JPS5835534B2 - 発泡ポリスチレン樹脂用帯電防止塗料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は発泡ポリスチレン樹脂用帯電防止塗料に関す
る。

発泡ポリスチレン樹脂製の箱は、軽量且つ緩衝性に優ぐ
れ且つ生産性がよく安価に提供できるから、電気製品、
カメラや時計計測器具のような精密機械、工具等の運搬
箱として現在広く使用されている。

所で、これらの運搬箱は互いの接触摩擦等により表面に
静電気が発生し、空気中に浮遊しているゴミが表面に附
着することが、或いは静電気が放電して電気製品や精密
機械に内蔵されることのある精密な電気回路からなる集
積回路や大規模集積回路を破壊することが起っている。

現在、発泡ポリスチレン樹脂製品の静電気の発生を防止
する為の帯電防止塗料は開発されてなく、通常の導電性
塗料は発泡ポリスチレン樹脂製品の表面を溶かすとか或
いは表面に硬化した塗料が剥離して収容製品や手等に附
着するという欠点があった。

この発明はかかる従来の欠点を解消するために鋭意研究
した結果なしたものであり、カーボン粉末が、酢酸ビニ
ル系樹脂のアルコール溶液中に混合されていることを特
徴とする発泡ポリスチレン樹脂用帯電防止塗料を要旨と
する。

而して、この発明のカーボン粉末はファーネスブラック
、チャンネルブラック等の微細な粒子が５〜６０重量優
の範囲で均一に混合されるのが好ましい。

５重量φより少ないと帯電防止効果が得られなく、また
６０重重量上り多いと塗布層から剥離して来る。

酢酸ビニル系樹脂としては酢酸ビニルの重合物であり、
更に他の塩化ビニル、エチレン、アクリル酸エステル等
を共重合せしめたものであってもよい。

この樹脂は上記カーボン粉末を発泡ポリスチレン樹脂の
表面に固定するに役立ち、カーボン粉末の含有量よりや
や多く混入するのが好ましい。

また、アルコールとしてはメチルアルコール、エチルア
ルコール、ブチルアルコール、イソフロビルアルコール
、シクロヘキサノール等の発泡ポリスチレン樹脂を溶解
せぬ比較的揮発性の早いものが良く、カーボン粉末の均
−分散性及び塗布作業性から、５０〜９０重量舜混合さ
れるのが好ましい。

かかる組成の帯電防止塗料は発泡ポリスチレン樹脂製の
箱、容器、シート、フィルム、棒の表面或いは内面に刷
毛塗り、浸漬、スプレーロール等を用いて適宜塗布され
た後、乾燥せしめて、帯電防止効果のある０、０１〜０
．５ ｍｍの塗布層が形成される。

この発明は、以上の通り構成されており、カーボン粉末
を混入した酢酸ビニル系樹脂のアルコール溶液は発泡ポ
リスチレン樹脂の表面に対する塗布作業が能率よく行う
ことが出来、またアルコールは、酢酸ビニル系樹脂を溶
解するが発泡ポリスチレン樹脂製品の表面を溶解して傷
めることはなく、蒸発が早いので硬化した塗布層の形成
が早い。

また、発泡ポリスチレン樹脂製品の表面に、酢酸ビニル
系樹脂と共にカーボン粉末は塗布層として強固に耐着さ
れ、この塗布層及びカーボン粉末は剥離せず、収容製品
等を汚すことがない。

この様に、この発明の帯電防止塗料により形成された塗
布層を内面に持つ発泡ポリスチレン樹脂製箱は静電気が
発生して放電することがなく、集積回路等を内蔵した製
品を収容して保管、運搬するのに最適である。

実施例 図面に示すような肉厚１５ｙｒｔｍ、 ［５００ｍｍ、
横３００ｍｍ及び高さ１００ｍ７１！の４０倍発発泡発
泡ポリスチレン樹脂製箱１の内面に次の組成の帯電防止
塗料２を塗布した。

カーボン粉末 １０重量多ポリ酢酸ビニ
ル樹脂 １５重量係メタノール
７５重重量上記塗料を刷毛塗りし、メタノールが蒸
発して１０分経過後にほぼ塗布厚２は硬化しその厚みは
約０．１ ｍｙｒｔであった。

この箱内に集積回路を内蔵した時計部品を１０個収容し
て、長距離運送したが、この時計部品は故障することは
なかった。

また、この箱の内面を発泡ポリスチレン樹脂片、ポリエ
チレン樹脂片で接触摩擦しても静電気が発生しない。

一方比較のため、前記塗料を塗布してない発泡ポリスチ
レン樹脂箱の内面を同様に発泡ポリスチレン樹脂片、ポ
リエチレン樹脂片で接触摩擦するとそれぞれ約５ＫＶの
静電気が発生していた。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の帯電防止塗料を塗布した発泡ポリスチ
レン樹脂製箱の断面図である。 １・・・・・・発泡ポリスチレン樹脂製箱、２・・・・
・・帯電防止塗布層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カーボン粉末が、酢酸ビニル系樹脂のアルコール溶
   液中に混合されていることを特徴とする発泡ポリスチレ
   ン樹脂用帯電防止塗料。