散液があげら
れる。
その1粒子表面に少くとも2個のエチレン性不飽和結合
を有する固体もしくは液体のポリマーの具体例として次
に示すものがある。
1)無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水イタコン酸などの不飽和多価カルポン酸の少く
とも一種とまたはこれらとトリメリット酸、無水トリメ
リット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸などの
飽和多価カルボン酸の少くとも1種とから願る多価カル
ボン酸成分と、多価アルコールとのエステル化によって
得られる酸価が約40未満の不飽和ポリエステル(数平
均分子量は約1000以上好ましくは約3000以上)
2)無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水イタコン酸などの不飽和多価カルポン酸の少な
くとも1種と1分子中に3個より多いヒドロキシル基を
有する多価アルコールを少なくとも5重量%含む多価ア
ルコールとのエステル化物またはこのエステル化物中の
ヒドロキシル基に酸無水物を反応させた酸価40以下の
不飽和ポリエステル類(数平均分子量約1000以上、
好ましくは約3000以上)。
3)不飽和エポキシド類;nモルのグリシジル基を有す
るエピコート828,1001,1004(シェルケミ
カル社製、商品名)などの多価グリシジル化合物と(n
−2)モルのカルボキシル基を有するマレイン酸、アジ
ピン酸、トリメリフト酸などの多価カルボン酸と2モル
の(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボキシル化合物
との付加反応物またはこれらに残存するヒドロキシル基
に酸無水物を付加した酸価40未満の不飽和エポキシド
類;nモルのグリシジル基を有する該多価グリシジル化
合物と(n+2)モルのカルポキシル基を有する該多価
カルボン酸との付加反応物に残存するヒドロキシル基に
酸無水物を付加させた化合物に(メタ)アクリル酸グリ
シジルなどの不飽和グリシジル化合物を反応させた酸価
40未満の不飽和エポキシド類など。
4)アニオン性不飽和アクリル樹脂類;ここでいうアニ
オン性不飽和アクリルとは、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステルの共重合体であり、 C+5P+1OS=A (1) 〔ここでCは樹脂中のカルボキシル基の濃度(mol/
kg)、Pは樹脂中のリン酸基濃度(mol/kg)、
Sは樹脂中のスルホン酸基濃度(mol/kg)である
〕。
(1)式のAが0.8未満(mol/kg)であり、樹
脂中の光重合可能なエチレン性不飽和基の濃度が0.1
〜5(mol/kg)である樹脂のことをいう。
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルの共
重合体は公知の方法で合成される。
樹脂中にカルボキシル基を導入するには、(メタ)アク
リル酸などの不飽和カルボキシル化合物を、リン酸基を
導入するにはホスマーM、ホスマーcl(両者とも油脂
製品株式会社製品、商品名)などの不飽和リン酸エステ
ルを、スルホン酸基を導入するためには(メタ)アクリ
ル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−3−ス
ルホプロピルなどの不飽和スルホン酸エステルを共重合
体成分として選定すればよい。
樹脂中に光重合可能なエチレン性不飽和基を導入するた
めには共重合体中に存在するカルボキシル基、リン酸基
、あるいはスルホン酸基に(メタ)アクリル酸グリシジ
ルなどの不飽和グリシジル化合物を反応させることによ
って可能となる。
5)カチオン性不飽和アクリル樹脂類;(メタ)アクリ
ル酸−2−ジエナルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
−tert−ブチルアミノエチル、ビニルピリジンなど
の不飽和アミノ化合物を5重量%より少い量を含む(メ
タ)アクリル酸エステルの共重合体に(メタ)アクリル
酸グリシジルなどの不飽和グリシジル化合物を反応させ
た不飽和アクリル樹脂、ポリスチレンをクロロメチル化
後、不飽和アミン化合物で4級化した不飽和アクリル樹
脂、ポリエチレンイミンと不飽和グリシジル化合物との
付加物などがあげられる。
6)ポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸との
ポリエステル類;分子量400〜10000で30重量
%以上のプロピレンオキシド基を含むポリエチレングリ
コールの(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン
酸のジエステル、nモルの無水マレイン酸などの2塩基
酸、n+1モルの分子量600以下のポリエチレングリ
コールおよび2モルの(メタ)アクリル酸などの不飽和
モノカルボン酸のエステル化物、4モルのトリメリット
酸などの3塩基酸と3モルの分子量600未満のポリエ
チレングリコールおよび6モルの(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステルなどのエステル化物などがあ
げられる。
7)ポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチルとのウレタン化付加物類;nモルのト
リレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア不一ト
、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジインシアネ
ート、n−1モルの分子量800未満のポリエチレング
リコールおよび2モルの(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどの不飽和モノヒドロキシ化合物とのウレ
タン化物;1モルのトリメチロールプロパンなどの3官
能ヒドロキシ化合物と4モルのジイツシアネート、2モ
ルの分子量1400未満のポリエチレングリコールおよ
び2モルの(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルな
どの不飽和モノヒドロキシ化合物とのウレタン化物に無
水マレイン酸、無水コハク酸などの酸無水物を反応させ
たカルボキシル化ウレタン化物などがあげられる。
8)公知の方法で合成された酸価50〜230の(メタ
)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルを含む共重
合体の樹脂中の酸基に(メタ)アクリル酸グリシジルま
たはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの不
飽和グリシジル(またはヒドロキシ)化合物を反応させ
て得られる酸価が約60以下(数平均分子量約300以
上、好ましくは約3000以上)および不飽和度0.5
〜3.0の不飽和アクリル樹脂などがあげられる。
9)本発明に用いられる光硬化性縮重合体の水中分散液
の他の例としては、ポリオキシエチレン鎖などの非イオ
ン性親水基を含み、かつ、1粒子中に少くとも2個のエ
チレン性不飽和結合を有する固体もしくは液状のポリマ
ー(付加重合体もしくはポリ縮合体)を必要ならば界面
活性剤を添加し、機械的に水中に分散させて得られる水
中分散液があげられる。
その固体もしくは液状ポリマーの具体例としては、nモ
ルの無水マレイン酸などの二塩基酸、n+1モルの分子
量600未満のポリエチレングリコールおよび2モルの
(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸のエス
テル化物;2モルのデスモジュールL(バイエル社製)
などのトリイソジアネートと1モルの分子量800未満
のポリエチレングリコールおよび4モルの(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチルなどの不飽和モノヒドロキ
シ化合物とのウレタン化物などがあげられる。
10)本発明に用いられる光硬化性縮重合体の水中分散
液の例として、親水性有機液体中でその有機液体に可溶
な分散安定剤存在下でエチレン性不飽和化合物を乳化重
合して得られる分散液中のビニル重合体および/または
該分散安定剤に、分散液製造後、エチレン性不飽和基を
導入し、必要に応じてポリマー中の酸性基もしくは塩基
性基を中和した後、該分散液に水を添加するか、または
該分散液から有機液体の一部または全部を水で置換して
得られる水中分散液があげられる。
この水中分散液製造の具体例としては、イソプロピルア
ルコール中で、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トが20重量%以上から成るビニルモノマーの共重合体
(分散安定剤)存在下で、アクリロニトリル10重量%
以上含むビニルモノマーを乳化重合して得られる分散粒
子ポリマーに、例えばこの分散安定剤および/または分
散粒子ポリマー中にグリシジル基がある場合は(メタ)
アクリル酸を、カルポキシル基がある場合は(メタ)ア
クリル酸グリシジルなどを付加させるなどの方法で不飽
和度0.5〜3.0の不飽和エマルションを合成し、必
要があればポリマー中の酸性基もしくは塩基性基を中和
してしかる後に水を加えてイソプロピルアルコールを減
圧除去する方法があげられる。
これらの光硬化性不飽和縮重合体は水中で粒子状でで散
するものであって、親水基の導入は分散安定性を保持す
るものである。
本発明の方法は多種多様の酵素ならびに微生物菌体に適
用して、そのすべてに活用を保存して固定化もしくは不
溶化の効果を与えることができる。
本発明の方法を適用しつる酵素を以下に示すがこれはご
く一例にすぎない。
好適な酵素の例としてはウレアーゼ、グルコースオキシ
ダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、
カタラーゼ、インベルターゼ、グルコースオキシダーゼ
カタラーゼ、ラクターゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、
α−ガラクトシダーゼ、アミノアシラーゼ、アスパルタ
ーゼ、ペニシリンアシダーゼ、ペニシリナーゼなどがあ
り、微生物菌体の例としてはラクトバチルス、ブルガリ
ス、アエロバクターアエロゲネス、バチルスズブチリス
、アゾトバクタービネランデイ、ブロテウス・ブルガリ
スなどを上げることができる。
本法で用いる光硬化性樹脂のエマルションと酵素または
微生物菌体の水懸濁液との混合液には光重合反応を促進
する目的で公知の光硬感剤を加えることができる。
たとえば、ベンゾイン、アセトインなどのα−カルボニ
ルアルコール類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンソインイソプロピルエーテル
アニソインエチルエーテル、ピバロインエチルエーテル
などのアシロインエーテル類;α−メチルベンゾイン、
α−メトキシベンゾインなどのα−置換アシロイン類;
ナフトール、ヒドロキシアントラセンなどの多環芳香族
化合物類;2−シアノー2−プチルアゾホルムアミドな
どのアゾアミド化合物類:硝酸ウラニル、塩化第二鉄な
どの金属類などが好適であり、その他メルカプタン類、
ジスルフイド類、ハロゲン化合物類、染料類なども使用
できる。
本法で用いる光硬化性エマルションと酵素または微生物
菌体の水懸濁液とからなる混合液は使用の目的に適した
形状に成形して活性光線を照射する。
その形状としては、活性光線の透過に支障のない範囲で
あればその厚さ、器壁の有無などについての制限はなく
、たとえば物体表面に塗布もしくは流延、積層し、透光
性容器に充填し、せんい状物体に含浸せしめ、もしくは
照射中空間を自由に流下せしめるなど任意である。
ここでいう物体には無機、有機の天然物、合成物お金属
類などが含まれる。
照射に用いる活性光線の光源としては、波長250〜6
00mμの光を発するものであればいずれでも使用可能
で、たとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、けい光灯、キセ
ノンランプ、カーボンアークランプ、太陽光などが用い
られる。
照射時間は通常1〜10分の範囲である。
不活性ガス中で照射をおこなうことは照射時間短縮のた
めに有効である。
実施例 1 アクリル酸n−ブチル619部、アクリル酸136部お
よびスチレン103部からなる共重合体にメタクリル酸
グリシジル142部を反応させた樹脂酸価45、不飽和
度10、数平均分子量30000の光硬化性樹脂を10
部とり、ベンゾインエチルエーテル0.1部を添加した
後、アンモニア水で1.0当量中和し、水10部を加え
てホモミキサーで攪拌して平均粒径50mμのエマルシ
ョンを作成した。
これに0.1Mリン酸緩衝液に懸濁させたプロテウス・
ブルガリス(菌体)1部を混合した混合溶液を、水平に
配置された厚さ3mmのガラス板上に厚さ1mmのスペ
ーサで内枠5cm×5cmの正方形を作って流し込み、
その上に厚さ0.2mmのポリエステルフイルムを密着
させ、フイルム上面から低圧水銀灯で5分間照射して固
定化菌体フイルムを作成した。
実施例 2 無水イタコン酸78部、数平均分子量600のポクエチ
レングリコール300部から成る光硬化性不飽和ポリエ
ステル(酸価30、分子量3700)樹脂10部と、ベ
ンゾインエチルエーテル0.1部を、ノニオン活性剤(
第一工業製薬社製エパン783)3%水溶液10部にホ
モミキサーで攪拌しながら加え、平均粒径100mμの
エマルションを作成した。
これに1%のウレアーゼ緩衝液を1部加え、実施例1と
同様な枠に流しこみ、その上に厚さ0. 5mmのポリ
エステル板を密着させ、その上面5cmから2KWの高
圧水銀灯で5分間光照射して固定化酵素成形膜を得た。
この成形膜を蒸溜水200mlで3回洗浄し、そのまま
0.01Mリン酸緩衝液にとかした0.01M尿素溶液
100mlに浸漬し、30℃で30分反応させた。
反応液を5mlとり、0.1NHCl5mlを加えてか
ら0.1NNaOHで逆滴定し、固定化しない酵素の活
性に対する比活性を求めたところ68%を示した。
実施例 3 イソホロンジイソシアネート3モルと分子量約700の
ポリエチレングリコール1400g、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート21モルからなる光硬化性樹脂10
部、NKエステルM−23G(分子量1000のメトキ
シポリエチレングリコールのメタクリレート、新中村化
学工業社製)5部、ベンゾインイソプロピルエーテル0
.15部と0.1Mリン酸緩衝液にとかした0.5%グ
ルコー2オキシダーゼ(カタラーゼを含む)水溶液5部
を混合攪拌すると、平均粒径80mμの安定なエマルシ
ョンが得られた。
このエマルションを白金電極に塗布し、その電極の周囲
から低圧水銀灯で5分間照射して固定化電極を作成した
対極として鉛電極を用い、0.1%グルコース溶液に固
定化酵素電極と対極を浸漬して電気的測定をおこなった
ところ、グルコースによる電極の応答がみられた。
実施例 4 メタクリル酸n−ブチル126部、カージュラ−E(シ
ェル社製モノエポキシ化合物)のメタクリル酸エステル
75部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル60部、アク
リル酸39部から成る分散安定剤(A)75部とイソプ
ロピルアルコール425部の混合物をイソプロピルアル
コールの環流下に保ち、アクリロニトリル61部、スチ
レン61部、メタクリル酸メチル32部、メタクリル酸
2−ヒドロキンエチル18部、メタクリル酸4部から成
るモノマー混合物を乳化重合させて、しかる後に、メタ
クリル酸グリシジル28部を付加させて不飽和基を導入
し、トリエチルアミン13部、水280部を加えた後、
イソプロピルアルコール334部を減圧除去して平均粒
径500mμの安定なエマルションを得た。
このエマルション10部に0.1Mリン酸緩衝液にとか
した0.1%のインベルターゼと0.5%のグルコース
オキシダーゼの複合酵素液5部、NKエステルM−9G
(分子量400のメトキシポリエチレングリコールのメ
タクリレート、新中村化学工業社製)5部、ベンゾイン
0.1部を混合し、ガーゼに約0.5mmの厚さに塗布
した。
この上から厚さ0.3mmの透明なポリエステル板をお
いてその上面5cmのところからら低圧水銀灯で3分照
射し、ポリエステル板をはがしたところ、ガーゼを基材
とする固定化酵素の膜が得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 0.01μ〜1μの粒径を有し、かつ該粒子の表面
    に少くとも2個のエチレン性不飽和結合を有する多不飽
    和縮重合体粒子の水分散液に酵素または微生物菌体を添
    加し、これに活性光線を照射することを特徴とする酵素
    または微生物菌体の固定化法。 2 多不飽和縮重合体粒子の大きさが50mμ〜600
    mμである特許請求の範囲第1項記載の酵素または微生
    物菌体の固定化法。 3 多不飽和縮重合体粒子が、酸価40未満で、数平均
    分子量が約1000以上の不飽和ポリエステルである特
    許請求の範囲第1または第2項記載の酵素または微生物
    菌体の固定化法。 4 多不飽和縮重合体粒子が、酸価60以下で、不飽和
    度0.5〜3.0、数平均分子量300以上の不飽和ア
    クリル樹脂である特許請求の範囲第1または第2項記載
    の酵素または微生物菌体の固定化法。 5 多不飽和縮重合体粒子が、親水性有機液体中で、該
    有機液体に可溶な分散安定剤の存在下でエチレン性不飽
    和化合物を乳化重合して得られる分散液中の重合体また
    は分散安定剤にエチレン性不飽和基を導入したのち、該
    分散液に水を添加するかまたは親水性有機液体の一部ま
    たは全部を水で置換して得られる特許請求の範囲第1ま
    たは第2項記載の酵素または微生物菌体の固定化法。 6 多不飽和縮重合体粒子が、酸価40未満の下飽和エ
    ポキシド類、アニオン性不飽和アクリル樹脂、カチオン
    性不飽和アクリル樹脂、ポリエチレングリコールと(メ
    タ)アクリル酸とのポリエステル、不飽和ウレタン化付
    加物類などから選ばれたものである特許請求の範囲第1
    または第2項記載の酵素または微生物菌体の固定化法。 7 固定させる酵素がウレアーゼ、グルコースオキシダ
    ーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、カ
    タラーゼ、インベルターゼ、グルコースオキシダーゼカ
    タラーゼ、ラクターゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、α
    −ガラクトシダーゼ、アミノアシラーゼ、アスパルター
    ゼ、ペニシリンアシダーゼ、ペニシリナーゼなどであり
    、微生物菌体の例としてはラクトバチルス・ブルガリス
    アエロバクターアエロゲネス、バチルスズブチリス、ア
    ゾトバクタービネランデイ、プロテウス・ブルガリスな
    どである特許請求の範囲第1項記載の酵素または瓶生物
    菌体の固定化法。 8 活性光線照射を重合開始剤および光増感剤の存在下
    で行なう特許請求の範囲第1項記載の酵素または微生物
    菌体の固定化法。 9 光増感剤が、ベンゾイン、アセトインなどのα−カ
    ルボニルアルコール類;ベンゾインメチルエーテル、ベ
    ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
    テル、アニソインエチルエーテル、ピバロインエチルエ
    ーテルなどのアシロインエーテル類;α−メチルベンゾ
    イン、α−メトキシベンゾインなどのα−置換アシロイ
    ン類;ナフトール、ヒドロキシアントラセンなどの多環
    芳香族化合物類;2−シアノ−2−ブチルアゾホルムア
    ミドなどのアゾアミド化合物類;硝酸ウラニル、塩化第
    二鉄などの金属類などが好適であり、その他メルカプタ
    ン類、ジスルフイド類、ハロゲン化合物類、染料類など
    である特許請求の範囲第1または第8項記載の酵素また
    は微生物菌体の固定化法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63113950A (ja) * 1986-10-31 1988-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd タイマ−録画設定装置

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