JPS5836247Y2 - 田植機の補助苗タンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、田植機の植付装置の苗タンクに補充する予
備苗を収容するための補助苗タンクに関するものである
。

田植機の植付装置の苗タンクに装填した苗が、植付作業
中になくなった際に補充する予備苗を収容しておくため
の補助苗タンクを田植機本体に設け、この補助苗タンク
を、田植機全体の重量バランスをとるため移動可能に設
けたものが知られている。

この場合、前記補助苗タンクは、重量バランスをとるこ
とに重点がおかれ、苗タンクとの連係には配慮がなされ
ていなかろた。

この考案は、前記の事情にかんがみなされたもので、補
助苗タンクを、田植機全体の重量バランスとともに予備
苗を補充すべき苗タンクに接近させたとき、補充作業を
容易にできるように改良した田植機の補助苗タンクを提
供しようとするものである。

以下、この考案の一実施例を図面にもとづいて具体的に
説明する。

図において、符号１は田植機本体で、この本体１には、
左右一対の前輪２および後輪３が装備され、その後部に
リフト機構４を介して複数のフロート５および植付装置
６を装着している。

前記植付装置６は、本体１の左右方向に所定巾で往復動
し、本体１側に向は傾斜させ、装填するマット苗の巾（
前記往復動中でもある）と同じ巾ごとに仕切り７ａを設
けるとともに、上下端を開放した苗タンク７、この苗タ
ンク７の下端に沿って設けた前板８、および前板８に設
けた苗取出し口８ａから苗を所定量取出し圃場に植付け
ていく植付体９などからなり、前記リフト機構４を降し
たとき、前記フロート５により圃場面に支持されるよう
になっている。

また、前記本体１上には、エンジン１０が搭載され、前
記後輪３、リフト機構４、植付装置６などに動力が伝達
される。

さらに、前記エンジン１０の上側には、操縦座席１１そ
の前方に操向ハンドル１２などが設けられている。

一方、前記本体１の後輪３上方には、支持フレーム１３
上にほぼ水平な一対のレール１４が前後方向に敷設され
、その前端および後端には、ストッパー１４ａおよび係
合部としてのストッパー１４ｂが設けられている。

前記レール１４上には、ローラ１５を有する補助苗タン
ク１６が、移動可能に設けられている。

この補助苗タンク１６は前記苗タンク７とほぼ同じ幅を
有し、仕切り７ａに対応して仕切り１６ａを設けるとと
もに、前端および両側端には側縁１６ ｂを設け、後端
にはピン１７により受止体１８が回動可能に枢支されて
いる。

前記受止体１８は、第２図に示すように、ピン１７を中
心として前記補助苗タンク１６の後端上側の上側部１８
ａ後端下側の下側部１８ｂとからなり、上側部１８ａ
と補助苗タンク１６の側縁１６ｂまたは仕切り１６２間
にばね１９を張設し、常時は補助苗タンク１６の後端を
蓋するように垂直位置に保持され、補助苗タンク１６が
後方（植付装置６に接近する方向）に移動して下側部１
８ｂが前記保合部としてのストッパ１４ｂに当接したと
き後方向に水平状態に回動し、上側部１８ ａが後方に
突出して補助苗タンク１６の後端を開放するようにしで
ある。

また、前記苗タンク７は、前記リフト機構４により植付
装置６を所定位置まで揚上したとき、前記補助苗タンク
１６と連通可能になるように配設されている。

このような構成であると、作業者は、操縦座席１１に座
って田植機本体１の操縦とともに植付装置６を作動させ
て田植作業を行なう。

そして、苗タンク７内の苗がなくなったときは、本体１
の走行および植付装置６の作動を停止し、リフト機構４
により植付装置６を所定位置まで揚上し、補助苗タンク
１６に収容されている予備苗を苗タンク７内へ補充する
。

この場合、補助苗タンク１６は、田植作業中は植付装置
６とのバランス上、ローラ１５がストッパ１４ａに当接
する前方位置に置かれるが、苗補充作業の際には、植付
装置６側に移動させる。

そうすると受止体１８はその下側部１８ｂが保合部とし
てのストッパ１４ ｂに当接してばね１９に抗して後方
向に水平状態に急速に開放され、補助苗タンク１６と苗
タンク７とが連通ずるようになるが、上記開放は、補助
苗タンク１６が苗を苗タンク７へ補充する位置にほとん
ど到ったときに行われるから、この連通ずるまでの間に
おいて、補助苗タンク１６中の苗は、その姿勢を乱すよ
うなことがなく、また、受止体１８の開放は苗を受けて
いる上側部１８ ａがその下側部１８ｂを支点として苗
タンク７側の後方に回動し苗から遠ざかるようにして行
われるから、この際受止体１８が苗と当接して苗崩れを
起すようなことがなく、従って、作業者は、上記のよう
な状態のもとで、補助苗タンク１６上のマット苗を能率
よくかつ容易に苗タンク内に辷り込ませるようにして補
充することができる。

このとき、受止体１８の上側部１８ ａは、補充苗の通
路となって具合がよい。

補充作業を終って補助苗タンク１６を前方位置に戻すと
、受止体１８はばね１９の作用で垂直位置に復起し、補
助苗タンク１６の後端を蓋することになる。

なお、この実施例では、乗用型田植機について説明した
が、歩行型でも同様に実施しうるちのである。

また、補助苗タンク１６の移動操作は、操作装置を設け
て行なうようにするとよい。

以上に説明したように、この考案によれば、補助苗タン
クを、田植機本体に対し、その前後方向の重量バランス
がほぼとれた位置に配設し、かつ、補助苗タンクは、苗
タンクに対し接近または離間するように前後方向に移動
可能にすると共に、苗タンクに接近したとき、補助苗タ
ンクの後端開口部に設けた受止体が該本体側に設けた保
合部に押圧されて後方に回動して開き、補助苗タンクが
苗タンクに連通ずるようにしたので、苗タンク内の苗が
なくなりあるいは少量になって該タンク内に予備苗を補
充する必要がある場合には、補助苗タンクを、持上げて
後方に運ぶなどの手数を要することなく後方に移動して
補助苗タンクに対し離間している苗タンクに接近させる
ことができるうえ、その際補助苗タンク内の予備苗は、
該タンクが上記のように接近して苗タンクに苗を補充す
る位置にほぼ至るまで、受止体が閉っているので、その
姿勢が乱れることなく確実に保持され、また、受止体の
開放は、該タンク内の苗から遠ざかるようにして行われ
るから、その際受止体が苗に当接して苗崩れを起すよう
なことがなく、従って、補助苗タンクから苗タンクへの
予備苗の補充作業は、きわめて容易かつ能率的に、しか
も、予備苗を損傷することなく行うことができる。

また、予備苗の苗タンクへの補充後、予備苗が未だ収容
されて重量が大なる補助苗タンクを前方へ移動させるこ
とにより、重量が大なる植付装置により後部が重くなる
田植機全体の前後方向の重量バランスがほぼとられるか
ら、以後の田植作業を円滑に続行することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す田植機全体の平面
図、第２図は同側面図、第３図は要部の斜視図である。 １・・・・・・田植機本体、２・・・・・・前輪、３・
・・・・・後輪、４・・・・・・リフト機構、５・・・
・・・フロート、６・・・・・・植付装置、７・・・・
・・苗タンク、７ａ・・・・・・仕切り、８・・・・・
・前板、８ａ・・・・・・苗取出し口、９・・・・・・
植付体、１０・・・・・・エンジン、１１・・・・・・
操縦座席、１２・・・・・・操向ハンドル、１３・・・
・・・支持フレーム、１４・・・・・・レール、１４
ａ 、１４ ｂ・・・・・・ストッパ１５・・・・・・
ローラ、１６・・・・・・補助苗タンク、１６ａ・・・
・・・仕切り、１６ｂ・・・・・・側縁、１７・・・・
・・ピン、１８・・・・・・受止体、１８ ａ・・・・
・・上側部、１８ ｂ・・・・・・下側部、１９・・・
・・・ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 植付装置の苗タンクに予備苗を補充できるようにした補
   助苗タンクを、田植機本体に対し、その前後方向の重量
   バランスがほぼとれた位置に配設し、かつ、前記補助苗
   タンクは、前記苗タンクに対し接近または離間するよう
   に前後方向に移動可能にすると共に、苗タンクに接近し
   たとき、補助苗タンクの後端開口部に設けた受止体が田
   植機本体側に設けた係合部に押圧されて後方に回動して
   開き、補助苗タンクが苗タンクに連通ずるようにしたこ
   とを特徴とする田植機の補助苗タンク。